望月さんの出版記念会で即興の詩を朗読する詩人の寺岡良信さんです。
冒頭でも歌ってもらいましたが、シンポジウムが終わってから、藤山和也さんとシマナンジキのみなさんに「徳之島一切節」「どんどん節」を歌ってもらいました。
第28回『Melange』読者会・詩の合評会のお知らせです。
今年もロルカ詩祭の8月やなにかと多忙な12月をのぞいて10回開催いたしたいと思っています。
詩誌『Melange』の第28回読書会・合評会の開催予定日をお知らせです。
〈また、下記には、1月12日(土)に行います神戸文学館での「三枝和子--文学で結ぶ神戸と奄美」シンポジウムについてもお知らせします〉
2008年1月20日(日)に行います。読書会の発表者は、俳人の野口裕氏です。「第二芸術論」について語ってもらいます。合評会の締め切りは、17日(木)です(このサイトから投稿希望の方はmaroad_kobe@yahoo.co.jpへ)。
この発表は、1月6日(日)に大阪で開かれた「ヒコイズム研究会」という俳句の勉強会で野口氏が発表したものですが、すぐれた内容であったので、「これを詩人向けにもういちど語ってください」と無理を言ったのです。「第二芸術論」とはご存じのように、1946年に桑原武夫が発表した文章で、俳句の世界のみならず、戦後という新しい時代に入って、文学のありかたそのものに対して異議申し立てをした重要な問題提起をしています。
//////////////////
◆日時=1月20日(日)午後1時00分から第1部。
午後3時00分から第2部。
◆会場=神戸・三宮のスペイン料理カルメンで行います。
(カルメンの場所は以下のサイトを参照してください。阪急三宮駅西口の北へ徒歩2分の場所にあります。 http://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/
◆第1部=読書会=野口裕氏による〈「第二芸術論」を検証する〉の発表。
◆第2部=詩誌の合評会/詩稿締め切りは、1月17日(木)締め切りは必ず守ってください。送稿された作品は19日(土)朝に、みなさんあてにメール発信します。ではみなさん、積極果敢に詩稿を送ってくださいね。
//////////////////
続いて、1月12日(土)に行います「三枝和子--文学で結ぶ神戸と奄美」シンポジウムについてのお知らせです。
これは、毎年、この時期に奄美・沖永良部島から、前利潔氏が来神されることを活用して、せっかく出来た神戸文学館で、なにか神戸と奄美を結ぶ文学イベントをしようと思い立って、私と前利氏が企画して開催するものです。前利氏以外に、東京から文芸評論家の与那覇恵子氏(東洋英和女学院大学教授)をお呼びいたします。神戸生まれの奄美(瀬戸内町二世)の三枝和子さん(小説家・評論家)を取り上げて語ってもらいます。
また、このシンポの最初と最後に、島唄が流れます。奄美・徳之島のうたを、藤山和也氏に歌ってもらいます。
------------------
◇シンポジウム「 三枝和子・文学で結ぶ神戸と奄美 」
◇開催趣旨/神戸に多く住む奄美出身者と、奄美の文化に関心があるすべての人に向けて企画したもので、取り扱う作家は、奄美大島瀬戸内町二世の三枝和子、沖永良部二世の干刈あがたの二人です。神戸にはさまざまなエスニシティが生活して、それぞれ文化活動を展開していますが、奄美の文学からこの街を語ることで、"もうひとつの神戸"の様相が見えてくるのかもしれません。
◇パネラー/与那覇恵子氏(東洋英和女学院大学教授)
前利潔氏(沖永良部知名町職員)
司会・進行/大橋愛由等(図書出版まろうど社代表)
徳之島の唄演奏/藤山和也氏とシマナンジキ
◇日時/2008年01月12日(土)午後2時~4時
◇場所/神戸市立神戸文学館
〒657-0838神戸市灘区王子町3丁目1番2号 電話・FAX 078-882-2028
阪急「王子公園駅」下車、神戸市立王子動物園の西隣。徒歩7分。
JR「灘駅」からは北へ徒歩10分。 入場無料。
◇藤山和也氏に、徳之島のしまうたを数曲披露していただきます。これは、1月27日(日)に、神戸市長田区の琉球ワールドで行われる「第一回徳之島一切節大会」の宣伝を兼ねてのデモンストレーション的な演奏で、「徳之島一切(ちゃっきゃり・ちゃっきゃい)節」はもちろんのこと、徳之島のオリジナルのうたを歌っていただけることになりました。
今年もロルカ詩祭の8月やなにかと多忙な12月をのぞいて10回開催いたしたいと思っています。
詩誌『Melange』の第28回読書会・合評会の開催予定日をお知らせです。
〈また、下記には、1月12日(土)に行います神戸文学館での「三枝和子--文学で結ぶ神戸と奄美」シンポジウムについてもお知らせします〉
2008年1月20日(日)に行います。読書会の発表者は、俳人の野口裕氏です。「第二芸術論」について語ってもらいます。合評会の締め切りは、17日(木)です(このサイトから投稿希望の方はmaroad_kobe@yahoo.co.jpへ)。
この発表は、1月6日(日)に大阪で開かれた「ヒコイズム研究会」という俳句の勉強会で野口氏が発表したものですが、すぐれた内容であったので、「これを詩人向けにもういちど語ってください」と無理を言ったのです。「第二芸術論」とはご存じのように、1946年に桑原武夫が発表した文章で、俳句の世界のみならず、戦後という新しい時代に入って、文学のありかたそのものに対して異議申し立てをした重要な問題提起をしています。
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◆日時=1月20日(日)午後1時00分から第1部。
午後3時00分から第2部。
◆会場=神戸・三宮のスペイン料理カルメンで行います。
(カルメンの場所は以下のサイトを参照してください。阪急三宮駅西口の北へ徒歩2分の場所にあります。 http://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/
◆第1部=読書会=野口裕氏による〈「第二芸術論」を検証する〉の発表。
◆第2部=詩誌の合評会/詩稿締め切りは、1月17日(木)締め切りは必ず守ってください。送稿された作品は19日(土)朝に、みなさんあてにメール発信します。ではみなさん、積極果敢に詩稿を送ってくださいね。
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続いて、1月12日(土)に行います「三枝和子--文学で結ぶ神戸と奄美」シンポジウムについてのお知らせです。
これは、毎年、この時期に奄美・沖永良部島から、前利潔氏が来神されることを活用して、せっかく出来た神戸文学館で、なにか神戸と奄美を結ぶ文学イベントをしようと思い立って、私と前利氏が企画して開催するものです。前利氏以外に、東京から文芸評論家の与那覇恵子氏(東洋英和女学院大学教授)をお呼びいたします。神戸生まれの奄美(瀬戸内町二世)の三枝和子さん(小説家・評論家)を取り上げて語ってもらいます。
また、このシンポの最初と最後に、島唄が流れます。奄美・徳之島のうたを、藤山和也氏に歌ってもらいます。
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◇シンポジウム「 三枝和子・文学で結ぶ神戸と奄美 」
◇開催趣旨/神戸に多く住む奄美出身者と、奄美の文化に関心があるすべての人に向けて企画したもので、取り扱う作家は、奄美大島瀬戸内町二世の三枝和子、沖永良部二世の干刈あがたの二人です。神戸にはさまざまなエスニシティが生活して、それぞれ文化活動を展開していますが、奄美の文学からこの街を語ることで、"もうひとつの神戸"の様相が見えてくるのかもしれません。
◇パネラー/与那覇恵子氏(東洋英和女学院大学教授)
前利潔氏(沖永良部知名町職員)
司会・進行/大橋愛由等(図書出版まろうど社代表)
徳之島の唄演奏/藤山和也氏とシマナンジキ
◇日時/2008年01月12日(土)午後2時~4時
◇場所/神戸市立神戸文学館
〒657-0838神戸市灘区王子町3丁目1番2号 電話・FAX 078-882-2028
阪急「王子公園駅」下車、神戸市立王子動物園の西隣。徒歩7分。
JR「灘駅」からは北へ徒歩10分。 入場無料。
◇藤山和也氏に、徳之島のしまうたを数曲披露していただきます。これは、1月27日(日)に、神戸市長田区の琉球ワールドで行われる「第一回徳之島一切節大会」の宣伝を兼ねてのデモンストレーション的な演奏で、「徳之島一切(ちゃっきゃり・ちゃっきゃい)節」はもちろんのこと、徳之島のオリジナルのうたを歌っていただけることになりました。
去年、まろうど社から刊行しました望月雅久著『句集 辺縁へ』の出版記念会が大阪で開かれます。
多くの俳人たちが参加してくれる予定で、東京からも『豈』の大井恒行氏が参加してくれます(ちなみに望月氏も私も「豈」の同人です)。
また、山口県宇部市からは、江里昭彦氏が駆けつけてくれるのです(数年前に京都を引き払って故郷に住むようになったと聞いています)。
懐かしいなあ。かつて、海風社編集者時代に江里氏の第一評論集『世紀末俳句ガイダンス』の編集担当をして以来の付き合いです。わたしが主宰していた「ト・ヘン句会」にも時々参加してくれました。今度再会するとすれば約20年ぶりとなるでしょうか。
江里氏は「京大俳句」最後の編集長であり、上野ちづこ氏らと共に、俳句ニューウェーブを作った人として、知っている方も多いと思います。
その彼がいまどのような俳句観を持っているのか、多いに知りたいところです。
多くの俳人たちが参加してくれる予定で、東京からも『豈』の大井恒行氏が参加してくれます(ちなみに望月氏も私も「豈」の同人です)。
また、山口県宇部市からは、江里昭彦氏が駆けつけてくれるのです(数年前に京都を引き払って故郷に住むようになったと聞いています)。
懐かしいなあ。かつて、海風社編集者時代に江里氏の第一評論集『世紀末俳句ガイダンス』の編集担当をして以来の付き合いです。わたしが主宰していた「ト・ヘン句会」にも時々参加してくれました。今度再会するとすれば約20年ぶりとなるでしょうか。
江里氏は「京大俳句」最後の編集長であり、上野ちづこ氏らと共に、俳句ニューウェーブを作った人として、知っている方も多いと思います。
その彼がいまどのような俳句観を持っているのか、多いに知りたいところです。
来週の話です。
どうもいけません。
こわばりがきつくなります。
1.17阪神大震災から13年。
心が逼迫していきます。
強迫症の心的現象になります。
ミトさんも震災被害が大きかった地域に住んでいたのですが、あの日のことやそれからの都市機能不全状態をこのように述懐します。
「たのしかったの」
なにもかも同時に崩壊することで現出した無・差異化。突然なんの前触れもなく現れた非常事態を「たのしい」と発語する姿勢を、批判の対象とするのではなく、ミトさんがあの時になにを見たのかを考えてみたいのです。
それは一体なんだったのでしよう。
すべてがリセットされてしまったことへの心的共鳴でしようか。
それはどこか自分の生がリセットされることを願っていたところへやってきた福音だったのでしようか。
それとも震災後という非現実な現実に生きているということを自覚することで覚醒される〈物語に参画していること〉の快感でしようか。
それともそれとも………ひとの心の奥底はそう簡単に言語化できないものです。
どうもいけません。
こわばりがきつくなります。
1.17阪神大震災から13年。
心が逼迫していきます。
強迫症の心的現象になります。
ミトさんも震災被害が大きかった地域に住んでいたのですが、あの日のことやそれからの都市機能不全状態をこのように述懐します。
「たのしかったの」
なにもかも同時に崩壊することで現出した無・差異化。突然なんの前触れもなく現れた非常事態を「たのしい」と発語する姿勢を、批判の対象とするのではなく、ミトさんがあの時になにを見たのかを考えてみたいのです。
それは一体なんだったのでしよう。
すべてがリセットされてしまったことへの心的共鳴でしようか。
それはどこか自分の生がリセットされることを願っていたところへやってきた福音だったのでしようか。
それとも震災後という非現実な現実に生きているということを自覚することで覚醒される〈物語に参画していること〉の快感でしようか。
それともそれとも………ひとの心の奥底はそう簡単に言語化できないものです。
俳人の野口裕さんが「ヒコイズム研究会」で第二芸術論についてレクチャーしたのです。
この読書会は、隔月に開いているもので、『Melange』読書会・合評会と日程が重なることが多いために、出席できないこともあるのです。ただ私は気質的にこの「ヒコイズム研究会」で交わされる俳句論、文学論に多いに刺激されているので、一回でも多く参加したいと想っています。
今回のテキストは、赤城さかえ著『戦後俳句論争史』。第二芸術論について意欲的に扱っている意味でも好著と言い得るでしょう。
この発表が面白かったので、野口氏に20日(日)に行われる『Melange』読書会用に「今日の発表内容を詩人向けに語ってください」と要望したのです。
この「第二芸術論」をどう受けとめるかは、現在の俳人にとっても、リトマス試験紙のような効用があるのではないでしょうか。桑原武夫の「第二芸術論」だけに焦点を当てるのではなく、俳人たちの反論、歌人たちの内省化を同時に見て行くことでこの一文が投げかけた文学的な意味をみていくことの面白さがあるかと想います。私はこの「第二芸術論」という“くさび”があって初めて戦後俳句は「出発」したのだと言ってしまいたい気がします。こうした俳句に対する反措定はいつも俳句周縁から提起されつつも、どれだけ俳人のマジョリティーに影響を与えているのか(主体化されているのかは)おぼつかないことかもしれませんが。
この読書会は、隔月に開いているもので、『Melange』読書会・合評会と日程が重なることが多いために、出席できないこともあるのです。ただ私は気質的にこの「ヒコイズム研究会」で交わされる俳句論、文学論に多いに刺激されているので、一回でも多く参加したいと想っています。
今回のテキストは、赤城さかえ著『戦後俳句論争史』。第二芸術論について意欲的に扱っている意味でも好著と言い得るでしょう。
この発表が面白かったので、野口氏に20日(日)に行われる『Melange』読書会用に「今日の発表内容を詩人向けに語ってください」と要望したのです。
この「第二芸術論」をどう受けとめるかは、現在の俳人にとっても、リトマス試験紙のような効用があるのではないでしょうか。桑原武夫の「第二芸術論」だけに焦点を当てるのではなく、俳人たちの反論、歌人たちの内省化を同時に見て行くことでこの一文が投げかけた文学的な意味をみていくことの面白さがあるかと想います。私はこの「第二芸術論」という“くさび”があって初めて戦後俳句は「出発」したのだと言ってしまいたい気がします。こうした俳句に対する反措定はいつも俳句周縁から提起されつつも、どれだけ俳人のマジョリティーに影響を与えているのか(主体化されているのかは)おぼつかないことかもしれませんが。
去年暮れに嬉しい情報が入りました。
図書出版まろうど社の刊行物である藤井貞和著『甦る詩学 「古日本文学発生論」続・南島集成』が、すぐれた沖縄研究に与えられる「伊波普猷賞」(第35回)を受賞しました。
これは版元として非常に嬉しいことです。
考えてみれば久しぶりの受賞ということになるでしょう。
不思議なもので、自社刊行物が一度なにかの賞を受賞すると、他の刊行物も連鎖として受賞するものです。これからもいい本を造っていきたいと思っています。(みなさまも今後ともまろうど社の刊行物をご愛顧してくださいね)。
やはり藤井氏という知の巨人の仕事は巨(おおき)いのです。
ちなみに、氏は東大名誉教授といういかめしい肩書きを持っているけど、えらそぶるといった素振りは一切なく、多くの"ファン"を持っている方です。
授賞式は2月12日(火)に、那覇で行われます。私も是非授賞式に臨みたいと思っています。そこで沖縄の皆さんとお会いすることにしましょう。今年は、一月に奄美、二月に沖縄に行くことになっています。また紀行文を多く書くことが出来そうです。
図書出版まろうど社の刊行物である藤井貞和著『甦る詩学 「古日本文学発生論」続・南島集成』が、すぐれた沖縄研究に与えられる「伊波普猷賞」(第35回)を受賞しました。
これは版元として非常に嬉しいことです。
考えてみれば久しぶりの受賞ということになるでしょう。
不思議なもので、自社刊行物が一度なにかの賞を受賞すると、他の刊行物も連鎖として受賞するものです。これからもいい本を造っていきたいと思っています。(みなさまも今後ともまろうど社の刊行物をご愛顧してくださいね)。
やはり藤井氏という知の巨人の仕事は巨(おおき)いのです。
ちなみに、氏は東大名誉教授といういかめしい肩書きを持っているけど、えらそぶるといった素振りは一切なく、多くの"ファン"を持っている方です。
授賞式は2月12日(火)に、那覇で行われます。私も是非授賞式に臨みたいと思っています。そこで沖縄の皆さんとお会いすることにしましょう。今年は、一月に奄美、二月に沖縄に行くことになっています。また紀行文を多く書くことが出来そうです。
ミトさんとジャズが流れる店に行った。
その店は古く1970年代からあった。
最初にあった場所は大型書店の近くで、本を買ったばかりの読書人を多く見たものだ。
ただ、当時のジャズ喫茶は、沈黙が掟であり、私はよく店主に注意された。
「シズカニシテクダサイ」
やがて大きな地震がこの街を襲い、ジャズ喫茶Mは移転を余儀なくされ、坂の途中に引っ越した。
わたしは詩人たちとその店に何度か通い、店主と知り合いとなり「イツモシカラレテイマシタ」と告白した。
その店主、密かな思いを持ち続けていたのだ。最初と二番目の店はともに地下にあった。
「チジョウニデタイ」
うんざりしていたのだろう。〈地下生活〉が。
そして三番目の現在の場所に移ったことはミトさんが教えてくれた。
二階だった。
「ヤアヤア ヨウヤク チカセイカツ カラ ダッキャク デキマシタネ」
私は笑い、店主も笑った。
ミトさんと私のお好みの場所は、並んで座り店外の光景を眺められる長テーブル席である。
「××党 撲滅!」と勇ましいアジテートをぺたぺた張った貧弱な軽自動車が通る。
「アラ モウ 〇〇党ボクメツ デハナイノネ」
私はひとり溺死寸前のとある政党を想った。
かわったばかりの2008年の初々しい刻が、ミトさんと私の軽く接した両肩の上をすり抜けて行く。
その店は古く1970年代からあった。
最初にあった場所は大型書店の近くで、本を買ったばかりの読書人を多く見たものだ。
ただ、当時のジャズ喫茶は、沈黙が掟であり、私はよく店主に注意された。
「シズカニシテクダサイ」
やがて大きな地震がこの街を襲い、ジャズ喫茶Mは移転を余儀なくされ、坂の途中に引っ越した。
わたしは詩人たちとその店に何度か通い、店主と知り合いとなり「イツモシカラレテイマシタ」と告白した。
その店主、密かな思いを持ち続けていたのだ。最初と二番目の店はともに地下にあった。
「チジョウニデタイ」
うんざりしていたのだろう。〈地下生活〉が。
そして三番目の現在の場所に移ったことはミトさんが教えてくれた。
二階だった。
「ヤアヤア ヨウヤク チカセイカツ カラ ダッキャク デキマシタネ」
私は笑い、店主も笑った。
ミトさんと私のお好みの場所は、並んで座り店外の光景を眺められる長テーブル席である。
「××党 撲滅!」と勇ましいアジテートをぺたぺた張った貧弱な軽自動車が通る。
「アラ モウ 〇〇党ボクメツ デハナイノネ」
私はひとり溺死寸前のとある政党を想った。
かわったばかりの2008年の初々しい刻が、ミトさんと私の軽く接した両肩の上をすり抜けて行く。
み
な
さ
ま
あ
け
ま
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て
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め
で
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ざ
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今
年
も
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お
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