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永遠のマリアカラス 

2008年03月16日 | 映画
映画「永遠のマリアカラス

オペラを知らない人でも、オペラ歌手マリア・カラスという名前はどこかで耳にしたことがあるかもしれない。
不世出のこの歌姫の絶頂期の話しではなく、富豪オナシスが彼女の元を去り、半引退していた、どん底といっていもいいころのカラスの話である。
カーテンを引いた部屋で1日を過ごし、薬や酒に依存してかつての美声は聞けなくなっていたころをファニー・アルダンが演じている。

それを続けていたら、人間としても朽ちてしまうと考え、なんとか再起させようとジェレミー・アイアンズ扮するプロデューサー、ラリーと、年配の女性ジャーナリスト、サラが、時には叱咤し、時には褒め称えて、カラスを段々外に連れ出し、やっと「カルメン」の映画を製作するにいたる。
ただし、声は一番良かった頃の吹き替えのため、カラスはフェイクではないかと、悩む所が焦点。
その話にラリーと恋人との出会いと別れが織り込まれる。

活力が戻れば人は目的のために意見を戦わせたり、夢中になれる。ラストは冒頭のロック調と違い、ラリーが思わず泣く所など、人生の悲哀を感じさせる。
企画はお蔵入りになった(カラスは、夜中に昔の美声をレコードで聞いて泣き崩れる生活から脱し、自分の今を見つめ直すことができたと思う)が、引きこもりのような生活から、自由に森の中を歩けるようになったというだけでも、晩年は幸せだった様に思うのだ。

原題 : Callas Forever
製作年 : 2002年
製作国 : イタリア=フランス=イギリス=ルーマニア=スペイン
ファニー・アルダン (Mairia Callas)
ジェレミー・アイアンズ (Larry Kelly)
ジョーン・プローライト (Sarah Keller)
ジェイ・ローダン (Michael)
ガブリエル・ガルコ (Marco)







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