About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

さわかみ投信

2007-07-31 21:42:33 | Weblog
『投資信託にだまされるな』を読んだ読者の方から「さわかみファンド」についてどう考えるかという質問が来ました。
以下、よい点と気になるところをまとめてみました。

よい点
①「長期投資」「個人の財産づくりを応援する」という明確な理念を持っている
②ノーロードで、信託報酬1.05%はアクティブ投信にしては割安
③設定来、年率8.9%という成績。シャープレシオをみても安定した運用。

気になる点
①ここ数年はインデックス投信と同程度の成績。
②後継の運用担当者の運用手腕
③ビレッジ構想の行方(詳細はHPをご覧ください)

個人的には澤上社長の卓越した見識・長期投資の普及にかける意気込みは尊敬に値すると思っていますし、よい点①についても共感を覚えます。ただ、気になる点②については今のところ未知数(澤上さんという天才が作り上げた投信をどこまで後継者が引き継げるのか)。今後の運用成績で判断したいところです。気になる点③についてはあまり共感できませ。社会還元を含めたお金の使い方は、個人個人が決めればよいことであり、投信は安定したリターンをあげてくれること、そしてなるべくコストの引き下げてくれること(資産が増えたら信託報酬を引き下げるなど)が投資家のためになると考えるからです。

同投信は数少ない独立系運用会社であり、応援したい気持ちは十分ありますので、今後の動向をウッチしたいところです。同時に、日本にも信念を持った独立系の投信がもっと増えてほしいですね。

*あくまでも個人的な見解です。









ベストでなければダメ?

2007-07-30 20:26:34 | Weblog
 先日、某運用会社の駐日代表とお話しする機会がありました。その際、「日本では新聞を読み、情報を取り、個別銘柄を選んで、売買タイミングをはかることが投資と思いこまされている。これはまさしくワナである」とおっしゃっていました。これにはまったく同感です。

 いわゆる産運用の専門家と言われる人の中には、「自分で資産配分ができない人は投資してはだめ」という方もいます。たしかに、自分の資産を運用する上では勉強も必要ですが、現実にはプロ並みに勉強できるだけの時間やスキルアップができない人もいます。仕事で忙しいし、家事もしなくてはいけないし、少しは趣味の時間もとりたいし・・・と思うからです。

 ですが、私はプロ並みの知識・運用手法が取れなくても、個人が運用をはじめることはできると思います。これは「車を作る技術がなくても、運転できればいい」のとイコールでしょう。投信を買う上で考えるべきは「分散(資産・時間)」「低コスト」「長期保有」という最低限の知識の修得。そして、それを踏まえた上で手間のかからない投資していくということ。本業を持っている人が投資を継続的に行うためには、そうした方法のほうが適していると思うのですが・・・。



バランス型ファンド、ガチンコ対決

2007-07-25 23:33:04 | Weblog
 「内藤忍と中野晴啓が語る!! 『マネックス資産設計ファンド』VS『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』」というセミナーに行ってきました。最近、マネー雑誌などでも比較して紹介されることの多い両ファンドですが、関係者2人が直接お互いの投信について特徴を説明してくれるとあって、参加してきました。200人を収容する会場が満杯になるほどの盛況ぶりで、個人投資家の関心の高さがうかがえます。

この2本の投信は
・コストが安い(ノーロードで信託報酬が1%未満)
・投資先がインデックスファンド
という点では共通するのですが、資産配分についてはかなり違います。

お2人の言葉を借りれば、
●マネックス資産設計ファンド→金融理論的なアプローチ(効率的フロンティア)
●セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド→世界全体の成長に乗る!
という観点から資産配分が決まっています。
 
 極論を言えば、資産配分の決定プロセスなどは両投信の目論見書をみればわかります。ただ、自分のお金を託すわけですから、最終的には運用する会社や販売する会社、そして経営者や運用者などをどれだけ信じられるかという点に尽きると思います。直接自分の目で確かめるためにも、気になる投信があったら、積極的にこうしたセミナーに参加してみるのもいいと思います。


女子高の存在意義は?

2007-07-24 22:32:43 | Weblog
 読売新聞の広告をみたという、高校時代の同級生がHPを見つけてメールをくれました。なんと十ウン年ぶり。とっても懐かしくなりました。学生時代の友達はずっと会っていなくても、「○○ちゃん」と即、呼べるから不思議です。

 私は埼玉の某県立女子高校出身なので、当然、同級生は女性だけ。1学年10クラス×3学年で、なんと1200人を超える女子が狭い場所に結集していたわけで、今考えるとありえない状態です(苦笑)。これからの人生で二度とないでしょう・・・。
 今でも、北関東や東北地方では男女別学の公立高校が残っています。でも、他の地域の人から見ると不思議なようで、「女子高なんて面白かった?」とよく聞かれます。
 女子高のよいところはぶりっこしなくてすむこと。文化祭のときに重い机やイスを運ぶのは普通だし、化学の実験で「キャッー」と騒ぐ人もいないし。もう一度あの世界に戻りたいかといえば、確かにちょっと考えてしまいますが、それなりに貴重な3年間であったことは確かです。


火災保険の中途解約

2007-07-23 21:57:08 | Weblog
 先週、台風のさなか、引越しを断行しました。といっても、これまで住んでいたところからと歩いて3分ほどの距離。毎週のようにご飯を食べに行く、魚料理の店のそばを離れたくないことが一番の理由です。
 ただ、賃貸物件で引越しをすると、必ずといっていいほどイヤな思いをします。そして、その相手はだいたい不動産業者。例えば、敷金返済。大家さんの前では「明細をすぐにFAXしますから」といいながら、電話ですませようとするので、「FAXしてほしい」と頼んだところ、イヤイヤFAXを送ってくれました(苦笑)。
 ところが、そこに火災保険についての記述がありません。その不動産業者を通して申し込んでいたので、「中途解約したい」旨を告げました。すると、「そんなことは言われたことがないからわからない」というではありませんか!? 賃貸借契約を解除したときには、保険も中途解約できて保険会社から清算・返金されるはず(もしくは保険内容の変更をして継続するとか・・・)。それなのに、しらばっくれる不動産業者が多いようです。怒りまくったところ、ようやく中途解約の手続きができました(結局、その不動産業者は保険の取り次ぎだけで、保険代理店から派遣されて常駐している人が1人が説明したと説明している。その人からは説明受けてないけどなあ・・・)。結局、1万3000円程度が戻ってくることになりましたが、バカにできない金額ですよね。

 私はライフスタイルによっては必ずしも家は買わなくてもいいと思いますが、敷金の清算やら何やらで、イヤな思いをすることが多いことも「家がほしいなあ」と思わる要因の1つになっているのかもしれません。


新興国の投信

2007-07-14 14:01:31 | Weblog
 昨日、NHKの取材を受けました。テレビはこれまで数回しか出たことがないのですが、撮影時間の長さにびっくり! しかも、カメラが回ると、普段口にしているようなことでも出てきません・・・。もともと出版社&新聞社で働いていたせいか、文章を書くのはそれほど苦ではないのですが(注 ホントに書けないときは地獄です)、流暢にしゃべるのは苦手。しかも、私の場合、言い間違えが多いし、カタカナに弱い! ドイツの鉄血宰相「ビスマルク」のことを、ずっ~と「ビルマスク」と信じていたほどですから。

 ところで、取材は投資信託のこと。インドやベトナムといった新興国株の投信が人気で、資産の8割程度をそうした投信につぎ込む人も多いとか。私も取材していて、そうした人が多いことに驚かされます。現状では大きな儲けを手に入れた人も多いと思いますが、市場規模を考えると、大きく値がありすることもある反面、大きく値下がりする可能性も当然あります。私も、中国やインドの投信は持っていますが、あくまでも核になる資産を持った上でのプラスα。値動きも荒いので積み立てで買っています。そうした考えを踏まえて、コメントしています。
(注 16日放送予定でしたが、地震発生で延期されました)。

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マカオ熱

2007-07-12 13:59:57 | Weblog
 知人が『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)という本を出したので、その出版記念パーティーに行きました。著者は語学が堪能で、毎年アジア各国を取材している、“アジア通”。そのため、ホテルやレストランガイドに加えて、島歩きや路地裏歩き、ディーラー養成スクールやエリート観光大学のレポートなども盛んだ、魅力的な紀行本に仕上がっています。ふんだんに使われている写真もすばらしいですよ。
 今やマカオのカジノは米国ラスベガスを上回る収益をあげるほど。私もそうしたイメージが強かったのですが、この本を手にとってみると、タイトルどおりのノスタルジックな旅ができそう。ふらっと訪れたくなりました。

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投資信託の移管(その2)

2007-07-10 17:19:21 | Weblog
 実際に投信の移管はできるのでしょうか。
 証券保管振替機構(ほふり)によれば、投資信託振替制度がスタートし、受益証券がペーパレス化されたため、原則移管は可能ということです。しかし、「実務的に無理です」という会社もあるため、実際には、投信を渡す側の販売会社(=投信を買った会社)や、移管したい販売会社に1つ1つ問い合わせないとわからないのが現状です。かなり面倒です・・・。
 ただ、ネット証券・銀行などでも取り扱う商品は増えているので、過去に買った商品を有利なところに移すといった選択肢も視野に入れたいところ。例えば、
「販売手数料の安い販売会社に移す」
「アフターフォローのよい販売会社に移す」
「複数の販売会社で買った投信を1つの投信会社にまとめる」
などが考えられます。
 個人的には、手数料が同じでも、1つの証券会社にまとめるだけでも管理が楽になるのになあ、などと思ってしまいます。

 ところで、私が移管しようとした投信ですが、「似た名前の違う商品」だったので、そもそもカブドットコム証券に移すことはできなかったのでした。なんとも間抜けな結末です・・・。

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投資信託の移管(その1)

2007-07-09 19:14:23 | Weblog
 7月2日から、カブドットコム証券が証券会社・銀行等からの投資信託振替入庫サービスを始めています。これにより、カブコムが扱っている投信(MMF・中国ファンドを除く)なら、株券同様に、他社から振替入庫ができるというわけです。
 
 ノーロードのインデックスファンドを中心に買い付けている私ですが、過去には一部大手証券で買ったものもあります。そこで、「大手証券で買った金鉱株ファンドをカブコムに移管しよう」と思い立ち、早速大手証券で口座を持つ支店に電話してみました。もし移管できれば、これまでの3分の1の手数料で追加購入できるからです。

 ところが、支店に電話すると、「当社では投資信託の移管は行なっておりません」とピシャリ。ガックリしたものの、気を取り直して、再度コールセンターにも電話してみました。すると、「まずは移管先にご確認ください」とのこと。移管先に問い合わせたところ、できると言われたことを伝えると、「では、詳細はお取引支店にお問い合わせください」というではありませんか。ということは、移管ができるってこと? 
 続きは明日。

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個人型401k

2007-07-05 15:41:05 | Weblog
  長くマスコミで仕事をしてきたせいか、フリーランスのライターさんやカメラマンさんからお金の相談を受けることもあります。著書を読んでくれて、「私も、投資信託の積み立てをはじめようと思うんだけど・・・」などと言われることも少なくありません。
 たしかに著書でも投信の積み立てはオススメしているのですが、個人事業主の場合、老後資金づくりが目的なら、まずは個人型の確定拠出年金(401K)の加入を検討してみるといいと思っています。というのも、銀行や証券会社で投信を積み立てていくのに比べて、節税効果が大きいから。具体的には、「掛け金が全額所得控除になる」「運用期間中の運用益が課税されない」といったメリットがあります。
 自営業は収入から経費を差し引いたものが「所得」になり、さらにそこからさまざまな「控除」を引いたものが「課税所得」になります。個人型401kは支払う掛金が全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になるので、結果的に支払う税金が少なくてすむというわけです。また、運用期間中は、運用益に対しても税金がかかりません。一方、普通に投信を積み立てても、こうした効果はありません。このサイトで、節税効果を計算することもできます。「国民年金基金」や「小規模企業共済」にも同様の節税効果はあるのですが、運営管理機関のHPなどで常に残高がわかる点で、個人型401kのほうが透明性&安心感があります。もっとも、原則60歳まで途中引き出しができない。加入者ごとに記録の管理が必要になるため、管理コストが割高といった点は改善されてほしいところです。
 仮に同じ利回りであれば、非課税商品を選んだほうが税金の分だけ「実質の利回り」が高くなります。そういう意味では、余裕のある人は個人型401kの活用を検討してはいかが!? ただし、この制度は国民年金を払っていることが大前提です。

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