About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

住宅ダウン→老後資金アップ

2010-09-23 18:32:34 | リンク
先週、企業年金連合会でお話をさせていただく機会がありました。セミナー後にお疲れ様会と称して(単なる飲み会?)、連合会のヤマサキさんや確定拠出年金のご担当の方といろいろお話をしていたのですが、その時に話題になったのが、住宅の話。

住宅に振り向けるお金を少し減らすだけで、リタイア後に向けた資金形成はだいぶ楽になるのではないか、というものです。

限られた生涯賃金の中で、お金をどう振り分けるかという視点がますます大切になってきます。ただ、セミナーなどでみる限り、住宅の資産配分が過大だと感じることが少なくありません。

・若いうちは賃貸で暮らして、子供が独立したらコンパクトな家を購入する
・新築はやめて中古も選択肢に入れて予算を引き下げる

など、今は様々な選択肢があります。仮に住宅の予算を500万円とか1000万円引き下げられたら(プラス金利分を考えるとさらに増える)、その分をリタイア後の準備資金に向けることも可能です。

運用も大切ですが、その前に自身のお金をどう振り向けようか、長期的にどの程度のお金を準備すればよいのかという、大枠を考えることが先決。

企業や共済会等のライフプラン・マネープランセミナーなどは50代(退職前)の方を対象に実施されることが多いのが現状です。けれど、本当はもう少し早い段階、例えば、20代、30代のうちに、資産形成の基本を学ぶ&考える機会を持てるとよいと思います。

*私もセミナー等を行うことは可能ですので、ご興味がある方はご連絡ください。


「投資信託にだまされるな! 2010年最新投信対応版」3刷に

2010-09-22 18:26:14 | リンク
お陰様で「投資信託にだまされるな! 2010年最新投信対応版」の増刷が決定。3刷になりました。応援していただいた皆様、有り難うございます。また、その後、新たにブログでもご紹介いただきました。感謝です!

Passiveな投資とActiveな未来
竹川美奈子著「投資信託にだまされるな!」

お金の賢人になろう
投資信託にだまされるな!






価格やコスト、金融商品だとおおらかになってしまう理由(わけ)は?

2010-09-21 13:44:48 | リンク
「家電製品を買う時には、地道に価格を比較したりするのに、なぜ金融商品だとおおらかになってしまうのだろう」

週末にツイッターでこうつぶやいたところ、たくさんのコメントを頂戴しました。
大きく分けると

①(金融商品は)目に見えないからでは
-やはり、目に見えないからでは?
-やっぱり目に見えないのでしょう
-消費することと異なり、お金を手放すことという感覚がないのでは。
-買いなれていないからではないでしょうか。

②金額が大きいと思考停止になる!?
-高価過ぎて比較対象が少ないor?
-額も大きいと思考も停止?金額が大きいからこそ1%の節約でもかなり大きいのに

③知識不足?
-知識が足りない
-自分がわからないことについて考えることを怠っているだけでしょう。
-顧客が比較できるような知識を持っていないですかね
-選択肢がたくさんあると選べなくなって、ついランキングに頼ってしまったり…


①の実感がないというのはなんとなくわかる気もしますね。
②についてはまとまった金額を投資する場合には「エイヤッ」という感じになってしまうのかもしれませんね(特に、住宅購入などについては「あと300万円くらい高くてもいいか」とか「ついでに家具や車もローンで買ってしまおう」とかかなり気持ちが大きくなってしまう例がありました)。もっとも、冷静に計算すればすぐにわかることなのですが・・・。で、結局は③に集約されるということでしょうか・・・。

心理的な要因が強いのか、あるいは単に知識不足から来ることなのか--。どなたか、こうした事象を検証した論文・レポートなどをご存じでしたら、ぜひ教えてください~。



三菱UFJ投信の第3回ブロガーミーティング

2010-09-16 15:04:28 | リンク
昨夜、三菱UFJ投信で「第三回ブロガーミーティング」があったので、参加してきました(私はブロガーかと言われると??ですが、メディアの方なども参加されていので-)

今回は以下の3テーマについてそれぞれお話がありました。
①eMAXIS(イーマクシス)の歩み
②より良いウェブサイトをめざして
③新ファンドのベンチマークのプロファイルとインデックスファンドの運用評価

①では、アンケート結果をもとにラインナップに加わった「eMAXIS全世界インデックス」「eMAXIS新興国債券インデックス」についての説明がありました。

インデックスのプロファイルについての話は興味深かったです。「eMAXIS全世界インデックス」のベンチマークとして「MSCIオール・カントリー・ワールドインデックス(除く日本)」を採用した理由について、「ETSE All-world ex Japan」や「S&Pグローバル株価指数(除く日本)」と比較(投資国や対象銘柄数、地域別の比率、業種構成など)して説明してくれたためです。

②では、基準価額のDATAがダウンロードできるようになったこと(*これは便利!)、商品ごとの比較チャートの導入などの説明がありました。

ウエブコンテンツについては、ブロガーさんから「短期的な相場動向」などよりも、長期的な視点に立ったもの、例えば組み合わせ方などの情報・ツールがほしいという意見もでました。

個人的にはインデックスファンドなのだから、指数についてのDATAや情報がもう少しほしいなあと感じますが、インデックスプロバイダーさんから購入しているため、なかなか難しい面もあるようです。

また、一番驚いたのはeMAXIS専用サイトの利用者について。20~40代が多いのはわかるとして、男性比率が9割以上! まだまだ間口が狭いなあと感じました。

③については、インデックスファンドの運用評価について。運用要因と非運用要因について説明していただきました。

指数に連動させるというのは結構難しく、「意外と運用担当者のセンスが問われる」というのは妙に納得しました。また、インデックスファンドに限ったことではないのでしょうが、やはり日々のキャッシュの出入りについてはかなり目配りする必要があるのだなと、とても勉強になりました。

最初はテレビ東京(WBS)の取材が入っていたせいか、ちょっと固い雰囲気でしたが、徐々に打ち解けた感じに。

最後はブロガーさん(注:投信ブロガーではない方)から、「セミプロみたいな人だけでなく、もっと間口を広げないのか」とか「若い人がみたくなるようなウエブサイトを」といった、結構つっこんだ意見も出ましたが、実はそういう方もの意見のほうが貴重かもしれませんね。インデックスファンドは初心者からベテランまで使えるツールだと思うので、私も間口を広げる、認知度を広げるという意見には賛成です。

コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ#5

2010-09-09 12:27:05 | リンク
「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ #5」の告知ページがアップされました(rennyさん、有難うございます!)

●告知ページはこちら

以前こちらでも書きましたが、投資家が気軽に集まれる「ゆるい場」を作ろうというのが当初の目的でした。

参加者もこれから始めたい人、初心者からかなりのベテランまで様々。インデックス投資家が多いですが「日本株は個別株で」とか「一部チョクハン投信持ってます」など、こだわりもいろいろです。また、最初は男性ばかりでしたが、3回目から女性比率が上昇してきたので、ホっとしています(笑)。

6月から始めたこの会も、10月で5回目を迎えます前回(4回目)は山崎元さん、サプライズでセゾン投信の中野さんがご参加くださり、盛況でした。参加者も35名となり、借りていたスペースでは手狭になったので、次回は40人くらいになるようなら、貸し借りにすることも検討中です。

次回は10/6(水)です。
参加者が増えてきたため、「必ず参加するよ」という方は登録ページから事前登録していただけると助かります。今後も地味にコツコツ続けていきたいと思います。


 

投信をどう取り崩す?

2010-09-06 17:05:43 | リンク
リタイアしたあとは公的年金を補う意味で、現役時代に蓄えてきた資産を少しずつ取り崩していくことになります。ただ、リタイアしたあと、20年、30年という長い時間が待っていることを考えると、リタイア後もお金を運用しながら使っていく(取り崩していく)という発想もこれからは必要でしょう。

ということで、この本にも、一定の比率でお金を解約してお金を使ってというお話を書きました。それに対して、「定時解約で、定率ではなく、定額はどうでしょう?」という質問がありました。

日本では、一部の証券会社やありがとう投信(直販)などの会社で、保有する投信の残高から毎月一定の金額を自動的に解約していくサービスがあります。ただ、この方法だと資産形成のときには有効なドルコスト平均法(毎月一定額を買い付けることで、基準価額(投信の価格)が高いときには少しの口数しか買えず、安いときにはたくさんの口数が買えるので、平均購入単価を安く抑えることができる)の逆をしてしまうことになります。

つまり、価格の高いときには少しの口数だけ解約し、価格が下がっているときにたくさんの口数が解約されてしまいます。そのため、運用状況がよくないときには元本が大きく減ってしまうリスクがあります。特に、解約サービスをスタートした直後に相場が悪く、大きく値下がりしていると、最初に運用する元本が減ってしまうことになります。つまり、解約スタート時の運用状況に大きく左右されてしまうのです。

そういう意味では、毎月一定の金額を自動的に解約していくよりも、本当は「定率」で解約をしていくほうがのぞましいのです。米国では、バンガードやフィデリティといった投資信託会社が定率で引き出しつつ、残っている元本を運用するというしくみの投信などをつくっていますが、日本ではまだそうした商品やしくみはありません。

そこで、現状では、
・定額解約サービスを実施している投信を利用する
・自分で引き出す金額をかために見積もり、毎月一定額を引き出していく
 (運用状況が非常に悪いときには引き出し額を抑える)
・年間に必要な金額を見積もり、半年や1年に1回引き出すようにする
・自分で定率引き出しをする
といった方法が考えられます。

資産形成をするためのツールとして、投信の「自動積立」サービスはこの数年で画期的にサービスが向上しました。今後は、資産形成をした人たちがリタイア後に「うまく使っていく」ための商品やサービスがのぞまれます! 過度な分配金競争ではなく、(FPも含めて)新しい提案をする時期に来ていると思うのです。

<2010.09.06追記>
ワイ・エス・プランナーさん(@ysplanner)より以下の情報をいただきました。
 ↓
国内では日興コーディアル証券の「定期引出サービス」が口数売却に対応しています。まだ対象ファンドが少なくインデックスファンドも含まれていませんがネット証券も見習って欲しいものです。

*リタイア後のお金の取り崩し方については野尻哲史さんの「退職金は何もしないと消えていく」が参考になります。


STAMインデックスシリーズの専用ページがリニューアル

2010-09-03 11:55:13 | リンク
住信アセットマネジメントの「STAMインデックスシリーズ」のサイトがリニューアされました。

詳しくは
「STAMインデックスシリーズ」の専用ページをリニューアル致しました。

例えば、「賢い利用法」ではいくつか分散モデルが示されて、分散モデルに沿って投資した場合のリスク・平均リターンがグラフ化されています。過去の実績ではありますが、自分で投信の組み合わせを考えるときに参考になるのではないでしょうか。

また、「インデックスなび」では、インデックス運用についての過去のコラムがみられます。
「インデックス運用(ファンドの)魅力」といった初心者向けのものから、インデックスファンドの運用手法、例えば完全法や最適化法などベテラン向けのちょっとマニアックなものまで読めるのがよいですね(笑)。

運用する運用会社のHPが充実するのはよいこと。益々の情報発信を期待したいですし、投資家(受益者)もこうしたサイトをみて自分で調べたり、勉強したりする姿勢も必要でしょう。

チャールズ・エリス氏のセミナー中止に

2010-09-02 21:26:32 | リンク
以前ブログでもご案内した、9月11・12日に行われる予定だったチャールズ・エリス氏の講演が中止になりました。

詳しくは
チャールズ・エリス氏セミナー開催中止のご案内(バンガード)

9月12日(日)チャールズ・エリス氏セミナー開催中止のご案内(セゾン投信)


この時期に急きょ中止になったのはエリス氏の健康上の理由とのことです。

12日は後半のパネルディスカッションに出る予定でしたし、本当に残念です。
今後の予定は未定とのことですが、早く回復されることを願ってやみません。

そして、回復されたら、来日講演をぜひ聴きたいです!