About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

対TOPIX超過収益トップ10のうち30億円以上は3本だけ

2012-05-29 18:40:27 | 投信
『投資信託事情』2012年6月号が届きました。その中に『アクティブ投信はインデックスに勝てない? 勝ちそうなアクティブファンドを見つける一案「勝ち星」を数える』というレポートがありました

これは10年以上の運用実績がある日本株ファンド123本について、1カ月ごとにTOPIXに対して超過収益率を算出、勝ち星を調べ、さらに過去10年間120カ月のうち何回勝ったかを出し、そこから細かく分析したものです。面白いデータが載っていますので、詳しくは雑誌をお読みください→こちら

データからは、TOPIXに対する超過収益率でみると、
・信託報酬の水準と投資成果に有意な関係は見いだせない
・純資産の規模も成績に無関係

・多くのアクティブがTOPIXよりハイリスク(→TOPIX上昇時にはTOPIXに勝つものが多いが、TOPIX下落時にはTOPIX以上に下落するものが圧倒的に多い。一部TOPIX上昇時にTOPIXよりも上昇し、TOPIX下落時にはTOPIXより下落が小さいという投信もありますが…)
といった特徴が導き出されています。

また、対TOPIXで超過収益トップ10の投信のうち、純資産が10億円未満のものが3本、30億円未満でみると7本。純資産30億円以上のものは3本のみというのも結構驚きです。

レポートでは
「スタート時点でどれがそうなのかは、当てようがありません。長い運用の歴史を経て、市場の上昇も下落も経験し、その中で他より優れていることを示してこその「よい投信」なのです」
「ファンドを使い捨てにする投信文化は、投信に携わる人の誇りにはなりません(省略)スタンダードな資産クラスを代表する旗艦ファンドを育てることにも、業界はもっと資源とエネルギーを集中してもいいのではないでしょうか」--と結んでいます。

もう1つ、『投資信託事情』で毎号注目しているのが「1年間継続して資金純増の人気ファンド」(2011年5月~2012年4月の各月の設定額が解約額を上回るファンド)の本数と投信名。

2012年4月末時点で1年間継続して資金純増のファンドは50本(純資産総額30億円以上、DC、SMAなどの専用ファンドは除く)。

資金増加額ランキング
インデックスファンド
39位;eMAXIS新興国株式インデックス(三菱UFJ投信)
41位;SMTグローバル株式インデックス・オープン(三井住友トラストAM)
43位;SMT新興国株式インデックス・オープン(三井住友トラストAM)
44位;eMAXIS先進国株式インデックス(三菱UFJ投信)
45位;外国株式インデックスe(三井住友トラストAM)
48位;年金積立インデックスファンド日本債券(日興AM)

ファンド・オブ・ファンズ/バランス型ファンド
35位;セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(FoF、セゾン投信)
46位;SBI資産設計オープン<スゴ6(資産成長型)>(三井住友トラストAM)
47位;セゾン資産形成の達人ファンド(セゾン投信)
49位;ありがとうファンド(ありがとう投信)

そのほか、
29位;JFザ・ジャパン
32位;さわかみファンド
となっています。

第3回投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ

2012-05-27 21:55:18 | 投信
4月13日に行われた金融審議会「投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ」(第3回)の議事録と議事要旨が公開されました。この回は、事務局から資料に基づき説明が行われ、その後各委員が意見を述べるというスタイルでした(ただ、委員の人数が多いので、お1人ずつ意見を拝聴するだけで1時間以上かかってしまい、議論には至らず…という感じです)。

委員の後、オブザーバーからの意見もありましたが、その中で投信協会さんは
「併合に係る留意点において、信託報酬について触れられておりますけれども、信託報酬について併合したことをもって一律に低いほうに合わせる、引き下げるということにつきましては、併合の実施を抑止することにもなりかねず、具体的な事案に即した柔軟な対応ができるようにすることが必要と考えております(発言から抜粋)」。

具体的な事案に即した「柔軟な対応」…。投信併合を簡素化するのは基本的には賛成ですが、まさか「併合されたら、信託報酬が高くなっていた」なんていうことはないですよね!? 

結局、この回は「前回(第2回)の"あるべき論"についての議論が十分とれなかったということで、次回(第4回)はその続きを行うということになったのです。

●第3回配布資料

●第3回議事録(平成24年4月13日

●第3回議事要旨(平成24年4月13日)

セゾン投信555セミナー

2012-05-23 08:46:38 | 投信
ご報告が遅くなりましたが、5/12にセゾン投信・バンガード・インベストメンツ・ジャパン共催『セゾン投信5周年記念「555セミナー」“個人のチカラを活かすとき”』が行われ、後半のトークセッションに出演しました(於;東京日本橋の経済倶楽部)。

第1部はセゾン投信社長・中野晴啓氏とバンガード・インベストメンツ・ジャパン代表取締役加藤隆氏の講演がありました。中野さんは「5年間を振り返るセゾン投信のストーリー」、加藤さんは「バンガードのユニーク経営 ―創業と成長の秘密―」というテーマでお話されました。

第2部はトークセッション。私はこちらにモーニングスター代表取締役COO 朝倉智也氏、フォスター・フォーラム(良質な金融商品を育てる会)事務局長 永沢裕美子氏とともに出演しました。与えられたお題は、投信の意義、業界の現状、改善すべき点はどんなところか、投資家の投信活用法、セゾン投信についてはどう感じているか、等々などでした。

以前こちらで投信評価会社や機関投資家が運用会社を選定する際に「5つのP」をチェックしているという話を書きました。

1.Philosophy(フィロソフィー);投資哲学
2.Process(プロセス);投資プロセス
3.Portfolio(ポートフォリオ);投資対象の選定と構成比率
4.People(ピープル);人材の資質
5.Performance(パフォーマンス);投資成果

「セゾン投信への要望は?」という質問に対しては、「これまでの5年間は1つ目のP(投資哲学)を中心に訴えてきたけれど、これからの5年は2~4番目のPについても説明してほしい。例えば、アクティブ運用である資産形成の達人ファンドはどうして今の資産配分にしているのか、どのくらいのリスク(価格の変動)に抑えることを目標にしているのか、運用実績はどうなっているのか等々をきちんと説明していってほしい。そして、それが実行できているかどうかを個人(受益者)もチェックすることで、お互いに向上していけるのではないか」といったことを申し上げました。

前半の講演については2部の準備などをしていてメモをとる時間がありませんでした。以下のブログなどでレポートがあがっているので、興味のある方はお読みいただければ、と思います。いずれにしても、5万口座、500億円はまだ通過点。より一層受益者を向いた会社・商品であってほしいと思います。

●梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー
『セゾン投信5周年記念「555セミナー」“個人のチカラを活かすとき”』体験レポート
●まっき~の議事録
『555セミナー 個人のチカラを活かすとき』
●rennyの備忘録
『[追記あり]セゾン投信5周年記念「555セミナー」の交流会に参加してきました。』



鎌倉投信の運用報告会に行ってきた(その2)

2012-05-22 12:04:26 | 投信
説明の後、参加者からの質問が出ました。

<質問1>株とCashの比率をどう考えている?

●20年運用してきたが、専門はアセット・アロケーション。その経験から、戦略的にアセットアロケーションを変えてもいいリターンが得られないことがわかった(「ここで買おう」と思っても当たることもあれば、当たらないこともある)。
●下がった会社(買える会社)だけを買うことで、(基準価額を)下げにくくする。
●株式比率は60~70%の間で推移させたい。直近はボラティりティがあがっているが、自然体で比率を下げさせている。

<質問2>信託報酬1%(1000万円の収入)でやっていけるの?

●システムなどインフラ整備で使ってしまう額。人件費はでない。今は赤字、資本金を取り崩している段階。
●純資産総額が100億円くらいになれば大丈夫。
●夏に増資予定。(受益者が)5000人くらいになれば増えるスピードも高まる。年内に5000人にはしたい。
●万一倒産しても分別管理している。信託銀行に5000万円積んでいる(お金が会社に入った瞬間に倒産しても大丈夫なように)。

<質問3.私>企業を組み入れる時、売却するとき、財務内容や業績はどの程度考慮しているのか?

●財務内容や業績。それだけの理由で売却することはない。潰れるまで持つ覚悟で投資している(仮に倒産しても基準価額が(1万口当たり)210円程度下がるだけ)。
●「いい会社に投資する」と言われて投資したら、いい会社になろうとするもの
●ただし、業績が悪くなって株価が割高になったら、追加投資はしない(先送りする)。また、株価が100円を切ってボラティリティが高くなったら、リス気管理上売却してウエイトを下げるということはあるかもしれない。逆に、震災後のアミタHDのように、急騰して株価が5倍になったような場合にはリスク調整のためにウエイトを下げた。

●ファンドマネジャーとポートフォリオマネジャーは違う
・ファンドマネジャーは今一番いい会社にベットする人が多い。その結果、リスクを高くとることもある…。
・リターンをあげる上ではどうやって組み合わせるかが重要。例えば、ファンドには株価があまり動かない会社も入っている。そうした会社も含めて全体をみる
・今は株式、債券、アセット・アロケーションとそれぞれ専門化して、別々の人が担当している。専門化しすぎて、全体をみられる人が少ない。その結果、例えば、株の担当はすぐにフルインベストメントにしてしまう。自分はすべて経験したので、全体に目配りしたい(→新井さんはポートフォリオマネジャーだといいたいわけですね)。

●ベンチマーク持たない。(運用の目的は)TOPIXについていくことではなく、お客様の財産を増やすこと。そういう意味でも、cashは必要。

<質問4>いい会社・業界はどうやって探す? 

●これまでクオンツをやってきた。
●日本は社会問題を解決しないと日本株の上昇はないと思っている。
●以前は障害者雇用のNPOの会合などにも出ていた(→本気で取り組む会社とそうでない会社がよくわかる)
●法政大学の坂本先生(注「日本でいちばん大切にしたい会社」著者)と共同研究、今は口コミなども重視している(→いい会社の社長は「ここはどうか」などと言ってくれる。そいう人は考え方の近い人と付き合いがある。逆の話も入ってくる)。社員がいきいきと働いているかどうかも重視している

●できること、できないことをはっきりさせることが重要だと思っている。
●予測はしない。当たらないから。
●取れるリスクはとる、取れないリスクは徹底的にとらない。
→小型株のリスクはとる。(その代わり銘柄の)ウエイトは等分。

●セクター別のアナリストがいても当たらないと思う。例えば、会社の説明会で新製品の説明を聞いても「これは売れる、売れない」の判断はできない。当たる確率が5割を超えない…。そこには興味はない(というか、わからない)。
●それよりもイノベーションのエンジンの部分をみる。例えば、未来工業は意匠登録件数が毎年30位以内。これはSONYやキヤノンと同レベル。数を打てば、どこかで当たるものもでる

●投資先の企業は2年で11%成長している(1年5%ちょっと)。そこから1%手数料(信託報酬)をもらうと4%程度の成長。このくらいはKEEPできるだろうとみている。
●大きく勝つというよりは安定的なリターンを得られるのではないか。会社の成長をみてほしい。


*投資先企業についてアツく語る場面もありましたが、個人的には「自分は(ファンドマネジャーではなく)ポートフォリオマネジャー」「予測はしない。当たらないから」といった話をされていたのが印象的でした。(特にリスクを)ポートフォリオ全体で管理するという考え方については今回よく理解できた気がします。

鎌倉投信の運用報告会に行ってきた(その1)

2012-05-21 23:55:31 | 投信
先週の土曜日(5/19)に鎌倉投信「結い2101」の運用報告会に参加。運用責任者の新井和宏さんから説明を受けました。鎌倉投信の社屋を訪れるのは2年ぶりくらいでしょうか…。

<現状報告>
2012.03時点で
●純資産総額;13億9518万7076円
●受益者:2742人(うち積立;約65%)。先週3000名を超えてきた。
●2013年3月までに100社組み入れたい(今、組入は35社→組入銘柄はHPで公開中)。
●月末に2.1%購入できていれば公開する。流動性の高い銘柄から公開。

●cash;36%、株式;64%(←2011.07と同じ)
理由)
・解約に対応するときにcash必要(流動性の低い銘柄も多いので)
・期待リターン4%、リスク10%以内に抑えるのが目標(←cashで調整)。日経平均は年率18~22%。
・直近、株式市場下落…株式59%、4割程度がcash。

●分散=どこかに集中していないことが大事。
・組入れ銘柄は東証1部の比率を50%以内にしたい(←TOPIXに連動させたくない、下落リスクを抑えたい。ただ、この1年でデジタルハーツ、マニー、亀田製菓などが東証1部に。新興市場を増やさないと…)
・1つの業種が20%を超えないようにしている
・1000億円以上の中型株+5000億円以上の大型株=15%、85%が小型株
(←・大きい会社になかなかいい会社がない。大型株はヤマトHのみ)

<リターン>
●基準価額1万口あたり11,323円(2012.03.31)←10,170円(2011.03.03)
●モーニングスター;11.34%(4位/127本…グローバル株式)
●R&I;11.3%(6位/376本・・・日本株)
(*モーニングスターにはグローバル株式ではないと申し入れをしている。7割以上日本株を組み入れたら日本株投信に入れると返答あったが、当面7割以上にはしない)

<リスク>
●鎌倉投信    ; 9%(日次、設定来)
●モーニングスター;7.63%(月次)1位/127本
●R&I       ;2.2%(年次)2位/376本

<シャープレシオ> 
・鎌倉      ;0.7(設定来)
・モーニングスター;1.48(年次)

●パフォーマンスよりも投資先の企業が成長しているかどうか、リスクを抑えた運用をしているかどうかに注目してほしい
●リスクを少なくしてリターンをとりに行く。シャープレシオは0.5以上にしたい
●順位にこだわっているわけではない。日本株が急騰するような相場では(「結い2101」の)順位は低くなるだろう。
●当初百数十万円投資+毎月積立している(少ないと思われるかもしれないが、資本金に入れたので金融資産はそれほどないんです…)

<投資行動>
●下げた時に大きく買う(震災や米国債の格下げなど)
●営業日の9割以上コツコツ買い付けている
●1銘柄2.1%→大きく上げて比率が増えたら、上がった分は売ることにしている
→これまでの売却益は5000万円(5%程度)を超えてきた
→全部売却したのは「らでっしゅぼーや」のみ。TOBに応じた。

●下落リスクの管理
●外国人投資家が多いため、欧州危機などでも大きく下がる。ただ、大きく下げた時には、いい会社がバーゲンセールで安く買える。

<社会性指標>
・ツムラ(障害者雇用3.93%)、デジタルハーツ、ヤマトホールディングスの例
←この辺は新井さんがアツく語ってました

(その2)に続く…

コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ(東京)は来月2周年!

2012-05-17 18:23:26 | 投信
一昨年の6月からスタートした「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」が来月(6/6)で2周年になります。簡単に言うと、投資信託やETFなどを活用して、コツコツ資産形成をしている(あるいはこれから始めたい)という人が集まって、語れる場を作ろうということでスタートした会です。コツコツ東京の場合は原則、第一水曜日開催。発起人は、「投資信託事情」の島田さん(@RemmyRenu)、ブロガーのrennyさん(@renny_29)、そして私の3名です。

始めたきっかけはこちらをお読み下さい。
このとき『ツイッターなどで「遠いから行けないよ」という意見も寄せられていますが、東京だけでなく、徐々にそういう場が広がっていくとよいですよね』と書きましたが、

今では東京以外でも、
・札幌(北海道)
・所沢(埼玉)
・金沢(石川)
・横浜(神奈川)
・名古屋(愛知)
・大阪
・京都
・広島
・福岡
・那覇(沖縄)

に広がり、鹿児島でも今月初めて開催する予定となっています。
最終的にはこうした会がなくても、普通にお金の話や投資の話ができるようになるのが理想ですが、それには時間がかかりそうそう…。ということで、まだまだコツコツ続けていきたいと思います。

次回はいつもと会場が異なりますので、ご注意ください。2周年ということで、特別ゲストを呼ぶ(?)、スペシャル企画を検討(?)などちょっと違ったことをやりたいと思っています。

コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ(東京)の詳細・お申込はこちら
コツコツ投資家はコツコツ集まるファンページはこちら

Vanguardがコーヒートラックを運営!?

2012-05-17 18:11:11 | 投信
アメリカの大手運用会社バンガードが運営しているAt Cost Cafe(コーヒートラック)ではコーヒー1杯を28セントで提供しているそうです。なぜこの値段なのかというと、これは米国のコーヒーの平均単価(1.38ドル)の5分の1だから。

なぜ投資信託やETF(上場投信)を運用するバンガードがコーヒートラックを運営して安いコーヒーを提供しているのかと言えば…

バンガードが運用する投信の平均経費率(信託報酬+その他費用を含めた保有中のトータルコスト)は業界平均の約1/5。その安さを普段飲んでいるコーヒーで実感してもらおうという試みなのだとか。コーヒーと投信を結び付ける発想、面白いですね(今年は米国に行く予定があるので、このコーヒートラックを探して飲んでみたいものです)。

日本の運用会社も、投信やETFなどを身近に感じてもらえるような何かユニークな試みに挑戦してほしいですね!

Coffee for 1/5 the average price

第2回投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ(その2)

2012-05-15 15:42:28 | 投信
金融庁のホームページ上で金融審議会「投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ」(第2回)議事録(平成24年4月6日開催) が公開されました。

【議事録】
【議事要旨】

この日は、野村総研金融ITイノベーション研究部の金子久さん、ドイツ証券・シニアアナリスト村木正雄さん、そして私竹川の3人がプレゼンを行いました。私が頂いたお題は「投資家目線でみた投資信託の現状と課題」。持ち時間は1人20分ということでしたが、このお題を20分で述べるのは難しい…というか無理でしょう(^_^;)。

細かいDATAは他の方が出されていますし、時間も20分と短いので、現状をさらっと説明し「投資家目線でこういう点を改善してほしい」というお話に中心に話しました⇒【配布資料】

具体的には
●情報開示の徹底
●インセンティブを変える
●個人に投信選びの「モノサシ」を示す
という点からお話をしました。

私は3番目の発表。持ち時間は1人20分程度ということでしたが、1人目の金子さんからオーバー。私も案の定少しオーバーし、最後のほうはめちゃくちゃ早口になってしまいました(苦笑)。そして、プレゼン後、オブザーバーの意見を聞き、委員による討議という流れでした。オブザーバーの意見を先にきいたため、この回は委員の意見交換がほとんどできずに時間切れ。第4回に改めて、プレゼンを行ったメンバーが呼ばれることになりました。

さて、今回、プレゼンをしていくつかのことを感じました。

・委員の方々、各業界団体、金融庁の方々、そして周りを囲む傍聴の方、メディアの前でお話するのは正直かなりのプレッシャーでした。プレゼン後のある委員さんからの質問もかなりシビアなものでした…。皆さん、それぞれ背負ってきているものがあるでしょうから、議事録を見るときには肩書きと発言を照らし合わせてみるといいと思います。

・オブザーバーは投信協会、銀行業界などの業界団体の代表者が出席しています。委員よりオブザーバーの意見を先にきくのはどうなの?という疑問が残りました。

・こうした審議会WGでは委員の選定基準も示してほしいです。今回、投信協会の代表として参加しているのは野村アセットマネジメントの方。委員も野村総研、野村資本市場研究所の方が2名メンバーとして入っています。そしてこの日プレゼンを行った3人のうちの1名も野村総研の方…。特定のグループが多いような気もしますが…。

・それでも、一般投資家寄りの発言するであろう私を呼んでいただいた点は感謝していますし、少しは前進したのだとは思います。少しでも要望を取り入れてくれることを願っています。

参考⇒第9回金融審議会「我が国金融業の中長期的な在り方に関するワーキング・グループ」(2011年12月16日開催)に提出された、投信評価会社モーニングスターの朝倉氏の資料「投資信託に関する現状の課題と対応」