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ランナウェイズ (映画)

2011年02月19日 | 映画
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映画「ランナウェイズ

いや~この映画観て、中学生のときによく「Rock Show」とか「ロッキン・オン」とか洋楽ミュージシャン満載の雑誌を買っては仲間内でキャーキャー言っていたのを思い出しましたよ。世はまさに洋楽ブーム。「ベストヒットUSA」で小林克也氏がブレイクしていた頃ですかな。
今みたいにJ-WAVE(当時はないけど)的な洋楽中心のFMラジオのランキング番組に日本の曲がランクインするというようなことは考えられない時代で、日本の曲はTVの「ベストテン」や「夜ヒット」とかで観てくださいという感じでしたね。きちんと棲み分けができていました。

個人的には残念ながらバンドとしての「ランナウェイズ」は作られたニオイがプンプンして好きにはなれませんでした。あのボーカル・シェリー・カーリーが下着姿で歌うのも、逆にロックになりきれないショウビズっぽさを感じさせられたのもマイナス要因でした(ちなみに私はブロンディーのファンでした。初めて外タレのチケットを買った武道館の来日公演はデビー・ハリーのわがままですっぽかされたけど)。

それが、解散してギターのジョーン・ジェットがソロになりブラックハーツを率いて「I Love Rock'n Roll」をシャウトするなり、瞬く間にロック少年少女のハートをわしづかみにしていった記憶があります。あの冒頭の「ダンダンダ~ン ダンダンダダン」というへヴィーなイントロはいまだに忘れられません。当時のお気に入りのノートの表紙にジョーン・ジェットのワイルドかつ漫画チックに描いたイラストも残ってるほどです。

それほど、シェリー・カーリーとジョーン・ジェットは音楽スタイルだけでなく、音楽に向き合う姿勢までもが違っていたのだというのが、この映画を観てよく分かりました。
そして、子ども時代はバンドというものは固い友情で結ばれた仲間で結成されたものだなどと思っていましたが、プロデューサーによって集められてデビューというというのがホンとのところで、ランナウェイズも同様だったのが分かりました。

途中、日本公演のシーンやら、解散の遠因の一つであるシェリーだけの写真集を日本人カメラマン(若き日の篠山紀信?)が撮影しているシーンなど日本にゆかりのシーンがいくつかでてくるのもご愛嬌です。

結局、ラスト、両者が歩んでいく道の違いは、ジョーンの「私には帰るところはないんだ」という一言に尽きます。どの世界でもそうでしょうけど、牙を持ち続けた方が本当の成功を続けられるということなのでしょうね。

ちなみにシェリーはあの名子役、ダコタ・ファニングちゃんが演じています。随分大人になりました。ジョーンは「トワイライト」のクリステン・スチュワートが演じています。

監督:フローリア・シジスモンディ
エグゼクティブ・プロデューサー:ジョーン・ジェット
出演:クリステン・スチュワート、ダコタ・ファニング、マイケル・シャノン 2010年/アメリカ/ドルビーデジタル/107分 R-15
公式HP=http://www.runaways.jp/
2011年3月11日よりシネクイントほかでロードショー

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