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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

ネット証券4社の『資産倍増プロジェクト』始動(その3)

2011-03-04 21:06:15 | リンク
質疑応答について

――松本社長に。この共同プロジェクトは誰が言い出したのか? 井土社長に。このプロジェクトはいつまで続ける予定か?

松本社長
・自然発生的なこともあるが、一番最初に電話をかけてきたのは(カブコムの)齋藤社長。で、一緒にやろうかということになった。

井土社長
・今の時点では決まっていない。個人的な目標としては、FX。個人的な意見としては、FXは商品性もリスクも大きく、商品性もわかりにくく難しい商品だと感じるが、ある種のブームの状況であれだけの認知度になる。そういう意味では、このプロジェクトでネットで投信売買というブームをつくれたらいいなと。FXに比べて、(投信は)はるかに商品性もわかりやすいし、資産形成にはもってこい。そういうきっかけになれば、長期にわたってやっていくかもしれない。

--3つある(1)ネット証券のシェアを飛躍的に伸ばすという話が何度もでたが、何年で何%くらいを目指しているのか、(2)今の主流は毎月分配型の投信。ノーロードで積み立てに向くタイプのものを使ってどうやってシェアをとっていくのか、(3)ネット証券の強さは今も言っている。今までノーロード投信や積み立てがマーケットで広がらなかったと考えるか。

楠社長
(1)投信の分野にパワーをつぎ込むことで数パーセントから10%台と徐々に増やしていきたい。
(2)毎月分配は今の時流。既存の証券会社の売りやすい商品。ネットがやることで業界の構造が変わっていけば、バリエーションが出てくると思う。資産形成という観点では偏った商品ばかりだと資産形成のツールにはならない。我々がシェアを拡大することで、商品に広がりがでてくるのではないかと思う。
(3)ネット証券は投信に力を入れていたとはいえ、株ほどではなかった。これからしっかり努力を致します。

松本社長
(1)シェア(の目標)は3年で30%(4社合わせて)。
(2)アドバイスが必要。ネット証券でもアドバイスの提供ができる。
(3)認知度が低かった。今回のプロジェクトを通してネットでの投信の認知が広がるようにしたい


齋藤社長
(1)販売のシェアよりも残高のシェアを増やしたい。アセット商品ですから、イベントまでに倍増、1年後にはさらに倍増、さらに翌年倍増といけば、(松本社長のいう)30%はいけるのではないか。
(2)株式などは対面証券からの移管があったが、投信の場合には対面証券に眠っているものがたくさんあると思う。販売を増やすという観点も1つあるが、対面証券のほうからアセットを持ってきていただくことの両面で残高を増やしていく。ネット証券で何ができるのかを訴求していく。
(3)とくに当社はサボっていました。もっと頑張ります

井土社長
(1)シェアについては松本社長の3年30%が非常によいと思う。
(2)各社若干事情が違う。弊社の場合には、現在、投信の売れ筋三本柱というのは、REITと毎月分配型と、インデックスのノーロード投信。とくに毎月の積み立てに関しては最低1万円から1000円に移行した際に、1万円で1銘柄購入していた方が、例えば3000円ずつ3本というように分散投資する方が多くなった。プレゼンで話したように、これからは分散投資を訴求していこうと思っているので、当然その中にはインデックスのノーロード投信も入ってくると思う。
(3)努力不足だった。意識の高く、リテラシーの高いネット投資家に対して、ご要望にお応えできるような情報提供等が不足していた。

――資産倍増プロジェクトのメインターゲットを教えてください。また、世代別の戦略があれば-

楠社長
・全体の話のトーンが若者向けというのはあるかもしれないが、イベント自体は通常平均年齢が高めの方がいらっしゃる。ネット上のプロモーションは若手の方がよくみるが、年配の方は話を聞いてみたいということもあるので、イベントは比較的年齢層の高い方とか、通常対面で取引をしている方が「ネットってどんなことをやっているのかな」と考えるきっかけになればよいと思っている。
・ターゲットを絞るというよりも、いろんな活動を通じて、いろんなターゲット層に対して、「ネットで投信」というメリットを訴求したい。

松本社長
・7/2の両国は意外と年齢層が高いと思う。

――4社専用の投信の組成ですが、具体的に本数やタイプはどう考えているか?

齋藤社長
いくつかすでに大手の運用会社から提案をいただいているが、パフォーマンスがいいのもあるが、ネット専用なので、既存の投信に比べて信託報酬などコストが安いもの。何層にもラップされているものは避けたい。競争力のあるものを。まだ何も言えませんね・・。

松本社長
我々は簡単にお客様のニーズをはかることができる。対面以上にネット証券は知ることができるので、お客様がほしいものを認知した上で、ほしいものを投信会社さんにつくっていただくと。

――銀行のネットにおける投信販売についてどう思うか教えてください。

井土社長
銀行のネット販売については、ネット販売に力を入れていると認識している。当然、銀行のネットワークは強力だと思っているが、まだまだノウハウ的には恐れるに足らず。われわれは気合を入れてやろうとしている。

――プロジェクトの活動で、他の会社を増やしていく予定はあるか? 例えば、大手証券が入りたいとか大手行が入りたいと言われたら?

松本社長
私は、ネット証券が増えるのはいいが、大手証券や銀行はお断り。ネットでほしいものをちゃんと買ってもらう形での投信の販売を増やしていくという大義がある。ネット証券だけでやりたい。

――ネットで投信を買うべきではない。窓口できちんと説明をするべきだという声もあるが、それについては。

松本社長
私はネットで購入する投資家のほうが、自分で選んで購入するわけで、真剣にリスク情報なども読まれていると思うので、私は逆に難しい商品ほどインターネットのほうがいいと思う。

井土社長
まったく同感。対面でいっけんリスク説明をしているように思えるが、逆に、お客様に甘えている。真剣さがネットの投資家に比べるとちょっという印象は少しある・・・。ネット投資家は大事なお金を自己責任で開示情報をみて投資しているので。

楠社長
米国ではネットで取引する人のことを「セルフ・ディレクテッド・インベスター」という。自分で動いて、自分で考えて、判断する投資家。ネットの場合、それが前提になっているのが基本線。ということで、ネットにきて、各社の検索、情報、比較検討のしやすさなどを徹底的にブラッシュアップしていく。周辺情報も含めて提供しているので、むしろネットでこそ本来の投資のやり方。どんどんネットでやっていくべきだと。

齋藤社長
ネット。やはり金融商品においては比較検討して購入する機能が充実。比較検討昨日はネットの機能そのもの。また、技術的にも、動画の配信などが普及したり、ipadなどでも取引できるし、環境が整いつつある。むしろ、今後はいろんな意味で、訪問販売から通信販売への流れが加速するとみている。

――投信の理解度がどこまで進んでいるのか。共同サイトを立ち上げる際、これまでと違う投資家教育などは考えているのか。

松本社長
井土社長から「ネット投資家はリテラシーが高い」、楠社長からもネットだからできるという話があったが、同感。わが社では10年前からマネックスユニバーシティ(で投資教育を)やっている。(今後は)ネット上や書籍などを通して、単なる販売目的ではなく、投資家が正しい判断ができるようなものをご提供しつつ、正しいかたちで投信による資産形成ができるように4社が協力してやっていきたい。