About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

1年間継続して資金純増のファンド(2013年4月末時点)

2013-05-27 12:29:55 | 投信
『投資信託事情』2013年6月号が届きました。毎月恒例の「1年間継続して資産純増の人気ファンド」を見てみましょう。これは1年以上継続して、資金の流入額から解約額を差し引いて、資金が純増している投信を調べたものです。

2013年4
月末時点で「1年間継続して資産純増のファンド」(純資産30億円以上、DC、SMAなどの専用ファンドを除く)は47本(前月比▲6本)。順位は1年間の資金増加額の順です。ここでは、毎月分配型以外の投信をピックアップしてみます。

33位;セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(セゾン投信、2年以上資金純増)
34位;野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(野村AM)
38位;ひふみ投信(レオス・キャピタルワークス、2年以上)
39位;ひふみプラス(レオス・キャピタルワークス)
40位;結い2101(鎌倉投信、2年以上)
41位;外国株式インデックスe(三井住友トラストAM、2年以上)
42位;SMT国内債券インデックス・オープン(三井住友トラストAM)
44位;セゾン資産形成の達人ファンド(セゾン投信、2年以上)
45位;SBI資産設計オープン(三井住友トラストAM、2年以上)
46位;eMAXIS先進国リートインデックス(三菱UFJ投信、2年以上
47位;コモンズ30ファンド(コモンズ投信、2年以上


*登場ファンドはさらに減少。ついに40本台に。
*今月は純資産総額30億円を超えてきた「ひふみプラス」(レオス・キャピタル)、「コモンズ30ファンド」(コモンズ投信)が初登場。意外なところでは、SMT国内債券インデックス・オープン(三井住友トラストAM)がランクインしています。

フィデリティ証券が少額投資非課税制度(NISA)の商品・サービスを発表

2013-05-24 19:51:40 | NISA

フィデリティ証券のメディア・ラウンド・テーブルに参加しました。「少額投資非課税制度(NISA)」の口座開設申込の受付を開始するとともに、どのような商品・サービスを提供するかを発表しています。以下、概要をまとめました。

●フィデリティ証券が取り扱うすべての「国内籍公募株式投資信託」が対象
→フィデリティダイレクト(特定・一般口座)では株式やETF・ETNも購入できますが、NISA口座では取り扱わないとのこと。理由は①株式はNISA口座では使いにくい面もある。例えば、99万円の株を成行で購入したら101万円になってしまった等。②当社は長期分散投資を志向しているので、NISA口座で資産分散・時間分散をしやすいのは投信だと考えたため。

●NISA口座内での投信の購入時手数料はすべて無料
→特定・一般口座で買うと、310本のうちノーロードは80本。NISAではすべてが無料になる。
→英国ではほとんどのプロバイダーが購入時手数料を無料にしている。NISAは投資のすそ野を広げる制度。投資へのアクセスをしやすくしたい 

●NISA口座での投信積み立てサービスの提供
→一般口座と同じく、積立額の変更やスポット買いも可能。

●NISA口座管理料は無料。そのほか、「NISAおしえてコール」の開設や全国でのセミナー開催などを実施する

それ以外で、気になったこと。
・5年後の非課税期間終了時に「課税枠に移管(ロールオーバー)する場合」「課税口座に移管する場合」の取得価格は「12月の最終営業日の価格」だそうです。

・フィデリティ証券の場合、NISA口座を利用して、分配金再投資コースで投信を購入した場合、分配金の再投資はNISA口座では行われず、(普通分配金であれば、非課税で分配金は支払われますが)特定口座・一般口座で行われるそうです。
→NISA口座内で再投資すると(新規購入という扱いになり)枠を使ってしまうことになるので、特定口座(あるいは一般口座)にいった分配金をそのあと現金化してNISA口座に入れるかどうかはお客様が判断してください、ということのようです。
→分配金再投資について、金融機関ごとの対応が異なるとは思っていなかったので、これはビックリしました。他社さんにも確認しないと…。

*NISA口座での取り扱いは公募株式投資信託のみ、すべて購入時手数料無料、積立対応といったことを発表しましたが、ここまでハッキリ言ってくれると、「フィデリティでNISA口座を開設するか否か」を判断する材料になります。株式やETFを利用したい方は対象から外れるでしょうし、投信のみでよいという方であれば、商品の品揃えなどを確認すればよいわけですから(購入時手数料がすべて無料なのはメリット)。他の金融機関も、商品・サービスの情報を積極的に開示してほしいですね。


少額投資非課税制度(NISA)の口座を慌てて開設しなくてもいい理由(その3)

2013-05-15 17:42:04 | NISA

質問です。
皆さんが来年(2014年)100万円の非課税枠を使うために、金融機関にNISA口座を開設しようと思い立ちました。NISA口座の開設スタートは今年の10/1です。では、「いつまでに」口座開設をすればよいでしょうか?

答えは 「2014年(来年)の9月30日まで」です。

ただし、法律上は9月30日までとなっていますが、これは金融機関から税務署への申請期間の締め切り日。ですから、私たちが金融機関に申請書を提出する期日はもう少し前になると思われます(締切日については各金融機関にお問い合わせください)。

最近の早く口座開設を!攻勢にちょっと不安になって、某金融機関のISAお問い合わせTELに電話をしてしまいました。「10月1日から口座受け付け開始ですが、開設はいつまでできるのですか?」と。が、その答えは…。

「口座開設はいつでもできます」
「え? でも、2014年に100万円の枠を使いたい場合には、締め切りがあるのでは?」
「…… ……。 …… ……。 特にないと思いますが…。そこまではわかりません」

結局、お役所と、制度に詳しい方に確認しましたが、やはり口座開設は来年の9月までOkでした。
NISAの案内ページやパンフレットをみると、10月から口座開設スタートとしか書いていないところもあります、中には、「(今年の)10月以降は税務署が混むので、(今年の)9月までに住民票を送ったほうがスムーズに口座開設できる」というような案内をしているところも…。

前のめりの金融機関も多いですが、時間はたっぷりありますので、焦らなくても大丈夫ですよ。口座開設できるのは1口座(1金融機関)。じっくり検討しましょう。

【訂正 2013.06.17】
口座開設の期限ですが、勘定設定期間の最後の年については9月30日まで(=金融機関が税務署に申請を出す締め切り)と法律上決められていますが、その途中の年については期限は決められていないそうです。例えば、「2014年1月1日~2017年12月31日」という感情設定期間でいうと、最後の年(2017年)については9月30日が締め切りです。しかし、その途中である2014年の枠を使うためには2014年12月まで口座が開設できるということになります。といっても、実際には金融機関から税務署に申請する期間を見込まないといけないため、各金融機関がそれぞれ締め切りを設けるということになりそうです。


<参考>
日本版ISAの口座を慌てて開設しなくてもいい理由(その1)
日本版ISAの口座を慌てて開設しなくてもいい理由(その2)


コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ(東京)3周年

2013-05-12 15:04:21 | コツコツ

2010年の6月から続けてきた「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ(東京)」ですが、来月で丸3周になります。

この会はお金や投資、資産形成については「ゆるく」語り合える場があったらいいね、ということで、投信ブロガーのrennyさん、「投資信託事情」編集長の島田知保さん、私の3名が発起人となってはじめたものです。

投資家が集まれる、ゆるい「場」を作ろう (←2010.05.11 懐かしい、第一回目の呼びかけブログ)

まずは毎月1回、とにかくコツコツ「続けること」を目標にしていきました。始めた当初は札幌から那覇まで全国に広がったり、facebookページができたり(コツコツ所沢幹事のm@さんが作ってくれました。感謝!)、女子部ができたり--などということは考えていませんでした…。

何とか3年続けられたことは素直に嬉しいです。
これも、参加して会を盛り上げてくださった皆さんのお蔭ですね。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これからもコツコツ続けていきたいと思います。

【コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ#37】
6/5(水)19時30分~です。3周年特別ゲスト(?)+楽しい企画も考えています。ご参加頂ける方は事前予約にご協力ください。
●詳細・お申込はこちら


英国ではIFAは「コミッション」から「フィー」に

2013-05-02 11:37:24 | ニュース
英国では2012年末から独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)に対する改革が実施されています。RDR(個人向け金融商品販売制度改革=Retail Distribution Review)と呼ばれるもので、
①プロバイダーからのIFAへのコミッションの支払禁止と手数料の開示
②IFAカテゴリーの明確化
③IFAのプロフェッショナル水準の向上
... などが主な内容。①については、投信だけでなく、保険などにも適用されるそうです。
ちなみに、英国ではIFAが個人向け投信販売の中心になっています(実に90%程度…)。

今年2月に英国視察に行った際にもRDRの件は話題になっていて、
・来年(2014年)からオランダもコミッションを廃止する予定
・5年後には、ドイツやデンマークなど欧州の大半の国が同様の措置を検討している
・この改革により(英国では)10~15%が廃業してしまった
といった話もでました。欧州ではコミッションからフィーにという流れになているようです。一方、日本でこうした動きはなかなか進みませんね…。

【参考】
「金融業界に構造改革を迫るRDR」(野村資本市場クォータリー)