『アステカ王国』~文明の死と再生~
セルジュ・グリンスキ 著 落合一泰 監修
創元社 (知の再発見双書19)
¥1400+税
奇妙な絵が多い本で、アステカ王国での生活や、王国崩壊後スペイン風化したメキシコまで、わかり易く描写してある。
資料編で、人身御供についてジャック・スーステルがいうには、
「古代メキシコ人の精神世界を支配し、彼らの人やものの見方を特徴づけていたのは、太陽の運行や季節の交替などの全宇宙の仕組みが、ある種の生命エネルギーを補給することなしには維持されえない、という考え方であった。そして、宇宙の存続に不可欠なこの生命エネルギーは、チャルチウアトル(貴重な水)、すなわち人間の血に含まれている、と考えられていた…」
生き物である太陽は、すでに4回死んでいる(伝説)。
「滅亡間近の世界にとって、曙の光は、再び太陽が天に昇るという奇跡を意味していたのである。ただし、そのためには、戦士と神官が太陽にトラスカルティリストリ(食物)、すなわち生贄の血と心臓を捧げなければならなかった…」
そのため、太陽の民であるアステカ族は戦争を仕掛け、大量の捕虜を獲得しなければならなかった。
アステカの軍人は死の意味を彼らなりに納得していたようだし、民間人も生まれてきたときから「あなたは生贄になるために生まれてきたのよ」と母親から子守唄のように言い聞かされていたようだ。
だから生贄台に転がされても、納得して死んだのだろう(…暴れたか?)
普通の死に方でなく生贄で死ねば、死後の世界は素晴らしいと信じられていた。
磔で喜死したキリシタンに似ているか。
むしろ、神のために死ぬイスラム戦士かな。
死に方は生き方。
癌とかになって、病院のベッドの上で医者に処理されても、果たして納得して死ねるだろうか。
セルジュ・グリンスキ 著 落合一泰 監修
創元社 (知の再発見双書19)
¥1400+税
奇妙な絵が多い本で、アステカ王国での生活や、王国崩壊後スペイン風化したメキシコまで、わかり易く描写してある。
資料編で、人身御供についてジャック・スーステルがいうには、
「古代メキシコ人の精神世界を支配し、彼らの人やものの見方を特徴づけていたのは、太陽の運行や季節の交替などの全宇宙の仕組みが、ある種の生命エネルギーを補給することなしには維持されえない、という考え方であった。そして、宇宙の存続に不可欠なこの生命エネルギーは、チャルチウアトル(貴重な水)、すなわち人間の血に含まれている、と考えられていた…」
生き物である太陽は、すでに4回死んでいる(伝説)。
「滅亡間近の世界にとって、曙の光は、再び太陽が天に昇るという奇跡を意味していたのである。ただし、そのためには、戦士と神官が太陽にトラスカルティリストリ(食物)、すなわち生贄の血と心臓を捧げなければならなかった…」
そのため、太陽の民であるアステカ族は戦争を仕掛け、大量の捕虜を獲得しなければならなかった。
アステカの軍人は死の意味を彼らなりに納得していたようだし、民間人も生まれてきたときから「あなたは生贄になるために生まれてきたのよ」と母親から子守唄のように言い聞かされていたようだ。
だから生贄台に転がされても、納得して死んだのだろう(…暴れたか?)
普通の死に方でなく生贄で死ねば、死後の世界は素晴らしいと信じられていた。
磔で喜死したキリシタンに似ているか。
むしろ、神のために死ぬイスラム戦士かな。
死に方は生き方。
癌とかになって、病院のベッドの上で医者に処理されても、果たして納得して死ねるだろうか。
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