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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

JIS&Tが「個人型確定拠出年金ポータル」を開設

2016-02-12 15:01:47 | 確定拠出年金

確定拠出年金の記録関連運営管理機関として、記録関連業務(レコードキーピング業務)を行う、JIS&T(日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー)が「個人型確定拠出年金ポータル」を開設しました。

個人型確定拠出年金ポータル

個人型DC制度の説明や、メリット・デメリット、節税金額のシミュレーション機能などもついています。
個人的には、企業型DCから個人型DCに「移換」する際の手続きについての説明が親切だと感じました。退職後に必要な手続きをフローチャート形式で確認できます。セミナー等でもよく質問を受けるので、こうしたコンテンツは役に立つのではないでしょうか。

ただし、金融機関(運営管理機関/受付金融機関)選びについては、このサイトはあまりおすすめできません。というのも、ここで紹介されているのは、JIS&Tが記録関連業務を行っている個人型DCのプランの限定されているからです。

記録関連業務を行っている会社はJIS-Tを含めて4社(NRK=日本レコード・キーピング・ネットワーク、SBIベネフィットシステムズ、損保ジャパン日本興亜DC証券)あります。つまり、このサイトではすべての運営管理機関(受付金融機関)を掲載しているわけではない、ということです。また、運営管理機関のHPにリンクを張っているだけなので、口座管理手数料などでスクリーニングすることもできません。

金融機関の選択については、以前ご紹介した、NPO法人 確定拠出年金教育協会の「個人型確定拠出年金ナビ」を参考にするとよいでしょう。
個人型確定拠出年金ナビ


個人型DCのサイトがふえるのはよいこと。制度の理解や手続きについて理解する一歩になります。


個人型DCのポータルサイト

2015-07-22 09:18:17 | 確定拠出年金

7/21からNPO法人 確定拠出年金教育協会が「個人型確定拠出年金ナビ」というサイトを公開しました。
 ↓
個人型確定拠出年金ナビ

個人型確定拠出年金(個人型DC)は企業型と異なり、自分で金融機関を選んで加入する必要がありますが、取り扱い金融機関は200社程度あり、セミナー等で「ポータルサイトはないのですか?」という質問を受けることがあります。これまではモーニングスターの「個人型確定拠出年金のポータルサイト」くらいでした(→紹介されている金融機関は60社。商品について各金融機関のサイトへのリンクのみ)。新たに個人型DCのポータルサイトができたのはよいことですね。

「個人型確定拠出年金ナビ」では、金融機関の手数料比較や取り扱い商品などが記載されています。商品は預金や保険、投信はアセットクラス別の本数のほか、具体的な商品の一覧(投信名や信託報酬の表示もあり)もみられるようになっているので、便利です。個人型DCの加入を検討している人や、企業型DCからの移換を考えている人には参考になると思います。

ただし、手数料や取り扱い商品は変更されることもあるので、加入前に必ずご自身で確認してください。よくできたサイトなので、定期的にメンテナンスしていただけると嬉しいですね。


「企業型確定拠出年金 継続教育実践ハンドブック」

2015-04-30 14:12:26 | 確定拠出年金

企業年金連合会のホームページに「企業型確定拠出年金 継続教育実践ハンドブック」が公開されました。

前半は企業型確定拠出年金(以下企業型DC)導入企業30社の継続教育に関する事例を紹介(集合研修をはじめ、Eラーニングや情報発信などに力を入れている企業の取り組みを紹介)、後半は継続教育実践ガイドとして、企画から実施までの実施マニュアルとなっています。具体的な投資教育の解説もあります。

継続研修の具体的な取り組みが記されているため、企業型DCを導入している(またはこれから導入する予定の)DC担当者はもとより、DCに加入する個人の方にも参考になるのではないでしょうか(→私も検討会のメンバーに加えていただきました。少しでもご活用いただければ幸いです)

●会員企業以外の方でも、ダウンロードできます→こちら


確定拠出年金の拡充と第三号問題はセットで

2015-04-03 17:21:21 | 確定拠出年金

個人型確定拠出年金の対象者拡大に伴い、第三号被保険者(専業主婦など)も加入できるようになる予定です。オフイス・カノン代表でFPの馬養雅子さんがコラムでこの問題に触れています。

↓↓
"誰でも利用できる確定拠出年金"に待った! |日経マネー|FP快刀乱麻

私も同感です。今回の法改正で、どんな職業・ライフスタイルを選択してもDCに加入・運用を継続できるという点は評価しています。

例えば、個人型DCのセミナーの後、参加者の方とお話をすると、会社員の方だと「転職が多い」「これから転職する可能性がある」、女性の場合「結婚して一時的に3号になる可能性もある」といった理由で、個人型DCの加入を躊躇される方も多かったからです。そういう意味では、加入・掛け金を支払い続けられる仕組みが整うのはよいことだと思います。

ただ一方で、第三号被保険者については国民年金保険料の支払いは免除されているのに、上乗せ部分の個人型DCには加入、掛け金を払うことができる点はあきらかに矛盾があります。これを契機に、公的年金の第三号被保険者の問題についてもきちんと議論されることをのぞみます。


個人型確定拠出年金セミナーのご案内

2015-02-08 13:44:44 | 確定拠出年金

少し先ですが、個人型確定拠出年金(以下、個人型DC)のセミナーを開催します。

個人型DCについてのお問い合わせを頂戴することが多くなったのですが、(個人型DCはスポンサーもつかず…)実施できる機会はそう多くありませんでした。
それなら自主開催をしようということで、4月4日(土)と8日(水)の2回開催を決めました。

今回はオフィス・リベルタス代表の大江英樹さんとのコラボセミナーです。制度導入時からDC業務に携わってきた大江さんはまさにDC業界の第一人者。その大江さんにこれからの年金制度と個人型DCの位置づけといった全体像をお話いただき、私は金融機関の選び方や活用法といった個人型DCの使いこなし法をお話する予定です。
ご興味のある方はこの機会にぜひご参加ください。

詳細・お申し込みはこちら


資産形成の大本命に!? 対象者拡大で個人型確定拠出年金の普及は進む?

2015-01-05 15:45:35 | 確定拠出年金

皆様、明けましておめでとうございます。
今年もできることを一歩ずつ、丁寧に取り組んでいきたいと思います。引き続き、お願い致します。

さて、2014年12月30日に与党の「平成27年度税制改正大綱」が公表されました。何回かにわたって、個人にとって気になる点をいくつか取り上げたいと思います。まずは確定拠出年金です。以下、ポイントを整理してみます。 

1つ目は「個人型DCの加入対象者の拡大」です。
これまで、個人型確定拠出年金(以下、個人型DC)については自営業者などの第一号被保険者と、企業年金のない会社員しか加入することができませんでした。
今回の大綱では、対象者を拡大し、公務員や専業主婦(第三号被保険者)、企業型DCを実施している会社の会社員、確定給付型企業年金に加入している会社員も利用できるようになります(企業型DCの加入者については、マッチング拠出を行わないこと、企業型確定拠出年金の規約に定めがあることが必要)。

これにより、確定拠出年金の加入対象は国民年金の加入者すべてとなります。これにより、どのような職業やライフスタイルを選択しても、長期的に、継続的に資産形成を行えるような制度になりそうです。これはよいこと! 個人型DCのセミナーを行うことがありますが、これまで継続性の観点から加入を躊躇する人も多かったからです。

 【個人型DCの掛け金の上限】

従来の加入者
①自営業者等:月6.8万円/年81.6万円
②企業年金のない会社員:月2.3万円/年27.6万円

新たに加入対象に
③企業型DCのある会社員:月2万円/年24万円(*1)
 (他の企業年金がない場合)
④企業型DCのある会社員:月1.2.万円/年14.4万円(*2)
 (他の企業年金がある場合)
⑤確定給付型年金のある会社員:月1.2万円/年14.4万円
⑤公務員                :月1.2万円/年14.4万円
⑥業主婦(第3号被保険者)      :月2.3万円/年27.6万円

*1・2企業型DCの拠出限度額は、それぞれ年額42万円、年額18.6万円となる

非課税の制度というと、NISA(少額投資非課税制度)に注目が集まりがちですが、個人型DCは、原則60歳まで引き出せないという縛りはあるものの、NISAに比べて税制上の優遇は手厚くなっています。老後資金用であれば、個人型DCは資産形成の大きな柱になると思われます。

制度の特徴や税制上のメリット等については、以前、投資信託の情報ポータルサイト「投信まとなび」で「個人型確定拠出年金」の連載をしていました。税制上のメリットについても記載しましたので、ご興味がある方はご一読ください。
 ●投信まとなび 竹川美奈子の「個人型DC」で自分年金

2つ目は「中小企業の場合、会社が個人型DC加入者に対して掛金を拠出することが可能となる」ということです。そして、この事業主が支払う掛け金(小規模事業主掛金)は企業型DCの会社掛金と同様、損金となり、個人の所得ともみなされません。
そして、3つ目は「ポータビリティの拡充」です。確定拠出年金から確定給付企業年金、中退共から確定拠出年金というように、退職給付制度間における資産移換が認められます。

以上のように、今回の大綱では、確定拠出年金法等の改正を前提として、インパクトのある改正が盛り込まれています。実現すれば、個人が資産形成を行う上で活用を大きな柱となりえます。もちろんこれは税制改正大綱なので、法案が通ればという前提です。また、スタート時期もまだ未定。確定拠出年金法の改正、システム対応などを経て、スタートするのは早くても2016年度、あるいは2017年度になるかもしれません。それまでにしっかりと制度を理解したり、投資の勉強をしたりして準備をしておくとよいでしょう。
また、現在、個人型DCを取り扱う金融機関は200社ほどありますが、積極的にPRしていないところも多いのが現状です。加入対象が拡大し、マーケットが広がることで、金融機関の口座管理料の見直しや商品の品ぞろえの充実なども期待したいところです。

<ご参考>
個人型確定拠出年金に関する提言】
様々な立場から現役世代の資産形成を支援するメンバーで「より多くの人が使える、よりわかりやすい制度」へ改善する提言をまとめ、12/1に塩崎厚労大臣に提出し、本日(12/3)記者発表も行いました。詳しくは以下をご覧ください。
すべての国民が使える 「確定拠出年金制度」を求める 民間有識者会議


個人型確定拠出年金の連載記事

2014-12-22 16:42:19 | 確定拠出年金

対象者を拡大しようといった動きや、新聞記事で取り上げられたこともあって、最近、個人型確定拠出年金についてのお問い合わせが増えています。

以前、投資信託の情報ポータルサイト「投信まとなび」で「個人型確定拠出年金」の連載をしていましたので、ご興味がある方はご一読いただけると嬉しいです。

こちら


 


個人型確定拠出年金に誰でも入れるようになる!?

2014-10-15 11:57:22 | 確定拠出年金

昨日から議論にのぼり、今日の朝刊各紙でも取り上げられているのが「個人型確定拠出年金(以下、個人型DC)の対象者拡大・利便性向上」に関する記事です。

具体的には
・厚生労働省は個人型確定拠出年金(個人型DC)の制度を見直し、誰でも加入できるようにする方針を固めた(→現在は自営業やフリーランスといった第一号被保険者と、企業年金制度のない会社員に限られる)
・これにより、現在は認められていない専業主婦や、別の企業年金に加入している会社員、共済に加入している公務員なども、個人型DCに加入できるようになる
・転職など働き方の変化にも対応した制度に作り替える
・今後、制度改正の詳細を詰め、来年の通常国会で関連法案の成立を目指す
といった趣旨です。

<参考>
日経:確定拠出年金に誰でも加入、主婦・公務員も 厚労省案
時事:「個人型」、誰でも加入可能=確定拠出年金の改革案-厚労省

この記事の元になっているのは、昨日(2014.10.14)開催された第10回社会保障審議会・企業年金部会(厚労相の諮問機関)での議論。議事録はまだ公開されていませんが、資料については厚生労働省のHP上にアップされています。この中の「資料2 ライフコースの多様化への対応」で、個人の自助努力を支援する仕組みと論点として、個人型DCや企業型DCのマッチング拠出などについて記載されています。

第10回社会保障審議会企業年金部会 資料
資料2 ライフコースの多様化への対応(PDF:2,554KB)


今回傍聴できなかったため、参加された方にお話をうかがったところ、「記事はやや勇み足ではないか」と言われました。委員のみなさんも方向としては賛成だが、様々な意見があり、会としてこれから議論が必要というトーンだったとのこと。結論が固まったというわけではないようです。

とはいえ、厚生労働省がそうした姿勢を出してきたことは評価できますし、資産形成において自助努力が必要になる中、個人型DCの対象者の拡大・普及、利便性の向上(ポータビリティなど)はよいことです。
私は昨年から数カ月に1度、個人型DCのセミナーを行ってきましたが、「将来、転職した先が確定給付企業年金(DB)を実施していたら」、あるいは女性の方だと「結婚して万一第三号被保険者になったら」といった質問や不安、それに伴い個人型DCへの加入を躊躇する声をよくききました(DBのみ実施する企業に転職したり、第三号被保険者になったりすると、運用指図者となり、掛け金を追加で入れることはできなくなるためです)。

誰でも加入できるシンプルな制度になれば、途中で加入対象から外れたり、移管したりといったこともなくなり、長期的に掛け金を払って運用を続けることが可能になります。また、対象者が広がり加入者が増えることで、(運営管理機関や商品提供会社も商売として成り立ち)結果的に商品・サービスの向上につながることも期待できます。

ただ、これに合わせて企業型のマッチング拠出の制約(個人拠出は拠出限度額の範囲内、事業主掛け金を超えない)や、国民年金保険料を負担してない3号被保険者の問題なども併せて議論する必要があるでしょう。公務員については共済を1本化してからでもいいような気もしますし…。また、現在凍結が延長されている特別法人税についても、明確に廃止を打ち出してほしいです…。いずれにしても、今後の議論は注目していきたいですね。


【投信協会が運用報告書などについてパブコメを募集】

2014-05-01 20:23:25 | 確定拠出年金

投資信託協会が【「交付目論見書の作成に関する規則」及び「投資信託及び投資法人に係る運用報告書等に関する規則」等の一部改正について」】パブコメを募集します。詳しくはこちらをご覧ください。【締切は5/20まで】です。

2014年6月に「投資信託及び投資法人に関する法律」が一部改正され、運用報告書が「交付運用報告書」と「運用報告書全体(全体版)」に二段階化されます。それを受けて記載内事項や方法などが変わります。また、交付目論見書についてもリスク水準の表記などが変わります。

パブコメを書くにあたっては、読むべき資料が結構あるのですが、ぜひ目を通していただき、ご意見があれば積極的にコメントしていただきたいと思います。
少しでも今後の改善につながることを願って! よろしくお願いいたします。

昨年12月の交付運用報告書等の意見交換会に参加したときのブログはこちら。ご参考までに


1年間継続して資金純増のファンド(2014年3月末時点)

2014-04-28 16:56:20 | 確定拠出年金

『投資信託事情』2014年5月号が届きました。毎月恒例の「1年間継続して資産純増の人気ファンド」を見てみましょう。これは1年以上継続して、資金の流入額から解約額を差し引いて、資金が純増している投信を調べたものです。

2014年3月末時点で「1年間継続して資産純増のファンド」(純資産30億円以上、DC、SMAなどの専用ファンドを除く)は52本(前月比+7本)。順位は1年間の資金増加額の順です。ここでは、毎月分配型以外の投信をピックアップしてみます。

15位:野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信・米ドルコース・年2回(野村AM)
18位:マイ・ロード(野村AM)
19位:コア投資戦略ファンド<コアラップ(成長型)>(三井住友トラストAM)
20位:コア投資戦略ファンド<コアラップ(安定型)>(三井住友トラストAM)

22位:優良日本株ファンド<ちから株>(三菱UFJ投信)
23位:日興レジェンド・イーグル・ファンド(アムンディ)
28位:明治安田米国中小型成長株式ファンド(明治安田)
30位:利回り株チャンス13-03<年4回決算>(大和投信)

33位:トレンド・アロケーション・オープン(国際投信)
40位:結い2101(鎌倉投信)

41位:中小型株式オープン<投資満々>(三井住友トラストAM)
42位:野村Jリートファンド(野村AM)
43位:ピクテ・アセット・アロケーション・ファンド<1年決算・ノアリザーブ1年>(ピクテ投信)
47位:グローバルCBプラス<Wレインボー・ヘッジなし>(国際投信)。
49位:eMAXISバランス<8資産均等型>(三菱UFJ投信)
50位:DIAM外国債券・パッシブ・ファンド(DIAMアセット)

51位:SMT国内債券インデックス・オープン(三井住友トラストAM)
52位:三菱UFJライフセレクトファンド<安定成長型>(三菱UFJ投信)

*結い2101とeMAXISバランス<8資産均等型>は2年以上資金純増となっています。昨年末から直販投信が徐々に姿を消す中、結い2101は唯一資金純増を継続。
*利回り株チャンス13-03と、野村Jリートファンドが初登場。一方、テンプルトン世界債券ファンド・為替ヘッジなしコースは姿を消しました。