フィデリティ証券のメディア・ラウンド・テーブルに参加しました。「少額投資非課税制度(NISA)」の口座開設申込の受付を開始するとともに、どのような商品・サービスを提供するかを発表しています。以下、概要をまとめました。
●フィデリティ証券が取り扱うすべての「国内籍公募株式投資信託」が対象
→フィデリティダイレクト(特定・一般口座)では株式やETF・ETNも購入できますが、NISA口座では取り扱わないとのこと。理由は①株式はNISA口座では使いにくい面もある。例えば、99万円の株を成行で購入したら101万円になってしまった等。②当社は長期分散投資を志向しているので、NISA口座で資産分散・時間分散をしやすいのは投信だと考えたため。
●NISA口座内での投信の購入時手数料はすべて無料
→特定・一般口座で買うと、310本のうちノーロードは80本。NISAではすべてが無料になる。
→英国ではほとんどのプロバイダーが購入時手数料を無料にしている。NISAは投資のすそ野を広げる制度。投資へのアクセスをしやすくしたい
●NISA口座での投信積み立てサービスの提供
→一般口座と同じく、積立額の変更やスポット買いも可能。
●NISA口座管理料は無料。そのほか、「NISAおしえてコール」の開設や全国でのセミナー開催などを実施する
それ以外で、気になったこと。
・5年後の非課税期間終了時に「課税枠に移管(ロールオーバー)する場合」「課税口座に移管する場合」の取得価格は「12月の最終営業日の価格」だそうです。
・フィデリティ証券の場合、NISA口座を利用して、分配金再投資コースで投信を購入した場合、分配金の再投資はNISA口座では行われず、(普通分配金であれば、非課税で分配金は支払われますが)特定口座・一般口座で行われるそうです。
→NISA口座内で再投資すると(新規購入という扱いになり)枠を使ってしまうことになるので、特定口座(あるいは一般口座)にいった分配金をそのあと現金化してNISA口座に入れるかどうかはお客様が判断してください、ということのようです。
→分配金再投資について、金融機関ごとの対応が異なるとは思っていなかったので、これはビックリしました。他社さんにも確認しないと…。
*NISA口座での取り扱いは公募株式投資信託のみ、すべて購入時手数料無料、積立対応といったことを発表しましたが、ここまでハッキリ言ってくれると、「フィデリティでNISA口座を開設するか否か」を判断する材料になります。株式やETFを利用したい方は対象から外れるでしょうし、投信のみでよいという方であれば、商品の品揃えなどを確認すればよいわけですから(購入時手数料がすべて無料なのはメリット)。他の金融機関も、商品・サービスの情報を積極的に開示してほしいですね。