雑踏の中に響き渡るブラスアンサンブルの調べはとても新鮮だった。JR札幌駅西口のモニュメント「妙夢」の前にPMFアカデミー生の若者たちが金管楽器を手に現れ、多くの人が行き交う中、高らかにクラシックの調べを奏でた。
7月24日(月)午後、札幌駅西口のコンコースのモニュメント「妙夢」の前において午後3時からPMFアカデミー生によるブラスアンサンブルのコンサートがあった。名付けて「JR TOWER MYOMU CONCERT」。
※ JR札幌駅西口に立つモニュメント「妙夢」の前でも多くの人が聴いていました。
編成は、トランペット4本、ホルン2本、トロンボーン2本、それにバス・トロンボーン、チューバを加えた10人によるアンサンブルだった。
演奏された曲目は次の通り…、
◆シャイト/コルネットのカンツォーネ
◆ヘンデル/オラトリオ「メサイア」から「ハレルヤ」
◆モーツァルト/歌劇「魔笛」から「夜の女王」
◆ヴェルディ/歌劇「アイーダ」から「凱旋行進曲」
◆ドナルドソン/メイキン・ウービー
◆レイ・バーカー・ジュニア/ゴーストバスターズのテーマ
ラインナップとしては、多くの人々が行き交うコンコースでのコンサートということを意識してだろうか?聞き覚えのある曲目も挿入されたラインナップだった。
コンサートは立ち止まってじっくりと聴こうとする人たちも多かったが、その脇を忙しそうに行き交う人たちも目立つ中喧騒の中で始まった。しかし、金管楽器はその喧騒も何のその、その喧騒を突き破るかのように高々と鳴り渡った。
この光景は私にとって新鮮だった。コンコースでコンサートが行われるのは最初ではないだろうと思われるが、普通クラシックコンサートの場合は静かな室内で行われることが多いが、今回のようにいわば雑踏の中でクラシックが奏でられるということはかなり珍しいことではないのか、と思われるからだ。
忙しそうに行き交う人たちの中にも「えっ!?」という驚きの表情を見せながら通り過ぎる人もいたようだ。
弦楽器の場合はなかなかこのようには行かないかもしれないが、その点管楽器は多少の雑音をはねのけて聴かせるだけの音量があるので、こうしたコンサートも可能ということである。今後もこうした新しい試みをしていただきたいなぁ、と思った「JR TOWER MYOMU CONCERT」だった。
札幌でも、そうした嬉しいハプニング的なパフォーマンスが増えると嬉しいですね。
ただ日本の街なかは、「お気をつけてお歩きください」だの「エスカレータは歩かずにお乗りになれ」だの無粋で無意味で騒々しいだけで無味乾燥なアナウンスが猖獗しているのが困りものですが……。
ヨーロッパの人たちにとって、クラシックは日本人よりはより身近な音楽として受け入れられているという素地があるかもしれませんね。そういう意味では、日本においてももう少し時間が経ち、人々がクラシックを抵抗なく受け入れるような素地ができれば、そうした光景も日常的となるかもしれませんね。もう少し時間が必要ということでしようかねぇ…?