田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 45 ブッタ ~赤い砂漠よ!美しく~

2011-05-01 21:42:39 | 映画観賞・感想

 試写会を終え「えーっ、これで正規の入場料を払って観るのは辛いなぁ…」というのが、私の偽らざる感想だった。漫画家・手塚治虫氏が描いた原作は評判が高いと聞くが、映画ははたして原作の魅力を描ききれたのだろうか?

        

 試写会は私たちのようなシニア層には当選確率が低いという私の思い込みがあり、あまり応募することはないのだが、友人の誘いもあり応募したところ招待券が舞い込んだ。
 HBCの主催による映画(アニメ)「ブッタ」~赤い砂漠よ!美しく~の試写会が4月27日(水)道新ホールであった。

 私はそれほど映画を鋭く批評できる力もないし、まして試写会で招待された場合には辛口の批評は控えるようにしている。
 しかし、今回の映画についてはどうしても辛口にならざるをえなくなった。
 その訳は…。

 ストーリーが弱いと思った。
 舞台は2500年前、現在のインドに多数の王国が乱立し争いが絶えなかった。その中に世界の王になると予言された男の子が誕生した。シャカ国の王子ゴータマ・シッダールタ(後のブッダ)である。
 そのゴータマが国を支配する厳しい階級社会に疑問を抱き、家族、身分、富の全てを捨て悟りの道に入るという内容である。

 私は当然ゴータマが仏門に入ることを決意するまでの迷いや逡巡、苦悩が全編を通じて描かれていると思った。そこの描き方が決定的に弱いと思った。
 私はゴータマ一人を中心に描けばと思ったのだが、映画ではゴータマのシャカ国に対抗するコーサラ国のことを描くことにもかなり割いていたのだが、その必然性をあまり感じなかった。
 仏教を開祖したとされるブッダである。求道者として生きようと決心するまでのゴータマの心の迷いや苦悩を深く知りたいと思ったのだが…。

 映画を観終わって会場を後にするとき、手塚治虫の原作を読んだという友人が「原作はもっと違った描き方をしているんだけど…」と話していた。
 映画は制作者の意図によってどのようにでも編集できるものである。それだけに制作者には映画を創る醍醐味があるのだろう。しかし、それだけに(と言葉を敢えて重ねる)制作者の責任も大きい。

 私の感想はかなり辛口のものとなったが、はたして他の方々にはどう映ったのだろうか?
 私の批評をさらに批評してくれたらとも思う。
 映画は5月28日(土)から全国ロードショーが始まるという。



最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Re:田舎おじさま !? (田舎おじさん)
2011-05-20 00:07:40
 再度のコメントありがとうございます。
 「田舎おじさま!?」について説明します。
 実は1年前まで、私のブログは「田舎おじさん札幌を見る!観る!視る!」としていました。札幌人でない私が田舎から札幌に出てきて札幌を見て、観て、視て、レポートするというコンセプトでした。しかし
札幌在住も4年を経過しいつまでも田舎おじさんでもないだろうとの思いから、もう恐れるものは何もないという心境から実名を公表して今のようなブログタイトル名になりました。その名残としてHNはいまだに「田舎おじさん」を使用しているというわけです。
 
 りなさんの周囲の方にも同じような感想を抱かれたということは、私の感想もまんざらではなかったのかなと意を強くしています。
 他の方からのコメントで、好評であれば続編も考えているらしいとの情報もありましたが、違う意味でプロデューサーには捲土重来を期して再挑戦してもらいたいとも思います。

 りなさんは東京人とのこと。実は私が現在交際している方々は全国をまたにかけて活躍されたサラリーマンが終の棲家を札幌に定めた方とお付き合いしています。
 私自身は道産子なんですけれど、私などが気付かない北海道の良さみたいものがあるんですね。そのあたりをもっともっと気付いていきたいと思いながら、コメントを拝見しました。
 ありがとうございます。
 
返信する
田舎おじさま !? (りな)
2011-05-19 00:50:18
コメントの反映:恐縮です
試写会ということもあり公開される前にマイナスな書き込みは心苦しかったのですが思い切って正直に書かせてもらった事、後悔してません
・・・てのも、、、既に試写会行った人に、どうだった?って尋ねた所(数名)なんと皆が同意見だったのには驚きましたし、ここに書かせて頂いた事で少し気持ちが穏やかになった事も事実です。私も映画に詳しい人ではないけれど聞いてみた周囲はかなりの映画好き。
ハードバイオレンスもOKな友人でさえ気分悪
かったようですよ。声優人が豪華だっただけに悔やまれる残念だったみたい。私としては…
ここにたどり着けた事が何よりの救いでした^^;
ありがとうございます!
私は東京に住んでいます。
初めて北海道に行ったのが6月の新緑の季節で梅雨のない緑が元気な北海道に感動したのは言うまでもありません。
その後も秋や冬やと何度か北海道に足を運ぶチャンスに恵まれましたが、どの季節も本当にステキ!変な映画より北海道の光を浴びたい~!!
返信する
Re:同感・・・(ため息) (田舎おじさん)
2011-05-18 19:26:45
 りなさん、思いきってのコメントありがとうございました。
 私も本文でも記したように試写会で見せていただいた映画の酷評は避けたいと思っていたのですが、どうしても自分に嘘をつくことができずにあのようにアップしてしまいました。
 同じような感想を抱いた方がいらっしやったことで、私の感じ方がそう間違ったものではなかったのだと意を強くしました。(もちろんそうでない方もいらっしゃるとは思いますが…)
 偉そうなことを言えるほど映画を見ているわけではありませんが、映画は私にとって最高のエンターテイメントだと思っていますので、これからも一本でも多くの素晴らしい映画に出会いたいと思いつつ映画館に向かいたいと思います。

 りなさんはどこにお住まいなのでしょうね?
 おっしゃるようにこれからの北海道は一年中でも最も爽やかな季節を迎えます。もうこの季節の到来を私はワクワクしながら待っていました。
 今日も友人と札幌の郊外を10kmほどウォーキングしてきましたが、最高の気分でした。
 6月の北海道へぜひいらっしゃい!
 
返信する
同感・・・(ため息) (りな)
2011-05-17 21:53:52
こんなに後味の良くないアニメーションムービーは初めてでした。残念!
原作の漫画も読んだし、手塚さんの作品はスキだったのですが、正直コレはうんざりです。
悪い気分のコメントを発するのは私の意にもはんするのでこの映画の事は忘れようと思いながら帰路についたのですが、どうしても他の方の感想をみたくてネットで此処にたどり着き思い切ってのコメントです。
小百合さんも大好きな日本を代表する女優さんなのにこれをさげて被災地に行かれるのは残念で仕方ありません。
年配の女性も多くいらっしゃいましたが、こんな残虐なシーンばかりのアニメは子供たちにも見せられない内容で、奥深い意味を探るにも、
気持ちがめいるような時間でした。
早く違う映画でくすぶったオーラを洗い流したい気分です。営業妨害になったらいけないとは思うのでコメント反映されなくても良いですが私みたいな映画好きも居ることを解っていただきたくあえてコメントさせていただきました。
映画に何を求めるのか(アニメでも実写でも)人それぞれかと思いますが、大切な事を伝えたいアピールしたいと思う要素は弱すぎて、ただただ悲しいマイナス余韻だけが残り仏陀本来の綺麗な光を逆に全部抜かれてしまったような気分なので、早く頭を切り替えて、綺麗な光を取り戻したいです。
ちなみに、北海道はこれから素晴らしい新緑の季節ですね。初夏の北海道は大好きです^0^

返信する
Re:同感です (田舎おじさん)
2011-05-04 20:32:58
 たつのすけさん、コメントありがとうございます。
 自分の映画観にそれほど自信を持てていない自分としては「同感です」というコメントをいただき、嬉しく思うと同時に少しだけ自信を持ってもいいのかな、と思っちゃいます。
 たつのすけさんがおっしゃるように豪華声優
陣を揃えながら少しもったいないとさえ思いました。
 続編?ちょっと無理なのでは?
返信する
同感です。 (たつのすけ)
2011-05-04 00:12:25
私も先日某会場で鑑賞いたしました。
シッダールタとチャプラ、相対する姿を平衡して描いているようですが何かバラバラでまとまりがなく感動が伝わってきませんでした。
戦場で出会う2つの魂のシーンもこんなものかなと。
2時間で描くとこうなるんでしょうか。
声優さんだけは吉岡秀隆さん堺雅人さん観世清和さん水樹奈々さん他。
吉永小百合さんはナレーションまでと何とも豪華なキャストになっていまし。主題歌もX JAPANなんてすごい。
反響次第では続編も考えているようですがどうなんでしょうか・・
返信する
Re:赤い砂漠 (田舎おじさん)
2011-05-02 17:10:36
 実は本文で私はサブタイトルのことに敢えて触れませんでした。というのも、映画を見るかぎりサブタイトルに何の意味も見出せなかったからです。
 敢えて意味づけをするとしたらヨンさまのような解釈が成り立つかもしれませんが…。
返信する
赤い砂漠 (三四五白のヨン    )
2011-05-02 10:27:44
 映画の題名は「ブッダ」となっていますが、副タイトルの「赤い砂漠よ、美しく」というこれが何を指しているのかが自分としては気になりました。赤というのはどうも「戦い」のイメージがあるような気がします。赤は大砲の火とかたぎる血とかそんな感じですよね。そして赤はとにかく勇気を持って戦うという奮い立たせるイメージがあるような気がします。国と国との争いに巻き込まれて美しく戦ったブッダを描きたかった作品なのかなと思いました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。