インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

絶望者が読むべき一冊?

2008-06-12 16:30:17 | 映画や小説、テレビなど
「長平は、この島に来てから一年たったのか、と胸の中でつぶやいた。その間、沖に船影が現れたことはなく、帰国できる望みは薄い。かれらに残された方法は、神仏に祈ることだけであった…」

『漂流』を読んで、いろいろ考えさせられる。沖縄の離島ならともかく、何も持たずに鳥島なんかに漂流してしまったら、生きて行かれるものか? 

「砂漠よりましだわい」と楽天的でいられる場合ではない。

シーズンなら、アホウドリを捕まえて、何とか凌ぐかもしれない(アホウドリとは失礼な…)。

雨水を巨大な卵の殻で蓄え、鶏肉を干物にして保存し、貝類を拾って食べる…(野菜類がない!)、これだけでは人間の体は…

 ろくな住処も服もないので(羽毛で作ったらしい)、ちょっと体調が狂ったらあの世行きである。

 それを考えれば、どんなド貧乏でも、現代日本は相当恵まれている。

「金がなくてもパラダイスだ!」

 一銭もなくても、公園で水は飲めるし、器など使える品物はそこらじゅうに転がっている。気候にも恵まれているから、テント暮らしでなんとかなりそう。

「住所はどこだ! 税金を払え! 他人の土地に勝手に入るな!」

 全てが商品化され、値段がついている。
 経済活動から外れたことをしていれば、社会の秩序が乱れてしまう。

「ルールに従って生きなさい!」(アリンコ労働者党)
「申し訳ありません。全てお金を出して買います(そのために稼ぎます)」
 

 好き勝手な生き方をしたら、この島(日本)では生きて行けないのだ


 

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