About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

ボーグルにとっての「足る」とは?

2009-07-31 23:40:01 | リンク
ジョン・C・ボーグル著『波乱の時代の幸福論-マネー、ビジネス、人生の「足る」を知る』を読んでいます(ボーグル氏はバンガード・グループの創業者です)。

あとがきに

「足るを知るとはひとえに金銭の問題にとどまらず、ビジネスや人生に適用できることに気づいた」
とあるように、マネー、ビジネス、人生、そして最後に自分にとっての足るとは、社会にとっての足るとは?ということに触れています。

マネーでは
「コスト」より「価値」を
「投機」より「投資」を
「複雑さ」より「シンプルさ」を

ビジネスでは
「計算」より「信頼」を
「ビジネス」より「職業人の行動」を
「販売精神」より「受託責任」を
「マネジャー」より「リーダー」を

人生では
「モノへの執着」より「責任ある関与」を
「21世紀的価値」より「18世紀的価値」を
「成功」より「人格」を

私自身、「足るを知る」ことが大事だと思っているので(実際にはなかなか難しいのですが)、マネー以外の記述が興味深かったです。


日興アセットの買収

2009-07-30 20:50:47 | リンク
住友信託銀行による日興アセットの買収ですが、両社から発表がありました。

住友信託銀行はこちら
日興アセットはこちら


住信アセットと日興アセットでは、商品性の重なる投信も多いと思います。中でもインデックスファンドは、(個人投資家からすると)同じ指数に連動するものが複数あるよりは一本化してほしいと感じます。

そして、長期的には、規模化⇒低コスト化に向かうのがのぞましいと思います。インデックスファンドにしても、日本は1本当たりの純資産総額が少ないので、もう少し集約して資産を増やす方向に向かってほしいからです(昨年も途中償還になったインデックスファンドもありましたし・・・)。

蛇足ですが、日興アセットさんのHPのファンド検索、これを機会にもう少し簡単にできるようになってほしいです。画面などは凝らなくてもいいので(希望)。




本のタイトル

2009-07-23 17:14:11 | リンク
新刊が7月30日に発売になります。書店に並ぶのは31日くらいからでしょうか。

タイトルは

たりないお金
-20代、30代のための人生設計入門-


「たりないお金」というこのタイトル。なんとも「もやもや感」がしないでもないのですが、この辺は編集者のセンスを信じましょう!

内容は、これからは漠然とお金を使っているとお金がたりなくなる可能性大。支出を抑え、浮いたお金を貯蓄や投資(+自己投資も)に回して早く”正のスパイラル”をつくろうという趣旨です。お金に関する基本的な考え方が詰まっていますので、興味のある方はぜひ手にとってみてください。

明日はJ-waveの「ブックラバーズ」の収録があります。この本+4冊の本をご紹介したいと思います。

インデックスファンドの更なる低コスト化は進む?

2009-07-22 19:37:23 | リンク
先日の梅屋敷の集いでも話題になった「インデックスファンドのさらなる低コスト化は進む?」という話について。

進んでほしい気持ちはありますが、現実的にはもう少し投信の規模が大きくならないとむずかしいのではないでしょうか。そのためにも、投信の「併合」が進むとよいのかもしれません。

今は改正投資信託法と改正信託法に伴って、複数あった投資信託をひとつにまとめる、投資信託の「併合」が可能になっています。ただ、併合にはそれぞれの投信の半数以上の投資家の書面による同意が必要(改正投信法第17条)とされています。

アクティブファンドだと厳しいと思いますが、同じ指数を対象とするインデックスファンドであれば、同意が得られそうな気もします。運用会社の合併なども進み、同じ会社に複数の同タイプのインデックスファンドがあるケースもあるので、できれば、併合→規模化→手数料低下という方向で進んでほしいものです。

併合方法についてはこちらで。

また、投信の場合、新規設定時にいちばん純資産総額が多く、あとは資産がなだらかに減っていくというものも多いのが現状です。一定の資産額や口数を割り込むと途中で運用をストップされてしまう(繰り上げ償還)ケースもあります。こうしたケースを防ぐうえでも、もう少し併合が進んでもよいのでは。


データが割安に

2009-07-21 19:38:55 | リンク
セミナーなどで資産運用の話をする場合、コンセプトシートだけでなく、実証データによる図表も必要です。これがないと、聞いている人も頭の中で「ホントに?」ということになってしまいますから。ただ、長期間にわたるデータを自分でいちから加工するのはなかなか大変です。そこで、一部はイボットソン・アソシエイツ・ジャパンのものを使用したりしています。

ご存じの方も多いと思いますが、米国本社のイボットソン・アソシエイツはロジャー・イボットソン(イエール大学経営大学院教授)が1977年にシカゴに設立した独立系のアセット・アロケーション・コンサルティング会社です。日本でも、金融機関や機関投資家などを通して投資分析データや投資アドバイスを提供しています。

実は、同社は金融機関や機関投資家だけでなく、独立系のFPや投資教育会社などにもスライドの提供などを行っています。昨年までは結構高かったのですが(苦笑)、今年度からセット化して内容と料金改定を行ったそうです(「アセット・アロケーション・ライブラリー2009」、年間利用料金は2万7000円+消費税)。投資家向けのセミナーなどをされる方は参考にしてもいいかもしれません。自戒も込めて、さらなるレベルアップを目指さないと!



梅屋敷の集い

2009-07-19 23:49:00 | リンク
昨夜は、梅屋敷の集い(インデックスブロガーを中心としたインデックス投資関係者の集まりです)に参加してきました。詳しくはこちら

途中、迷子になったものの、無事お店に合流。楽しい時間を過ごすことができました。幹事の水瀬さん、ありがとうございました。

海外ETFの課題とか、インデックスファンドの更なる低コスト化は進むと思うか、といったネタで、あれだけ盛り上がれるのはすごいです(笑)。

中でも、初めてお会いしたrennyさんの熱さに(いい意味で)ビックリ。rennyさんは投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Yearを主催されていますが、次回はさらなる企画を考えているようなので、期待してます。

ただ、今回の参加者は私を除いて男性ばかり・・・。できれば女性ブロガーの人も増えてほしいです(インデックス運用も、長期分散投資も実は女性のほうが向いていると思うのですが・・・)。参加希望の方、いませんか?

あれから10年

2009-07-15 18:33:56 | リンク
昨日、楽天証券に続いてSBI証券が国内株式の値下げを発表(詳細はこちら)と思ったら・・・。

今日になって、楽天証券が国内株式の手数料をさらに見直すと発表しています。

さて、この競争はどこまで続くのでしょうか?
そもそも楽天証券は10周年キャンペーンということで始めたものです。1999年に株式の売買委託手数料が自由化されたのを機に、この前後にネット証券が相次いで誕生しています。また、さわかみファンドも今年で設定から10周年。独立系・直販投信も誕生から10年が経つわけですね。そういえば、私も99年にFP資格を取ったのでした・・・。

ということで、今年はいろんなところで10周年イベントやキャンペーンなどもありそうです。まだまだ目が離せませんね。





楽天証券が手数料を値下げ

2009-07-13 21:12:23 | リンク
楽天証券がサービス開始10周年ということで、国内株式と米国株式(ETF含む)の取引手数料の値下げを発表しています。詳しくはこちら

それに伴い、海外ETFについても、1取引あたり1000口までの手数料が「従来の31.5ドル」からSBI証券と同じ「26.25ドル」にまで引き下げらました(7月31日現地約定分の取引から)。

なぜマネックス証券と同じ(25.2ドル)にしなかったのかは不明ですが、売買委託手数料が安くなるのでは良いことですね。ただ、ネット証券で海外ETFを売買すると特定口座に入れられなかったり、分配金が再投資できなかったりなど課題も多く残されています。そちらにメスを入れていれてくれる会社が現れることを期待しています!



独立系FP会社の10周年記念パーティ

2009-07-12 17:53:35 | リンク
金曜日に某所で単行本の最終チェックのために10時間以上こもっていたら、夜中になってしまいました。やむなくタクシーで帰ろうと道を歩いていたら、段差につまずいて転び、パンツに穴が・・・・。ずっと座りっぱなしだったからか、年のせいなのか、かなりマズイ状態です。

ということで、少々疲れ気味ではありましたが、土曜日はFPアソシエイツ&コンサルティング株式会社の創業10周年記念パーティに行ってきました。同社は独立系FP会社の草分け的な存在です。

場所は目黒雅叙園。会場につくと、金融機関の方々、FPの人たち、メディア関係の人などなど、数百人が集まる大パーティでビックリ。久々に顔を合わせる人もいて、楽しい時間を過ごしました。

この10年で社会環境、個人の投資環境は大きく変わりました。その中で、FPがどんな役割を担っていけるのか。改めて考える機会になりました。





ブラックロック

2009-07-09 19:54:23 | リンク
投信の運用会社である、ブラックロック・ジャパンが日本の投信事業の見直しについて言及する記事がでていました。

記事によれば、「独自に商品を設定するモデルから運用主体のサブ・アドバイザリービジネスにシフトした。一方、機関投資家向けビジネスでは、リスク管理や総合的な資産運用サービスの提供を強化する方針」としています。詳細はこちら

親会社の米資産運用大手ブラックロックは6月に、英銀バークレイズ参加のバークレイズ・グローバル・インベスターズ(BGI)の買収を発表していて、資産規模では世界最大級の運用会社となる見通し。新たに加わるETF事業も含めて、今後の展開に注目したいところです。いっそ、iシェアーズを日本の証券取引所に上場しまうくらいの、あっと驚く展開があるとよいのですが・・・。