About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

ネット証券4社の『資産倍増プロジェクト』始動(その2)

2011-03-02 19:01:07 | リンク
――各社よりプロジェクトに参加する意義を

SBI証券井土社長
・まさに先程申し上げたこと。今までライバルとして切磋琢磨してきたが、始めて共同でやる。何が何でもプロジェクトを成功させたい。

カブドットコム証券齋藤社長
・4社共同でやったほうがメリットは大きい。お客さまに届くメッセージも出しやすい。今までもコンプライアンスなどについて共同で取り組むことはあったが、今回初めて攻めのマーケティングの部分で協力した。
・当社は携帯やスマートフォンにも力を入れている。今やiphoneやipadでも投信が購入できる。インフラが整ってきたと思っている。
・ただ、マーケティング等では協力はするが、従来通りサービスや商品などに競争、お客様のためになる競争は続けていきたい。いい意味で競争しながら、ネット証券のメリットも含めた訴求などをしていけば、大きな成果がえられるのではないか。
・例えば、投信も株券と同じように、振替ができる。他の証券会社で買ったものを他の証券会社に移せるが、そういうことを知らない投資家の方も多い。ネット証券に入れると、信用取引の担保に使えるなどのメリットもある。


マネックス松本社長

・マーケットはつくるものだと思っている。12年前にオンライン証券ができた時も、まさかこれだけオンライン証券がシェアを持つとは、既存の金融機関、個人、社会も思わなかったと思う。同じように、投信も新しいマーケット・形をつくっていこうと。その時に1社ではなく、株では大きなシェアを占める4社が協力する。
・わかりやすくいうと「株で大手証券を相手に勝った」と思うが、投信の世界でも大手証券や銀行窓販販を相手に勝ちにいく。4社が協力して、飛躍的にシェアを広げて、新しい「ネット投信」というマーケットをつくっていきたいと考えていて、ぜひ成功させたい。

楽天証券 楠社長
・日本の投資信託の残高の合計は約60兆円。米国は1000兆円。ところが、1990年頃、約20年前には日本は45兆円、米国は100兆円少し。米国はその間に10倍以上、日本は3割程度しか伸びていない。
・日本の場合、12月時点で9000億円、これに銀行のネット販売などを加えて、1兆少ししかない。日本の投資家は従来の証券会社のプッシュ販売で購入しているのではないかと。自分で判断して購入するというネット投資家の潜在的な需要・ポテンシャルは相当あるのではないか。
・昨年の日本の投信残高全体は4.4%の伸び。対して、この4社の伸びは25%。非常に大きな潜在力を持っている。共同プロモーション・イベント等を含めて活動することで、このパイはもっと広げられるし、ネットを使うことは、自分で判断して自分で購入していくという投資本来のあり方、株では浸透してきたが、投信でも浸透する機会になると期待している。


さらに質疑応答と続きますが、今日はここまで(続く)。

ネット証券4社の『資産倍増プロジェクト』始動(その1)

2011-03-02 18:56:35 | リンク
今日の午前中に東証で、大手証券4社(SBI、カブドットコム、マネックス、楽天)による共同プロジェクト『資産倍増プロジェクト』立ち上げ関する記者会見がありましたので、行ってきました。

詳しくはこちら
「インターネット証券4社による『資産倍増プロジェクト』立ち上げのお知らせ」

最初にマネックス証券の松本社長から「プロジェクト背景について説明」。

・オンライン証券は12年前に立ちあげた。その間、よきライバルに恵まれながら、活動をしてきた。その結果、日本の株式投資の環境は大幅に変わってきた。お互いに競いあう形で個人投資家の皆さんに対するサービスの基準は飛躍的によくなったと考えている。
・今回は、一緒に力を併せてこのプロジェクトをやっていきたい。企業の枠を超えてやる。それはひとえにお客様の資産形成を強力にサポートしていくという大義・目標に向けて、4社で力を合わせてプロジェクトを進めていきたい。
・高度経済成長時代の内閣では所得倍増計画が言われたが、最近の政府は強いメッセージが聞こえてこない。であれば、我々が所得倍増計画になぞった形で、「所得倍増プロジェクト」と銘打って、お客様の資産が本当に倍増に向けてできることがあるのではないか。

【ネット証券の強さ】
(1)手数料無料のノーロードファンドなど、コストを抑えた投資ができる
(2)アセットクラスや運用スタイルごとに種類が豊富
(3)いつでもお取引が可能で、投信積立による自動買付けに対応
(4)1,000円から積み立てることができ、少額から投資が可能

次に、活動予定について、カブドットコム齋藤社長から。

【活動予定】
(1)共同イベントの開催 (2011年7月2日(土) 両国国技館で大規模イベント開催予定)
(2)共同キャンペーンの実施
(3)投資信託に関する共同広告・PR展開
(4)共同ウェブサイトの設立と、投資信託による資産運用の普及啓蒙活動・・動画なども含め
(5)4社共同での書籍出版
(6)4社専用投資信託の組成・販売・・・素晴らしい商品を提供できるのではないか。

大規模なイベントについては楽天証券の楠社長から説明。

・両国国技館で個人投資家向けの投信をテーマにした最大のイベントを実施したい。
・社長4名によるパネルディスカッション、著名な方を読んで講演会(未定)、運用会社のブース出展。ネット証券・運用会社の人に個人投資家が直接話を聞けるような形にしたい。


最後に、マーケットシェアについて、SBI証券井土社長から

・ネット証券主要5社の株式取引売買代金シェア(個人部門)は71.4%。それに対して、株式投資信託設定額シェアは1.6%(3713億円)。これが現状。
・この1.6%を飛躍的に伸ばすことが最大の目的であり、実現可能だと考えている。
・理由は2つ。1つは、従来個人投資家はコストや投資条件に対して非常に敏感。2つめはネット投資家は投資に対しての意識・リテラシーが高い。SBIは他の3社と異なり、支店がある。支店で「分散投資」や「積み立て投資」のセミナーを開催している。対面営業の販売スタイルを変えたいと考えてのことだが、支店でセミナーに参加するのは(実は)ネット投資家。セミナーで話を聞いて、ネットで投信を購入している。したがって、皆様のニーズにお応えできるように、投資に対する啓蒙活動に力を入れたい。そうすれば、株と同様、投信にもネットを活用するのではないか。さらに言うと、不招請勧誘の禁止や投信の回転売買の禁止など、対面の営業スタイルに逆風。我々にとっては千載一遇のチャンス。