マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

「過剰検査、過剰診断、過剰治療」な日本の発達障害を取り巻く現状、我が家のADHDグレーゾーンの子

2018年04月18日 | 子育て全般

こんにちは!

 

昨日は車を2時間運転して、

移民法専門の弁護士さんの事務所へ相談に出かけました。

 

こちらの記事で、

大学受験を終えた高校生に送りたい言葉&学業成績や試験の点数以外を評価するシステムで救われる子達

 

「アメリカ国民以外の米国在住者は、

一部の例外者(外交官・国際的な機関の正式な政府代表者・30日以内滞在の旅行者)をのぞき、

住居を変わったら10日以内に、

移民局(USCIS)に届ける必要がある。 

住所変更の届け出を怠ると、

200ドルまでの罰金か30日間までの刑務所収監か、またはその両方、

もしくは、米国外へ追放」

といったほとんど知られていない法律があると

紹介しました。

 

私もですが、周りのアメリカ国民でない知り合いも、

これまで1度は引っ越している人がほとんどですが、

やっぱり聞いてみた中の誰も、この法律を知りませんでした。

 

弁護士さんにお話を聞いたところ、

「もし、米国で何か罪を犯した場合などに、

米国から追放する理由に使われる」とのことでした。

 

この国は、アメリカ国民以外について、

いつだって追い出すことのできる理由をしっかり握っている、

そうとらえておくといいですよね。

 

「何か罪」とは、

スピード違反だって罪ですし。

 

他国に暮らすということを考えながら、

できることをしていきます。

 

 

 

さて、4月は、

大学受験が終わった高校生たちが、

5月1日という国中のほとんどの大学の入学受付締め切り日に向け、

どの大学にするかを考え続けている時期です。

 

長男も、昨夜友人宅に泊まり、

早朝4時からお友達とそのママさんの運転で、

他州の「合格した生徒向け大学見学会」に出かけました。

今夜戻り、明日は再び早朝4時に空港へ向かい、

飛行機で他大学のお泊り見学会に参加です。

←飛行機&宿泊代を大学側が出してくださるというオファーに驚きました。

 

こうして、

できる範囲で実際のキャンパスライフを体験し、

決断するんですね。

前に書いたように、米国の大学は、

それぞれ個性が強いですから。

 

卒業間近の高校生たちが、

「4年間ここで充実した日々を送るぞ」、

そう思える環境に出合えますように。

 

とはいえ、入ってから、

どうしても「違うな」と感じるようなら、

途中で大学を変えて編入という選択もありますし、

とにかく、まだまだ10代終わりのこと、

どうなろうとも、まあ、なんとだってなりますよね。

 

 

明日は、朝4時に長男を空港へ送った後、

飼い犬を1年間預かっていただけるかもしれない方の家におじゃまし、

犬同士の相性をみることになってます。

 

 

こうして毎日次から次へとあるなか

家の中は、こんな状態・・・。

 

今週末に、

家財道具の3分の2ほどを、

倉庫へ運ぶ予定なんです。

賃貸に向け、家見せをするために、

モノを減らす必要があるんですね。

日に日に増える段ボールに囲まれて暮らしてますよ。

 

 

 

と、ここまで

近況を聞いていただいてありがとうございます。

 

今日は、

以前、『遊びのアトリエ』のレオさんが、

長年、教室で様々な子ども達に接しながら、

ブログで「違和感を感じる」とされていた発達障害の診断について、

つづらせてください。

 

こちらの記事に、

http://www.blog.crn.or.jp/chief2/01/46.html

日本の発達障害診断&治療についての問題点が、

「過剰検査、過剰診断、過剰治療」としてまとめられています。

 

筆者である医師の榊原氏のもとに送られてくる

発達障害と診断された子の半数近くが、

氏によると、発達障害ではないとのこと。

そして、どれほど多くの子が、

不必要な薬を呑まされているかと。

 

日本で発達障害の子どもに関わる第一人者が

こうして危惧を表明していること、

頼もしいとともに、事の大きさを思います。

 

 

こちら米国でも、

ADHDと診断された子供400万人以上の内、

20パーセント近くが誤った診断だったという調査結果もあります。

https://www.parentingscience.com/ADHD-in-children.html

 

身近な周りにも、小学生から高校生まで

ADHDの薬を呑んでいる子が何人かいます。

 

「今の学校という場がなければ発達障害もないのかもしれない」

と言った日本の発達心理学者もいますが(ツイッターのつぶやき)、

「日常生活に支障があるか」ということが診断の鍵となり、

「学校生活にフィットできない」という理由で、

本当は必要のない薬を呑まされてしまう場合があるという現状を、

目の当たりにしています。

 

 

 

 

我が家のADHDグレーゾーンの子の場合

長男も、高校生になり、

自分から「ADHDの薬を呑みたい」と言ったことがあります。

 

「テスト中に落ち着きがない」と、

立ったり座ったりできる教室の後ろの隅に

先生が席を移してくださったことも、

つい3年ほど前までありました。

小学生時代、ピアノの日本人の先生には、

「ADHDですよね」と言われたこともあります。

 

とにかく、じっとしてませんでしたから。

 

小学校高学年で、航空関係のNPOに入り、

行進し直立不動する姿をみて、

「あっ、この子、じっとしてられるんだ!」と衝撃を受けた瞬間を

今も覚えています。

 

とはいえ、学校側から、

「診断を受けてください」と言われたことはないのですが、

より伝統的な、長時間座って教師のレクチャーを聞く環境だったら、

「はたしてどうだっただろう?」と思います。

 

長男の過ごした小学校は、

ボールの上に座りユラユラしながら授業を受けられ、

じっと座ってドリルやワークシートより

ハンズオンのプロジェクトメインの環境でしたから。

 

以前まとめたこちらの記事でも、

人類学者のグエン・デワー氏が次のような研究を紹介してます:

 

・年齢が低いほど、長時間教室に座ることを強制される環境では、ADHDの診断が増大する

「年長の早生まれと遅生まれの子を調査したところ、早生まれの子の方が60%多くADHDの診断がされているという結果もある。また1年生の時点でADHDと疑われた子の50%が、4年生になると症状を見せなくなっていたという調査結果もある」

 

・現代の欧米やアジアの教育システムの一部は世界的に見ても特殊=ヒトの発達にとって自然ではない?

「世界の50の地域での調査を見ると、幼少期から屋内にじっと座って作業をするということが求められるのは、ほんの一部。大多数の地域では、常識や理性、ルールに基づいたゲームなどを6歳以下には期待せず、7歳以上になってから社会的なルールを徐々に学ぶ努力を始めるとされている。」

 

子どもによって、

伝統的な学校の学習環境が明らかにネガティブに働く場合があるということ、

覚えておきたいです。

 

そして、こちらにもまとめましたが、

ごそごそ動くことで、

より集中できる子もいると、

思い出していきたいです。

・ごそごそ動いた方が学習効果アップ!ADHD・ギフテッド・舞踏家タイプの子

 

 

 

 

 

結局、長男の場合は、

去年ビジネスに生きがいの一つを感じ始めるまで、

士官学校への進学もオプションとして考えていたため

(ADHDの薬を呑んでいると入隊が許されません。

また、学生の事業も許されません)、

本人が呑まないと決めて今まできています。

 

それでも、これから、

勉強量が半端でないと評判の大学へ進学し、

18歳ですし、

自分で病院へ行き薬をもらうこともあるかもしれないなと思っています。

 

長男の彼女ちゃんは、医師の両親の下、

小学校時代からずっと薬を呑んでますし、

長男も、科学的な副作用のリスクなども調べ、

薬への抵抗もかなり低くなっているようです。

 

 

 

子ども時代に落ちこぼれず学校環境にフィットし

「できる」という自信をつけてあげたいと

投薬に同意する親の気持ち。

 

そして、

置かれた環境でより良い成果を出すために

薬を呑むと決断するかもしれない成人間近の子の気持ち。

 

私なりに、痛いほど分かります。

 

 

 

「薬を呑んで初めて落ち着く・集中するという状態を体験できたの。

それがどういう状態か分からなければ、

落ち着いて集中しなさいといくら言われたって、できないものよ。

だから薬を呑んでよかった」と話す

子ども時代ADHDと診断された知り合いもいました。

大人になった今は、薬を呑むこともないそうです。

 

 

発達障害の度合いによりますが、

もし薬を呑んだとしても、他の働きかけと併用し、

いずれ量を減らしていけるよう、そして薬卒業を目指しながら、

自らの癖を知り、少しずつ薬がなくてもマネージできるようにしていくのが

理想なのでしょうね。

 

「他の働きかけ」のひとつとしては、

我が家でも、親族や周りの同じ傾向の子をみても、

スポーツなど、身体をしっかり動かす時間を日常に組み入れることが、

大きな助けとなっています。

以前もこちらの研究を紹介してます:

AD(H)D傾向の子にもハイリーセンシティブな子にも大切な「身体を動かす」こと

 

 

長男については、もう自分で何でも決めますし、

(というか納得しなければ聞き入れませんし)、

私の思いを伝え話し合いを続けつつ、見守っていきたいです。

 

 

みなさん、 

今の学校システムから「はみ出す子」を、

薬で抑えるだけでなく、

環境の改善を考えつつ、

その子自身が力をつけていけるよう、

サポートしていきたいですね。

 

ちなみに、

一見フィットしているように見える敏感系の子の中には、

私がそうだったように、

「心がはみ出している子」も多いですね。

 

 

 

毎週末、陸上競技会です。

雨で気温も10度前後と芯から冷えましたよ。

友人のパパさんが、こんな腰につけるバンドで、次女を鍛えてくれました。

会場の高校を包む桜。

日本を思いつつ。

 

みなさん、温もり溢れる春の日を!


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4 コメント

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Unknown (TREE)
2018-04-25 10:00:58
いつも示唆に富む記事をありがとうございます。

息子はADHDと自閉症スペクトラムの診断があり、前々から、ADHD関連の記事、参考にさせていただいていました。

息子への投薬の判断の際、担当医から、息子に関するチェックリスト(学校生活の中での多動性・衝動性、集団行動をとれているかという内容)を学校の先生に書いてもらって病院に提出するように言われ、「あてはまる(多動性・衝動性がある)」にチェックがついた項目が多かった、ということで、投薬を勧められました。

学校の先生から見た息子の姿が、学校生活にフィットしているかどうかが、投薬の決め手になるというのが、どうにも腑に落ちなくて、息子にとっての必要性やメリットがよくわからないので、投薬は私の方で断っている状況です。

マイコーさんが書かれている、↓のこと、まさにそう感じています。

>今の学校システムから「はみ出す子」を、
>薬で抑えるだけでなく、
>環境の改善を考えつつ、
>その子自身が力をつけていけるよう、
>サポートしていきたいですね。

息子は日本での「普通の授業(じっと座って、並んで、先生の指示を聞く)」がとにかく苦手、上の空、余計なことばかりする、、、なのですが、グループで議論しながら、とか、動作を伴う学習は俄然、意欲的にやるそうです。

「ごそごそ動いた方が学習効果アップ!」、とても印象に残っていた記事です。息子は多数派の子とは学習の仕方が違うだけなんじゃないかと思います。

マイコーさんの長男君の過ごした小学校生活(バランスボールや、ハンズオンのプロジェクトメイン)うらやましいです。

学校に合うように息子を変えるんではなく(薬を使ったとしてもそんなことできるのかどうか疑問ですが)、息子に合う環境を探した方が良いと思い、模索中です。

「今の学校という場がなければ発達障害もないのかもしれない」という言葉、考えさせられます。

日本の教育は画一的だとか、型にはまっているというイメージは元々ありましたが、今通っている地元の公立の小学校、私の予想を上回る驚愕の「画一性」です。とにかくルールも多いですし、ルールを守らせることが目的化しているような感があります。

お正月に授業で書初めがあったのですが、一年生なので、筆ではなく鉛筆でなのですが、何行もある長い文章を書かせて、「消しゴム使用禁止」なのです。理由は、「本来は筆でやるもので、筆だと消しゴムは使えないから」だそうなのですが、筆でやるときは、単語だったり、文字数少ないですよね。人一倍不注意な息子は、字や段落を書き間違えては、その度に、長い文章の一から書き直しになり、授業が終わってもできるまでずーっと、一人で、泣きながらやらされたそうなのですが・・・ルールありきで「書初め」を苦行にして、字を書くことを嫌いにさせる授業内容、かなり疑問でした。

早生まれだと、やはりADHDの診断がつきやすいのですね。
息子は早生まれですし、ASDの方も「典型的なタイプではない」そうなのですが、診断名は、私は「便利」に使えたらよいと考えています。息子の「学校生活にフィットできなさ」で、先生に叱られすぎないように、説明に使ったり、母である自分自身への「説明」にも使っています。「一体なんなんだ?!」と腹が立つことをやらかすことが多いですからね。診断名がないと、ひたすら注意したり叱ったり、ただただ「理解できない!」となってしまいそうなところ、診断名を切り口に、本やブログの記事を手がかりにして、対応を考えたり、割り切るというか、気持ちを落ち着けて建設的な方に持っていくことができるように思います。
返信する
TREEさんへ、コメントをありがとうございます! (マイコー)
2018-04-28 07:00:49
息子さんについて、教えて下さりありがとうございます。学校側の多動性・衝動性、集団行動についてのチェックリストにより、投薬をすすめられたとのこと。そして、長年息子さんと普段共に過ごしているTREEさんは、息子さんにとっての必要性やメリットが腑に落ちず、投薬を断ったのですね。

息子さんは、「普通の授業(じっと座って、並んで、先生の指示を聞く)」が苦手で、グループで議論したり、動作を伴う学習は俄然、意欲的に取り組むとのこと。

「息子は多数派の子とは学習の仕方が違うだけなんじゃないかと思います。」というの、私自身も、我が家の子達、そして様々な場での子供たちをみてきて、つくづく思ってきたことです。

画一的なシステムであるほど、こうした子は、場からはみだしていきます。

それでも、選択肢が与えられる、自主的に決められる余地がある、動くことができるといった工夫が少しされるだけでも、取り組む姿勢が随分と改善していくのをみてきました。

通常のクラスの1人の先生だけが大勢をみるという状況ではなかなか難しい場合もありますが、こうした生徒のあり方が許される工夫がされていくといいですよね。

地元の公立の小学校の、書初めの様子。読みながら、苦しくなりました。こうした体験を通して息子さんが何かを得るとするなら、「世の中にはあまりにも理不尽なことがある」ということだけですよね。そして、そうしたことを学ぶには、息子さんの年齢は、全く持って、まだまだ低すぎるんです。

診断名を、息子さんを守り、より健やかに育むために活用されているTREEさん。これは私自身が思ってきたことですが、ADHDも、ギフテッドも、ハイリーセンシティブチャイルドも、何か絶対的な境界があるわけじゃなく、親としてできるのは、まさしくTREEさんのように、分類をうまく利用していくことなんです。

その子の健やかな成長のために用いるのであって、必要ないのならば、かなぐり捨てていけばいい。分類が先にあるのでなく、その子が先にあるんですよね。

TREEさんが息子さんの羽ばたいていく道を模索される歩みを応援しています。東京で会えるのを、心より楽しみにしていますね。
返信する
コメントありがとうございます (TREE)
2018-05-11 13:24:57
ご丁寧な返信コメントいただきうれしかったです。お忙しいのに、ありがとうございます!

多くの子供達や取組みを見ていらしたマイコーさんのお話、いつもとても参考になります。

HSCやギフテッドという言葉、マイコーさんのブログで初めて知りました。
息子は、ギフテッドではなさそうですし、ASDだからか自分の思い込みの脳内で生きてるようなところがあって、敏感どころかものすごく鈍感(少なくとも私からはそう見える)なのですが、ギフテッド・HSC関連の記事からも学ぶことが多いです。

マイコーさんのおっしゃる通り、分類をうまく利用しつつ、分類の研究から「どの子にも大切な視点」を学んでいきたいと思います。

マイコーさんの長男君、まさに、眩しいばかりに羽ばたいていっておられますね!(前の記事であった「お先真っ暗」に思われた時期があったなんて、本当に信じられないです!)

長男君が、これからもよりよい未来を選択していけること、幸運をお祈りしています。

夏はもうすぐですね!ご家族で「ウキウキ状態」とのこと、よかったです。大変なこともとても多いと思うのですが、家族みんなでそれを楽しめたらなによりですね^^

こちらこそ、お会いできる日を心から楽しみにしています!
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TREEさんへ、コメントありがとうございます! (マイコー)
2018-05-17 06:02:48
TREEさんに少しでも参考にしていただけることがあって、光栄です。

息子さんにとって、ギフテッド・HSC関連の記事からも得るものがあるとのこと、よかったです。つきつめたところでは、すっぽりと決められた分類に当てはまる一人の人なんて存在はないのじゃないかなと思います。

本当に、
>分類をうまく利用しつつ、分類の研究から「どの子にも大切な視点」を学んでいきたい
ですね。

長男の子育て、つい3年前も、寝込んでいたんですよ。わらわらと子どもたちが寄ってくるので、ゆっくり寝込むこともできませんでしたが。(笑)

温かい言葉をありがとうございます。
大変なところも通りながらのTREEさんの息子君の成長を、楽しみにしています。

出発まで1か月半ほどとなり、家の方が、ようやく本決まりとなりそうな状況です。

家族一同、ウキウキしながら、お会いできるの、楽しみにしています!
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