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http://mylibrary.maeda1.jp/0514BpOilGas2020.pdf
(可採年数、50年を割る!)
(4)可採年数の推移(1980~2019年)
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-1-G04.pdf 参照)
可採年数(以下R/P)とは埋蔵量を同じ年の生産量で割った数値で、現在の生産レベルがあと何年続けられるかを示したものであるが、2019年末の石油と天然ガスの合計埋蔵量を同年の合計生産量(次章参照)で割ると、石油・天然ガス全体の可採年数は49.9年となる。
1980年から2019年末までの推移をみると、1980年の可採年数は35年であった。この年の石油の可採年数は30年、天然ガスは50年であり、石油と天然ガスの間には20年の差があった。当時、石油の埋蔵量は天然ガスの1.5倍であったが、石油の生産量が天然ガスの2.6倍であったため石油の可採年数が低く、石油と天然ガスを合わせた可採年数も石油に近い数値となったのである。
その後、1980年代は石油、天然ガスの埋蔵量は共に増加したが、生産に関しては天然ガスが伸びる一方(天然ガス篇2-(3)参照)石油は停滞したため(石油篇2-(3)参照)、石油の可採年数が伸び、天然ガスのそれは停滞した。1990年代は石油、天然ガス共に可採年数は横這いとなり、両者を合わせた可採年数も50年前後で推移した。2000年代に入り可採年数は2002年に54年のピークを記録した後、2006年には50年を切り、2011年末には再び56年と緩やかな波を打っている。
近年、石油と天然ガスの可採年数は収斂する方向にある。2019年末は石油、天然ガス共に50年であり、1980年のそれが石油30年、天然ガス50年であったことと比べると大きな変化であり、これは石油と天然ガスが同じ化石エネルギーとして相対優位の市場原理で取引されるようになっていることと無関係ではないであろう。
石油・天然ガスの合計可採年数は2011年末の55.8年をピークに、2018年末には50.4年となり、2019年末には50年を割り49.9年になっている。化石エネルギーが見直され、世界的に石油・天然ガスの探鉱開発が停滞しているが、可採年数は消費量も減退して現状を維持するのか、それとも現在の傾向が続いて可採年数がさらに低下するのか、今後しばらく状況の推移を注視する必要があろう。
(石油+天然ガス篇 埋蔵量完)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
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(可採年数、50年を割る!)
(4)可採年数の推移(1980~2019年)
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-1-G04.pdf 参照)
可採年数(以下R/P)とは埋蔵量を同じ年の生産量で割った数値で、現在の生産レベルがあと何年続けられるかを示したものであるが、2019年末の石油と天然ガスの合計埋蔵量を同年の合計生産量(次章参照)で割ると、石油・天然ガス全体の可採年数は49.9年となる。
1980年から2019年末までの推移をみると、1980年の可採年数は35年であった。この年の石油の可採年数は30年、天然ガスは50年であり、石油と天然ガスの間には20年の差があった。当時、石油の埋蔵量は天然ガスの1.5倍であったが、石油の生産量が天然ガスの2.6倍であったため石油の可採年数が低く、石油と天然ガスを合わせた可採年数も石油に近い数値となったのである。
その後、1980年代は石油、天然ガスの埋蔵量は共に増加したが、生産に関しては天然ガスが伸びる一方(天然ガス篇2-(3)参照)石油は停滞したため(石油篇2-(3)参照)、石油の可採年数が伸び、天然ガスのそれは停滞した。1990年代は石油、天然ガス共に可採年数は横這いとなり、両者を合わせた可採年数も50年前後で推移した。2000年代に入り可採年数は2002年に54年のピークを記録した後、2006年には50年を切り、2011年末には再び56年と緩やかな波を打っている。
近年、石油と天然ガスの可採年数は収斂する方向にある。2019年末は石油、天然ガス共に50年であり、1980年のそれが石油30年、天然ガス50年であったことと比べると大きな変化であり、これは石油と天然ガスが同じ化石エネルギーとして相対優位の市場原理で取引されるようになっていることと無関係ではないであろう。
石油・天然ガスの合計可採年数は2011年末の55.8年をピークに、2018年末には50.4年となり、2019年末には50年を割り49.9年になっている。化石エネルギーが見直され、世界的に石油・天然ガスの探鉱開発が停滞しているが、可採年数は消費量も減退して現状を維持するのか、それとも現在の傾向が続いて可採年数がさらに低下するのか、今後しばらく状況の推移を注視する必要があろう。
(石油+天然ガス篇 埋蔵量完)
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