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欠落した言語技術

2006-10-15 | ひとりごと
最近『外国語を身につけるための日本語レッスン』という本を図書館から借りて読んだ。つくば言語技術教育研究所の三森ゆりか先生が2003年に書かれた本(白水社)である。

この先生の主張は「外国語を習得するための近道として、欧米の言語教育で当然のように実施されている言語技術、コミュニケーション・スキルを学ぶべきである」ということ。この考えの基盤になったのは、中学・高校の4年間を過ごした旧西ドイツでの経験のようである。議論好きのドイツ人と、議論下手の日本人とでは、思考回路や言語感覚に大きな隔たりがあるらしい。ドイツだけ違うということではなく、この「曖昧な日本語」を操る我々日本人の文化が、欧米諸国から見るとかなり特殊なようなのだ。

主語や目的語を曖昧にすることに加え、かみ合わない問答、まわりくどい説明、議論とは呼べない意見の羅列が、確かに日本人には多いように思う。「話をズラす」「わき道にそれる」「あやふやにする」ことは大の得意だ。そして言語技術を学んできた、日本人から見ると「理屈っぽい」欧米人のたたみかけるような質問に遭遇すると、とたんに沈黙してしまう。問われた内容に対して具体的な返答ができないのだ。

欧米の国語教育の基盤である「言語技術」は、対話の技術、説明・描写のための技術を基本とし、多岐にわたり奥が深い。一方、日本では最低9年間義務教育で国語の勉強をしているにもかかわらず、実社会の中で役に立つ言葉の運用技術はほとんど指導されないのだ。母国語である日本語でできない「言語技術」は、外国語でできるはずがない。この欠落してきた部分をまず埋めることが、外国語堪能への近道なのだそうだ。

>外国語が上達するためにはまずしっかりとした日本語を身につけること

>多くの語学の達人がこのように提言しています。

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