Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

オマーンの旅 2 ドーハのイスラム美術博物館

2017-02-20 22:22:41 | 中近東/北アフリカ
1月30日 続き

ドーハに1泊ストップオーバーした理由、それはヤシ並木の先にある真っ白い建物を訪れるため。

 
2008年に開館したイスラム美術博物館 Museum of Islamic Arts

白い積み木を重ねたような建物はルーブルのピラミッドを設計したことで有名なI.M.ペイによるもの。
アラブ式の要塞を意識したデザインらしいが、海に突き出した島の上に建てられているので周りは濠のように水に囲まれている。

博物館の前は緑の芝生が美しい大きな公園になっていて
 その向こうには今夜泊まるホテルなどがあるが、周りには新しいビルをガンガン建設中。

 開館時間の10時になったところで正面玄関から中へ。
簡単なセキュリティチェックはあるが、ここは太っ腹にも入場無料。受付では館内案内をもらうだけ。

 
入ると目の前には弧を描く階段があって、これがなんとも印象的。
 
見上げれば高い天井はモスクの中のようなドームになっていて、中空に浮かぶ輪もモスク内のランプがこんな形に並んでいる所がある。
 
正面の巨大な窓の向こうには海に浮かぶビル群が見え、その前は広々としたカフェスペースになっていてなんともスタイリッシュ。

展示室は2階と3階、この吹き抜けの周り三方にあるのでまずは2階のIntroduction Gallaryから。
  
  
導入部屋からイスラム美術を代表するお宝満載。
 
展示やライティング、説明も丁寧で実に見やすい。

2階の各展示室はカリグラフィー、紋様、科学など、東は中国から西はシチリア、スペインまで、国や時代をまたいだテーマごとになっており、3階の展示室は国と時代ごとになっている。
そしてなによりうれしいのはどの展示室も写真撮影が自由なこと。


いかにもイスラムらしいタイルとか
 
凝った扉の装飾。
 天体観測のための器具がたくさん並んでいる所も科学が発展していたイスラムらしく、
 
これは茶こしだったろうか、首の所だけの面白い展示もある。

 
こんなユーモラスな水差しもあれば
 
これらはモスクを照らしたランプだろうか。
 
カーペットはまさに「ミュージアム・ピース」で
  
 
彫り物にしてもミニアチュールにしても超絶技巧のオンパレード。

どの展示物も価値ある物ばかりではあるが、
  
 
インド、ムガール王朝の宝石だらけの品々も普通に展示されているのもすごい。他の博物館だったら特に警備を厳しくしそうだが、そんな様子も全くない。

と言うわけで山ほど写真を撮らせていただいたが、中でも気に入ったものはこちら↓



最後は4階の小さな特別展示室を覗くと、なぜか「モハメド・アリ展」を開催中。
 
彼がイスラム教に帰依したからだろうか、カタールにも来たことがあるらしく、ジョー・フレイジャーやジョージ・フォアマンとの写真など懐かしかった。

3時間ほどかけて展示を見終えるともうへとへと。
 
そこで1階のカフェでフェンネルのスープを頼むと、これが強烈なハーブの香りにクミンも効いておいし~
しかしこのカフェ、おしゃれな造りにウェイターもたくさんいるのだが、サービスが要領悪くてとにかく遅い。こんなところもアラブ風味か。

 
カフェの横にはこれまたおしゃれなミュージアム・ショップがあるもので、ついイスラム紋様の時計などお買い上げ。

そしてこのショップの横の扉から噴水のあるテラスに出ると、素晴らしい眺め。
  


カタール自体には文化と言えるほどの物はなく、この博物館に収められているのは確かに潤沢な資金で世界中から買い集めたもの。
しかしイスラムの国に国境などと言う概念を越えたイスラム文化の成果が一堂に集められるのは意味のあることではないだろうか。

イスラム美術博物館、堪能させていただいた。


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8 コメント

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Unknown (trintrin)
2017-02-21 09:37:11
素晴らしい美術館ですね
無料というのも素晴らしいです♪
美しいじゅうたんですが

旅先のね、お土産もので
探していてなかなかないのが
マウスパッドなんです
ペルシャじゅうたんの柄のマウスパッド
あと
両界曼荼羅のマウスパッド
ぜひつくってほしいです~
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Unknown (霧のまち)
2017-02-21 11:09:12
イスラム芸術は素晴らしいですね。大好きです。
入館無料や写真OKなど そこも素晴らしい!
日本では有無を言わせず 撮影禁止ですし、入館も
高いです。 昔、カイロの博物館で撮影可を知り、
感動して以来、日本の展示に少し疑問を持っています。
私は前に、政変でカタールに立ち寄れず 今も残念です。
返信する
Unknown (狸田ポン太)
2017-02-21 22:03:34
右側の水差しが気に入ったポン~~
こういうものの複製を、土産物として売ってもらいたいポン~
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Unknown (Lunta)
2017-02-22 10:13:31
trintrin 様、

さすがお金持ちカタールでございましょ?
ミニ・ペルシャ絨毯のマウスパッドはどこかで見たことがある気がする。
曼荼羅のマウスパッドがあったら私もほしいです。
東寺さんあたりで作ってくれませんかね。


霧のまち様、

博物館の撮影は東京国立博物館でも常設展ならOKですよ。借り物の企画展はもちろんだめですが。
紙物以外の常設展なら撮影可の所は結構あると思います。
お宝も記録がないと記憶から抜け落ちちゃうので写真が欲しいですよね。
昔は何もなかったカタールも寄り道する価値はある所に変わりつつあります。


狸田ポン太様、

複製品のお土産、いくつかあったと思うのですがなにしろ展示品の数が多いですからね。
私は複製より本物が欲しいです。
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Unknown (prego)
2017-02-23 21:42:10
こんばんわ!
「ドーハの悲劇」世代の私です。
オマーン旅、興味津々で読ませていただいております。ココ素晴らしいミュージアムですね~
すごくいってみたくなりました。
フェンネルのスープも食べてみたいです。どんな味だろう?
出てくるのが遅い…というのはアラブ圏ではみなさんそんな感じですか?
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prego 様、 (Lunta)
2017-02-24 15:42:36
「ドーハの悲劇」の時、同僚がサッカーの仕事で現地に行き、「何もなかった」とうんざりして帰ってきました。
あの頃に比べるとドーハは劇的に変わったらしいです。
この博物館のためだけでもストップオーバーの価値はあり。
フェンネルスープはすごくハーブ臭いので、パクチーなどが好きな人にはOK、そうでなければだめかもしれません。
アラブ人はあの衣装同様、とてもゆったりしています。そしてなぜか出稼ぎ外国人まで同じペースになっている。せっかちな日本人は慣れるまでイライラしちゃいます。
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目の果報 (花耀亭)
2017-03-02 00:12:34
Luntaさんのおかげでドーハの美術館を堪能できました♪
拝見しながら、西洋美文化とイスラム文化の交流が窺えるような気がして、とても興味深かったです。
特に、イスラムの美しいボウルの数々、お持ち帰りしたくなりそうです~(笑)
イスラム美術の超絶技巧も素晴らしいですね!!
本当に目の果報をさせていただきました(#^.^#)。ありがとうございました!
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花耀亭様、 (Lunta)
2017-03-02 19:13:22
イスラム美術、素敵でしょう?楽しんでいただけてよかったです。
陶器が多いのは完全に私の趣味ですが、その他にもアラブ書道や細密画など、キリスト教の祈祷書とのつながりが見えてとてもおもしろいです。
美術というより工芸の職人技ですが、これだけ揃うと圧巻です。
ヨーロッパへのストップオーバー、おすすめですよ。
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