ヒトリシズカのつぶやき特論

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財団法人新世代研究所の公開講座「ATIフォーラム」を拝聴しました

2011年12月16日 | イノベーション
 財団法人新世代研究所が東京都千代田区で開催した、第34回公開講座「ATIフォーラム」を拝聴しました。新世代研究所はセイコーインスツル(旧、セイコー電子工業)が全額出資している財団法人です。1986年に創設されてから次世代の科学や技術を議論している研究所です。

 事業活動の一環として、最近の科学技術を市民に分かりやすく伝えるサイエンスフォーラムを社会貢献として実施しています。理事長の伊達宗行さんは「設立から25年目の四半世紀を迎えた節目の公開講座です」と説明されました。



 今回の「ATIフォーラム」の講演者は、日立製作所の役員待遇フェローの小泉英明さんと産業技術総合研究所の活断層・地震研究センター長の岡村行信さんのお二人です。

 小泉英明さんは「人々の安寧とよりよき生存に向けた脳科学」というテーマで講演されました。





 小泉さんは日立でMRI(Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴血管画像装置)の開発プロジェクトのリーダーを務め、さらにfMRI(機能的磁気共鳴血管画像装置)を試作し、人間が考えるなどの活動をしてる脳の動きを観察する研究開発を実践されています。

 fMRIは、脳の血流量の変化を測定する脳機能画像表示方法で、被験者に視覚や聴覚などの五感、運動などな刺激を与えると、その活動に対応する部位の脳の血流量が変化することを画像として観測することによって、脳の活動部位を解析します。

 脳に影響を与えない非侵襲の脳の活動を観察する非侵襲脳機能画像装置として、近赤外光トポロジー(光による脳機能画像法)の研究開発を進め、医学の精神科で応用され、脳科学の解明に貢献しています。

 講演の冒頭に「要素還元論から異分野を架橋・統合する俯瞰(ふかん)統合論への移行」の重要性を解説され、研究と実践現場を融合する研究開発手法の重要性を指摘されました。脳科学でも、「脳科学と分析科学の融合から“脳科学応用”(Brain Science)や“脳科学と医学の融合”が開拓された」と説明されました。



 2000年からは「脳科学と教育」という新概念を提唱され、科学技術の目的や人間自身の生き甲斐などの考察を続けているとのことでした。

 「ATIフォーラム」は、民間版の“サイエンスフォーラム”“サイエンスカフェ”として、充実した講演を提供し、社会貢献に努めていると感じました。

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