[12月20日22:00.神奈川県相模原市緑区某所 合宿所2F・205号室 マリアンナ・スカーレット、栗原江蓮、イリーナ・レヴィア・ブリジッド]
「うぃー……。風呂から戻ってきたよー」
イリーナはほっこりした様子で、部屋に戻って来た。
手にはしっかり風呂上りの缶チューハイを持っている。
「おつまみまで……。どこで売ってたんですか?」
マリアが聞いた。
「チューハイは自販機コーナーだね。おつまみはフロントで売ってたよー」
「目ざといですね、師匠は……」
「そうかい?……で、そういう2人はお勉強?」
テーブルの上で江蓮が冬休みの宿題をやっていた。
「凄いっスよ。マリアンナ先生、教え方ウマいっス!」
江蓮は絶賛だった。
「まあ、マリアも一応、高校は出てるからねぇ。それからの魔道師だからね。高校2年生の宿題は見れるだろうねぃ……」
「これなら明日まで終わりそうです!」
「そうかいそうかい。それは良かったねぇ……。まあ、今夜は平和みたいだし、アタシは一杯やってから寝させてもらうよー」
「はい」
ベッドには寝台車みたいにカーテンが付いている。
それを引けば、室内の照明が点いていてもそんなに眩しくないというものだ。
[同日同時刻 207号室 稲生ユウタ、威吹邪甲、威波莞爾、蓬莱山鬼之助]
「はー……。江蓮とヤりてぇ……」
「便所でコイてろ」
キノの呟きにツッコむ威吹。
テーブルの上ではユタがパソコンのキーボードを叩き、向かい側ではカンジがタブレットを見ながらノートの上にペンを走らせていた。
「しっかし、ここの合宿所、何気にwi-fiが入るんだな」
「そうなんだよ」
ユタのPCもそれでネットをやっているし、カンジのタブレットもキノのスマホもそれで接続している。
「で、ユタは何のエロ動画見てんだ?あ?」
「エロ動画じゃないし。ほら、僕、強制的に脱講させられたからさ、それに対して何か対策は無いかと思ってさ」
「どうせ魔道師になるんだろ?もう宗教カンケー無ェんじゃねぇか?」
「大学卒業まであと2年ある。それまでに何とか、だよ」
「熱心だな」
「元顕正会員って、結局最初から法華講員だった人達よりも罪障が強いんだ。中にはそれでおかしくなった人もいる。僕はもう脱講しているけど、
法を下げる行為って良くないと思うんだ」
「けっ、ユタ。まだそんなことを考えているのかい?」
「講中とやらに迷惑掛けちゃいけねぇってか。マジメな奴だ。お前や江蓮の寺ってのは、員数の多い所なんだろ?そんなに関係あるのか?」
「員数の問題じゃないさ。まだ復帰できる見込みがあるんなら、そこは厳に注意しないといけないと思う」
「はしたない行為をするようなヤツじゃないだろう、ユタは?そんなに肩肘張らず、いつもの調子で行けばいいと思うよ」
「和を乱す行為は、どこの組織でも許されるものではありません。稲生さんの心掛けは素晴らしいと思います」
「だからって、辞めさせられたのも運命ってヤツだろ?復帰なんて有りうるか?親にケンカ売るってことだぜ?」
「健康であるうちは分からないよ。罰でもって知る他は無い」
「さにあらず。ユタがやりたいようにやればいいさ」
「くくく……!まさか、イブキがそんなこと言うとはな」
「で?それが何だ?」
「すったもんだの末なんだろ?ユタが信仰辞めさせられたのは。現実見ろよ。今現在のところ、ユタの望む通りにはできないってことさ」
「予言してみては如何でしょう?稲生さんの予言は結構当たりますよ」
「大風呂敷広げると、余計なプレッシャーだからやめておくよ。とにかく、僕はまだ諦めていない」
「東の方に向かって、唱題でもやってりゃいいんじゃねーのか?」
「さにあらず。余計なことはしない方がいい」
「んー……でも、唱題くらいはした方がいいかもな」
ユタは複雑な笑みを浮かべてパソコンを閉じた。
「風呂入ってこよう。23時までだっていうし」
そして立ち上がって、干してあるタオルを取る。
「ボクも行ってこよう」
「江蓮誘ってみるか」
「女達はもう風呂入ったみたいだぞ」
「なにっ!?しくったー!」
キノはorzの体勢になってしまった。
[同日23:00.合宿所・B1F 大浴場 ユタ、威吹、カンジ、キノ]
「お風呂、閉めますよー」
「あ、はい。今、出ますー」
脱衣所で体を吹いていると、合宿所の管理人が消灯にやってきた。
ユタ達が脱衣所にいるので、管理人は先に小浴場から閉めに行った。
「明日には刀も出来上がるし、それまで強い敵が襲ってこないといいんだけど……」
「ユタがそんなこと言うと、本当にそうなりそうだな」
「あっ、ゴメン!」
「いや、いいさ。実際はユタが言おうが言うまいが、どんな時機に敵が来ようとも対応してみせるさ」
「そういうことだな」
4人は浴衣を着用すると、大浴場をあとにした。
「風呂上がりのビール」
階段を上がって、1Fの自販機コーナーに行く。
「あれ?チューハイが売り切れになってる?」
「あの魔女が飲み過ぎたんじゃねーの?」
キノは笑いながら、缶ビールを購入した。
「ユタは飲まねーのか?」
「僕はあんまり飲めないから、サイダーにするよ」
「けっ、下戸め」
「はいはい、すいませんねー」
因みに、一緒にビールを買う威吹だった。
「でも、こうして威吹やキノがビールを飲むってことは、今夜は安心なのかな?」
「今のところはね。一応、まだ敵の気配はしない」
「だけど昼間襲って来たのは、気配も隠せるタイプだったんだろう?」
「あの時は油断した。さすがに今度は大丈夫さ」
「インビジブルタイプでも、弱点はあります。先ほど、調査が完了しました。ご安心ください」
カンジが少し得意げに言った。
「カンジ、お前、横文字使うなよー。意味分からんぞ」
威吹が苦い顔をする。
「す、すいません!」
[同日23:15.207号室 ユタ、威吹、カンジ、キノ]
「明日で合宿終わりか……」
「明日の午後には、刀もできるってさ」
「そりゃいい。大枚はたいた甲斐があるってもんだ」
「強化までしてくれるのですから、ありがたい話ですね、先生?」
「まあな……」
「じゃあ、あとはもう歯磨きして寝よう」
「ああ。ボクは一応、この辺りを一回りしてからにしよう。カンジ、お前も来るか?」
「ハイ」
「あのトンネル、まだ油断できねぇからな。イブキの言うことも一理ある」
「そうなの?」
「ああ、ユタは寝てていいよ。あ、だったらカンジを護衛に置いて行くかな」
「先生の御意向に従います」
「よし。じゃあ、オレとイブキで一回りしてくるか」
妖狐と鬼は窓から部屋の外に出た。
「大変だな、あの2人も」
「先生やキノも人間界が好きなんですよ。それを魔界に侵食されるのは、如何に向こうから何と言われようとも阻止しなければならないのです」
「なるほどねぇ……」
取りあえず、今晩は何も異常は無かったもようだ。
「うぃー……。風呂から戻ってきたよー」
イリーナはほっこりした様子で、部屋に戻って来た。
手にはしっかり風呂上りの缶チューハイを持っている。
「おつまみまで……。どこで売ってたんですか?」
マリアが聞いた。
「チューハイは自販機コーナーだね。おつまみはフロントで売ってたよー」
「目ざといですね、師匠は……」
「そうかい?……で、そういう2人はお勉強?」
テーブルの上で江蓮が冬休みの宿題をやっていた。
「凄いっスよ。マリアンナ先生、教え方ウマいっス!」
江蓮は絶賛だった。
「まあ、マリアも一応、高校は出てるからねぇ。それからの魔道師だからね。高校2年生の宿題は見れるだろうねぃ……」
「これなら明日まで終わりそうです!」
「そうかいそうかい。それは良かったねぇ……。まあ、今夜は平和みたいだし、アタシは一杯やってから寝させてもらうよー」
「はい」
ベッドには寝台車みたいにカーテンが付いている。
それを引けば、室内の照明が点いていてもそんなに眩しくないというものだ。
[同日同時刻 207号室 稲生ユウタ、威吹邪甲、威波莞爾、蓬莱山鬼之助]
「はー……。江蓮とヤりてぇ……」
「便所でコイてろ」
キノの呟きにツッコむ威吹。
テーブルの上ではユタがパソコンのキーボードを叩き、向かい側ではカンジがタブレットを見ながらノートの上にペンを走らせていた。
「しっかし、ここの合宿所、何気にwi-fiが入るんだな」
「そうなんだよ」
ユタのPCもそれでネットをやっているし、カンジのタブレットもキノのスマホもそれで接続している。
「で、ユタは何のエロ動画見てんだ?あ?」
「エロ動画じゃないし。ほら、僕、強制的に脱講させられたからさ、それに対して何か対策は無いかと思ってさ」
「どうせ魔道師になるんだろ?もう宗教カンケー無ェんじゃねぇか?」
「大学卒業まであと2年ある。それまでに何とか、だよ」
「熱心だな」
「元顕正会員って、結局最初から法華講員だった人達よりも罪障が強いんだ。中にはそれでおかしくなった人もいる。僕はもう脱講しているけど、
法を下げる行為って良くないと思うんだ」
「けっ、ユタ。まだそんなことを考えているのかい?」
「講中とやらに迷惑掛けちゃいけねぇってか。マジメな奴だ。お前や江蓮の寺ってのは、員数の多い所なんだろ?そんなに関係あるのか?」
「員数の問題じゃないさ。まだ復帰できる見込みがあるんなら、そこは厳に注意しないといけないと思う」
「はしたない行為をするようなヤツじゃないだろう、ユタは?そんなに肩肘張らず、いつもの調子で行けばいいと思うよ」
「和を乱す行為は、どこの組織でも許されるものではありません。稲生さんの心掛けは素晴らしいと思います」
「だからって、辞めさせられたのも運命ってヤツだろ?復帰なんて有りうるか?親にケンカ売るってことだぜ?」
「健康であるうちは分からないよ。罰でもって知る他は無い」
「さにあらず。ユタがやりたいようにやればいいさ」
「くくく……!まさか、イブキがそんなこと言うとはな」
「で?それが何だ?」
「すったもんだの末なんだろ?ユタが信仰辞めさせられたのは。現実見ろよ。今現在のところ、ユタの望む通りにはできないってことさ」
「予言してみては如何でしょう?稲生さんの予言は結構当たりますよ」
「大風呂敷広げると、余計なプレッシャーだからやめておくよ。とにかく、僕はまだ諦めていない」
「東の方に向かって、唱題でもやってりゃいいんじゃねーのか?」
「さにあらず。余計なことはしない方がいい」
「んー……でも、唱題くらいはした方がいいかもな」
ユタは複雑な笑みを浮かべてパソコンを閉じた。
「風呂入ってこよう。23時までだっていうし」
そして立ち上がって、干してあるタオルを取る。
「ボクも行ってこよう」
「江蓮誘ってみるか」
「女達はもう風呂入ったみたいだぞ」
「なにっ!?しくったー!」
キノはorzの体勢になってしまった。
[同日23:00.合宿所・B1F 大浴場 ユタ、威吹、カンジ、キノ]
「お風呂、閉めますよー」
「あ、はい。今、出ますー」
脱衣所で体を吹いていると、合宿所の管理人が消灯にやってきた。
ユタ達が脱衣所にいるので、管理人は先に小浴場から閉めに行った。
「明日には刀も出来上がるし、それまで強い敵が襲ってこないといいんだけど……」
「ユタがそんなこと言うと、本当にそうなりそうだな」
「あっ、ゴメン!」
「いや、いいさ。実際はユタが言おうが言うまいが、どんな時機に敵が来ようとも対応してみせるさ」
「そういうことだな」
4人は浴衣を着用すると、大浴場をあとにした。
「風呂上がりのビール」
階段を上がって、1Fの自販機コーナーに行く。
「あれ?チューハイが売り切れになってる?」
「あの魔女が飲み過ぎたんじゃねーの?」
キノは笑いながら、缶ビールを購入した。
「ユタは飲まねーのか?」
「僕はあんまり飲めないから、サイダーにするよ」
「けっ、下戸め」
「はいはい、すいませんねー」
因みに、一緒にビールを買う威吹だった。
「でも、こうして威吹やキノがビールを飲むってことは、今夜は安心なのかな?」
「今のところはね。一応、まだ敵の気配はしない」
「だけど昼間襲って来たのは、気配も隠せるタイプだったんだろう?」
「あの時は油断した。さすがに今度は大丈夫さ」
「インビジブルタイプでも、弱点はあります。先ほど、調査が完了しました。ご安心ください」
カンジが少し得意げに言った。
「カンジ、お前、横文字使うなよー。意味分からんぞ」
威吹が苦い顔をする。
「す、すいません!」
[同日23:15.207号室 ユタ、威吹、カンジ、キノ]
「明日で合宿終わりか……」
「明日の午後には、刀もできるってさ」
「そりゃいい。大枚はたいた甲斐があるってもんだ」
「強化までしてくれるのですから、ありがたい話ですね、先生?」
「まあな……」
「じゃあ、あとはもう歯磨きして寝よう」
「ああ。ボクは一応、この辺りを一回りしてからにしよう。カンジ、お前も来るか?」
「ハイ」
「あのトンネル、まだ油断できねぇからな。イブキの言うことも一理ある」
「そうなの?」
「ああ、ユタは寝てていいよ。あ、だったらカンジを護衛に置いて行くかな」
「先生の御意向に従います」
「よし。じゃあ、オレとイブキで一回りしてくるか」
妖狐と鬼は窓から部屋の外に出た。
「大変だな、あの2人も」
「先生やキノも人間界が好きなんですよ。それを魔界に侵食されるのは、如何に向こうから何と言われようとも阻止しなければならないのです」
「なるほどねぇ……」
取りあえず、今晩は何も異常は無かったもようだ。
記事によっては間接的に、あるいは暗号的メッセージを発信することがある。
気づける人は、気づけるようにしている。