1月19日
ヤマニ仙遊館の朝食は本館の1階で、雪のお庭を見ながらいただく。
「津軽のかっちゃおかず」はひじきや切り干し大根の煮物など名前の通りかあちゃんの定番おかずだけれど、大鰐温泉もやし炒めとお味噌汁にもたっぷり入っているのがうれしい。
チェックアウトをしたら駅前の鰐.comへ。
こちらの売店でまたもやしを買おうとやって来たのだが、なんと朝一ではまだもやしが納品されていないという。何時になるかわからないと言うが、列車の時間ぎりぎりまで待とうと他の商品など見て時間をつぶしていると、うれしや、9時半にもやしが入荷。
ついでに町の味噌醤油屋さんのりんご醤油なども買って荷物が重くなった。
次の列車は9:50発なので急いで駅に行くと、秋田方面が大雪とのことで列車は20分遅れ。
次の弘前での乗り継ぎが元々21分なので間に合うかどうか、気が気ではない。
雪まみれの列車に乗り込んで、
弘前駅に着くと出発3分前、階段を駆け上がり駆け下りてぎりぎりで五能線に乗り継げた。
ホッとして見るリンゴ畑の向こうの岩木山の美しいこと。
乗車40分で五所川原駅到着。
ここから11:50発のストーブ列車に乗るためにどうしても先の列車に乗る必要があったのだ。
ストーブ列車の津軽鉄道の駅はJRの駅のすぐ隣にちんまりとくっついている。
待合室にもストーブが置かれ、時刻表はいまだに漢字表記。
五所川原から終点の津軽中里までは870円、他にストーブ列車券が500円かかる。
この小さな駅舎内には売店があって、津軽鉄道グッズの他に五所川原農業高校の商品もいろいろ売っている。
さらに駅舎の隣のこれまたレトロな建物内にも売店併設のカフェがあるので、出発までの時間はつぶせた。
出発の10分ほど前に改札が開き、JRの駅をまたいで津軽鉄道のホームへ。
ストーブ列車の入り口ではアテンダントのお姉さんがお出迎え。
その先のもう一車両にはストーブがなくて地元の人たちが乗り込む。
この車両は一体何年使われているのだろう、木の床に網棚、天井の丸い蛍光灯も懐かしい!
そして売り物のストーブは1車両内に2つ、車掌さんが石炭をくべる。おかげで車内はホカホカ、ストーブの前の席では暑すぎる。
この日、この車両のお客さんは8人だけ。いささか寂しいが、おっちゃんの4人組がお酒も入っていい気分、アテンダントのお姉さんにいじられて笑いを提供してくれる。
他に車内販売のお姉さんもいて、自分は150円の冷たいリンゴジュースをいただいたけれど、売りはもちろんスルメ。
これを軍手をはめたお姉さんたちがストーブで炙るので車内はスルメの香りが充満。車掌さんは「経営の厳しい津軽鉄道です」とグッズの販売もして忙しい。
ゆっくり進む車窓は雪で真っ白。この時期に岩木山が見えるのは珍しいのだそうで、「窓枠も入れて撮った方がいいですよ」などアテンダントさんは写真のアドバイスまでしてくれる。
このアテンダントのお姉さん、出発からずっとしゃべり続けるのだが、「実際沿線にはたいしたものはないんです。ネタをしぼりだしてご案内しています」などと実にうまくて退屈させない。
途中には20年以上も前にスマップの香取慎吾がTVの企画でペイントした車両があったり
金木駅の手前からは太宰治の生家の屋根(大きな赤屋根の隣)が見えたり。
この金木駅ではおばあちゃんがハーモニカで客を迎え、行き違う列車のために駅員さんは今時珍しいタブレットを持っている。
雪に埋もれた駅舎など過ぎるうちに岩木山も遠くになり
終点の津軽中里駅に到着。ここまでわずか20キロ、41分の乗車時間だったが期待以上に面白かった。
一緒に乗って来た皆さんはどうやらまた来た道を戻るようだが、自分は乗合タクシーをお願いしておいた。ここから新幹線駅の奥津軽いまべつまで、以前はバスがあったそうだが利用者が少なすぎて廃止になったとのこと。
雪道を50分、メーターで行けば1万円以上はかかる所を2400円で行けるのだから助かる。
道中お話し好きの運転手さんとなぜかお相撲の話になって、地元出身の宝富士は息子の同級生、阿武咲はその後輩とのこと。宝富士は子供の頃から体は大きいけれど優しくて気が弱く、阿武咲は有名な悪ガキだったのを相撲部屋の親方に更生してもらったとか、うちわ情報は面白い。
到着した奥津軽いまべつ駅は北海道新幹線のために2016年にできた駅だが駅前には何もなく、全国の新幹線駅の中でも利用者が最も少ない駅なのだとか。
エレベーターで上に上がり、改札を通るとまたエレベーターでホームに降りなければならなくて、写真を撮っていたりしたらまたギリギリになってしまって焦った。何しろこの駅、1本逃したら次は2時間後なのだ。
乗り込んだのはたぶん自分一人、降りた人が2,3人で、さすが一日の乗降客が60人の駅。
なにかとギリギリの一日だったけれど
車内で五所川原のカフェで買った若生おにぎり弁当を開いてホッ。
今回も楽しい大人の休日だった。
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だるまストーブ列車、懐かしいですね。
僕が乗ったのは、北海道の大夕張鉄道ですけど。
当時は、学生服着てなきゃ、チンピラヤクザにしか見えないような高校生が乗っていて。でも、話してみると、「とりあえずモグラ(炭坑夫)になるよ、年金が優遇されるので」と、同じ高校生の僕と比べると、将来のこと真面目に考えてるんだなと感心した記憶がよみがえりました。
雪の季節に津軽鉄道に乗ってみたくなりました。
炭鉱夫になった高校生は今はどうしてるんでしょうね。あるいは就職の頃にはもう炭鉱はなくなっていたかも?
津軽鉄道も経営が苦しいらしいのでぜひ乗ってあげてください。