About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

個人型DCのポータルサイト

2015-07-22 09:18:17 | 確定拠出年金

7/21からNPO法人 確定拠出年金教育協会が「個人型確定拠出年金ナビ」というサイトを公開しました。
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個人型確定拠出年金ナビ

個人型確定拠出年金(個人型DC)は企業型と異なり、自分で金融機関を選んで加入する必要がありますが、取り扱い金融機関は200社程度あり、セミナー等で「ポータルサイトはないのですか?」という質問を受けることがあります。これまではモーニングスターの「個人型確定拠出年金のポータルサイト」くらいでした(→紹介されている金融機関は60社。商品について各金融機関のサイトへのリンクのみ)。新たに個人型DCのポータルサイトができたのはよいことですね。

「個人型確定拠出年金ナビ」では、金融機関の手数料比較や取り扱い商品などが記載されています。商品は預金や保険、投信はアセットクラス別の本数のほか、具体的な商品の一覧(投信名や信託報酬の表示もあり)もみられるようになっているので、便利です。個人型DCの加入を検討している人や、企業型DCからの移換を考えている人には参考になると思います。

ただし、手数料や取り扱い商品は変更されることもあるので、加入前に必ずご自身で確認してください。よくできたサイトなので、定期的にメンテナンスしていただけると嬉しいですね。


金融モニタリングレポート(2015.7)

2015-07-09 16:57:02 | 投信

金融庁の金融モニタリングレポート(2015年7月)が公表されています。
90ページからは投資信託に関するモニタリング結果がまとめられていますので、ご興味のある方はご一読ください。
詳細はこちら 

以下、気になる部分をピックアップしました。

○投資運用業者の運用態勢
-日本:ファンド数は5,539本、残高97兆円。1本当たり残高平均は175億円(米国はファンド数7,986本、残高1,940兆円。1本当たり残高平均は2,429億円)
-2011年に新規設定された投信→ピークでも7割の投信は100億円に達していない

-日系の運用会社:社長、取締役、監査役の8割が系列の販売会社出身。けん制機能として、独立社外取締役をもつ会社は、調査対象となった日系の運用会社14社のうち2社のみ。
-商品提供先:系列の販売会社経由で販売された投信の比率が5割を超える日系の大手運用会社13社中8社。

○販売体制
-投信の保有期間は依然として2年程度で推移(→2012年は2.2年、13年は1.98年、14年は2.15年)
-業績評価の判断指標については「収益・販売額」から「預かり資産残高」や「顧客基盤拡大」にシフトしつつある

*投信法改正時も話題になりましたが、毎年、多くの新規設定の投信が設定される状況(その結果、1本当たりの残高は少ない)などは変わっていませんね…。
販売については本当の意味で「ストック重視」になっていくのか注目したいところです。

モニタリングレポートでは「商品開発、販売、資産運用、資産管理それぞれに携わる金融機関が、その役割・責任(フィデューシャリー・デューティー)を果たし、資産運用能力の向上に努める必要がある」と指摘しています。レポート内で、繰り返し、「フィデューシャリー・デューティー」という言葉がでてきたのが印象的でした。