About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

東京電力を組み入れるSRIファンドも

2011-03-28 19:08:31 | リンク
投資信託の中には、SRIファンドというのもあります。SRI=Socially Responsible Investment(社会的責任投資)のこと。一般的には、「企業への株式投資の際に、財務的分析に加えて、企業の環境対応や社会的活動などの評価、つまり企業の社会的責任の評価を加味して投資先企業を決定し、かつ責任ある株主として行動する投資手法」のことをいいます。

詳しくはこちら
公募SRIファンド一覧

SRIファンドの中には、東京電力を組み入れている投信もあり、今回の件を受けて、組み入れ比率を引き下げるといったレポートをアップしている運用会社もあります。

「SRIファンド」における東京電力株の投資判断について/住信アセットマネジメント
<追記;2011.04.01>その後、住信アセットマネジメントのSRIファンドは東京電力全株を売却と発表
「SRIファンド」における東京電力株の投資状況について

「中央三井社会的責任ファンド(愛称:SRI 計画)」の組入銘柄についてのご案内/中央三井アセット

<参考>モーニングスター責任投資株価指数

ひと口にSRIファンドといっても、銘柄を選ぶ基準やプロセスは投信によって異なります。調査、(銘柄選びの)助言している会社もいろいろです。SRIだけに限りませんが、イメージでなんとなく商品を選んでしまうのではなく、購入前にきちんと投資プロセスや投資対象の選定、運用実績などを確認しておく必要があるでしょう。また、こうした事態を受けての対応、情報開示なども、投資する(あるいは保有し続けるか否か)の参考にしたいものです。


指数は生き物ですね(先進国債券編)

2011-03-25 20:21:42 | リンク
1月下旬から休場していたエジプト証券取引所が、3/23にようやく取引を再開しました。じつに約2カ月も休場していたわけですね。長い! 以前、こちらでも、書きましたが、集中投資のリスクについても考えておきたいものです。

今のところ、MSCIエマージングマーケット・インデックスに占めるエジプトの比率は0.5%程度ということもあって、指数から外れるということはないようですが・・・。

ここで、押さえておきたいのは指数の中身は入れ替わることもあるということ。例えば、先進国の債券を対象とした「シティグループ世界国債インデックス(除く日本)」という指数があります。詳しくはこちら

この指数に採用されるには
1.市場規模基準
2.信用格付
3.市場参入の障壁がないこと という3つの基準を満たす必要があります

昨年(2010年)は6月にギリシャが格下げされたため、2の基準を満たすことができずに指数から外れました。一方、10月にはメキシコが3つの条件をクリアしたため、中南米ではじめて指数に採用されたのです。

このように、指数の中身は時代に応じて変わっていきます。
こうした変遷をみるだけでも、なかなか面白いですね。

<参考>
三菱UFJ投信/タネタネフレンズのインデックス丸わかり
「インデックスの中身が入れ替わる?」

住信アセットマネジメント/フォローアップレター
メキシコ国債がシティグループ世界国債インデックスの市場採用基準に適合

非常用資金の大切さ

2011-03-23 11:27:06 | リンク
今回の大震災で改めて感じたのは、万一の場合に備えた「非常用資金」の重要性です。
とくに自営業・フリーランスの方は仕事減=収入減に直結します。周囲からは鉄道会社とのタイアップ企画が中止、セミナーやイベントが延期といった声も聞こえてきます(私自身も3月実施のセミナー等はすべて中止か延期。独立以来スケジュールがこれだけスカスカになったのは初めてです)。

こうした時に、焦らず、心の余裕を持って、次の仕事に取り組むためにも「非常用資金」があると心強いですよね。
自営業・フリーランスの方だと「生活費×12カ月程度」あると安心です。会社員の方でも、最低「生活費×6カ月程度」は蓄えておきたいところです。収入の1年とか半年分ではなく、あくまでも生活費の1年とか半年分なので、頑張れば貯められる金額だと思います。

「資金を目的別に色分けして運用するのは非効率。大部分を運用に回して必要なときに解約すればいい」というご意見もありますが、「必要なときに解約」というスタンスだとリスクもあります。例えば、本来の目標(老後資金のため)といったときに解約していくのは問題ありませんが、資産形成の途中でお金が必要になる場合は、今回のような不測の事態が起こったときだったり、不景気で収入が減りお金が足りなくなったりという時期であることも多いからです。そういう時期は、相場が不安定であることも考えられ、結果的に評価損を抱えた商品を売らざるをえないこともありえます(これは精神的なダメージも大きい・・・)。そう考えると、万一に備えたお金(=投資に振り向けないお金)もきちんと確保しておいたほうがいいと思うのです。



寄付したら、確定申告も忘れずに

2011-03-18 17:13:17 | リンク
今回の地震を契機に、寄付を考えている(あるいは寄付をした)という方も周囲にたくさんいます。

個人が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対して、寄付をした場合には、来年の確定申告の際に「寄附控除」を受けることができます。
控除できる金額は「1.2のいずれか低いほうの金額-2000円」いずれか低いほうの金額になります。

1.その年に支出した特定寄附金の額の合計額
2.その年の総所得金額等の40%相当額

ただし、どこに寄付してもいいわけではなく、定められた一定の要件をみたした団体に寄付した場合に限られます。
また、確定申告の際には寄付した旨がわかる受領書等も必要になります。こちらも詳しくは国税庁のHPをご覧ください。

<参考>
国税庁「一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」
認定NPO法人の寄付者に対する税の優遇措置とは?(14-16P)

もっとも、これだけ寄付をしようという機運が広がる中、例えば、寄附控除の対象となっているNPOは現状では1%未満とか。かなり限られていますよね。鳩山政権時代に有識者による円卓会議で寄付税制改革が提起されたものの、進展がとぼしいようです。日本でも寄付文化を広げるためにはこうした制度も含めて、検討していく必要がありそうですね。

<参考>病児保育のNPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹のblog


ネット銀行・証券、直販投信の支援状況

2011-03-15 17:11:50 | リンク
今回の東北地方太平洋沖地震で大手金融機関も続々支援を表明しています。
詳しくはこちら

<2011.03.18追記 金融機関からの義援金>
詳しくはこちら
ネット銀行・証券や直販投信でも支援を表明しているところがあるので、いくつかご紹介したいと思います。以前、運用会社についてはこちらのブログに評価ポイント5つについて書きましたが、不測の事態のときにどういう対応を取ったのかを、参考までにまとめてみました。

<寄付を表明>
ソニー銀行
●義援金として1000万円を寄付。
●ソニー銀行の口座保有者は24 時間、振込手数料無料(ソニー銀行口座間の振込)で、義援金をお振り込みできる。全額、日本赤十字社(予定)を通じて被災者救援のために寄付。
東北地方太平洋沖地震災害に対する義援金について

カブドットコム証券
●日本赤十字社を通じて、お見舞い金1000万円を贈る
●HPでお客さまからの義援金を受付
東北地方太平洋沖地震被災者の方々への支援について

さわかみ投信
●義援金として1500万円寄付
ファンド仲間の皆様へ

コモンズ投信
●2010年の弊社の信託報酬の1%相当を公益社団法人 Civic Force(緊急即応チーム)に寄付
コモンズ投信、渋澤・伊井からのメッセージ
<2011.03.18追加>こうした試みもやってます→こちら

<口座保有者からの寄付を受け付け>

マネックス証券
マネックスポイントを日本赤十字社の「東北地方太平洋沖地震義捐金」に交換可能

楽天銀行
東北地方太平洋沖地震の被災者義援金を受け付け
*三木谷さんは個人的に10億円寄付するとの報道もありますね。

SBIグループ
日本赤十字社への義援金を受け付け。SBIポイントも使用可能。詳しくはこちら。

<受益者向けにメッセージを発信>
セゾン投信
長期投資家仲間へのメッセージ(311)

レオス・キャピタルワークス
「ひふみ投信」の3月14日の基準価額下落について

鎌倉投信鎌田社長のブログ
今できることに全力を尽くす

<参考;大手運用会社>
日興アセット
『日本が大きな試練を受けた今、日興アセットマネジメントがお伝えしたいこと』

大和投信
本日(3月14日)のファンド基準価額の下落について

国際投信
弊社投資信託の基準価額下落について


今できること・やるべきことを「坦々と」「粛々と」

2011-03-14 12:29:24 | リンク
3月11日(金)に東北地方太平洋沖地震で、お亡くなりになられた皆さまのご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。

こうした中、私たちにできることは何でしょうか。
とにかく落ち着いて、今できること・やるべきを「坦々と」「粛々と」やっていくのがいちばんだと思います。例えば、(通勤が可能な方は)は日常業務をしっかり行う、関東圏の方はできる範囲で節電に協力する――などです。友人からはフェイスブックで「何でもない日常に戻る事も災害支援の一つの方法」というコメントをもらいました。ホントにそう思います。

また、今回のことで、改めて「お金の使い道」について、考えてみたいもの。具体的には「①消費する」「②寄付する」「③投資する」という行動についてです。

まず、消費。今回の影響が軽微だった地域の方たちや、影響がなかった地域の方たちはふつうの消費を心がけることが必要だと思います。経済が健全に動いていくためには過度な節約は逆効果。無理に使う必要はありませんが、日常的な行動を心がける、震災の対応を含め、応援したいと思う企業の商品・サービスを購入するといったことです。また、過剰な買い占めも慎みたいものです。

2つ目は寄付。ほんの小額でもいいので、被災された地域に役立つようにお金を寄付することも検討されてはどうでしょうか(逆に、モノを送るのは控えましょう)。
私は以前、chabo!で本の印税の一部を寄付したことのある、特定非営利活動法人ジェン(JEN)さんに寄付をしました。JENは過去、新潟県中越地震緊急支援やインドネシア スマトラ島沖地震緊急支援などで実績があること、また代表の木山さんのことも存じ上げているためです。詳しくはこちら
JENに限らず、共感できるところ、信頼できるところを選べばよいと思います。

<参考>どこに寄付をしたら、どこにお金が行くのか

そして、3つ目は投資です。短期的には日本株は大きく下がる可能性もあります。実際、14日の株価は大きく下げています。けれど、こうした時こそ、冷静な対応が必要です。資産形成を考える際、暴落時に狼狽して売る(損を確定する)ことは避けたいもの。過度に感情に左右されず、「売らない」あるいは「従来通りコツコツ積立を続ける」といったスタンスも必要でしょう。また、お金の余裕のある方は「インデックスファンドやETFを買う」「将来有望で、本来の価値より割安になったと考える企業を購入する」という選択肢もあるかもしれません。少なくとも私は今回こうした行動を取りたいと思います。

今回の地震、「弱り目に祟り目」という方もいますが、むしろこうした事態を乗り切ったとき、日本は強くなると信じています。そのためには、今できることをする、正しい方向にお金を回していくということを1人ひとりが意識し、コツコツ実行することこそが必要だと思うのです。

コツコツ(#k2k2)のコツ!?

2011-03-07 16:30:27 | リンク
コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ(東京)は3/2で10回目を迎えました。
次回は、通常通り第一水曜日の4/6です。
詳細・お申込はこちら

今年に入ってから急速に全国に拡大していて、
札幌/埼玉/横浜/大阪/広島/沖縄
で開催されています(もしくは開催予定)。

facebookのファンページもm@さんに作っていただきました
こちら

コツコツの運営についてですが、以前、rennyさんがブログで以下の記事を書いてくれてます。
『コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ』はこんな感じで運営しています

場所や開催頻度などを決めた経緯についてはそちらをお読みいただきたいのですが、
開催10回を迎えて、私なりにコツらしきものを加えてみました。

●日時は固定したほうが集まりやすい
東京の場合は、原則、第一水曜日開催にしています。これは発起人3名が"ゆるい場をつくりたい"という気持ちが強かったこともあります。毎月、決まった日・決まった場所に行くと「コツコツ投資の話ができる」ということを重視しました。
 ↓
この辺の事情は地域によって変わってくるかもしれませんね(平日or週末、開始時間、立食形式or着席方式など)。地元の事情を熟知している幹事さんがその地域に合った運営方法を考えていくのがいいと思います。

●幹事はできれば複数いたほうがいい
東京の幹事は発起人の3名です(実態はrennyさんの働きに負うところが大きいですが)
今のところ大きなトラブルはありませんが、運営上、気になることは出てきたりします。「これは変えた方がいいかも?」「取材対応等で相談したい」などは1人で抱え込むよりは相談できたほうがよいでしょうし、急な仕事や病気などで参加できないこともありえます。ですので、最初は1人で始めた方も、周りの方に協力を求めるなどして、将来的には複数幹事体制にすることも考えてみてはどうでしょう。

●実情に応じて柔軟に運営
実際に運営してみないとわからないこともあるので、そこは柔軟に対処すればよいかなと。幸い(?)、k2k2幹事の3名は「こうであらねばならぬ!」というタイプではないので、
喧嘩になることもなく、今に至っています(もしかしたら、島田さんとrennyさんが耐えているだけかもしれませんが・・・笑)。

あと、個人的に一番気にかけているのは「参加者の方の迷惑をかけないこと」ですね。(今は問題はないですが)ヘンな営業があったり、取材を受けたくない人がTVに映ってしまったりということは絶対に避けたいところ。以前、山崎元さんが書かれていたコラム「投資家の集まりのメリットと注意点」
は肝に銘じなくてはと思っています。

せっかく始めた会ですので、今後も「地味に」コツコツ続けていきたいですね!

「投資=ギャンブル」と考える人は予想以上に多かった

2011-03-06 23:59:27 | リンク
金曜日の夜(3/4)にNHKで『特報首都圏「“うまい話”にだまされないために」』という番組が放送されました。

番組の公式ホームページはこちら

概要については「梅屋敷商店街のランダムウォーカー」の水瀬ケンイチさんがまとめてくれているので、そちらをご覧ください。
世間の「投資アレルギー」はかなりのもの

コツコツ投資家がコツコツ集まるファンページ
も番組内で紹介されています。作成してくれたm@さん、有り難うございます!
(*投資家の集まりの映像については、#k2k2 ではなく、「日経マネーを読む会」のものです)

番組をみて感じたこと。
今回はだまされないために「情報共有しよう」というのがメインテーマだったため、仕方のない面があるかもしれませんが、投資の本質的な話ではなく、「みんなで情報共有してますよ」という紹介に終わってしまったのが残念です。

また、番組の放送前と放送中にメールやツイッターから意見を募集していて、そのコメントが下に流れていました。が
「所詮ギャンブル やらない方がいいと思います」
「結局、夢見ているだけでしょう?」
といった否定的な意見が予想以上に多いことに正直驚きました。まさに水瀬さんと同様、「世間の投資アレルギーはすさまじい」と感じましたね。

コメント欄はこちらからみられます(こちらは当日ツイッター経由でのコメントは入っていないと思います)。

では、「どうしたらいいか」ということですが、特効薬はなくて、「あきらめずに」「地道に」啓蒙活動や投資教育を続けていくことに尽きると思います。時間はかかるかもしれませんが(ただ潮目が変われば早い気もする!)、投資の本質的な意味(社会にお金を回すという側面)や、資産形成を考えることの大切さ、そして正しい知識などが広がっていくように、それぞれの立場で頑張っていきませんか!?
(*テレビではなかなか難しいかもしれませんが、次回はそうしたことも組み入れた番組つくりをお願い致します)

また、マイナスのコメントが多かったのですが、m@さんからは番組終了後に「コツコツ投資家がコツコツ集まるファンページ」の登録者が増えた」というコメントもありました。ネガティブな印象だけでなく、プラスの効果も少しはあったのだと思います。

最後に、投資アレルギーのかた、あるいは「年金不安だけどどうしたらいいの?」と思っている方には岡本和久さんの著書『賢い芸人が焼肉屋を始める理由』(講談社α新書)をおすすめします。


ネット証券4社の『資産倍増プロジェクト』始動(その3)

2011-03-04 21:06:15 | リンク
質疑応答について

――松本社長に。この共同プロジェクトは誰が言い出したのか? 井土社長に。このプロジェクトはいつまで続ける予定か?

松本社長
・自然発生的なこともあるが、一番最初に電話をかけてきたのは(カブコムの)齋藤社長。で、一緒にやろうかということになった。

井土社長
・今の時点では決まっていない。個人的な目標としては、FX。個人的な意見としては、FXは商品性もリスクも大きく、商品性もわかりにくく難しい商品だと感じるが、ある種のブームの状況であれだけの認知度になる。そういう意味では、このプロジェクトでネットで投信売買というブームをつくれたらいいなと。FXに比べて、(投信は)はるかに商品性もわかりやすいし、資産形成にはもってこい。そういうきっかけになれば、長期にわたってやっていくかもしれない。

--3つある(1)ネット証券のシェアを飛躍的に伸ばすという話が何度もでたが、何年で何%くらいを目指しているのか、(2)今の主流は毎月分配型の投信。ノーロードで積み立てに向くタイプのものを使ってどうやってシェアをとっていくのか、(3)ネット証券の強さは今も言っている。今までノーロード投信や積み立てがマーケットで広がらなかったと考えるか。

楠社長
(1)投信の分野にパワーをつぎ込むことで数パーセントから10%台と徐々に増やしていきたい。
(2)毎月分配は今の時流。既存の証券会社の売りやすい商品。ネットがやることで業界の構造が変わっていけば、バリエーションが出てくると思う。資産形成という観点では偏った商品ばかりだと資産形成のツールにはならない。我々がシェアを拡大することで、商品に広がりがでてくるのではないかと思う。
(3)ネット証券は投信に力を入れていたとはいえ、株ほどではなかった。これからしっかり努力を致します。

松本社長
(1)シェア(の目標)は3年で30%(4社合わせて)。
(2)アドバイスが必要。ネット証券でもアドバイスの提供ができる。
(3)認知度が低かった。今回のプロジェクトを通してネットでの投信の認知が広がるようにしたい


齋藤社長
(1)販売のシェアよりも残高のシェアを増やしたい。アセット商品ですから、イベントまでに倍増、1年後にはさらに倍増、さらに翌年倍増といけば、(松本社長のいう)30%はいけるのではないか。
(2)株式などは対面証券からの移管があったが、投信の場合には対面証券に眠っているものがたくさんあると思う。販売を増やすという観点も1つあるが、対面証券のほうからアセットを持ってきていただくことの両面で残高を増やしていく。ネット証券で何ができるのかを訴求していく。
(3)とくに当社はサボっていました。もっと頑張ります

井土社長
(1)シェアについては松本社長の3年30%が非常によいと思う。
(2)各社若干事情が違う。弊社の場合には、現在、投信の売れ筋三本柱というのは、REITと毎月分配型と、インデックスのノーロード投信。とくに毎月の積み立てに関しては最低1万円から1000円に移行した際に、1万円で1銘柄購入していた方が、例えば3000円ずつ3本というように分散投資する方が多くなった。プレゼンで話したように、これからは分散投資を訴求していこうと思っているので、当然その中にはインデックスのノーロード投信も入ってくると思う。
(3)努力不足だった。意識の高く、リテラシーの高いネット投資家に対して、ご要望にお応えできるような情報提供等が不足していた。

――資産倍増プロジェクトのメインターゲットを教えてください。また、世代別の戦略があれば-

楠社長
・全体の話のトーンが若者向けというのはあるかもしれないが、イベント自体は通常平均年齢が高めの方がいらっしゃる。ネット上のプロモーションは若手の方がよくみるが、年配の方は話を聞いてみたいということもあるので、イベントは比較的年齢層の高い方とか、通常対面で取引をしている方が「ネットってどんなことをやっているのかな」と考えるきっかけになればよいと思っている。
・ターゲットを絞るというよりも、いろんな活動を通じて、いろんなターゲット層に対して、「ネットで投信」というメリットを訴求したい。

松本社長
・7/2の両国は意外と年齢層が高いと思う。

――4社専用の投信の組成ですが、具体的に本数やタイプはどう考えているか?

齋藤社長
いくつかすでに大手の運用会社から提案をいただいているが、パフォーマンスがいいのもあるが、ネット専用なので、既存の投信に比べて信託報酬などコストが安いもの。何層にもラップされているものは避けたい。競争力のあるものを。まだ何も言えませんね・・。

松本社長
我々は簡単にお客様のニーズをはかることができる。対面以上にネット証券は知ることができるので、お客様がほしいものを認知した上で、ほしいものを投信会社さんにつくっていただくと。

――銀行のネットにおける投信販売についてどう思うか教えてください。

井土社長
銀行のネット販売については、ネット販売に力を入れていると認識している。当然、銀行のネットワークは強力だと思っているが、まだまだノウハウ的には恐れるに足らず。われわれは気合を入れてやろうとしている。

――プロジェクトの活動で、他の会社を増やしていく予定はあるか? 例えば、大手証券が入りたいとか大手行が入りたいと言われたら?

松本社長
私は、ネット証券が増えるのはいいが、大手証券や銀行はお断り。ネットでほしいものをちゃんと買ってもらう形での投信の販売を増やしていくという大義がある。ネット証券だけでやりたい。

――ネットで投信を買うべきではない。窓口できちんと説明をするべきだという声もあるが、それについては。

松本社長
私はネットで購入する投資家のほうが、自分で選んで購入するわけで、真剣にリスク情報なども読まれていると思うので、私は逆に難しい商品ほどインターネットのほうがいいと思う。

井土社長
まったく同感。対面でいっけんリスク説明をしているように思えるが、逆に、お客様に甘えている。真剣さがネットの投資家に比べるとちょっという印象は少しある・・・。ネット投資家は大事なお金を自己責任で開示情報をみて投資しているので。

楠社長
米国ではネットで取引する人のことを「セルフ・ディレクテッド・インベスター」という。自分で動いて、自分で考えて、判断する投資家。ネットの場合、それが前提になっているのが基本線。ということで、ネットにきて、各社の検索、情報、比較検討のしやすさなどを徹底的にブラッシュアップしていく。周辺情報も含めて提供しているので、むしろネットでこそ本来の投資のやり方。どんどんネットでやっていくべきだと。

齋藤社長
ネット。やはり金融商品においては比較検討して購入する機能が充実。比較検討昨日はネットの機能そのもの。また、技術的にも、動画の配信などが普及したり、ipadなどでも取引できるし、環境が整いつつある。むしろ、今後はいろんな意味で、訪問販売から通信販売への流れが加速するとみている。

――投信の理解度がどこまで進んでいるのか。共同サイトを立ち上げる際、これまでと違う投資家教育などは考えているのか。

松本社長
井土社長から「ネット投資家はリテラシーが高い」、楠社長からもネットだからできるという話があったが、同感。わが社では10年前からマネックスユニバーシティ(で投資教育を)やっている。(今後は)ネット上や書籍などを通して、単なる販売目的ではなく、投資家が正しい判断ができるようなものをご提供しつつ、正しいかたちで投信による資産形成ができるように4社が協力してやっていきたい。

ネット証券4社の『資産倍増プロジェクト』始動(その2)

2011-03-02 19:01:07 | リンク
――各社よりプロジェクトに参加する意義を

SBI証券井土社長
・まさに先程申し上げたこと。今までライバルとして切磋琢磨してきたが、始めて共同でやる。何が何でもプロジェクトを成功させたい。

カブドットコム証券齋藤社長
・4社共同でやったほうがメリットは大きい。お客さまに届くメッセージも出しやすい。今までもコンプライアンスなどについて共同で取り組むことはあったが、今回初めて攻めのマーケティングの部分で協力した。
・当社は携帯やスマートフォンにも力を入れている。今やiphoneやipadでも投信が購入できる。インフラが整ってきたと思っている。
・ただ、マーケティング等では協力はするが、従来通りサービスや商品などに競争、お客様のためになる競争は続けていきたい。いい意味で競争しながら、ネット証券のメリットも含めた訴求などをしていけば、大きな成果がえられるのではないか。
・例えば、投信も株券と同じように、振替ができる。他の証券会社で買ったものを他の証券会社に移せるが、そういうことを知らない投資家の方も多い。ネット証券に入れると、信用取引の担保に使えるなどのメリットもある。


マネックス松本社長

・マーケットはつくるものだと思っている。12年前にオンライン証券ができた時も、まさかこれだけオンライン証券がシェアを持つとは、既存の金融機関、個人、社会も思わなかったと思う。同じように、投信も新しいマーケット・形をつくっていこうと。その時に1社ではなく、株では大きなシェアを占める4社が協力する。
・わかりやすくいうと「株で大手証券を相手に勝った」と思うが、投信の世界でも大手証券や銀行窓販販を相手に勝ちにいく。4社が協力して、飛躍的にシェアを広げて、新しい「ネット投信」というマーケットをつくっていきたいと考えていて、ぜひ成功させたい。

楽天証券 楠社長
・日本の投資信託の残高の合計は約60兆円。米国は1000兆円。ところが、1990年頃、約20年前には日本は45兆円、米国は100兆円少し。米国はその間に10倍以上、日本は3割程度しか伸びていない。
・日本の場合、12月時点で9000億円、これに銀行のネット販売などを加えて、1兆少ししかない。日本の投資家は従来の証券会社のプッシュ販売で購入しているのではないかと。自分で判断して購入するというネット投資家の潜在的な需要・ポテンシャルは相当あるのではないか。
・昨年の日本の投信残高全体は4.4%の伸び。対して、この4社の伸びは25%。非常に大きな潜在力を持っている。共同プロモーション・イベント等を含めて活動することで、このパイはもっと広げられるし、ネットを使うことは、自分で判断して自分で購入していくという投資本来のあり方、株では浸透してきたが、投信でも浸透する機会になると期待している。


さらに質疑応答と続きますが、今日はここまで(続く)。