昨日(2015.1.28)セゾン投信の第8期運用報告会がありました。セゾン投信は毎年、受益者(投信の保有者)に向けて運用報告会を行っていますが、それに先駆けてメディア・FP向けに報告会を開催しています。
まずは、マーケティング部長の津田さんよりセゾン投信2014年の振り返り。
・「社員(25名)が選んだセゾン投信5大News」発表(受益者向け運用報告会でも発表すると思いますので結果は差し控えます)。
・2月から日本全国の郵便局で「セゾン投信と提携したよ」という案内が出る予定。
・口座開設が最も少なかった2009年3月は271件/月だったが、最近はコンスタントに1000件/月を超える申し込みがある。
・NISA口座は1万件を突破(NISA口座は60%以上が30~40歳代)
・お客様の男女比→男性66.4%、女性33.6%。
<今期の振り返り>
続いて、中野晴啓社長から「第2ステージに入ったセゾン投信」と題して、今期の振り返りと来期についてのお話です。
・2014年はいい年だった。これまでに苦労がこの1年で報われた感がある。人生の中で最大の幸せを感じている。
・資金流入に加え、値上がりもあり、1年で純資産総額は330億円プラス。お客様も1年で1万4000人増えた。
・3月の決算では3000万円程度のネット利益が出る見通し。安定したキャッシュフローを生み出せる土台ができた。
・お客様のうち、約6割(約5万人)が積み立てを行っている。これは当社の強み(日本で一番積み立てが多いと自負していたが、NISA開始後に野村証券での投信積み立てが急増し、今では一番ではない…。それでも多くの方が積み立て投資をしてくれている)。
・NISAは1万1000口座。口座開設者の約7割が40歳代以下。ほぼ100%の稼働率)。独立系直販投信の中でも最も成果を挙げられた。
・当初「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」に比べて影が薄かった「資産形成の達人ファンド」が大健闘。「R&Iファンド大賞2014」で最優秀ファンド賞を受賞。「シャープレシオ」で評価するというシンプルな評価で、運用の現場としてもこの賞を取りたいと思っている人が多い。連続受賞投信は少数なので、2年、3年と継続して受賞できるようにしたい。
・「1億人の投信大賞」(→くわしくはこちら)でも達人ファンドが先進国部門で部門賞をいただいた。2年目でまだ地味な賞だが、評価方法については非常に納得できるものだ。
・「セゾン・バンガード・グローバルバランスF」は「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the year 2014」で3位に入賞。2007年に大賞を受賞してからはずっと順位が下がってきていたが、NISAがスタートしたことで、まっとうな投信に少しずつではあるがスポットが当たるようになってきた。セゾン投信の商品についても再評価を受けた。
・日本郵便との提携については、セゾン投信が7年半にわたって積み上げてきたことを評価していただいた。高橋社長には「これまでやってきたことを続けてほしい」「これまでの価値を守ってほしい」「成長を加速するために日本郵便のインフラ、コミュニティを活用してほしい」と言われている。今後の日本郵便で販売を行うことはない。3~5年かけて、セミナーを行ったり、冊子を作ったり…まっとうな長期投資家を作れるかどうかだと思っている。
<来期の見通し・戦略について>
①ファンドのコストを少しでも削減していく努力をしたい。来期はさらに利益がでる見通しなので、検討の準備に入る。(コスト引き下げは)当初から望んでいることだし、受益者のためにもなると考えている。
②人員強化をしたい(5名程度)。専門性もあるが、それ以上に、心が温かい、人の幸せを自分と同じように考えられる人に来てほしい。また、(今いる)スタッフがずっと安心してセゾン投信の成長を喜べる人事制度をつくりたい。1/16付でバンガード・インベストメンツ・ジャパンから1名をお客様対応チームのヘッドとして採用した。
③直販モデルの強化。既存金融機関との明確な差別化を行いたい。一方で、セゾン投信の価値を100%理解してくれる相手とは外販(販売会社を通して販売すること)も選択肢として検討。なかでも地銀に注目している。地銀再編の中で、地元の人たちを長期投資に導いてくれる会社があれば、パートナーシップを組む可能性もあり。
④DC(確定拠出年金)に参入したい。1つ足がかりができた。星野リゾートが企業型DCを導入。その商品のひとつに「セゾン・バンガード・グローバルバランスF」が入る。社員に向けての長期投資の啓蒙なども期待されている。当初は運営管理機関になることも考えていたが、まずは商品提供から。そして、個人型DCにどれだけ入れるかどうか、だ。
<質疑応答>
このあと、質疑応答がありました。
--地銀を選ぶ際に「真贋」とおっしゃっていたが、どう判断するのか?
A.地銀の対応は「地元経済の発展を助け、地域の人たちの自立をお手伝いしようとする」か「ピンハネを続けるのか」の2つにわかれる。当然、組みたいのは前者。前者の地銀であれば、投信販売が抜本的に変わることもありえる。ただ、外販についてはまったく焦っていない。あくまでも100%価値を共有できるとことがあれば、考えたい。
――職場積み立てNISAについてはどう考えているか、ジュニアNISAについての対応は?
A.職場積立NISAについて。私見だが、おそらく大手金融機関による優越的地位の乱用になりかねないのではないか。積極的なのは大手金融機関の一部だ。セゾン投信はそのルールの範疇でやってく必要はないし、あまり価値はおいていない。ジュニアNISAについては、制度の恒久化が前提。途中で終わってしまっては元も子もない。
――外販(販売会社経由で販売)する場合、ノーロードを考えているのか?
A.購入時手数料をとるところとは提携しない。販売手数料は存在する意義がないと思っている。この辺は草食投資隊の他の2社(レオス・キャピタルワークスやコモンズ投信)とは意見が異なるかもしれない。
(その2に続く)