Luntaの小さい旅、大きい旅

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スコットランド・ミステリー

2024-08-15 16:21:43 | 雑談

スコットランド、特にシェトランドまで足を運んだ大きな動機の一つはアン・クリーブスのミステリーシリーズ、「シェトランド」であったことは何度も書いた通り。
しかしスコットランドを舞台にしたミステリー小説は他にもいっぱいあって、渡航の前、帰ってからも何冊か読んでみた。

NC500で巡ったスコットランド北部の田舎を舞台にしているのはM.C.Burtonの「ハミーシュ・マクベス」シリーズ。
 名前からしていかにもスコットランド人のハミーシュは田舎巡査のままでいたいばかりに実は鋭い頭の持ち主なのにわざと怠惰を決め込んでいる。しかし周りで殺人が起こればちょっと間抜けな振りをしつつ解決してしまうという、コミカルなコージー系のミステリー。
1作目はあまり感心しなかったが、2作目 、3作目は結構面白くて、旅行をした後では田舎の村で魚釣りをして過ごしたいというハミーシュの気持ちもよくわかる。

スコットランドで一番の人気らしいのはスコットランド人作家、イアン・ランキンのエジンバラを舞台にしたリーバス警部シリーズ。
 リーバスは軍隊での特殊訓練によるトラウマを抱えていて、1作目はこれがちょっと暗すぎ、主人公の性格もひねすぎていてつらかったが、シリーズが進むにつれて性格は改善するらしい(笑)。3作目はリーバスが事情によりロンドンのスコットランドヤードに出向になる話で、これはイングランドでのスコットランド人の立場や感情がわかって一番面白い。スコットランド人の友人もファンだと言っていたし、もう何作か読んでみてもいいかも。

逆にイングランド人がスコットランド、しかもシェトランドのアンスト島に出向くのはフランシス・ロイドのジャック・ドウズ警部シリーズの1作。
 その名も「シェトランド・キラー」では島の古城で殺人事件が起こるが、プロットはいささか強引、家にいた奥さんまで出向いて巻き込まれるのはいくらなんでも無茶すぎる。

このプロットはありえない、と指摘しているのはシェトランド観光局のHP
なにしろ本とTVシリーズのおかげで実は英国内でももっとも殺人事件の少ないこの島なのに、シェトランドに行くというと「殺されないように気を付けて」なんて冗談を言われてしまうほどミステリーで有名になってしまった。
 なので本屋の棚にはアン・クリーブスの本を始めミステリーがずらり。
去年はクリーブスの肝いりで有名ミステリー作家を何人も招いた Shetland Noir というイベントまで開催したのだとか。

このHPの記事でも取り上げられ、本屋にも並んでいたのはマルサリ・テイラーという作家のキャス・リンチを主人公にしたシリーズ。
 作家は現在もシェトランド在住、なので帰ってから読むと情景がまざまざと思いだされて実に楽しい。ミステリーとしてのプロットもしっかりしているし、ヨット乗りの主人公も魅力的で、このシリーズはもっと読みたい。

と、どれも日本ではマイナーでなかなか入手できそうにない本だが、そこはアマゾンとKindle 様様、今では簡単に原書が読める。
帰ってからもまだまだスコットランドを楽しめるのだ。


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