About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

確定拠出年金アンケート

2012-01-25 19:09:12 | リンク
昨日はフィデリティ投信のリタイアメント・メディア・ラウンドテーブルに出席してきました。フィデリティ退職・投資研究所の所長である野尻哲史さんから「確定拠出年金(DC)加入者1212人アンケートにみるその実像と投資教育」についての発表がありました。

【レポート】「確定拠出年金の基礎的な理解が不可欠 加入者1212人アンケートにみるその実像と投資教育」

詳しくはレポートをお読みいただくとして、今回のfindingsとしてあげていたものをいくつかご紹介すると…

・DC加入者にとってDCの有効活用ができるかどうかは「DCとDBの差がわかるかどうかが大きく影響している
(→加入者のうち「DCとDBの違いが分からない」と答えた人が57.5%もいたことに正直驚きました)

・約3分の1が「投資教育の場が提供されていない」としており、この拡充が必須。
・税制優遇の理解が不足している点が指摘できるので、これを改善

などなどです。

本日の日経新聞では企業型確定拠出年金の従業員の上乗せ(マッチング拠出)について2月から65社前後がけんとう計画しているという記事が掲載されていました(→こちら)が、普及には、本当の基礎的な部分を理解してもらうことが大前提。そして、スタートしてから継続的な教育などが不可欠といえそうです。

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the year 2011

2012-01-09 13:23:51 | リンク
1/7に東京・お台場で第4回インデックス投資ナイトが開催されました。
私は今年も第二部のパネリストを務めさせていただきました。

今年は座談会に先駆けて「投信ブロガーが選ぶ Fund of the year 2011」の授賞式が行われました。気になる順位は…

第10位 eMAXIS全世界株式インデックス(三菱UFJ投信/前回4位)

第9位 STAMグローバル株式インデックスオープン
(住信アセットマネジメント/2010年度、2008年度Fund of the Year)

第8位 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
(セゾン投信/前回7位、2007年度Fund of the Year)

第7位 バンガード・MSCI・エマージング・マーケットETF【VWO】
(バンガードインベストメンツ・ジャパン/前回9位)

第6位 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF【VT】
(バンガードインベストメンツ・ジャパン/前回3位、2009年度Fund of the Year)

第5位 ニッセイ日経225インデックスファンド
(ニッセイアセットマネジメント/前回ランク外)

第4位 ひふみ投信(レオス・キャピタルワークス/前回ランク外)

そして、トップ3です

第3位 eMAXIS新興国株式インデックス(三菱UFJ投信/前回2位)
    …17名が投票、32ポイントを獲得

第2位 結い2101(鎌倉投信/前回10位)
    …15名が投票、33ポイントを獲得

Fund of the Year2011は
    CMAM外国株式インデックスe(中央三井アセットマネジメント/前回5位)
    …16名が投票、43ポイントを獲得

各ブロガーさんの投票理由など詳細についてはこちらの公式ページをご覧ください。
今年は2位、4位と上位にアクティブ投信が入賞したこと、8位のセゾン投信も含め、独立系直販投信の飛躍などが印象に残りました。

トップ3の受賞スピーチです。

3位の三菱UFJ投信代田さん
「ライバルが順位を落とす中、3位に踏みとどまった。(2009年、2010年と)連続2位だったので、社内では1位を取るプロジェクトチームを立ち上げて取り組んだ(ツイッターやバランスファンドの立ち上げなど)が、努力が足りなかったと謙虚に反省する。より一層頑張ります」
→トップ3の中でも投票者数は一番多く、幅広い支持を集めたと思います。以前も「1位が取れなくて悔しい」という発言がありましたが、引き続きガンバッていただききたいです

2位の鎌倉投信の鎌田社長
「設定から1年9カ月少しずつ認知度が上がってきた。ブロガー、受益者の人たちが一緒に(投信を)育てようということで評価してくれたのだと思う。いい投信は運用者だけではできないと実感している。(運用会社の)役割の1つは資産を増やすことがだが、思いを伝えることも必要だ」
→得票結果をみると、1人で持ち持ちポイント(=5ポイント)の多くをこの投信に入れた方が多いようですね。運用理念に共感する人が多いのでしょう。運用期間が短く"期待値が高い"状態ともいえるので、「いい会社」に投資しつつ、しっかりとしたパフォーマンスをあげられるかどうかに注目です!

1位に輝いた中央三井アセットマネジメント小林さん
「昨年は住信アセット(のSTAMシリーズ)が受賞、2012年4月には住信アセットと合併する予定なので来年は三連覇を目指したい」
→おめでとうございます!低コストで海外株に投資できる点が評価されましたね。順調に資金流入もしています。個人的には住信アセットと合併したら、投信の統合もぜひ検討していただきたいです。「投信を一緒にするのは非常に手間がかかる」と関係者の方からは聞きますが、インデックスファンドの統合→規模化→コスト低減を期待しています!

運営委員長のrennyさん、運営助手のイーノ・ジュンイチさん、本当にお疲れ様でした。

MSCIの銘柄入れ替え-カタール・UAEの行方は?

2012-01-06 20:09:17 | リンク
2011年12月にMSCIの銘柄入れ替えの発表がありました。
「カタールとアラブ首長国連邦(UAE)がフロンティア市場から新興国市場に格上げするかどうか」は注目していましたが、格上げはなく、現状のままとなりました。
同様に、韓国・台湾のエマージング・マーケット指数からコクサイへのアップグレードも見送られました。

現状は以下のままです。

MSCIコクサイ:23カ国
MSCIエマージング・マーケット指数:21カ国
MSCIフロンティア・マーケット指数:25カ国

次回、2012年6月に注目しましょう。


ご参考までに、MSCI各指数の2011年のパフォーマンス一覧です→こちら
非常に厳しい1年だったことがわかりますね。




1月からマッチング拠出が可能に

2012-01-05 15:09:48 | リンク
確定拠出年金法の改正に伴い、2012年1月から企業型確定拠出年金(DC)で「マッチング拠出」が可能となります。これは事業主の拠出分に加えて、加入者本人も自分で掛け金を上乗せできる制度です。

ただし、導入には会社が規約を改正する必要があります。導入の有無やタイミングなども含めて、今DCを導入している企業の方は注目しておきましょう。

個人が上乗せした掛金については掛金が全額所得控除の対象となるので、課税所得が減り、その結果、所得税や住民税が軽減される効果があります。原則60歳まで取り崩すできませんが、老後に向けた資産形成が目的なら、こうした制度を活用するのも選択肢の1つ。拠出時(所得控除)以外にも、運用時(売却益や分配金、利息などが非課税)、受取時(退職所得控除や公的年金等控除)のそれぞれにおいて税制優遇を受けることができるからです。

年末に、野尻哲史さん主催の「資産運用と投資教育に関する勉強会」で、FPの山崎俊輔さんが「マッチング拠出で DCはどう変わるか/次の10年のDCは どう動くか」という題でお話をしてくださいました。実践的な内容だったので、興味のある方はこちらの資料をご覧ください。

昨日、投信やETFの売却益や分配金などにも復興特別所得税がかかる(平成25年から25年間)というお話を書きましたが、

企業型確定拠出年金でマッチング拠出を行える会社に勤める人はこうした制度を最大限に利用するのもいいでしょう。個人型同様、1年に1回金額の変更はできるので、ライフプランに応じて掛金を増やす(あるいは減らす)ことも可能です。

自営業の人、企業年金制度のない会社員のは個人型確定拠出年金に加入するという手もあります。同様に、掛金が全額所得控除されるので、同じく課税所得が減り、所得税や住民税を軽減できます。

消費税の引き上げなども議論されていることから(運用管理費用・購入時手数料には消費税がかかる)、手数料や税制などについても今まで以上に目を配る必要がありそうです。




復興特別所得税の投信・ETFへの影響は?

2012-01-04 18:13:38 | リンク
明けましておめでとうございます!
今日から仕事始めです。2月発売予定の単行本のゲラをチェックしたり、セミナーの資料を作成したりと、年明けから仕事に励んでおります。今年もよろしくお願い致します!

さて、投信協会からのメールマガジンで改めて実感したのですが、投信やETFにも復興特別所得税の影響があるのですね。

というのも、復興財源確保法(東日本大震災の復興費用をまかなう臨時増税)が11月30日に参院本会議で可決・成立したため、平成25年から25年の間、復興特別所得税として2.1%の税率が所得税全般に課せられることになったからです。

上場株式等の譲渡益等に対する税率は本来20%(所得税15%、住民税5%)ですが、現在は軽減税率(所得税7%、住民税3%)が適用されています(平成25年末まで)。
そのため、当面は軽減税率に対して、復興特別所得税が加算されます。

以下のように変更になります(投信協会メルマガより抜粋)。

●公社債投資信託に係る利子所得
 平成25年1月1日以後に支払われる分配金等から源泉徴収税率を15%から15.315%に変更。(期日を境にした日割り計算は行わない。)

<現行>
 平成24年12月31日まで 20%(所得税15%、住民税5%)

<復興特別所得税2.1%付加>
 平成25年1月1日~平成49年12月31日まで 20.315%(所得税15.315%、住民税5%)

●上場株式等に係る配当所得・譲渡所得(株式投資信託、ETF、REIT)

 平成25年1月1日以後に支払われる上場株式等の配当金・譲渡益に対する源泉徴収税率が7%から7.147%に変更。
 平成26年1月1日以後からは15%から15.315%に変更。

<現行>
 ~平成24年12月31日まで10%(所得税7%、住民税3%)

<復興特別所得税2.1%付加>
 平成25年1月1日~平成25年12月31日まで 10.147%(所得税7.147%、住民税3%)

<本則税率20%に復興特別所得税2.1%付加>
 平成26年1月1日~平成49年12月31日まで 20.315%(所得税15.315%、住民税5%)