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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

バンガードバンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT) のベンチマークが変更に

2011-12-26 12:56:54 | リンク
米国時間の12/19にバンガードバンガード・トータル・ワールド・ストックETF (ティッカー:VT) のベンチマークが「FTSE All-World Index」 から「FTSE Global All Cap Index」に変更されました。

これにより、従来の世界47カ国の大型・中型株だけの構成から小型株もカバーするようになります。
構成銘柄数も従来の2,927銘柄から7,400銘柄超と増加します。

ベンチマークを変えるというのは珍しい気もしますが、これにより小型株が加わり、より広範囲に分散が可能になります。
そして、経費率が変わっていない点は好感できます。

<参考>
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF 【VT】ベンチマーク変更のお知らせ

Expanded global reach, lower fees for Vanguard Total World Stock Index


投資信託の現状と課題がよくわかる資料

2011-12-24 15:52:04 | リンク
第9回金融審議会「我が国金融業の中長期的な在り方に関するワーキング・グループ」の議事録が毎回金融庁のHPで公開されていますが、
12月16日開催時の、投信評価会社モーニングスターの朝倉氏による「投資信託に関する現状の課題と対応」と題した資料が非常によくまとまっています。

詳しくは
投資信託に関する現状の課題と対応をお読みください。
DATAなども盛り込まれ、投信の現状がよくまとめられています。

<以下、概略です>
1.現状の評価
①一時的なブームの繰り返し
②現在のブームは毎月分配型
③国内にも好パフォーマンス投信はあるのに…(←パフォーマンスのよい投信が訴求されていない)

2.なぜそうした現状になるのか?
①一時的なテーマ設定に基づく営業スタイル
②なぜどうしたスタイルになるのか?(←販売会社と運用会社の系列構造がもたらす弊害)

3.短命投信量産の弊害
①高コスト!
・信託報酬が年々上昇、
・初年度に負担する投資家のコストが平均4%を超える)
・純資産総額が増加しても投資家の負担するコストは低減しない
・米国は純資産が増加すると投資家の負担するコストを引き下げる

インプリケーション
○投資信託関する現像の課題への対応
・販売手数料の上限規制
・クラスシェアーの導入
・投信へ併合への期待

・分配金可能額の範囲と分配金額決定の仕組みの歳既往
・ライフプランに即した中長期的な視点での商品設計

・運用会社の取締役に独立役員を加える
・経営者とファンドマネジャーに、自社で運用するファンドへの自身の投資額を開示 など

<感想>
・純資産総額が増加しても投資家の負担するコストは低減しないについては、少しずつではありますが、変化の兆しがあります。
具体的には、住信アセットマネジメントのSTAMインデックスシリーズが純資産総額拡大に伴い信託報酬を引き下げ(参考;信託報酬引き下げについて)、セゾン投信のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの実質的な信託報酬を引き下げ(投資先であるバンガードのファンドの運用管理費引き下げに伴うもの)などが行われています。

・こうした問題点については、金融機関の方と個人的にお話をすると同意されるかたがとても多いです。ただ、会社となるとなかなか変えていくのは難しいのでしょうね…、なかなか変わっていきません。投信の併合(インデックスファンドなどは比較的行いやすいはず)、経営者やファンドマネジャーの自社投信の投資額の開示などは積極的に行ってほしいところです。

・こうした資料がなるべく多くの方の目に触れることで、投信が一歩ずつでもよい方向に変わっていくことを期待したいと思います。