About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

シャープレシオ

2008-08-26 20:36:59 | リンク
最近、投資信託のおすすめといった記事で、「シャープレシオ」を基準にしたものをいくつか見ました。シャープレシオというのは「そのリターンを得るためにどれ位のリスクを取っているかを計測する指数」のことで、数値が高いほうがよい(効率的に運用されている)とされています。ただし、シャープレシオで比較する場合には投信は同じ分類・カテゴリーで比較するというのが大前提です。

けれど、なかには
①さまざまなタイプの投信がシャープレシオの数値順に並べられている
②同じタイプが並んでいるが、数年後に償還(満期)を迎えるものなどが入っている

といったケースもあります。う~ん。償還が近いと長期での運用は難しいでしょう・・・。シャープレシオを1つの指標にするのはよいと思うのですが、純資産総額や信託期間といった項目も併せて確認する必要があるでしょうね。

増刷

2008-08-25 18:52:09 | リンク
お蔭さまで『しくみマネー術』が発売から1カ月あまりで増刷になりました。ご購入いただいた皆様、ありがとうございました。

この本は『投資信託にだまされるな!』と『同 Q&A』の2冊に比べるとかなり初心者向きなので、すでに投資をされている方にとっては知っていることも含まれているかもしれません。ただ、いっぽうで「貯蓄するのが苦手」とか、「投資には関心がない」といった方もたくさんいらっしゃいます(というか、そちらのほうが世の中的には主流でしょう・・・)。この本はそういう方がアクションを起こす一助になればと思っています。

勉強会

2008-08-21 17:37:31 | リンク
昨夜は「リテールFP横浜」というSG(ファイナンシャルプランナーのスタディグループ)で、「投資信託との付き合い方」というテーマでお話しをさせていただきました。
独立系のFPの方をはじめ、金融機関で投信の販売に携わっている方、一般の企業にお勤めの方など様々な方が参加されています。投資信託だけでなく、国際分散投資や海外ETFなどにも議論が及びました。このSGの方々ははとてもよく勉強されていて私もよい刺激になりました。いろんな立場からの情報交換をする場はやはり必要ですね。

ところで、昨日のソフトボールの試合、1人で2試合(しかも両方延長!)を投げ抜いた上野選手を観て久々にジーンときてしまいました(中学時代はソフトボール部だったので)。決勝戦、がんばってほしいです! でも、できれば今日は雨で延期になってほしいなあ・・・、肩を休ませてあげたいなあ・・・。

初めての推薦文

2008-08-20 15:24:33 | リンク
はじめて、本の推薦文なるものを書きました。この本です。インデックス・アドバイザー兼FPである、カン・チュンドさんに頼まれたもので、今月の28日に発売になるそうです。

お引受けしたのは
カンさんのミッションである、「シンプルで継続しやすい資産運用を世の中に広めること」は私も常々考えていることであり、共感したことが大きいですね。また、カンさんはネット証券が海外ETFを取り扱う前からETFに注目していた方ですし、インデックス運用に関するメルマガも発行しています。ETFにテーマを絞った本はまだ少ないので、興味のある方は手に取ってみてはいかがでしょうか(独特の語り口でわかりやすく説明されています)

ただし、推薦文と言われたので、巻末に800字くらいで文章を書けばよいのだろうと軽く考えていたら、編集の方に「帯に入れるので、20字程度でお願いします」と言われて途方にくれてしまいました。コピーを書くのは苦手なので・・・。おまけ表紙ではコピーよりも名前が大きくなっているのをみて、苦笑してしまいました。
いずれにしても、こうした本が増えるのはよいことだと思います。





どうなる証券税制!?

2008-08-14 16:04:46 | リンク
今のままだと、来年(平成21年)と22年の税制についてはかなり面倒くさいことになってしまいます。詳しくはこちらをご覧いただくとして、

例えば、1年間に受け取る上場株式の配当金や投信の分配金等の合計額が100万円を超えると、100万円超の部分が税率20%になるだけでなく(100万円以下は10%)、必ず確定申告が必要ということになっています(特定口座の源泉あり・なしに関係なく)。確定申告をして所得に合算されてしまうと、自営業者や高齢者、専業主婦の人たちは住民税や社会保険料負担が増える人もでてくるでしょう。

それが、ここにきて、自民党の麻生太郎幹事長が、突然「1人当たり300万円までの株式投資の配当金を非課税にしよう」と言っているようです。非課税にしてくれるのは嬉しいですが、「配当金だけでなく、分配金も同じ扱いなんだろうか」とか、「非課税扱いにするには確定申告をする必要があるんだろうか」とか、「現行の証券税制との兼ね合いはどうなるのか」など、まだまだ疑問だらけです。そして、何よりも「こういう社会にしたい」という方向性がみえないままに、税制とか社会保険制度を「コロコロ変える」「ツギハギだらけ」なのがいちばんの問題なんですけど・・・! 現行の証券税制にしても、複雑すぎて困ってしまいます。もう少し、シンプルで、わかりやすくできないものなんでしょうか??



夏カゼ

2008-08-12 11:07:39 | リンク
先週は久々に夏カゼをひいて、熱を出してしまいました。こんなときは思いっきり寝るのがいちばんなのでしょうが、平日だとなかなかそうもいきません。
そうなると集中力ダウン⇒仕事の時間がかかる⇒体調悪化という悪循環に陥ってしまいます。久々にツライ数日間を過ごしました。

若いときみたいに無理が効かなくなっているので、体調管理には気をつけないといけないですね・・・。と反省の1週間でした。



EEMが急落!?

2008-08-07 19:22:26 | リンク
ほかのブログでもすでに取り上げられていますが、新興国全般に投資するEEM(iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット・インデックス・ファンド)という海外ETFの価格が約3分の1になりました。私も株価チャートの大陰線をみて何が起こったのかと思いましたが、7月24日に1:3で口数分割されただけだったのですね。3分割されると価格は3分の1になりますが、保有口数も3倍になるので、資産自体は増えるわけでも、減るわけでもありません。

これ以外にもバークレイズ・グローバル・インベスターズが運用する、i シェアーズブランドのETFは分割されています。このへんはFPのカン・チュンドさんが詳しく書いているので、そちらをどうぞ。

ずっと昔、中国株を持っていたときにも保有株の株価をみたら、株価が突然半分になっていて、コールセンターに問い合わせた経験がありました。ですので、今回も「もしからした、分割?」とピンときたのですが、知らないと「大暴落!?」とパニックになってしまいますよね。

海外ETFを含めて、外国株式などに投資する場合、日本株のように分割修正後の株価が反映されたチャートにならなかったり、保有口数や株数が口座に反映されるまでに時間がかったりするケースが多いもの。これはシステム的に仕方ないのかもしれませんが、口数分割の情報は入っているはず(今回のiシェアーズの口数分割に関しては米国では7月上旬にはリリースがでているようです)。海外ETFを取り扱っている証券会社さんはそうした情報を「お知らせ」にアップしてくれると「ぎょっ」としなくてもすむと思うのですが・・・。


インデックスファンドとアクティブファンド

2008-08-06 19:41:31 | リンク
7月末のモーニングスターのサイト、ファンドアナリストの視点では「インデックスファンドとアクティブファンド」について直近10年の比較がされています。

詳細は記事をお読みいただくとして、
●アクティブファンドの1年リターン(各年の6月末基準)がTOPIX(配当込み)のそれを上回ったファンド数の比率が50%を超えたのは過去10年で5回。
●TOPIX(配当込み)の1年リターンがマイナスになった4年(2001~2003年、2008年)のうち、3年でアクティブファンド全体の約3分の2がTOPIX(配当込み)に負けている。
といったDATAが掲載されています。

そのなかで、運用期間が長いアクティブファンドほどリターンが高いといった指摘がなされていますが、それでも「運用期間が10年を超えるアクティブファンドでも、3年リターンがTOPIX(配当込み)を上回ったのは42.59%」というのが現実なんですね(しかも、途中で償還になったファンドのデータは含まれていないわけですから)。



ETFは株である

2008-08-01 10:55:53 | リンク
以前、健太郎さんより以下のコメントをいただきました。
<以下、抜粋>
最近、ETF特に海外ETFが話題です。日本人は貯蓄中心で投資をしてこなかった これからはインフレもあるので、一日でも早くファンド購入が望ましいという風潮もあるようです。購入して長期持てばいいという感じですが、初心者には危険な誘いのように思うことがあります。05年から07年はまさに海外の住宅バブルの影響で、S&P500、日経ともに以上に上昇していました。今年に入って購入した人でも、ここ最近の米国発の暴落で大きく損をしていると思います。株と違ってETFは安心と勘違いしている人も多くいるようです。つまり、株と同じで割安で購入しないと損するんだという初歩的なことを教えてあげる必要があると思いますが、どう思われますか<抜粋、おわり>

昨年からETFに関する記事が本当に増えました。マネー誌だけでなく、ビジネス誌や女性誌などでもETFに関する特集記事が目につきます。ネット証券を中心に海外ETFの取り扱いなどが増えたことでETFの認知度が高まってきたことに加えて、日本株が冴えないので他の金融商品を紹介したいといった意向もあるでしょう。ただ、中には「ETFなら必ず儲かる!」といった首をかしげたくなるようなキャッチが付いているものもあります。

しかし、「米国株の株価指数」「日本株の株価指数」だけに投資をしても必ずもうかるわけではありません。
①ETFといっても、資産クラス・購入時期の分散は必要
②少額だと必ずしも低コストではない
(売買時の手数料に加えて、海外ETFは別途為替手数料などもかかる)
③投信のように積み立て機能はないので、手間・時間がかかる
(一部、国内ETFに関しては可能な証券会社もあるが、海外ETFに関してはできない)
④価格が需給で決まるので、意図した値段で売買が成立しないことがある
といった点は留意する必要があるでしょう。また、健太郎さんのご指摘のとおり、株式投資の経験が全くない方だと注文の仕方などもわからないですよね。そもそも投資信託の購入とは方法がまったく異なりますし。「ETFの買い方は株と同じ」で片付けないで、今後は初歩的なことも書いていこうと思います。