Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

21年秋の関西遠征 2 芦屋の谷崎潤一郎

2021-11-03 12:04:25 | 国内旅行

ヨドコウ迎賓館の見学を終えて芦屋川の駅前バス停へ。

 川にかかる橋からライトの建物が見えるが、意外に低い所にあるのに驚く。

ここからバスでJR、阪神の芦屋駅を過ぎ、緑町で降りて市立美術館と図書館に挟まれた谷崎潤一郎記念館へ。

 
こちらの建物は旧谷崎邸というわけではなく、純粋な資料館。
訪問した日には「細雪」の特別展で直筆の原稿などの他、モデルとなった松子夫人の姉妹や関係者の写真がたくさん、また松子さんの着物などが展示されていて興味深かったが、
 庭以外は撮影不可、展示室は1室だけ、ともうちょっと充実した内容を期待していたのでこれで入館料500円はちょっと高いなとがっかり。
 ただ売店には谷崎の本がガッツリ並んでいて購入できるので、Kindleにダウンロードしてある作品集には入っていなかった2冊をお買い上げ。

ここから阪神芦屋駅までは歩いて15分、次は魚崎駅で下車。
 
住吉川沿いに六甲ライナーの高架駅が伸びている、その脇を5分ほど。

  

やってきた「倚松庵」こそ谷崎の旧宅。
東京出身の谷崎は関東大震災を機に関西へ移住したが、阪神間に21年住んでその間に13回も引っ越しをしたのだとか。が、この家には7年も住んで、「細雪」の家もこちらがモデルというからよほど気に入った家だったのだろう。

ありがたいことにこちらは入館無料。
 
係の方にご挨拶して玄関を上がるとまずは洋風の応接間。
 
小さな食堂も洋風だけれどその次の部屋は和室で
  
台所にお風呂場、廊下に置かれた電話機など、おお、細雪の世界だ。

2階には8畳、6畳、4畳半と3部屋。
  
 
真ん中の6畳間にはいろいろな資料が展示されているが、小説の中に出てくる大雨災害の写真もあって、「細雪」が登場人物たちはもちろん、事件も実際の出来事をうまく取り入れているのがよくわかる。

もう一つこの部屋には大家と立ち退きをめぐってもめた件がくわしく解説されていて、これがいかにもわがままそうな谷崎らしくて面白かった。

延床面積45坪と言うこの家、小説で想像していたよりも小さかったけれど、これが昭和初期の中流(よりも多分ちょっと上)の典型的な住宅だったとか。
谷崎資料館からこちらにまわったのは大正解だった。


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コメント (2)
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