About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

1年間継続して資金純増のファンド(2013年6月末時点)

2013-07-28 23:38:08 | 投信

『投資信託事情』2013年8月号が届きました。毎月恒例の「1年間継続して資産純増の人気ファンド」を見てみましょう。これは1年以上継続して、資金の流入額から解約額を差し引いて、資金が純増している投信を調べたものです。

2013年6月末時点で「1年間継続して資産純増のファンド」(純資産30億円以上、DC、SMAなどの専用ファンドを除く)は41本(前月比▲5本)。順位は1年間の資金増加額の順です。ここでは、毎月分配型以外の投信をピックアップしてみます。

29位;野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(野村AM)
30位;UBS世界公共インフラ政権投信(通貨選択型)年2回(UBS AM)
33位;ひふみプラス(レオス・キャピタルワークス)
34位;ひふみ投信(レオス・キャピタルワークス、2年以上)
36位;野村PIMCO・米国ハイ・イールド債券投信(メキシコペソ)年2回(野村AM)
38位;結い2101(鎌倉投信、2年以上)
39位;SMT国内債券インデックス・オープン(三井住友トラストAM)
40位;SBI資産設計オープン・資産成長型(三井住友トラストAM、2年以上)
41位;コモンズ30ファンド(コモンズ投信、2年以上)

*登場ファンドはさらに減少し、41本に。
*先月まで2年以上純流入を続けてきた3本の投信、「外国株式インデックスe(三井住友トラストAM)、「eMAXIS先進国リートインデックス(三菱UFJ投信)、そして、「セゾン資産形成の達人ファンド(セゾン投信)が姿を消しています。


NISA口座での投信積み立ての課題

2013-07-24 20:19:38 | NISA

単行本やコラム等で、まとまったお金のない資産形成層は投信の積み立ても選択肢の1つということを書いてきましたし、セミナー等でもお話してきました。通常の特定口座であればその通りなのですが、最近になって、NISA口座での投信積み立ての課題が浮かび上がってきました。

 ●「年ごとの平均購入単価」が出ない!?
NISA口座で投信の積み立てをした時に、
2014年に積み立てた分の「平均購入単価」
2015年に積み立てた分の「平均購入単価」
2016年に積み立てた分の「平均購入単価」
という具合に、1年ごとに平均購入単価が分けられて、表示されるのか?ということです。何社かに聞いたところ、「できない」という声が…。

大手の基本システムが対応していないからだと思いますが、これがわからないと非課税期間終了時に「下がっているから新たなNISA口座にロールオーバーしよう」とか「利益がでているので一部解約しよう」いった判断ができないと思うのですが…。
例えば、NISA口座で2014年~2018年まで5年間、同じ投信を積み立てたとします。そして、2014年枠が終わる2018年末を迎えました。「2014に積み立てた分の投信」を、課税口座に移すか、2019年NISA枠にロールオーバーするか、その前に少し解約をしようか…と考えるはずです。

ところが、「NISA口座内のA投信の個別元本(=この場合、NISA口座内で5年積み立てたA投信の平均購入単価)は算出するけれど、年ごとの個別元本は出さないということのようで…。解約、ロールオーバー、移管して初めて時価がわかる口座っていったい……。

●先入れ先だし方式?
また、仮に5年間積み立てをしたときに、たとえば、「2015年に購入した分を解約する」という具合に、指定をすることもできない可能性も…。基本は「先入れ先だし」方式。最初に買ったものから売られるという方式が採用されるようです。

これから個別に対応する金融機関はあるかもしれません(検討・開発中というケースも)が、その辺がはっきりするまでは「積み立て」という選択肢は一度脇においたほうがいいかもしれません。システム会社、販売会社の対応次第では、もしかしたら、NISAと積み立てって、めちゃくちゃ相性が悪い可能性もあります…。これはかなりショックです。本来、NISAって現役世代の資産形成の応援だったはず…。これから投資家目線で使い勝手について考えてくれる金融機関はあるのでしょうか?? 2014年のスタートまで様子を見たいと思います。
(→投信の積み立てを検討されている方は、1年ごとの平均取得単価がでる金融機関があれば、そこを選択肢として考えたいですね)

ということで、金融機関のNISA対応の商品、手数料体系、サービス、システム等々がはっきり示されるまで、しばらくはNISA口座の開設は待つことにします。

<2013.08.28追記>
上記課題については制度上の決まりではなく、各社のシステム対応の問題です。同じシステム会社を利用していても(どこまでお金をかけるか等によって)対応は異なります。「非課税上場株式等管理に関する約款」をみると、先入れ先だし方式を採用する金融機関が多そうですが、一部「当社が定めるところに従って譲渡する」としている会社もあります。もう少し調べてからご報告したいと思います。

また、上記課題については、積立だけではなく、複数の年にまたがって同じ投信やETFなどを購入していった場合にも当てはまります。同じ商品を積み上げていくという少額の長期投資家を想定していないのかもしれませんが、できるだけ対応してくださることをのぞみます。


7/26に本がNISA活用入門が発売になります

2013-07-24 18:15:38 | NISA

7/26に『「NISA」活用入門』(ダイヤモンド社)が発売になります。

NISA(小額投資非課税制度)…今だに各金融機関のNISA口座で対応する商品、手数料体系、サービスが確定しない中、本を出すことを躊躇する部分もありました。商品・サービスが出そろうまで待って、秋に出版することも考えましたが、早く出す道を選びました。

1つはNISAの制度がよく理解されていないこと、そして、もう1つは金融機関の営業が激しくなっていることです。よくわからないまま口座開設の仮申し込みをしている方も少なくありません。10月1日より前であれば、キャンセルも可能です。NISA以外に使える税優遇の制度を知ってもらうことも含め、早めに情報提供をしたいと考えました。ご興味がある方は手にとってみてください。

ただ、金融機関の取り扱う商品、サービス、システム等々、まだまだ決まってないこと、不明点も多いので、FBやブログ等で補足リポートしていきたいと思います。
公式FBはこちら。よろしければい「いいね」してください。