About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

集中投資で考えたいこと

2011-01-31 19:21:26 | リンク
政局の混乱で1/30にエジプト証券取引所は休場。金融機関も営業休止だとか。
1/31も証券取引所が休場すると伝えられたことで、こちらのような一部投資信託が購入・解約できない状態になっています。

新興国などをはじめ、政局の混乱・デモなどによる影響が、日本の投資家にもこうした形で影響してくるわけですね。

たしかアジア通貨危機のときにも、一部の証券取引所は取引休止状態になって、やはり購入・設定ができない投信がありました。

国や地域を絞った投資を一部取り入れるのはよいですが、やはり何かあった時に精神的にも経済的にも動揺しない範囲で行いたいものです。
とくにエマージングマーケットは、こうした政局不安が起こることもあれば、マーケットが小さいだけに一方に振れたときの勢いにはすごいものがあります。
そうしたことも踏まえた上で、ポートフォリオに組み入れるか否か、入れるとしたらどの程度の比率にすべきかを考えておく必要があるでしょう。

そういう意味では投信を購入した後の販売会社(直販の場合は運用会社)のフォロー体制もチェックしておく必要がありますね。

コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ#8

2011-01-14 11:31:54 | リンク
一昨日、コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ#8が開催されました。

昨年12月に日経新聞夕刊の一面に写真付で掲載されたこともあり、今回は50人を超える方にご参加いただきました。

投信ブロガー「NightWalker's Investment Blog」のNightWalkerさんも参加していただきました。
「やや、いやかなりマニアックなインデックス投資ブロガーのみなさまがたの集まりとは違い、普通に投資について考えていらっしゃる方の、いろいろな考えをお聴きできて、大変勉強になりました」とおっしゃっていただきました。有り難うございます!

なので、初心者の方も、女性の方も気軽にご参加いただければ、と思います。

次回以降は、通常通り第一水曜日19時30分からスタートです(次回は2/2です)。

#9の告知ページがアップしましたので、詳細・お申込みはこちらこらどうぞ。
参加者の感想もみられます。
ツイッターではハッシュタグ「#K2K2」で探してみてください。

コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べは全国に広がっています。

●札幌は1/8に1回目のイベントが開催されました。
コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べin札幌 開催しました! 大成功!
ツイッターのハッシュタグは「#K2K2sap」
<1/17.追記 次回は2/20(日)予定。告知ページ作成中とのこと>

●横浜は本日(1/14)が第一回開催ですね。
ツイッターのハッシュタグは「#k2k2hama」
<1/17.追記 次回は3/18(金)。告知ページはこちら。今後は奇数月の第3金曜日に開催予定>

●新たに広島でも企画しているようです。
ツイッターのハッシュタグは「#k2k2hiro」
<1/17.追記 以下のページで開催日程を調整中>
概要はこちら、アンケートはこちら

以前から「全国に輪が広がってくれるとよいなぁ」とつぶやいていましたが、現実になりつつあるようで嬉しいです。

最後に、主催者の方、これから会を立ち上げようと考えている方は山崎元さんがダイヤモンドオンラインで「投資家の集まりと注意点」について書いていますので、こちらもご一読いただけるとよいかもしれません。


今度こそファンドの統合は進む?

2011-01-13 11:49:44 | リンク
今年4月に中央三井トラスト・ホールディングスと住友信託銀行が統合されます。

1/8の日経新聞朝刊には住友信託銀行社長、常陰均氏のインタビュー記事が掲載されていましたが、その中で「アセットマネジメントや不動産関連会社の統合が優先課題だ」というコメントがありました。

それぞれの傘下の運用会社といえば、
●住友信託銀行→住信アセットマネジメント、日興アセットマネジメント
(詳しくはこちら
●中央三井トラスト・ホールディングス→中央三井アセットマネジメント      
(詳しくはこちら


ここで注目しているのはファンドの統合です。
日本では運用会社が合併しても、(2007年に法的整備が進んだにも関わらず)ファンドの統合は実施されていません。

しかし、運用会社の合併等があった場合には、同じような運用方針・運用スタイルの投信を統合する意味はあると思います。
アクティブはむずかしくても、インデックスファンドの統合は規模も大きくなり、効率性を高めることにもなります。
そして、規模が大きくなっていけば、将来的にさらにコストを引き下げることにもつながり、受益者のためにもなるはずです。

低コストインデックスシリーズをはじめ、複数のインデックス投信を運用する両社の動向に注目したいですね。

<参考>
モーニングスター代表取締役「朝倉智也氏のツイッター」
2010-11-12「インベスコはモルガンスタンレーから一部の運用資産を譲り受けたが、ファンドの統合は行われない。米国と違い、日本では運用会社の統合がファンドの統合に繋がらない。いろいろなハードルはあるだろうが、同種のファンド統合は効率性を高める」

<参考>投資信託の統合の必要性

第3回インデックス投資ナイト

2011-01-11 15:47:13 | リンク
1月9日に東京・お台場で、第3回インデックス投資ナイトが行われ、私はパネリストの1人として出演しました。

内容については、
ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」の水瀬ケンイチさんが渾身のレポートをまとめてくださっていますので、そちらをご覧ください。
第3回インデックス投資ナイト体験記その1
第3回インデックス投資ナイト体験記その2
第3回インデックス投資ナイト体験記その3
第3回インデックス投資ナイト体験記その4
第3回インデックス投資ナイト体験記その5

また、当日のテーマでもあったインデックス投資の「続け方」については、以下のコラムで意見をまとめていますので、ご参考までに。
「コツコツ投資を続けるには?」

個人的に楽しみだったのは、後半の「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2010」の発表です。

今回1位に輝いたのは「STAMグローバル株式インデックス・オープン(住信アセット)」でした。2位はeMAXIS新興国株式インデックス、3位はバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)。
詳細はこちらをご覧ください。

STAMグローバル株式インデックス・オープンは2008年にも1位を獲得していて、今回は2回目の受賞。その際の担当者のかたの熱いスピーチに感動したブロガーさんたちも多かったようです。今回、ブロガーさんたちの選定理由・意見をみると、純資産総額が増えたら信託報酬を引き下げると言った言葉を実行したことを評価する声も多かったようです。
<参考>Passiveな投資とActiveな未来「インデックス投資ナイト その2」

イベントの後、住信アセットのかたとお話をしましたが、「誕生からまだ3年。これから10年、50年と続くファンドにしていきたい」と語っていたのが印象的でした。

こうしたイベントを通じて、投資家もいい商品を長い目で育て、運用会社もそれに応えていくという関係ができていくとよいですね。今回はそうした流れを(まだ始まったところですが)垣間見られたような気がします。ご参加いただいた皆様、主催者として会の準備・運営を行ったインデックス交流会の方々、本当に有り難うございました。そして、お疲れ様でした。

確定拠出年金(個人型)の加入時手数料上げ!?

2011-01-08 13:04:08 | リンク
今日の日経新聞に、確定拠出年金(個人型)の「加入時手数料を4月から300円上げ2300円とすることを決めた」とあります。

理由は、昨年5月の政府の事業仕分けで企業年金の運営経費への補助金削減を決定。401k(個人型)を管理する国民年金基金連合会への補助金が削減されたため、手数料引き上げが必要と判断したため、としています。

確定拠出年金(個人型)の加入時手数料は、新規加入するときや確定拠出年金(企業型)に加入していた会社員が退職し(転職先にDC企業型を導入していない党で)個人型に移管するような場合に負担するもの。
記事によると、2011年度に続いて、2012年度も値上げする可能性があるとしています。

*まだ、国民年金基金連合会から正式な発表はないようです。

(1)公的年金や(2)企業年金が今後期待できなくなる分、(3)自分で準備する分(じぶん年金)は重要な位置づけになってきます。しかも、401k個人型は公的年金の少ない自営業者や、企業年金制度のない会社の社員が対象。もともと(1)が少なかったり、(2)がない分、ガンバッて(3)をつくる必要のある人たちです。

国や企業が年金資金を賄うのがキビしいのであれば、個人が長期的な資産形成するのを後押しするような制度・仕組みを整備したほうがよいと思うのですが、どうも「ちぐはぐ」な感じを受けます。

こうなると、気になるのが確定拠出年金の運用時にかかる「特別法人税」課税。「平成22年度末まで凍結」が3年延長されましたが、各方面から要望の出ていた「凍結」には至っていません。こちらも標的にされたら、とちょっと心配です。










積立についてはさらなる検証が必要かも

2011-01-07 20:31:54 | リンク
ちょっと前ですが、日本のFP向けに毎月送付される『FPジャーナル』の整理をしていたら、その中に米国版『Journal of Financial planning』(2010年8月号)の記事の一部が掲載されていました。

テーマは「収益評価基準とドルコスト平均法」。
一括投資とドルコスト平均法(一定額を買い付けていく方法)の違いについて解説されていて興味深い内容でした。
(興味のある方は「FPジャーナル」の2010年11月号をご覧ください)

こちらの記事では「一括投資を行う場合の評価基準には幾何平均収益率が適しているが、ドルコスト平均法(一定額を買い付けていく方法)の投資では収益率の順序も重視した別の評価基準を用いるべき」と指摘しています。

・用語:幾何平均
過去のデータから将来を予測するのに、なぜ幾何平均を基にするのか?については、ファンドの海のイーノさんが詳しく書いているのでそちらをご参照ください。

●一括投資の場合には、年間収益率の順序は最終的な資産の価値には影響せず、収益率のばらつきや順序にかかわらず、幾何平均収益率は同じになる。

●一方、ドルコスト平均法の場合には、最終資産の価値は収益率の順序によって大きく異なる

●定期的な投資には、対象期間における資金の出入りによる影響を加味しない幾何平均よりも、資金の流れを考慮した金額加重(ここではドル加重)のほうが収益評価基準として適切と考えられる

●100%株式投資が多大な収益を挙げられる確率は低い

●積立投資による最終的な目標資産額の大半は対象期間の終わりの比較的短期間に形成されることから、若い頃から比較的バランスの取れたアロケーションを維持するメリットは大きい

といった見方はなかなか新鮮でした。一部ではなく、全体を読みたいです。

*積立については『半値になっても儲かる「つみたて投資」』(星野泰平著)が積立について検証していて参考になります。

若い方が現実的に資産形成をしようと考えたとき、一括投資より積立を活用(もしくは併用)するのが現実的です(401kの導入も進みましたし)。
そういう意味では、どう積み立てたらいいのか、そして、資産をどう取り崩していったらいいのか--については、今度さらなる検証が必要だと感じています。






本年もよろしくお願いします!

2011-01-06 23:30:58 | リンク
竹川です。(ちょっと遅くなりましたが)本年もよろしくお願い致します。

2011年は、「辛卯(かのと・う)」の年。何か新しいことが起こる年になるとよいなあと期待するとともに、一歩ずつ自分も行動していきたいと思います。

今年も「コツコツ投資で未来を拓こう!」をテーマに、地道に活動していきたいですね。
とくに資産形成層に向けた情報発信(執筆・セミナー等)を行いたいと思います。

●企業向けのマネーセミナーをやっていますが、今年は特にこちらに力を入れたいと思います。
→企業の担当者の方、労働組合の方、「2時間でわかる資産形成入門」などいくつかテーマを設定していますので、気軽にお声をおかけください。

●単行本については今後も年1~2冊のペースでマイペースに執筆しようと思います。

ということで、引き続き、よろしくお願いします!