プリンストン大学心理学教授サム・グラックスバーグ(Sam Glucksberg)氏率いた研究:
2つのグループに、クリティカル思考や創造性を必要とするタスクを与える。
両グループともタスクを終えるまでのタイムを計り、
ひとつのグループには、
「単にこういったタスクにどれくらいの時間がかかるかを知るため」と伝え、
もうひとつのグループには、
「トップ25%以内の時間で終えられたら5ドル、
最も早く終えられたら20ドルの報酬がもらえる」と伝える。
(1962年に発表された実験なので現在では5ドル=39ドル、20ドル=159ドルぐらい)。
結果、報酬をもらえると伝えられた方が、
報酬に言及されなかったグループより
タスクを終えられた人数が少なく、
また終えたとしても、
著しくより時間がかかったとのこと。
これは、外的報酬を提示され、競争にさらされることで、
「交感神経系(Sympathetic nervous system)」が活性化し
「闘争・逃走反応(fight or flight response)」を引き起こすことで、
クリティカル思考や創造性を司る前頭野がシャットダウンしてしまったため、
と説明されている。
(https://en.wikipedia.org/wiki/Candle_problemより)
つまり、報酬などの「外的な動機付け」は、
単純な作業の繰り返しなどには有効だけれど、
クリティカル思考や創造性を必要とするより複雑なタスクには、
逆効果ということなんですね。
世界中でベストセラーとなったダン・ピンク氏の『DRIVE』には、
このグラックスバーグ氏の研究をより展開させた研究が紹介されています。
それらの研究も、「外的な動機付け」では、
クリティカル思考や創造性が鈍く弱くなってしまう、
と示しています。
クリティカル思考や創造性とは、
これからますます複雑化する現実社会で、
問題を解決していくために最も必要とされる能力。
報酬、ステータス、成績、学歴といった「外的な動機付け」、
そしてそれらを目指す競争が、
これからを生きる子供たちに与える影響を思います・・・。
年齢が上になるほど、
直面する問題もより複雑になります。
そしてこれからますます複雑化する社会で問題を解決していくには、
クリティカル思考や創造性が必須。
外的な報酬のためだけではなく、
「内から湧き上がるやる気=内的な動機」を強めるサポートをしていきたいですね!
ちなみにピンク氏は、「内的な動機付け」として次の3つをあげています:
1.自主性 自分が手綱を握っている感
2.マスタリー できる!という喜び
3.目的 何のためにするのか?
(「子供をやる気にさせる『三つの内的動機付け』」に少し詳しく紹介してあります)
探究し、まとめていくことを続けます!