まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

スベってナンボ

2009-12-19 14:24:53 | ドライブ人生論
このところ雪の話題ばかりですが、
久しぶりに福島市内に積もった雪がとけてしまわないうちに、もうひとつだけ。
昨日、タイヤもスタッドレスに交換してあるし、冬の対策は万全だと書きましたが、
それを書き終えて家に帰る雪道の話です。
国道4号は、往生際の悪い負け組の人たちのせいで大渋滞するのではないかと予想して、
最初から迂回路を選びました。
114号線を使うルートです。
片側1車線道路ですが、道は整備されているし、クルマの絶対量が少ないので、
渋滞の心配はありませんし、万一スリップしても事故になる確率は低いと思われます。

道が凍結してしまう前にと思って、夕方の6時前には帰途につきましたが、
時すでに遅く、昼に積もった雪が一度とけて、再凍結を始めているという、
最悪のロード・コンディションです。
パッと見、道に雪はないように見えるけれども、
実はスケート・リンクのようにツルツルになっているところや、
シャーベット状になっていてタイヤが空回りしてしまうところなど難関だらけです。
いっそのこと何10センチも積もってくれていれば、
むしろスタッドレスタイヤの真価を発揮できるのですが、
この状態ではいくらスタッドレスでもスリップは免れません。

とはいえ福島市内の雪道というのは、基本的にこんなもんですから、
15年もここで運転していると、もう慣れたもんです。
福島に来て何年めかで体得した極意は、「スキーといっしょ」 ということでした。
スキーの初心者は極度に滑ることを恐れるのですが、
滑らないことにはスキーになりません。
つまり、スキーというのは雪で滑ることをいかにコントロールするかというスポーツなのです。
雪道ドライブの場合、もちろん滑らないに越したことはないのですが、
昨日のような道路状況では滑ることは必至です。
特に私のように、車体が重たいFR (後輪駆動) のクルマに乗っていると、
一度も滑らずに帰り着くなんていうことは至難の業です。
実際、昨日も何度スリップしたりタイヤが空転したか数え切れないほどでした。

滑らないように滑らないようにと思って運転していて滑ったら、
たぶんパニックに陥るだろうと思いますが (福島初心者の頃はそうでした)、
滑ることを前提にして走っていれば、スキーといっしょです。
滑りながら前に進めればいいと思えばいいのです。
そう考えると、クルマの場合は4輪ですから、滑っても転ぶ心配はありません。
雪道を歩いていたり、スキーをしていて失敗すると転倒してしまいますが、
クルマの場合は、よっぽどスピードを出していてコースアウトしてしまったとか、
なにかに激突して横転してしまうとかいうことがないかぎり、
ちょっとぐらい滑っても転ばずに走り続けられるのです。
というわけで、コントロールできる範囲内で滑りながら進んでいこうと覚悟を決めれば、
福島の最悪の雪道もなんとか克服できるのです。
雪道はスベってナンボ、なのです。

そのためにも、歩行者や対向車のできるだけ少ない道を選択するというのは重要です。
スピンしてしまうほどスピードを出すつもりは毛頭ありませんが、
歩行者や自転車が行き交う道だと、ほんのちょっとスリップしても、
対人事故へと発展してしまう可能性がつきまといます。
また対向車を運転しているのが賢いドライバーばかりとは限りませんから、
ちょっと滑って対向車線にはみ出してしまった場合、大事故にならないとも限りません。
歩道がきちんと確保され、路肩や中央分離帯などに十分な余裕があって、
かつ交通量が少ない道を日頃から開拓しておく必要があるでしょう。
昨日はそういう道を選んで、ツルツル滑りながら久しぶりのスキー・ドライブを楽しみました。

市街が近づいてきて片側2車線になったあたりで、前方に異変が。
クルマがつまって軽く渋滞が始まりかけていたので、
どうしたんだろうと目を凝らして見てみると、
2車線を塞ぐように斜め向きに止まっているクルマが一台います。
事故ったのかなと思って見ているとバックし始めて、こちら側向きに体勢を整えました。
つまり、ヘッドライトがこちらを照らしている感じです。
その場所で切り返しをするのはムリと判断したらしく、
そのままゆっくりバックして行きました。
どこか歩道が途切れるあたりまでそのままバックしていくつもりなのでしょう。
脇を通り抜けるときチラッと見てみましたが、特にクルマに傷はついていないようでした。
おそらく車線変更か何かのときにスピンしてしまったのでしょう。
スピンするほどスピードを出してしまったのは失敗でしたが、
このすいている道を走っていたおかげで、
他のクルマや歩行者を巻き込む大惨事にならずにすんだのは幸いでした。
危険がいっぱいの条件下では、何重ものリスク・マネジメントを施しておくことが必要だ、
という教訓を目の当たりにした、今シーズン初のスキー・ドライブでした。