石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

石油と中東のニュース(9月16日)

2020-09-16 | 今日のニュース
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(コロナウィルス関連ニュース)
・通貨危機に続くコロナ禍で債務返済に苦しむトルコ企業
・今年4-6月期のGCC各国のプロジェクト契約実績大幅に低下。前年同期の162億ドルから40%減

(石油関連ニュース)
(中東関連ニュース)
・イスラエル-UAE-バハレーンがホワイトハウスで和平協定締結

・トランプ大統領、サウジのイスラエルとの関係改善に期待感示す


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石油・ガスの生産と消費で米国が四冠:BPエネルギー統計2020年版石油+天然ガス篇 (7)

2020-09-15 | BP統計
(注)本シリーズは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0514BpOilGas2020.pdf

2.世界の石油と天然ガスの生産量(続き)
(増産に勢いがついた米国!)
(3)ロシア、米国等主要国の生産量の推移
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-2-G03.pdf 参照)
 ここでは2019年の生産量上位3カ国(米国、ロシア、サウジアラビア)にイラン、中国、カタール及びブラジルを加えた7か国について2000年以降の生産量の推移を見ることとする。

 2000年における石油・天然ガス合計生産量は米国が1,667万B/D(内訳:石油773万B/D、天然ガス5,186億㎥、石油換算894万B/D。以下同じ)でトップであり、ロシアは1,584万B/D(同658万B/D、5,371億㎥、926万B/D)であった。その後、米国は生産が低迷、一方のロシアは増加したため2002年には両国の順位が逆転した。その後両国の差は大きくなり2005年の生産量はロシアが1,976万B/D、米国は1,534万B/Dと両国の差は400万B/D強にまで拡大した。しかし米国の生産が2005年を底に上向きに転じる一方、ロシアはその後横這いにとどまった。この結果2013年には両国の順位が僅差で逆転した。そして2015年の生産量はロシアの2,108万B/Dに対し米国は2,554万B/Dで両国の差は446万B/Dまで広がった。2017年は米国の生産量が2,599万B/Dと過去最高を更新、2019年はさらに大きく伸びて3,291万B/Dに達した。これに対し、ロシアの生産量は2,324万B/Dであり、両国の差は1千万B/D近くに開いている。

サウジアラビアの場合は従来から石油の比率が圧倒的に高く、2000年の生産は石油が912万B/D、天然ガスは82万B/D(石油換算)で石油はガスの10倍以上であった。その後同国の石油生産は2010年までは1千万B/D前後で推移し、現在は1,200万B/D前後である。この間天然ガスの生産は毎年前年を上回る増加を続けており、この結果2019年の生産量は石油1,183万B/D、天然ガス196万B/Dの合計1,379万B/Dに達し、両者の構成比は石油86%、天然ガス14%となり天然ガスの比率が上がっている。

カタールは2000年時点では石油と天然ガスの生産量はそれぞれ85万B/D、44万B/D(合計130万B/D)であり、石油が天然ガスを上回っていたが、その後天然ガスの生産が急速に拡大し、2006年には倍増、さらに2019年には石油換算で307万B/Dに達している。この結果、2019年の石油・天然ガスの合計生産量は2000年の4倍の495万B/Dを記録するとともに、石油と天然ガスの比率は石油38%に対し天然ガスは62%と逆転している。

中国は2000年以降着実に生産量が増加しており、2000年の373万B/Dから2019年には1.9倍の690万B/Dと過去最高の生産量であった。但し2012年に600万B/Dを超えて以降、生産は停滞している。イランも中国同様2011年までは着実に増加し、2000年の合計生産量482万B/Dが2011年には1.5倍の705万B/Dに増加した。しかし核開発疑惑をめぐる欧米諸国の禁輸制裁の結果、石油の生産は370万B/D前後に低迷、核合意による制裁解除を受けて2017年の石油生産量は500万B/Dに戻ったが、2019年は米国トランプ政権による石油の禁輸措置により石油の生産量は354万B/Dに激減している。天然ガスは国内需要の拡大に合わせ大幅に増産されており、石油・天然ガスの合計生産量は2016年から2018年まで800万B/D台を維持し、2019年の生産量も774万B/Dを記録している。天然ガスは全量国内消費のため生産量は今後も増加すると見込まれるが、原油の生産は米国が経済制裁を強化、同盟各国にも制裁効果が及ぶため今後の生産量は予断を許さない状況である。

ブラジルの生産量は上記の国々に比べて必ずしも多くないが、2019年の生産量は2000年に比べて2.4倍である。これは6カ国の中ではカタールの3.8倍に次ぐ高い伸び率であり、米国の2.0倍よりも高い。

(石油+天然ガス篇 生産量完)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
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石油と中東のニュース(9月14日)

2020-09-14 | 今日のニュース
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(コロナウィルス関連ニュース)
・サウジ、9/15日から国際便一部解禁、来年1月には全面解除の予定

(石油関連ニュース)
・トルコの天然ガス掘削船突如帰国、緊張改善の兆しか。  *

*参考レポート「天然ガスに国際政治が絡み大荒れの東地中海」(2020年2月)

(中東関連ニュース)
・オマーン、イスラエル-バハレーンの外交関係樹立を歓迎
・医療観光(medical tourism)ランクでドバイが世界6位。1位は加、日本は3位。 **
・サウジ:小売り大手BinDawoodが株式公開

**「Medical Tourism Index 2020-2021

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石油・ガスの生産と消費で米国が四冠:BPエネルギー統計2020年版石油+天然ガス篇 (6)

2020-09-14 | BP統計
(注)本シリーズは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0514BpOilGas2020.pdf

2.世界の石油と天然ガスの生産量(続き)
(伸びる天然ガス、6割を切った石油!)
(2)1970年~2019年の生産量の推移
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-2-G02.pdf 参照)
 1970年から2019年までの世界の石油と天然ガス合計生産量の推移を追ってみると、1970年の生産量は6,490万B/Dであり、その内訳は石油4,808万B/D、天然ガス9,761億㎥(石油換算1,682万B/D)であった。その後1980年には合計生産量は9千万B/D近くに達し、1992年には遂に1億B/Dを突破した。2000年の生産量は石油が7,470万B/D、天然ガスは2.4兆㎥(石油換算4,140万B/D)で、合計生産量は1兆1,600億B/Dであった。

 2000年以降も石油と天然ガスの生産量は増加し、合計生産量は2005年には1.3兆B/D、2010年1.4兆B/D、2015年1.5兆B/Dとなり、2019年は石油9,500万B/D、天然ガス(石油換算)6,900万B/D、合計1兆6,400億B/Dを記録している。因みに1970年から2019年までのほぼ半世紀の間、生産量が前年を下回ったのは1975年、1980年代前半、1999年及び2009年の4回である。

1970年と2019年の生産量の伸びを比較すると、合計生産量では2.5倍、石油と天然ガスのそれぞれの増加率は石油2.0倍、天然ガス4.1倍であり、天然ガスは石油の2倍のスピードで生産が伸びていることがわかる。この結果、石油と天然ガスの比率は1970年には石油74%、天然ガス26%であり、石油が天然ガスの3倍であったが、2019年には石油58%、天然ガス42%となり、石油の比率は6割を切っている。現在天然ガスについては米国におけるシェールガスを含め世界各地で開発生産が活発に行われており、またパイプライン、LNGによるサプライチェーンも急速に整備拡充されている。従って生産に占める天然ガスの比率は今後更に高まるものと思われる。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
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石油と中東のニュース(9月12日)

2020-09-13 | 今日のニュース
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)
・英BP、脱石油・天然ガスを加速、米東海岸の洋上風力発電事業に参画。  *
*参考「コロナ禍で大幅な減収・減益:五大国際石油企業 2020 年 4-6 月期決算速報

(中東関連ニュース)
・イスラエルとバハレーンが和平協定締結。UAEと共に9/15ワシントンで正式調印

・レバノン、米のヒズボラ幹部経済制裁措置で国論分裂、組閣難航
・エジプト議会選挙、10/24-25に実施
・クウェイト:首長の病状は安定と発表
・カタールの仲介でアフガニスタン政府とタリバンが和平交渉開始

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見果てぬ平和 - 中東の戦後70年(46)

2020-09-12 | その他
(英語版)
(アラビア語版)

第6章:現代イスラームテロの系譜
3.世界を震撼させた911同時多発テロ



21世紀は「911同時多発テロ」で幕を開けた。20世紀末の最後の10年間にもイスラームテロが多発したが、911テロはその規模の大きさと言い、世界に与えた影響と言い比較にならないものであった。

20世紀末の主なテロを列挙すると1992年のイエメン・アデンのホテルの爆弾事件でオーストリア人観光客2名が死亡、翌93年にはニューヨークの世界貿易センタービルで8人が死亡、1,000人以上が負傷する爆破事件が発生している。さらにエジプトのルクソールで観光客に対するテロ事件(1998年)、ケニアとタンザニアでの米国大使館同時爆破テロ(1998年)、さらに1999年9月にはモスクワで2件のテロ事件により200人以上の死者が発生している。

これらのテロ事件の犯人たちはいずれもムスリム(イスラーム教徒)であるが、首謀した組織や事件の背景により大きく三つに分けることができる。一つは狂信的なイスラーム主義者による単独犯的な異教徒襲撃事件であり、ルクソール事件がそれに相当する。もう一つはイスラーム反政府組織による中央政府に対する抵抗運動であり、中央アジアのイスラーム系組織によるモスクワ・テロ事件がこれである。この二つのテロはいずれも国内犯による国内事件である。

これに対してニューヨーク或いはケニア、タンザニアの爆弾テロは、オサマ・ビンラーデン率いるイスラム原理主義組織「アル・カイダ」が米国を標的として世界に展開したテロ活動であった。そのアル・カイダが本格的に牙を剥き21世紀初頭に引き起こしたのが「911同時多発テロ」であった。誰一人知らぬ者がないほど有名な事件であるが、ここでそのあらましを追ってみよう。

2001年9月11日朝、ボストン発ロスアンゼルス行きアメリカン航空11便が午前8時14分にハイジャックされた。犯人は操縦桿を握り進路を南に変更、8時46分にニューヨーク・世界貿易センタービルの北棟に突入した。市民たちは最初何が起こったのか理解できず、小型機が操縦を誤って衝突したとばかり思った。ところがアメリカン航空11便の直後に同じ空港から同じ目的地に向かったユナイテッド航空175便が同じようにハイジャックされ、後を追うような形で貿易センタービルの南棟に突入、最初の事件を報道していたテレビニュースがその瞬間の有様を中継したことによりニューヨーク市民だけでなく世界中の人々がライブ映像で目撃することとなった。実に信じがたい光景だったのである。これにより人々は尋常ならざるテロ事件であることを理解した。

事件はこれだけではなかった。ワシントン発ロスアンゼルス行きアメリカン航空77便もハイジャックされ、こちらは9時38分、国防総省本部(建物が五角形の星形であることからペンタゴンと通称される)に激突した。さらにニューアーク発サンフランシスコ行きユナイテッド航空93便が9時27分に乗っ取られたが、こちらは貿易センタービルの事件を知った機内の乗客がハイジャックを阻止しようとしワシントンの北西240KMの地点で地上に激突した。時間は午前10時3分。犯人はホワイトハウス或いは国会議事堂への突入を狙っていたものと推測される。4機同時ハイジャックによるテロ事件は死者3千人、負傷者6,300人という史上最大の惨事となったのである。

事件後、ブッシュ大統領(当時)は犯行がオサマ・ビンラーデン率いるイスラム過激派組織アル・カイダによるものと断定、テロ計画の立案者としてビンラーデンの部下ハリド・シェイク・ムハンマドが逮捕された。事件は午前8時14分の最初のハイジャックから午前10時3分の4機目の墜落までわずか2時間足らずの間に起こった。アル・カイダはこの2時間のため膨大な時間をかけて入念な計画と周到な準備を重ねたのであるが、その中には大型ジェット機の操縦法の習得まで含まれていた。米国は911テロ事件に先立つ8年前(1993年)の貿易センタービル爆破事件でアル・カイダが米国本土を狙っていることは認識していたが、同時多発テロの動きを事前に察知することができなかった。テロリストたちは捜査当局の予測をはるかに超えるテロを計画し実行したのであった。エジプト人モハメド・アタを首謀者とする19人の実行犯が特定され、19人のうちの11人はサウジ人であった。

この事件を契機として米国の対テロ作戦が動き出す。米国のブッシュ大統領はテロの撲滅を外交の最重要課題に掲げ、自衛のための先制攻撃もを辞さない強硬姿勢を示した。米国はアル・カイダの拠点であるアフガニスタンのタリバン政権に対して軍事行動を起こしこれを転覆した。オサマ・ビンラーデンは隣国パキスタンの険しい山の中を転々と逃亡した。彼はその間も世界各国のイスラーム過激派組織に呼びかけ、同調者たちによるテロ活動が世界各地で続発した。しかし米国は必死に追及、2011年5月、特殊部隊が急襲してイスラマバード郊外でビンラーデンを殺害した。彼は時に54歳であった。

21世紀、それはイスラーム過激派による抵抗の時代の幕開けであった。

(続く)

荒葉 一也
E-mail: areha_kazuya@jcom.home.ne.jp
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今週の各社プレスリリースから(9/6-9/12)

2020-09-12 | 今週のエネルギー関連新聞発表
9/7 住友商事
米国マーセラス・シェールガス開発プロジェクトの資産売却について
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2020/group/13830

9/7 Total
BRAZIL : TOTAL RESIGNS FROM ITS ROLE OF OPERATOR IN THE FOZ DO AMAZONAS BASIN
https://www.total.com/media/news/actualites/brazil-total-resigns-from-its-role-of-operator-in-the-foz-do-amazonas-basin

9/8 ExxonMobil
ExxonMobil announces Redtail discovery offshore Guyana
https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2020/0908_ExxonMobil-announces-Redtail-discovery-offshore-Guyana

9/10 BP
bp and Equinor form strategic partnership to develop offshore wind energy in US
https://www.bp.com/en/global/corporate/news-and-insights/press-releases/bp-and-equinor-form-strategic-partnership-to-develop-offshore-wind-energy-in-us.html
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石油・ガスの生産と消費で米国が四冠:BPエネルギー統計2020年版石油+天然ガス篇 (5)

2020-09-11 | BP統計
(注)本シリーズは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0514BpOilGas2020.pdf

2.世界の石油と天然ガスの生産量
(石油、天然ガスともに米国が生産量世界一!)
(1)国別生産量
(表http://bpdatabase.maeda1.jp/3-2-T01.pdf 参照)
2019年の世界の石油生産量は日量9,519万バレル(以下B/D)であり、これに対して天然ガスの生産量は年間3兆9,893億立方メートル(以下㎥)であった。天然ガスの生産量を石油に換算すると6,875万B/Dとなり、従って石油と天然ガスを合わせた1日当りの生産量は1億6,394万B/Dとなる。両者の比率は石油58%、天然ガス42%である。

 生産量を国別に見ると、世界で石油と天然ガスの合計生産量が最も多い国は米国である。内訳は石油が1,705万B/D、天然ガスは9,209億㎥(石油換算1,587万B/D)、合計では3,291万B/Dとなる。同国は石油生産量、天然ガス生産量ともに世界1位である。

 米国に次ぐ世界第二位の生産量を誇るのはロシアである。同国は石油では世界3位、天然ガスは世界第2位であり、石油生産量は1,154万B/D、天然ガス生産量は6,790億㎥(石油換算1,170万B/D)、石油と天然ガスの合計生産量は2,324万B/Dである。米国とロシアの2018年の生産量はそれぞれ2,976万B/D及び2,297万B/Dであり、対前年増加率は米国が11%増、ロシアは1.2%増であった。

世界全体の生産量1億6,394万B/Dに占める両国の割合は米国20%、ロシア14%であり全世界の3分の1を占めている。因みに埋蔵量については(前章参照)ロシアが世界3位であり米国は世界9位である。

 生産量世界第3位はサウジアラビアの1,379万B/Dである。内訳は石油1,183万B/D、天然ガス1,136億㎥(石油換算196万B/D)でありロシア或いは米国に比べて石油の比率が圧倒的に高い。また2018年比では▲2.8%減少しており、米国が大幅な増産、ロシアも小幅ながら増加していることに比べ対照的である。

4位から10位までの生産国は、4位カナダ863万B/D(内訳:石油565万B/D、石油換算天然ガス298万B/D。以下同じ)、5位イラン774万B/D(石油354万B/D、天然ガス421万B/D)、6位中国690万B/D(石油384万B/D、天然ガス306万B/D)、7位UAE508万B/D(石油400万B/D、天然ガス108万B/D)、8位イラク497万B/D(石油478万B/D、天然ガス19万B/D)、9位カタール495万B/D(石油188万B/D、天然ガ307万B/D)、10位ノルウェー370万B/D(石油173万B/D、天然ガス197万B/D)となっている。

 11位以下20位までの国を列挙すると、ブラジル、クウェイト、オーストラリア、アルジェリア、ナイジェリア、メキシコ、カザフスタン、マレーシア、インドネシア、エジプトの順である。

(続く)

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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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石油・ガスの生産と消費で米国が四冠:BPエネルギー統計2020年版石油+天然ガス篇 (4)

2020-09-10 | BP統計
(注)本シリーズは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0514BpOilGas2020.pdf

(可採年数、50年を割る!)
(4)可採年数の推移(1980~2019年)
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-1-G04.pdf 参照)
 可採年数(以下R/P)とは埋蔵量を同じ年の生産量で割った数値で、現在の生産レベルがあと何年続けられるかを示したものであるが、2019年末の石油と天然ガスの合計埋蔵量を同年の合計生産量(次章参照)で割ると、石油・天然ガス全体の可採年数は49.9年となる。

1980年から2019年末までの推移をみると、1980年の可採年数は35年であった。この年の石油の可採年数は30年、天然ガスは50年であり、石油と天然ガスの間には20年の差があった。当時、石油の埋蔵量は天然ガスの1.5倍であったが、石油の生産量が天然ガスの2.6倍であったため石油の可採年数が低く、石油と天然ガスを合わせた可採年数も石油に近い数値となったのである。

 その後、1980年代は石油、天然ガスの埋蔵量は共に増加したが、生産に関しては天然ガスが伸びる一方(天然ガス篇2-(3)参照)石油は停滞したため(石油篇2-(3)参照)、石油の可採年数が伸び、天然ガスのそれは停滞した。1990年代は石油、天然ガス共に可採年数は横這いとなり、両者を合わせた可採年数も50年前後で推移した。2000年代に入り可採年数は2002年に54年のピークを記録した後、2006年には50年を切り、2011年末には再び56年と緩やかな波を打っている。

近年、石油と天然ガスの可採年数は収斂する方向にある。2019年末は石油、天然ガス共に50年であり、1980年のそれが石油30年、天然ガス50年であったことと比べると大きな変化であり、これは石油と天然ガスが同じ化石エネルギーとして相対優位の市場原理で取引されるようになっていることと無関係ではないであろう。

石油・天然ガスの合計可採年数は2011年末の55.8年をピークに、2018年末には50.4年となり、2019年末には50年を割り49.9年になっている。化石エネルギーが見直され、世界的に石油・天然ガスの探鉱開発が停滞しているが、可採年数は消費量も減退して現状を維持するのか、それとも現在の傾向が続いて可採年数がさらに低下するのか、今後しばらく状況の推移を注視する必要があろう。

(石油+天然ガス篇 埋蔵量完)

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石油と中東のニュース(9月9日)

2020-09-10 | 今日のニュース
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)
・Brent原油、5日連続で下落、40ドルを割る。WTI $36.78

(中東関連ニュース)
・サウジ皇太子兼国防相、河野防衛相と電話会談
・米軍、11月末までにイラク、アフガニスタン駐留兵力半減。イラク3千人、アフガン4,500人に
・15日にワシントンでUAE-イスラエル和平調印。ネタニヤフ首相、UAE外相が出席
・UAE外相:イスラエル和平はパレスチナ問題棚上げにあらず
・米大統領、オマーン国王と電話会談。UAE-イスラエル和平追随を働きかけか
・米国務省高官:サウジ、UAE等のカタール封鎖は数週間以内に解消
・オマーン、相次いで国債発行。今年の財政赤字はGDPの16.9%に拡大。 *
・バハレーン、20億ドルのイスラム債発行。GDP債務比率114.9%。格付けはジャンク債。 *
・アブダビに世界初のAI大学(MBZUAI)誕生

*レポート「世界主要国のソブリン格付け(2020 年 7 月現在) 」参照。



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