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神戸まろうど通信

出版社・まろうど社主/詩と俳句を書く/FMわぃわぃのDJ/大阪編集教室講師など多様な顔を持つ大橋愛由等の覚え書き

第19回ロルカ詩祭(8月20日開催)のお知らせ

2016年07月31日 08時53分27秒 | 「月刊めらんじゅ」バックナ
★第19回ロルカ詩祭についての案内です。


どうぞ、お待ちしています。

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第19回  ロルカ詩祭

『いまふたたびの我らの中庭で』          
           中堂けいこ

 おお、フェデリコ!また8月がやってきた。19日の血の執行! 銃に囲まれ、長い道を来たあなたが夜明けの野にあらわれる。グラナダの犯罪。額に血、腹に弾丸。あわれなグラナダ!あなたのグラナダが暑い蛮行に狂い立つ日だ。そしてブエノスアイレスの熱狂もとだえてしまう。
だが、フェデリコ!わたしたちの中庭は健在だ。サクラモンテの丘のジプシーたちの歌と旋律。手と踵を打ち鳴らす、強拍の怒涛のリズム。ドローレスの胸に抱かれ耳もとで囁かれた、子守唄、アンダルシアの伽話を忘れようもない。あなたの詩の飼い葉、戯曲の揺り篭。

あれは月です 踊ってますね
 死んだ者たちの中庭で。

  ごらんよ 精魂尽きたその身体、
 影と傷とに黒ずんで。

  母さん、月が踊っているのです
 死んだ者たちの中庭で。

  夢のちょうど入り口で
 石の仔馬を傷つけるのは誰ですか?
  
  月です!月です!
 死んだ者たちの中庭の!
・・・・・・・・・・  (サンティアーゴの月の踊り)部分
          

また8月の扉が開かれる。何十回何百回と開けられる扉は一度として同じではなかった。世界をかけめぐるテロリズムの蛮行はいまだわたしたちを血塗りの恐怖に陥れる。暴力の剣の前でわたしたちは盾も持たず、ただことばだけで、そのことばだけで一歩を踏み出す。扉の向こうからかの世の者たちがおおぜいやってくる。彼らは再び生の痛みと顔をとりもどすが、わたしたちは互いに入り混じり葬列のあとに続く。最後尾の者が先頭になり、先頭の者がふたたび後尾につく。なんという賑やかさ、喧しさ、歌え、歌え、さあ歌え・・・!
今宵、ロルカ詩祭、スペイン語翻訳家の鼓直氏によるロルカ詩新訳が披露される。メランジュ同人詩友、詩の愛好者が熱い神戸につどう。
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◇開催日時/2016年8月20日(土)午後5時開場
第一部(ロルカ作品のスペイン語、日本語による朗読)…午後5時30分スタート
第二部(ロルカ的世界に身を委ねた自作詩の朗読)…午後6時00分スタート〈前半・後半あり〉

◇詩祭案内/スペインの国民的詩人であるフェデリコ・ガルシア・ロルカ(1898-1936)の生誕100年にあたる1998年から神戸で始まった詩の朗読会です。8月19日のロルカの命日に近い土曜日に、神戸市三宮のスペイン料理カルメンで開催しています。
この詩祭は、スペイン内戦が勃発した直後、ファシストによって殺されたロルカへの追悼ばかりではなく、阪神・淡路大震災をはじめとした震災の犠牲者に対する追悼、さらにはロルカ詩祭に参加し今は鬼籍に入っている清水昶氏らへの追悼をふくみます。

〈第一部ロルカ詩朗読パート〉司会・千田草介
01.北原千代(ダブらないよう選択してください)
02.黒田ナオ(同)
03.にしもとめぐみ(同)
04.今野和代(「N0 AY CAMINO」)
05.鼓直(『タマリー詩集』から「思わぬ恋のガセーラ」)

〈休憩時間に秦コウタロー氏によるアコーディオン演奏が入ります〉

〈第二部自作詩朗読パート〉司会・福田知子
/前半
01.黒田ナオ
02.千田草介
03.にしもとめぐみ
04.北原千代
05.安西佐有理
06.大橋愛由等
07.北岡武司
08.大西隆志
09.情野千里


/後半
10.髙木冨子
11.秦ひろこ
12.中堂けいこ
13.中嶋康雄
14.福田知子
15.高谷和幸
16.今野和代
17.金里博

◇演奏者/秦コウタロー(アコーディオン)

◇料金/Aセット(チャージ+ワンフード+ワンドリンク付き)2000円、Bセット(チャージ+コース料理〈スープ、サラダ、メインディッシュ、パエリア、珈琲、デザート付き〉3600円)のいずれかを選択。

◇場所・問い合わせ/スペイン料理カルメン(〒650-0012 神戸市中央区北長狭通1-7-1 カルメンビル2F 申し込み、問い合わせは、電話078-331-2228)

「月刊めらんじゅ」115号です

2016年07月26日 09時56分39秒 | 「月刊めらんじゅ」バックナ
「月刊めらんじゅ」115号をネット上に公開します。


https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=sites&srcid=ZGVmYXVsdGRvbWFpbnxtYXJvYWQ2NjQ1NHxneDo1YzE2YzE0ZmFmZTc4OTU0

16頁で構成されています。

「月刊めらんじゅ」115号
2016年7月24日発行


-------------目次-------------------------------------



詩 & 俳句
照準 ………………福田知子 03
海外詠② (俳句) ………………岩脇リーベル豊美 04
帰路 ………………にしもとめぐみ 04
ゴム/ビニール傘 ………………中嶋康雄 05
野球中継は流れる ………………黒田ナオ 06
おまえは犬かい?  ………………中堂けいこ 07
みきり/ されど ………………大橋愛由等 12
無題(わ、あるく隣人)………………高谷和幸 13
幻覚に基づく星読みの独り言 ……………… 野口 裕 13
子守唄……………… 富 哲世 14
桃を食む(朝凪十五句/良信忌十句) (俳句) ……………… 高橋雅城 14
サンゴ礁の波 ……………… 北岡武司 15

「Mélange」読書会資料
「詩人のための(?)カント入門②」発表資料………………………………北岡武司 8

連載エッセイ & 詩評
ひと言詩評〈16〉田村隆一の作品から………………………………冨 哲世 10
神戸詞あしび104「突如あらわれた神話時代の神は」………………大橋愛由等 16