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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

1年間継続して資金純増のファンド(2014年8月末時点)

2014-09-29 17:26:16 | 投信

『投資信託事情』2014年10月号が届きました。毎月恒例の「1年間継続して資産純増の人気ファンド」を見てみましょう。これは1年以上継続して、資金の流入額から解約額を差し引いて、資金が純増している投信を調べたものです。

2014年8月末時点で「1年間継続して資産純増のファンド」(純資産30億円以上、DC、SMAなどの専用ファンドを除く)は73本(前月比▲5本)。順位は1年間の資金増加額の順です。ここでは年1回・年2回決算のものをピックアップします。

18位:野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信・米ドルコース・年2回(野村AM)
21位:コア投資戦略ファンド<コアラップ(成長型)>(三井住友トラストAM)
26位:MHAM物価連動国債ファンド<未来予想>(みずほ投信)
30位:コア投資戦略ファンド<コアラップ(安定型)>(三井住友トラストAM)

32位:ワールド・バリュー・アロケーションBコース・為替ヘッジなし(アムンディ)
33位:グルーバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド(国際投信)
40位:トレンド・アロケーション・オープン(国際投信)
42位:フィデリティ・USハイイールド・ファンド/資産成長型(フィデリティ投信)

54位:バリュー・ボンド・ファンド/為替ヘッジなし/年1回決算型<みらいの港>(三菱UFJ投信)
55位:結い2101(鎌倉投信)
58位:のむラップ・ファンド・保守型(野村アセット)
57位:UBSコア・コンサバティブ・ファンド
58位:のむラップ・ファンド・普通型(野村アセット)
59位:グローバルCBプラス<Wレインボー・ヘッジなし>(国際投信)
60位:スマート・ファイブ・1年決算型(日興アセット)

61位:ダイワ日本国債ファンド(年1決算型)
62位:フィデリティ・USリード・ファンド/資産成長型D(フィデリティ投信)
63位:<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド(ニッセイAM)
65位:eMAXISバランス<8資産均等型>(三菱UFJ投信)
66位:ピクテ・アセット・アロケーション・ファンド<1年決算・ノアリザーブ1年>(ピクテ投信)
68位:SMT国内債券インデックス・オープン(三井住友トラストAM)
70位:しんきん公共債ファンド<ハロー・インカム>(しんきんAM)

71位:DIAM外国債券パッシブ・ファンド(DIAMアセット)
72位:エマージング・ソブリン・オープン・1年決算型(国際投信)
73位:三菱UFJライフセレクトファンド(安定成長型)

*結い2101(鎌倉投信)は3年以上資金純増、eMAXISバランス<8資産均等型>、SMT国内債券インデックス・オープン(三井住友トラストAM)は2年以上資金純増となっています。
*ワールド・バリュー・アロケーションBコース・為替ヘッジなし、ダイワ日本国債ファンド(年1決算型)が初登場。一方、日興レジェンド・イーグル・ファンド(アムンディ)が姿を消しました。


日本郵便、クレディセゾン・セゾン投信が資本・業務提携を発表

2014-09-26 17:05:45 | 投信

日本郵便とクレディセゾンは、セゾン投信へ日本郵便が資本参加することに合意し、資本・業務提携を行うことになったと、発表しています。
発表内容は以下の通りです。


・日本郵便が、セゾン投信の第三者割当増資の引受けにより株式の40%を取得した上で、日本郵便、クレディセゾン、セゾン投信の3社で資本・業務提携を行う
・セゾン投信の投資信託について郵便局など店頭での広告宣伝活動を行うほか、長期投資セミナーの開催等を行う
・セゾン投信の商品に関する問い合わせ・販売等に関してはインターネットや電話によりセゾン投信で申し込み手続きを行う
・郵便局の窓口などではセゾン投信の商品に関する説明を含めて、一切の勧誘行為、購入手続き等は行わない

現状では、投信の直販を維持するということです。また、資本・業務提携及びPR活動等の詳細については、業務提携開始(2015年4月1日予定)までに3社で検討するということなので、今度の動向をウオッチしていきたいと思います。

詳しくはこちら ↓
日本郵便株式会社、株式会社クレディセゾン及びセゾン投信株式会社の資本・業務提携




金融庁が「家計の資産形成を支援する制度の在り方に関する調査」報告書を公表

2014-09-25 18:33:28 | NISA

2014年9月10日に金融庁は「家計の資産形成を支援する制度の在り方に関する調査」報告書を公表しています(今後の税制改正要望等の参考とするために、野村資本市場研究所に調査を委託したもの)。
なかでも、確定拠出年金制度やNISA(少額投資非課税制度)について、ページが割かれています。


概要版と、報告書(75ページ)がありますが、ご興味のある方は、ぜひ報告書全体をご覧ください。

・現在の日本の資産形成支援制度

・海外の類似制度
・有識者に対するヒアリングから見えてきた課題
・資産形成支援制度のあるべき姿の論点整理あるべき

などがまとめられています。

詳しくはこちら ↓
「家計の資産形成を支援する制度の在り方に関する調査」報告書



『最新版 税金がタダになる、おトクな「NISA」活用入門』が9/18に発売されます

2014-09-11 15:45:21 | NISA

9月18日(木)にダイヤモンド社から『最新版 税金がタダになる、おトクな「NISA」活用入門』が発売になります。

昨年7月にだした『NISA活用入門』を改訂したもので、2015年からの制度変更(金融機関を年単位で変更可能)にも対応しています。

また、旧版を作っているときには金融機関のNISA対応商品・サービスについて決まっていないことが多く、あまり細かいことには触れられませんでした。今回はその辺もしっかりカバーしています。

ご興味のある方は手にとってみてください。
 → 『最新版 税金がタダになる、おトクな「NISA」活用入門』


<20140905.追記>
ブログでご紹介いただきました。ありがとうございます!

●インデックス投資日記@川崎 (Kenzさん)
竹川美奈子さんの「最新版! 税金がタダになる、おトクな「NISA」活用入門」が新発売

いい投資探検日誌from新所沢 (m@さん)
竹川さんのNISA本が2015年からの制度変更に対応して新登場『最新版!税金がタダになる、おトクな「NISA」活用入門』



夏季休暇のお知らせ

2014-09-05 21:29:36 | 近況

9月12日(金)から23日(火)までちょっと遅めの夏休みを頂戴します。ここ数年忙しかったので、今年はゆったりリフレッシュするつもりです。戻ったら、また一所懸命にお仕事します!

ご不便ご迷惑をお掛けしますが、どうぞよろしくお願い致します。
(緊急の際はメールにご連絡ください)

 

 


インデックス運用は大きくなりすぎたか?

2014-09-04 14:57:28 | 投信

バンガード・リサーチノート「インデックス運用は大きくなりすぎたか?」と題したレポートがでています。

-インデックス運用は投資金額ベースでどのくらいの割合を占めている?
-インデックス運用の人気が高まることは、アクティブ運用に有利になる?
-インデックス運用が個別銘柄に無関心に「市場全体を買う」という運用方針をとることで、市場の効率化が進む?
-あらゆる投資家がインデックス運用を採用したら?

といった疑問に答えています。

例えば、
・イ
ンデックス運用の規模は201年時点末時点で、インデックス運用ファンド及びETFはオープンエンド型株式ファンドの35%、同債券ファンドの17%を占めていている。投資金額(米ドル)ベースでみると、時価総額ベースで、株式ファンドの14%、債券ファンドの3%。株式市場の85%超、債券市場の95%超が個別銘柄、ヘッジファンド、SMAなど何らかのアクティブ運用に投資されている。

・市場の効率性を示す指標のひとつは、市場取引の執行コスト。S&P500指数の構成銘柄の平均スプレッドは、2008年末の7ベーシスポイント(bp)から、2014年3月末の2bp未満へと低下している。

・インデックス運用の増大が市場の非効率性につながったのなら、理論上、アクティブ運用のファンドマネジャーは関連インデックスを比較的容易に上回る成績をあげることができたはず。だが、インデックス運用に配分される投資資金が増加しているにもかかわらず、アクティブ運用ファンドマネジャーの相対パフォーマンスは向上していない。

といったことがデータを交えて書かれています。
ご興味がある方はレポートをお読みください(中上級者向けです)
バンガード・リサーチノート「インデックス運用は大きくなりすぎたか?」 


大手運用会社の直販参入で思うこと

2014-09-01 15:00:50 | 投信

三井住友アセットマネジメントが、2015年からネットを通じて投信の直接販売(=直販)を始めると、報道されています。

日経新聞電子版:三井住友アセット、投信をネット直販 手数料抑える 

記事によれば、
・来年4月をメドに専用ファンドを数本つくり、ネットで販売開始
・日本株で積極的に運用するタイプや、株や債券などに分散投資するバランス型運用の商品を投入する計画
・ネット証券やネット銀行向けの商品供給も並行して強化。対面型営業の販売会社だけに頼らない収益構造をめざす

ロイター:インタビュー:投資先の経営戦略まで踏み込んで対話=三井住友AM社長

記事中「運用大手による投信の直販は珍しく」とありますが、過去には既存金融機関系の大手運用会社が直販を行うケースはありました。例えば、日興アセットマネジメントは直販でパレットシリーズ(国内株式、国内債券、外国株式、外国債券など7つのインデックスファンドから選択・スイッチング可能。信託報酬が割安で購入時手数料は無料)を取り扱っていました。大和投信も投信の直販事業を行っていて「ダイワ投信倶楽部」というファンドシリーズなどを取り扱っていました。

しかし、こうした取り組みはとん挫しています。日興アセットのパレットは1998年スタート。日興アセットの直販部門撤退後は日興コーディアル証券に移管できましたが、新規の販売はされず…。2008年10月にひっそり満期償還となりました。大和投信「ダイワ投信倶楽部」も直販サービス撤退によりDC専用ファンドに変更され、一般投資家は追加購入ができなくなりました(大和証券に移管できた投信もありましたが、ダイワ投信倶楽部は対象外)。「2003年度中間期経営戦略説明会Q&A」でも、「大和投資信託ではネットなどで直販を行っていましたが、十分な実績があがりませんでした」とあります。

また、直販ではありませんが、1999年に投信の販売に特化した「野村ファンドネット証券」が登場。さまざまな投信を低コストで販売しましたが、2003年に事業を清算、業務は「野村証券」に引き継がれることになりました(私も、ここで「ステート・ストリート 外国株式インデックス」などを購入していたのですが…)。

では、今後はどうでしょうか。現状では、ネット証券などで購入時手数料無料・運用管理費用(信託報酬)の安いインデックスファンドは購入できるようになりましたし、単にコストが安いというだけでは直販にはなびかない気がします。むしろ、その運用会社が、どのような投資哲学を持っていて、どんな投資スタイルを得意としているのか、その結果、どういう商品を提供していくのか――などを明確にしてほしいです。また、受益者が5つのPを判断できるような情報開示も期待したいところ。運用会社さんの本気度に注目しています。
 
1.Philosophy(フィロソフィー): 運用理念・投資哲学は明確か
2.Process(プロセス):運用スタイル・投資プロセスは分かりやすく説明されているか
3.Portfolio(ポートフォリオ):1.2.に沿った中身になっているか、どのようなリターン・リスク特性があるか
4.People(ピープル): 運用体制や運用担当者の経歴は開示されているか、人材は定着しているか
5.Performance(パフォーマンス):運用実績(リスク・リターン、運用の効率性)などは納得できるものか

過去のエントリ:投信をつくっている会社にも目を向けよう