雅太は寝る前に、何か書き込もうとパソコンを立ち上げた。サウナの後で眠気に襲われている雅太だったが、今、この瞬間を逃せば、いつブログを書くか予想もつかぬ。とりあえず、今、横溝正史『獄門島』を読み返していたので、それについて言及しておくべきか。これは日本のミステリィ史上一番面白いと喧伝された小説で、 雅太も学生時代、寮のベッドの上で読んだ記憶がある。戦後間もない瀬戸内海の孤島を舞台にした、意外性のある推理小説で、確かに横溝の中では上位にランクするだろう。ただ横溝シリーズを8割方?読破した雅太であるが、ベストは『悪魔が来りて…』のように思われたが、ミステリー大賞にでも出そうかなぁ、と目論む雅太は、参考資料として、当時とは全く違った読み方をしていたわけである。もちろん、犯人は分かっているし、犯人が誰かを探るミステリィにもあまり興味はない。
ただこの小説は、金田一耕助という探偵の視点を中心として、孤島やら田舎やらの独特な世界観・人間関係を見つめているわけであって、その意味では「文学」であろう。読者に「謎」という餌をばらまき、最後まで読書させるわけである。謎さえあれば別に殺人事件でなくともよいような気もするが、「人が死んだ」というのは重みがあるので、「一体なぜ?」「誰がどのように?」と食いついてくるわけである。
雅太は田舎の実家やら、都会のアパート暮らしやら、職場やらを題材にすれば、何かしら物語ができないでもないような気もしてくる。実際に 雅太のアパートに住んでいる住人は得体がしれぬ怪しいのが多く、「一体何の仕事をして、今どこにいて…」というのが分からぬ輩も多い。 雅太自身がそうかもしれぬが。彼は実家に一泊してきたのであるが、階下の住民からすれば、謎には違いない。
視点自身が謎なのである。金田一耕助が、一体何で獄門島に来たのか? 一体何で来た途端に殺人事件が始まるのか? 金田一耕助=疫病神であるが、次々に謎を解いていくわけである。もちろん、怪しげな犯人候補が、何人もうじゃうじゃ島にいるわけである。
雅太は、昔熱中した小説自体が、設定自体が、良く考えてみると非現実的で無理があるような気もしてきた。読者も承知でその世界に入っていくわけであるが、犯人を特定することで自己満足を得たいわけである。読者自身の推理力、頭が良いことの証として。その意味では雅太には、文学とパズルがミックスされているのだと思われた。
雅太は今、「横溝正史ミステリィ大賞」なるものに応募してみようかと思いつつ、400万円という賞金があるからハイレベルな原稿が集まってくるには違いないと思うのであった。
ただこの小説は、金田一耕助という探偵の視点を中心として、孤島やら田舎やらの独特な世界観・人間関係を見つめているわけであって、その意味では「文学」であろう。読者に「謎」という餌をばらまき、最後まで読書させるわけである。謎さえあれば別に殺人事件でなくともよいような気もするが、「人が死んだ」というのは重みがあるので、「一体なぜ?」「誰がどのように?」と食いついてくるわけである。
雅太は田舎の実家やら、都会のアパート暮らしやら、職場やらを題材にすれば、何かしら物語ができないでもないような気もしてくる。実際に 雅太のアパートに住んでいる住人は得体がしれぬ怪しいのが多く、「一体何の仕事をして、今どこにいて…」というのが分からぬ輩も多い。 雅太自身がそうかもしれぬが。彼は実家に一泊してきたのであるが、階下の住民からすれば、謎には違いない。
視点自身が謎なのである。金田一耕助が、一体何で獄門島に来たのか? 一体何で来た途端に殺人事件が始まるのか? 金田一耕助=疫病神であるが、次々に謎を解いていくわけである。もちろん、怪しげな犯人候補が、何人もうじゃうじゃ島にいるわけである。
雅太は、昔熱中した小説自体が、設定自体が、良く考えてみると非現実的で無理があるような気もしてきた。読者も承知でその世界に入っていくわけであるが、犯人を特定することで自己満足を得たいわけである。読者自身の推理力、頭が良いことの証として。その意味では雅太には、文学とパズルがミックスされているのだと思われた。
雅太は今、「横溝正史ミステリィ大賞」なるものに応募してみようかと思いつつ、400万円という賞金があるからハイレベルな原稿が集まってくるには違いないと思うのであった。