神戸まろうど通信

出版社・まろうど社主/詩と俳句を書く/FMわぃわぃのDJ/大阪編集教室講師など多様な顔を持つ大橋愛由等の覚え書き

第二芸術論の読者会

2008年01月06日 23時14分33秒 | 俳句
俳人の野口裕さんが「ヒコイズム研究会」で第二芸術論についてレクチャーしたのです。

この読書会は、隔月に開いているもので、『Melange』読書会・合評会と日程が重なることが多いために、出席できないこともあるのです。ただ私は気質的にこの「ヒコイズム研究会」で交わされる俳句論、文学論に多いに刺激されているので、一回でも多く参加したいと想っています。

今回のテキストは、赤城さかえ著『戦後俳句論争史』。第二芸術論について意欲的に扱っている意味でも好著と言い得るでしょう。

この発表が面白かったので、野口氏に20日(日)に行われる『Melange』読書会用に「今日の発表内容を詩人向けに語ってください」と要望したのです。

この「第二芸術論」をどう受けとめるかは、現在の俳人にとっても、リトマス試験紙のような効用があるのではないでしょうか。桑原武夫の「第二芸術論」だけに焦点を当てるのではなく、俳人たちの反論、歌人たちの内省化を同時に見て行くことでこの一文が投げかけた文学的な意味をみていくことの面白さがあるかと想います。私はこの「第二芸術論」という“くさび”があって初めて戦後俳句は「出発」したのだと言ってしまいたい気がします。こうした俳句に対する反措定はいつも俳句周縁から提起されつつも、どれだけ俳人のマジョリティーに影響を与えているのか(主体化されているのかは)おぼつかないことかもしれませんが。