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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

1年間継続して資金純増のファンド(2013年11月末時点)

2013-12-27 15:59:26 | 投信

『投資信託事情』2014年1月号が届きました。毎月恒例の「1年間継続して資産純増の人気ファンド」を見てみましょう。これは1年以上継続して、資金の流入額から解約額を差し引いて、資金が純増している投信を調べたものです。

2013年11月末時点で「1年間継続して資産純増のファンド」(純資産30億円以上、DC、SMAなどの専用ファンドを除く)は40本(前月比+5本)。順位は1年間の資金増加額の順です。ここでは、毎月分配型以外の投信をピックアップしてみます。

16位:野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信・米ドルコース・年2回(野村AM)
18位:マイ・ロード(野村AM)
19位:日興レジェンド・イーグル・ファンド(アムンディ)
23位:DIAMストラテジックJ-REITファンド(DIAMアセット)
29位:テンプルトン世界債券ファンド・為替ヘッジなしコース(フランクリン・テンプルトン)
31位:ひふみ投信(レオス・キャピタルワークス)
32位:結い2101(鎌倉投信)
33位:DIAM国内債券パッシブ・ファンド(DIAMアセット)
34位:野村ブル・ベアセレクト5(米国株スーパーベア5)(野村AM)
35位:トレンド・アロケーション・オープン(国際投信)
36位:DIAM外国債券・パッシブ・ファンド(DIAMアセット)
37位:高金利先進国債券オープン/月桂樹・資産成長型(日興AM)
38位:SBI資産設計オープン/スゴ6・資産成長型(三井住友トラストAM)
39位:世界経済インデックスファンド(三井住友トラスト)
40位:SMT国内債券インデックス・オープン(三井住友トラストAM)

*「ひふみ投信」「SBI資産設計オープン(スゴ6/資産成長型)」は3年以上、「結い2101」は2年以上資金純増です。利益確定の解約が増える中、この3ファンドは引き続き資金純増。強いですね。一方で、「コモンズ30ファンド」(→先月まで3年以上資金純増)が姿を消しています。

*「世界経済インデックスファンド」(三井住友トラストAM)のほか、「マイ・ロード」(野村AM)、「日興レジェンド・イーグル・ファンド」(アムンディ)、「テンプルトン世界債券ファンド・為替ヘッジなしコース」(フランクリン・テンプルトン)、「野村ブル・ベアセレクト5(米国株スーパーベア5)」が初登場です。


ネット証券のNISA口座での投資信託の取り扱い

2013-12-26 17:23:04 | NISA

12/26時点の大手ネット証券各社のNISA口座での公募株式投信の取り扱い(分配金再投資コースを選べるか、分配金はどの口座で再投資されるか、積み立てサービスなど)についてまとめました。記載内容は各社のホームページやコールセンター等を通じて確認したものです。

SBI証券
・NISA口座で取り扱いの対象外となる投信一覧→こちら
・分配金再投資コースの取り扱い:あり
・分配金を再投資する先:(最初から)分配金の再投資はNISA口座ではなく、課税口座(特定・一般)に
・積み立てサービス:通常の積み立てサービスと同様(銀行口座からの引落も対応)

カブドットコム証券
・対象→分配金受取コース(一般型)
・積み立て対象→分配金受取コース(一般型)のみ
(2013.12.30追記→スタート時点では分配金受け取りコースのみだが、「ただいま準備中で近々再投資コースもご選択いただけるようになります」とのご返答をいただきました)。
・積み立てサービス:銀行口座からの引落も可
(2013.12.30 問い合わせの上、修正いたしました)

マネックス証券
・NISA口座で取り扱わない投信→こちら
・再投資コースの取り扱い:あり
・分配金再投資の扱い:100万円に達するまではNISA口座で買い付け、(100万円を)超過したら課税(特定口座・一般口座)口座へ。課税口座では再投資買付はできず、受取に。
・NISA口座で買付は金額指定のみ。解約は金額指定・口数指定・全部売却から選択可能。
・積み立てサービス
→分配金再投資コースのみ
→NISA口座内の資金からの積立にのみ対応(あらかじめ資金の振替が必要。銀行口座からの引落し不可(2014年中に対応予定)

楽天証券
・口数指定買付のみ可能な銘柄は対象外。対象外となる投信はこちら
・再投資コースの取り扱い:あり
・分配金再投資の扱い:100万円に達するまではNISA口座で買い付け、(100万円を)超過したら課税口座(特定口座・一般口座)へ
・積み立てサービス
→通常の積み立てサービスと同様(銀行口座からの引落も可)

こうしてみてみると、投信の取り扱い、投信の積立サービスにも違いがあることがわかります。「分配金再投資コース」を取り扱わない、銀行口座からの自動引き落としの対応をしないというのは、資産形成世代にとっては使い勝手がいいとはいえませんね…。


バンガードCEOインタビュー&1億人のファンド大賞

2013-12-20 15:54:09 | 投信

12/21発売の「日経マネー」2014年2月号では、2つの企画に登場しています。

1つ目はザ・バンガード・グループ・インク会長兼CEOビル・マクナブ氏のインタビューです。色々興味深いお話をうかがうことができました。個人投資家さんが関心をお持ちの「あの」問題についても質問しています。

2つ目は「1億人のファンド大賞」です。4800本を超える公募投信の中から、現役世代が長期の資産づくりの中核に据えられる投信を、「投資信託事情」編集長の島田知保さん、パワーソリューションズ取締役・高橋忠郎さん、日経マネー編集部とともに選びました。

今回は定量評価です。いくつかの基準で足切りをし、最終的には3つの基準で大賞と部門賞を決定しました。

・運用期間3年以上
・2013年10月末時点で純資産総額が30億円以上
・DC(確定拠出年金)やSMA(投資一任勘定)の専用投信は除く
・決算が年1~2回
・直近36カ月のうち資金が純入流した月が24回以上(→資金流入の安定性をみる)

という条件で絞り込んだのですが、その時点で候補が約4800本中50本程度になってしまいました…。(当初は運用期間をはじめ、計測は5年以上で行いたかったのですが、5年以上だと対象となる投信がほとんどないという状況で断念。将来的にはもっと長期で計測を行いたいです)。そこから、日本株投信は「シャープレシオ」「ベンチマークに対する勝率」「資金安定度(=資金流出入のブレが小さい)」の3つで点数化して順位を決めました。

肝心の結果ですが、日本株以外は部門賞の多くがインデックスファンドになるという他の評価会社のアワードでは考えられない結果になっています。詳しくは紙面をご覧ください。

追記)
・鼎談ページ(P83の一段目)の私のコメントの中に「独立系投信は~」の記述がありますが、これは「独立系直販投信」の過りです。

雑誌をお読みになった方から「ひふみ投信」(レオス・キャピタルワークス)の扱いについて質問がありました。今回はイボットソン・アソシエイツ・ジャパンのデータをもとにしており、イボットソン分類ではひふみ投信は「アセットアロケーション・TAA型」に分類されています。そのため、特別賞としました。個人的には、日本株投信のランキングに加えてもよいと思うのですが…。その辺は編集部も含めて協議した結果です。次回は再討議したいと思います。


「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2013」が発表されました

2013-12-19 23:19:07 | イベント

昨日(12/19)、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the year 2013」の表彰式&トークライブが行われました(竹川はトークライブに出演しました)。

FOY2013の順位は以下の通りです。

10位;eMAXIS 新興国株式(三菱UFJ投信)…12ポイント/8名
9位:SMT グローバル株式インデックス(三井住友トラスト・アセットマネジメント)…18ポイント/6名
8位:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(セゾン投信)…18ポイント/7名
7位:EXE-iグローバル中小型株式ファンド(SBIアセットマネジメント)…18ポイント/9名
6名:ニッセイJリートインデックスファンド(ニッセイアセットマネジメント)…19ポイント/9名

5位:ひふみ投信(レオス・キャピタルワークス)…23ポイント/12名
4位:外国株式インデックスe(三井住友トラスト・アセットマネジメント)…29ポイント/12名

そして、トップ3です。

3位:結い 2101(鎌倉投信)…29ポイント/15

2位:ニッセイ日経225インデックスファンド(ニッセイアセットマネジメント)…36ポイント/12名

そして「大賞」は
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(バンガード・インベストメンツ・ジャパン)56ポイント/16

20位までの結果はこちらの公式サイトにをご覧ください。順次、ブロガーさんたちの理由なども追加される予定です。

前回までこのアワードはインデックス投資ナイト内で発表&表彰式が行われていましたが、今年から独立して行うことになりました。それを受けて、私も少しお手伝いをしています。運営委員長のrennyさんをはじめ、司会・進行、受付、撮影などを担当した皆さんはすべてボランティアです。反省点は多々ありますが、はじめてのイベント、しかもみんな本業がある中で、今できることを精一杯やりました。改善しつつ、次回のアワードを続けていきたいと思います。イベントにご参加いただいた皆様、投票をしてくださった投信ブロガーの皆様、そして、表彰式にお越しいただいた運用会社の方、本当にありがとうございました。

追記 2012.12.21)

<参加された投信ブロガーさんの記事>
●梅屋敷商店街のランダムウォーカー
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2013」結果発表! 
●Nightwalker's Investment Blog
投信ブロガーが選ぶFund of the year 2013!
●セルフ・リライアンスという生き方
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the year2013」表彰式&トークライブに行ってきました 
●1億円を貯めてみよう! chapter2
[速報]「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2013」結果発表&表彰式 
●夢見る父さんのコツコツ投資日記
投信ブロガーが選ぶファンド・オブ・ザ・イヤー2013

<FOY2013受賞を受けての各運用会社のコメント>
バンガード・インベストメンツ・ジャパン
→ 祝!VT2連覇 『投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2013 第1位』
鎌倉投信
→ 「投信ブロガーが選ぶ「Fund of the Year 2013」
●レオス・キャピタルワークス
→  「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2013」でひふみ投信が5位に選ばれました

 

投信概況(2013年11月末)

2013-12-18 11:30:18 | 投信

2013年11月末時点の投信概況についてみていきましょう。発表元は一般社団法人 投資信託協会です。

●全体の概況
契約型公募証券投資信託の純資産は79兆6028億円(前月比プラス1兆4961億円)となっています。

内訳は
・株式投信;64兆4697億円(前月比+6397億円。うち運用等増9189億円)
→設定:2兆7223億円、解約(償還含む)3兆15億円

・公社債投信(MMF含む);15兆1331億円(前月比+8564億円)
→設定:5兆3311億円、解約(償還含む):4兆4745億円    

●運用状況
・国内株式→3051億円の売り越し
・外国株式→2052億円の売り越し
・国内公社債→4548億円の買い越し
・外国公社債→1132億円の売り越し

●主体別残高状況
・証券会社:52兆405億円(株式投信:37兆4436億円、公社債投信14兆5969億円)、シェア65.4%
・銀行等:27兆191億円(株式投信:26兆4858億円、公社債投信:5332億円)、シェア33.9%
・投信会社:5432億円(株式投信:5402億円、公社債投信:30億円 )、シェア0.7%

 


「交付運用報告書」等の意見交換会に参加しました

2013-12-13 18:34:21 | 投信

先日(11/29に一般社団法人投資信託協会において「交付運用報告書」などに関する意見交換会があり、参加してきました。これは、金融庁が昨年(2012年)12月に公表した「投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ(WG)最終報告」に基づいて、2014年6月に「投資信託及び投資法人に関する法律」が一部改正され、運用報告書が「交付運用報告書」と「運用報告書本体」に二段階化されることを受けたもの。「交付運用報告書」のモデル案をもとに、意見交換会が開催され、率直に意見を述べてきました。 

交付運用報告書等に関する有識者との意見交換会の議事要旨の公表について(一般社団法人 投資信託協会)

昨年 の「投資信託・投資法人法制の見直しに関するWG」では、プレゼンを行う機会も頂戴しましたし、前半はすべて傍聴にも行っていました。WGでの議論を受け、特に運用報告書については、投信保有者が読みやすいものに改訂してほしいという想いから、様々な活動を行ってきました。

過去の活動については、過去のブログでまとめています。
投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ」の最終報告


交付運用報告書については、投信のその期の運用内容を知り、「この投信をこのまま保有していてよいか」を判断する上での貴重な情報源であるはずです。そのためには、

・投信の価格が上がった(下がった理由)。そのために何をしたのか。市況の説明だけではなく、どういう行動が寄与したのか(銘柄選択、売買等)をきちんと説明してほしいと思いますし、今期の変化(運用上の変化、組入れた代表的な銘柄とその理由、売却した銘柄とその理由等々)も明確に記してほしいと思います。

また、
・リスク、リターン等の定量データの記載方法・順序を統一
・コストは実質的な手数料を「経費率(トータルエクスペンスレシオ)」で表示
・運用体制の現状と変化(チーム体制、運用担当者の変更があった場合には記載する)

といったことも含めて、投信保有者にとっていい方向に改訂していただくことを期待しています。
*今後、パブリックコメントも募集するようです。


12/19開催 投信ブロガーが選ぶ!Fund of the year 2013/LIVE 投信を使いこなそう

2013-12-09 19:57:57 | イベント
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2013」の結果発表&表彰式は12/19(木)19時より東京・神田のエッサム神田・こだまホールで行います。
開票結果を発表しながら、今回選ばれた投信を資産形成にどう活かせばよいのか、何を参考にするのがいいのか等など--について、運営委員によるトークをお届けします(竹川も登壇します!)。また、トップ10に選ばれた投信の「こぼれ話」、どんな投信を個人投資家は望んでいるのか、2014年に投信・投信業界に期待したいことなどもざっくばらんにお話する予定です。

こちらのイベントは投信ブロガーさんに限らず、どなたでも参加できます。
お席が残り少なくなってきました。当日の飛び込み参加は原則できませんので、「事前申し込み」にご協力ください。よろしくお願い致します。

詳細・お申込はこちら

 


ネット証券のNISA口座で投信の再投資コースは選べる?

2013-12-04 17:37:53 | NISA

12/4時点の大手ネット証券各社にNISA口座での公募株式投信の取り扱い(分配金再投資コースを選べるか、分配金はどの口座で再投資されるか)について質問しました(各社のホームページやコールセンター等を通じて確認したものです)。申込受付時から対応が確定しているフィデリティ証券以外は「予定」としてますので、変更がないとは言い切れませんので、その点、ご注意を。

【マネックス証券】
再投資コースを選択でき、分配金は100万円に達するまではNISA口座で買い付け、(100万円を)超過したら課税(特定口座・一般口座)口座へ。課税口座では再投資買付は不可。分配金は投資家受取りになる

【SB証券、フィデリティ証券】
投信の再投資コースは選択できるが、(最初から)分配金の再投資はNISA口座ではなく、課税口座(特定・一般)になる。

【楽天証券】
再投資コースを選択できるかどうか未定。来週くらいには決まる予定。

【カブドットコム証券】
再投資コースは取り扱わない。分配金受取のみ。

現状では、早い時期にいさぎよく「再投資コース取り扱わない」と記載し、個人投資家さんからブーイングを浴びて(!?)、「再投資コースもOK」に変更したマネックス証券を除き、NISA口座内で分配金再投資はできない模様です(楽天証券で取り扱う可能性はまだ残されていますが…)。しかも、現段階ではそのあたりがはっきりと記載されていないので、混乱してしまいます。

個人投資家さんからはこんなメールを頂戴しました。
「NISA対象の投資信託のラインナップが分からないです・・・。500本とか200本とか書いてありますが、どれが対象となっているのか一覧になっている所が本当に見当たらないです」

すでに12月です。そろそろ商品・サービスについては、はっきりとした告知をぜひぜひお願い致します。 


ニッセイアセットマネジメントなど4社がインサイダー取引

2013-12-02 19:08:08 | ニュース
証券取引等監視委員会は本日(12/2)、日本生命保険の資産運用子会社であるニッセイアセットマネジメントなど4社が金融商品取引法違反(インサイダー取引)をしたとして、課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告したと発表しています。こういうことがあると、本当にがっかりしてしまいますね…。
 
ニッセイアセットマネジメント
 
 
投資信託を購入する場合、ついつい商品に目が向きがちですが、投信をつくっている会社(=運用会社)をみる視点も大切にしたいものです。というのも、運用会社の「運用哲学」なりがきちんとあって、それに沿った商品をつくって、運用を行うのが本来の姿だと思うからです。
 
以前、「投信をつくっている会社にも目を向けよう」というブログを書きました。よろしければ、お読みださいこちら