秋田市日赤2Fのミニギャラリーで開催中の伊藤洋子素描展を観てきました。洋子さんは、大学の先輩で油絵から彫塑を経て、現在はこうして自然と向き合いながら、素描を続けていらっしゃいます。毎年いただいている年賀状は、その素描が素晴らしく、全部保存しています。
今回、もちろん素描は素晴らしいのですが、大きな紙に自筆で書かれていた文章に心を奪われました。ご本人の承諾を得たので、ここに紹介させていただきます。(本当は、自筆の文字もまた素敵なのですが)
今年も庭は植えた花よりも雑草が
元気にはびこっています
仕方なく鎌を手に重い腰を上げます
ヨモギ、スギナ、ハルジオン・・・夢中で刈って、
オニノゲシも
剣客よろしくバッサリやった時でした
思ってもみない大量の水が顔にかかり、
一瞬何が起こったかわからず、びっくりして手を止めました
「カエリチ ヲ アビタ」と思い、
思わず顔を拭った手を見ました
「アカクナイヨネ」
切ったオニノゲシの茎から水を浴びせられて、
(変な言い方ですが)
こいつ、こんなにも生きていたのか と
慄然としました
短くなった茎は、まだ凛と、まっすぐ空を目ざして立ち、
切り口からはじわじわと水があふれています
ごめんなさい オニノゲシ
生きてるって教えてくれて ありがとう
見回せば
空も雲も草木も鳥も、
照っても、曇っても、降っても、
世界が あんまり きれいで、嬉しくて、
讃えても
讃えても
足りません