Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

アサド・コレクション

2009-09-01 00:31:49 | 中近東/北アフリカ
シリアの国家元首はアサド大統領。

現大統領のバシャール・アル・アサドは世襲の2代目。
初代はバース党の1党独裁下で30年も政権を握り続けたハーフェズ・アル・アサド。秘密警察をフル活用し、反対派は容赦なく叩き潰したこわもての初代は亡くなってから9年経っても国中にその姿が残る。

 
でかい彫像を残したがるのは独裁者の特徴なのだろうか。

独裁者のもう一つの癖として、この人も権力は息子に継がせようと考えた。
しかし自他ともに後継者と認められていたのは実はバシャールではなく、その兄のバジル。
 親父の横でにこやかに手を振る、これが兄貴で、特にユーフラテス川沿いの町では親父と兄貴の肖像をあちこちで見かけた。

こんな風に早くから後継者扱いされていた兄貴は相当イケイケの性格だったらしい。ところがそのイケイケの性格が災いしてか、1994年に自ら自動車事故を起こして死んでしまった。
そこで急遽ロンドンに留学中だった弟が国に呼び戻されて帝王学を叩き込まれることになった。本人は医者になる勉強をしていたのに。

なんだかこの話、インドのラジブ・ガンジーの話に良く似ている。

そんなわけで2000年の先代の死去後、大統領を継いだ2代目のお姿も国中で見ることができる。
 
スークの入り口では手を振り、中では旗となり
  
ハイウェイの路上では砂嵐にもめげずたたずむ。
 ダマスカス大学の前では大統領の大安売り

  
  
ハマの町では特に肖像が目立ったが、この地での親父による反対派への血の粛清の過去を知ると面白がってばかりもいられない。

 もともとお医者さんになりたかった現大統領、親父に比べるとずっと穏やかで、ちょっと気弱そうにも見える。

だからだろうか、町中ではサングラス姿が人気のようで
 
タクシーにもトラックにもこのシールがぺたぺた。

アメリカのこれも2代目の某大統領には悪の枢軸呼ばわりされたアサド親子、一般の人はどう思っているのかとドライバーに水を向けてみたが、他に聞く人のいない車の中でもアリー氏は口を濁して意見を言おうとはしない。この慎重さが独裁国家で生き延びるためには必要ということなのか。

現大統領は見た目どおり性格も穏やか、国際感覚も身に着けていると言われる。
そのわりに親父の時代から何も変わらないのは実は何も実権を握っていないからではとも噂されるが、そろそろ親父の影から逃れてシリアのイメージを良くしてくれないだろうか。


過去の国家元首コレクション:

ブータンの王様コレクション
ヨルダンの王様コレクション
カダフィ・コレクション


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コメント (4)
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