人気小説家の北村薫さんの新刊「八月の六日間」を読み終えました。角川書店が2014年5月29日に発行した単行本です。
単行本「八月の六日間」は大型書店の平積みコーナーに積んでありました。表紙のイラストは、中身の物語が山登りについての抒情的なものではと感じさせます。

その一方で、単行本タイトルの「八月の六日間」は意味不明です。ある意味では人類最後の6日間といったサイエンスフィクション(SF)的な妄想をかき立てます。
以下は、この小説を読んで感じた独断と偏見の感想です(未読の方は、この点をご了解ください)。
小説の主人公は中堅出版社の女性編集者です。編集部員、副編集長、編集長と次第に出世していきます。仲間を大切にする有能な編集者として描かれています。
北村さんは男性の小説家です。いつもながら、女性の心の機微をきめ細かく描きます。以前に、北村さんが“覆面作家”だった時に、北村さんを女性作家だと推定した文芸評論家が多かったことが納得できます。
そして、北村さんは“覆面作家”時代は高校の国語教師だったにもかかわらず、出版社の編集部員の仕事面や上下関係などでの悩みや葛藤についてもよく観察し、分析し、表現しているなと感心します。
本作品は、知的な人くさい仕事に励む女性編集者が時々、数日間の休みを何とかとって、山登りをする話です。登る山は、槍ヶ岳などのある程度の訓練を受けた登山家が登る山です。山登りの短編を集めたものです。
編集の仕事も山登り(単独登山が多い)も、しっかり準備し、山登りを始めたら、自分の体調と山の天気などを考慮して、どのような行動をとるかを考え、決定する点では同じです。
編集部員としての仕事面での工夫と、登山の準備としての装備や食料などでの工夫、実際に登山を始めてからの行動の判断などが同じように描かれています。ここが、この本の“肝”です。
主人公の女性は、好きな男性と一度、一緒に暮らし、お互いの仕事を優先させるために、別れた経緯を持っています。相手にもたれかかることができない自律した人間です。でも、この点が共感を持てない部分です。
話は変わって、2014年5月23日に、国会の参議院本会議で、「2016年から8月11日を『山の日』と定める」との改正祝日法が自由民主党と民主党の両党などの与野党の賛成多数で可決、成立しています。この改正案は9党の共同提出で、山の日の意義を「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ともっともらしく伝えています。
この法改正によって、日本の国民の祝日(休日)は1年間に15日から16日に増え、8月としては初めての休日になります。こうした休日の設定によって、山登りの方の数が増えるように感じています。
山登りの途中で困難に立ち向かう練習をする若者が増えると、うれしいのですが。
単行本「八月の六日間」は大型書店の平積みコーナーに積んでありました。表紙のイラストは、中身の物語が山登りについての抒情的なものではと感じさせます。

その一方で、単行本タイトルの「八月の六日間」は意味不明です。ある意味では人類最後の6日間といったサイエンスフィクション(SF)的な妄想をかき立てます。
以下は、この小説を読んで感じた独断と偏見の感想です(未読の方は、この点をご了解ください)。
小説の主人公は中堅出版社の女性編集者です。編集部員、副編集長、編集長と次第に出世していきます。仲間を大切にする有能な編集者として描かれています。
北村さんは男性の小説家です。いつもながら、女性の心の機微をきめ細かく描きます。以前に、北村さんが“覆面作家”だった時に、北村さんを女性作家だと推定した文芸評論家が多かったことが納得できます。
そして、北村さんは“覆面作家”時代は高校の国語教師だったにもかかわらず、出版社の編集部員の仕事面や上下関係などでの悩みや葛藤についてもよく観察し、分析し、表現しているなと感心します。
本作品は、知的な人くさい仕事に励む女性編集者が時々、数日間の休みを何とかとって、山登りをする話です。登る山は、槍ヶ岳などのある程度の訓練を受けた登山家が登る山です。山登りの短編を集めたものです。
編集の仕事も山登り(単独登山が多い)も、しっかり準備し、山登りを始めたら、自分の体調と山の天気などを考慮して、どのような行動をとるかを考え、決定する点では同じです。
編集部員としての仕事面での工夫と、登山の準備としての装備や食料などでの工夫、実際に登山を始めてからの行動の判断などが同じように描かれています。ここが、この本の“肝”です。
主人公の女性は、好きな男性と一度、一緒に暮らし、お互いの仕事を優先させるために、別れた経緯を持っています。相手にもたれかかることができない自律した人間です。でも、この点が共感を持てない部分です。
話は変わって、2014年5月23日に、国会の参議院本会議で、「2016年から8月11日を『山の日』と定める」との改正祝日法が自由民主党と民主党の両党などの与野党の賛成多数で可決、成立しています。この改正案は9党の共同提出で、山の日の意義を「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ともっともらしく伝えています。
この法改正によって、日本の国民の祝日(休日)は1年間に15日から16日に増え、8月としては初めての休日になります。こうした休日の設定によって、山登りの方の数が増えるように感じています。
山登りの途中で困難に立ち向かう練習をする若者が増えると、うれしいのですが。