「自主学習環境(Self Organized Learning Environments :SOLEs)」に基づく学校の在り方について
研究実験を続ける教育科学者スガタ・ミトラ氏は、
子供が自ら学ぶためには、以下の4つがあればいいとする:
1.良質な情報
2.子供同士で話し合える環境
3.大きな質問
4.「おばあちゃん的存在」
1.良質な情報
ミトラ氏は、インターネットの普及が、これからの学校の在り方を変える鍵だとする。いつでもどこでも「良質な情報」へアクセス可能になったのだから、と。
2.子供同士話し合える環境
子供同士で、分析し、試し、議論しと、わいわい話し合える環境。
3.大きな質問
例えばミトラ氏の「自主学習環境」に基づいて試みられている「雲の学校」のウェブサイトによると:
・どうして政党があるんだろう?
・古代文明やそれらの歴史を勉強することが今日私たちをどう助けてくれるんだろう?
・瞑想はよりよい人間になるのを助けてくれる? それとも単に違う名前をもった宗教なのかな?
・どうして遺伝子は重要なんだろう?一生を通して私たちの遺伝子が変わることはできるのかな?
・どうしてとても貧しい国ととてもお金持ちの国があるんだろう?
・世界宗教は人間社会がよくなるのを助けるのかな?
・私達は皆同じ学び方をするのかな?
などなど。おもしろーい。
4.「おばあちゃん的存在」
「うわあ、すごいわねえ。私があなた達の頃はこんなことなんてできやしなかったわよ!」など励ましたり、
「どうしてこんなことができちゃうのかしら?」「次はどうなるのお?」など素朴で「大きな質問」もする。
ミトラ氏は、2013年のTEDでこれらの実験研究についてスピーチし優勝。賞金の約一億円をこうした「自主学習環境」に基づいた「雲の学校」創設に投資。2014年から英国やインドなど世界のいくつかの地域で試みられている。
「雲の学校」は、コンピューター、インターネットアクセス、生徒何人かによってどこでも成り立つとのこと。教育者が、「大きな質問」を与え、生徒は小さなグループに分かれて答えを見出そうとする。授業中生徒はインターネットを用い、グループの子と話し合い、好きなように動き回って他のグループの子と情報交換してもいい。授業の終わりには、クラス全体に、見出した答えをシェアする。
通常の学級に、こうした「雲の学校式クラス」を挟み込むというのは、こちらの学校では結構始まっているのかなと感じている。
今私達家族の暮らしているこの州では、小学校五年生から一人一台ノートブックパソコンが支給され、授業の課題や宿題提出もほとんどオンライン。先生も、「質問する前に、まずは自分でグーグルしてみなさい」なんて言うことも。
プロジェクターでスライドを見せるだけの先生もいるぐらいだから、だったらもう本当、「良質な質問」と、自ら「良質な情報」を検索でき生徒同士議論できる環境、それと気持ちが励まされるような「おばあちゃん」、それが「学校」の基本的仕組みとする、でいいじゃないとも思ったりする。学校スタッフは、「良質な質問や情報」を制作吟味する存在として活躍する。「おばあちゃん的存在」は、近所のリタイヤされた方々にお願いする。
一気にみんながみんな「雲の学校」というより、通常の学級に「雲の学校時間」も少し設けるという形だったり、メインの学校に対し「雲の学校」という選択もある、となっていくのもいい。
現在の各地での試みが、未来へどう繋がっていくのか、楽しみ。
以前、ミトラ氏の研究実験についてまとめたもの:「未来の学校像、これからの学びのあり方」
「今の学校というのは、帝国主義時代の名残」という意見、なるほどなと思う。