救急一直線 特別ブログ Happy保存の法則 ー United in the World for Us ー

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お知らせ 世界敗血症デー 2024 KYOTO

2024年07月01日 23時15分30秒 | お知らせ 講演会・セミナー

世界敗血症デー  

World Sepsis Day  2024  KYOTO  

9月8日(日)15時〜 京都駅4F広場 御参加ください

 

Global Sepsis Alliance 理事

WSD Kyoto 2024 プロデューサー

松田直之

専門領域:救急診療,集中治療,麻酔科学,感染症学,薬理学

 

会場:京都駅 室町小路広場(京都駅 4F 階段広場) 2024年9月8日(日)開催 

2024年4月より,「5疾病6事業」が厚生労働省の第8次医療計画として開始されました。これまでの2024年3月までも,第7次医療計画として,適切に管理するべき「5疾病」,つまり 1)がん,2)脳卒中,3)急性心筋梗塞,4)糖尿病,5)精神疾患,この診断と治療を充実させていくことが目標とされていました。一方,医療事業としては,私の専門領域である「救急医療」は極めて重要な役割を担っています。1)救急医療,2)災害医療,3)へき地診療(tele-medicineの応用の可能性),4)周産期医療,5)小児医療(小児救急医療を含む)が,2024年3月までの第7次医療計画における5事業でした。これらに加えて,2024年4月より,6)新興感染症等の感染拡大時における医療が,6事業目の事業として加わりました。2030年に向けた,より充実した人材育成,仕組み形成,そして管理指針が「救急医療」に期待されます。

 救急外来には,多くの感染症患者さんが救急車で搬入されてきます。この特徴は,1)緊急性回避,2)分散搬送です。緊急性回避は,死に直結する緊急事態ではない状態にして改善させてしまうことです。分散搬送は,緊急性のある複数の患者さんを救命救急センターに分散して搬送し,1ヶ所に抱え込ませないようにする仕組みです。このような救急搬送の中には,がんの急性増悪として感染症が関与している場合もあります。また,がん組織からの出血性ショックやがんの脳転移もあります。一方で,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の際のように,基礎疾患(1st stage)としての糖尿病は,感染症に罹患した後に敗血症として重篤化しやすく,微小敗血症(セミ・サイトカインストーム)などとしてさらに臓器障害を進行させてしまうことに注意が必要です。どうして,病気って悪くなるんですか?? 5疾病として挙げられた1)がん,2)脳卒中,3)急性心筋梗塞,4)糖尿病,5)精神疾患,そして4つの事業である災害医療,へき地医療,周産期医療,小児医療の全てにおいて,「救急医療」と「感染管理事業」は根底から深く関与します。そして2030年に向けて,本邦における救命救急センターにおける「骨折診療」は,高齢者のより良い日常を考える「第7の重要な事業ポイント」となることでしょう

 「Acute on Chronic」と私たちは呼んでいます。急に悪くなる「急変」,「慢性的疾患(生命の緊急性のない状態)の急性増悪」にも丁寧に対応するのが「救急医療」であり,この学問が「救急医学」です。ここに,感染症,出血,脳卒中,心不全,そして消化管機能不全などが複合的要因として関与してきます。何かある時に,これまでの慢性的状態がセカンドアタックを受け,これまでの病気が増悪という形で,「新たな病気の表現型」が作られていきます。

 敗血症,これは感染症における「臓器障害の進展」という致命的かつ重篤な表現型です。あきらめめますか? 敗血症は,微生物の繁殖過程での感染症として,心機能,血管機能,腎機能,脳などのすべての臓器の機能が低下していく病的状態(病態)です。現在,多くの医師が,敗血症の治療に当たるようになりました。私たちは,「敗血症」という言葉を用いて,本邦では「5疾病6事業」をより良く成功させようとしています。一方,私の所属するGlobal Sepsis Alliance(GSA)は,世界の感染症および敗血症の専門家により2010年に結成され,発展途上国を含めて,世界各国で「敗血症」という病名と病態の認知を高め,感染症による「防ぐことのできる死亡」や,感染症の合併による「あれよあれよ」,すなわち「急変」を防ごうとしています。GSAは2012年より,9月13日を世界敗血症デー(World Sepsis Day:WSD)と定め,私も血症の救命活動を国内外で展開して参りました。本年も,2024年9月13日の世界敗血症デー(WSD)が開催されます。本年も,世界敗血症デーに向けて,各国の活動が広く期待されています。

 Global Sepsis Alliance(GSA)として,世界敗血症デー 9/13,日本での活動として「世界敗血症デー2024 KYOTO」を企画しました。京都駅は,1日に約 35万人の通行があります。この京都駅を用いた「世界敗血症デー2024 KYOTO」を,2024年9月8日(日)に,京都駅室町小路広場で開催します。また,2024年においても,さまざまな企業や個々の皆さま,GSAおよび世界保健機関World Health Organisation:WHO)と連携し,救急医療の発展に尽力してまいります。「世界敗血症デー2024 KYOTO」,皆さまのご支援とご参集を,心よりお待ち申し上げます。

 

内 容

1.世界敗血症デー2024 KYOTO

 2024年9月8日(日) 15:00-20:00  

 

 1)セプシス講演 ライブ in KYOTO

   レクチャーライブ 10 YouYube配信 Naoyuki Matsuda MD, PhD

   講 演:松田直之

   ゲスト:尾身 茂 先生,神原颯大 先生

 

 2)オペラ 北里柴三郎 物語「ドンネルの夢」 抜粋版 18:30-19:30(予定)

 

2.CBCラジオ きくラジオ 12:30~12:59

 

 熱中症スペシャル 2024年7月8日(月)〜7月12日(金) 

 きくラジオ パーソナリティ:松田直之/渡辺美香

 概要

 1)熱中症(7/08):気をつける時期と症状

 2)重症度(7/09):労作性熱中症と非労作性熱中症

 3)予 防(7/10):水分と塩分の補給

 4)複合性(7/11):熱中症と感染症の生体コラボレーション

 5)総復習(7/12):熱中症「1897年 森 鴎外と小池正直の時代からのタイムスリップ」

 

 感染症スペシャル「北里柴三郎と感染症」2024年7月15日(月)〜7月19日(金) 

 きくラジオ パーソナリティ:松田直之/渡辺美香

 概要

 1)コッホの4原則(7/15):北里柴三郎先生とコッホ先生の功績

 2)嫌気性培養(7/16):破傷風と救急医療

 3)ペストに関するエピソード(7/17):ノミとダニへの注意事項

 4)人食いバクテリア(7/18):劇症型溶血性連鎖球菌:診断と治療

 5)夏風邪の原因を知ろう(7/19):コロナはまだ消えていません

 

敗血症スペシャル「世界敗血症デー WSD 2024」2024年09月09日(月)〜09月13日(金)

きくラジオ パーソナリティ:松田直之/渡辺美香 (予定)

 概要(予定)

 1)Stop Sepsis(9/09):敗血症を知りましょう

 2)感染症対策(9/10):厚生労働省第8次医療計画・WHO/GSAとの連携

 3)セカンドアタック理論(9/11):敗血症の早期発見

 4)敗血症治療(9/12):敗血症に対する救急医療の役割

 5)世界敗血症デー9/13(9/13):総復習「敗血症」: Stop Sepsis, Save Lives

 

3.その他:企画中

 

 参考書籍 

 書籍紹介

 敗血症-感染症と臓器障害への対応 

中山書店 救急・集中治療アドバンス
専門編集:松田直之(Global Sepsis Alliance
 
 
 
 重症感染症のすべて 
総合医学社 救急・集中治療
特別編集:松田直之(Global Sepsis Alliance
 

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