[3月28日13:30.天候:晴 神奈川県相模原市緑区某所 国家公務員特別研修センター(地下研究施設)]
藤野パーキングエリアをあとにした私達は、上野原インターで中央自動車道を降りた。
そこから一般道でセンターに向かう。
センターに入っても、すぐに面会できるわけではない。
入構手続きから何やらで、正門に着いてから実際に面会に至るまで30分くらいは掛かるのである。
守衛A:「面会できるのは、3人までです」
愛原:「そうですか。それでは私とこちらの2名を……」
リサ:「! 先生、それはキケンだよ!」
愛原:「大丈夫だ。利恵さんは反省しているし、ここは警備も万全だから。それに、いざとなったらリサが助けに来てくれればいい」
リサと高橋には控室で待っててもらって、私と上野姉妹で面会することにした。
その前に、差し入れを出すことにする。
やり方は監獄施設のそれと、殆ど同じであった。
差入品としては、私は善場主任から預かった書類。
上野姉妹は、現金や色々な物であった。
東京拘置所と違い、差入店が近くにあるわけではないし、あくまでも収監しているのは、『人を食べた』または『人を食べそうになったBOW』である為、他の人間の犯罪者とは扱いが別なのだ。
で、今のところ収監されているのは上野利恵1人だけである。
日本版リサ・トレヴァーが収監されることも想定されたらしいが、結局そうなる前に全員死亡している。
何か制限はあるのかというと、少なくとも姉妹が持ってきた差入品が返されることはなかった。
自殺防止の為の長い紐付きの物とかは禁止だろうが、ここでは禁止ではないらしい(BOWが首吊り程度では死なない為か)。
愛原:「面会時間はどれくらいですか?」
守衛A:「いつでもいいですよ」
愛原:「は?」
守衛A:「収容者が1人しかいないので、特に制限時間は設けてません。ただ、遅くとも16時までには終了して頂きたいですね」
とのこと。
そこは拘置所の面会時間と変わらなかった。
確か、東京拘置所も面会時間は16時までであった。
但し、弁護士との接見の場合はこの限りではない。
上野利恵には弁護士が付いていないが、デイライトは付いている。
私が善場主任から書類を預かったのも、それだ。
守衛B:「それじゃ、終了したら呼ぶように」
上野利恵:「はい、ありがとうございます」
面会室自体は、拘置所のそれと大して変わらなかった。
ただ、拘置所の場合は刑務官が立ち会うのだが、ここでは特に守衛の立ち会いは無かった(因みに守衛は警備会社からの派遣ではなく、直接雇用の国家公務員である。国会警備の衛視や国立印刷局や造幣局の警備官と同様)。
人間の犯罪者とは違うからだろう。
もっとも、天井を見ればしっかり監視カメラが稼働しているから、それで監視はされているだろうが。
愛原:「デイライトの善場主任から、あなた宛てに書類を預かってきました。後で差入品として渡されるはずなので、中をよく読んでおいてください」
利恵:「はい。ありがとうございます」
愛原:「それじゃ、私はこれで。あとは娘さん達と話をしておいてください」
私はそう言って、退室した。
利恵はグレーの囚人服のような服を着ていた。
だが、首にランプの点いたチョーカーを着けている辺りが、人間の収容者ではないことを物語っている。
[同日16:00.天候:晴 同施設1F 体育館]
施設の地上部は表向きの研修センターである為、体育館もある。
新年度からはここを使用する公務員達がいるようだが、年度末は閑古鳥である。
その為か、待っている間だけという条件で、体育館が解放された。
高橋:「ほらよ!」
リサ:「ん!」
体育館が解放されると、リサと高橋はバスケットボールを持ち出し、1on1を始めた。
リサは上着のパーカーを脱いで、下の白いシャツの状態で1on1に興じた。
下は黒いスカートのままである。
時折捲れて中がチラリと見えてしまうが、ショーツも黒いせいか、それが下着なのか、オーバーパンツなのかは分からない感じだった。
体を動かす方が好きなリサには、良い暇潰しになったようだ。
〔ポーン♪ 「来訪者の愛原さん、来訪者の愛原さん。お連れ様と一緒に1F守衛所までお越しください」〕
こんな館内放送が流れた。
愛原:「おっ、もうこんな時間か。それじゃ、そろそろ行こうか。ボールはちゃんと元に戻してな」
リサ:「はーい」
片付けをしてから、1Fの守衛所に向かった。
守衛A:「ご苦労さまでした。それでは、これが愛原さん宛ての『宅下げ品』です。ご確認ください」
差入品として渡した茶封筒と同じ物を返された。
どうやらこれは、上野利恵から善場主任宛てへの書類のようである。
実は上野利恵はこれまでの態度が認められ、監視付きで特別に娘達の入学式への臨席が認められたのである。
それに関する書類だと、私は聞いている。
中をチラッと見ると、同意書とか誓約書とかが入っていた。
これを善場主任に持って行けばいいのか。
よし、明日持って行こう。
高橋:「それじゃ俺、車持って来ます」
愛原:「ああ、頼む」
高橋は駐車場へ向かった。
そこへ、研修棟から上野姉妹がやってくる。
どうやら、面会が無事に終わったようだ。
愛原:「ご苦労さん、どうだった?」
凛:「はい。おかげさまで、いっぱい話せました」
愛原:「そうか」
凛:「あの……母は、いつ出られるんでしょうか?」
愛原:「俺じゃ分からんなぁ……」
守衛A:「それじゃ皆さん、こちらで退構手続きを」
愛原:「お、そうでした」
入構証の返却や、退構時の書類手続きなど。
ここで見聞きした物については、一切口外しないという誓約書を記載して提出する。
愛原:「それでは、お世話になりました」
守衛A:「お気をつけて」
車に乗り込むと、固く閉じられていた鉄扉が開放される。
愛原:「帰りは相模湖インターから乗るか」
高橋:「分かりました」
私達はセンターをあとにし、中央道のインターへと向かった。
藤野パーキングエリアをあとにした私達は、上野原インターで中央自動車道を降りた。
そこから一般道でセンターに向かう。
センターに入っても、すぐに面会できるわけではない。
入構手続きから何やらで、正門に着いてから実際に面会に至るまで30分くらいは掛かるのである。
守衛A:「面会できるのは、3人までです」
愛原:「そうですか。それでは私とこちらの2名を……」
リサ:「! 先生、それはキケンだよ!」
愛原:「大丈夫だ。利恵さんは反省しているし、ここは警備も万全だから。それに、いざとなったらリサが助けに来てくれればいい」
リサと高橋には控室で待っててもらって、私と上野姉妹で面会することにした。
その前に、差し入れを出すことにする。
やり方は監獄施設のそれと、殆ど同じであった。
差入品としては、私は善場主任から預かった書類。
上野姉妹は、現金や色々な物であった。
東京拘置所と違い、差入店が近くにあるわけではないし、あくまでも収監しているのは、『人を食べた』または『人を食べそうになったBOW』である為、他の人間の犯罪者とは扱いが別なのだ。
で、今のところ収監されているのは上野利恵1人だけである。
日本版リサ・トレヴァーが収監されることも想定されたらしいが、結局そうなる前に全員死亡している。
何か制限はあるのかというと、少なくとも姉妹が持ってきた差入品が返されることはなかった。
自殺防止の為の長い紐付きの物とかは禁止だろうが、ここでは禁止ではないらしい(BOWが首吊り程度では死なない為か)。
愛原:「面会時間はどれくらいですか?」
守衛A:「いつでもいいですよ」
愛原:「は?」
守衛A:「収容者が1人しかいないので、特に制限時間は設けてません。ただ、遅くとも16時までには終了して頂きたいですね」
とのこと。
そこは拘置所の面会時間と変わらなかった。
確か、東京拘置所も面会時間は16時までであった。
但し、弁護士との接見の場合はこの限りではない。
上野利恵には弁護士が付いていないが、デイライトは付いている。
私が善場主任から書類を預かったのも、それだ。
守衛B:「それじゃ、終了したら呼ぶように」
上野利恵:「はい、ありがとうございます」
面会室自体は、拘置所のそれと大して変わらなかった。
ただ、拘置所の場合は刑務官が立ち会うのだが、ここでは特に守衛の立ち会いは無かった(因みに守衛は警備会社からの派遣ではなく、直接雇用の国家公務員である。国会警備の衛視や国立印刷局や造幣局の警備官と同様)。
人間の犯罪者とは違うからだろう。
もっとも、天井を見ればしっかり監視カメラが稼働しているから、それで監視はされているだろうが。
愛原:「デイライトの善場主任から、あなた宛てに書類を預かってきました。後で差入品として渡されるはずなので、中をよく読んでおいてください」
利恵:「はい。ありがとうございます」
愛原:「それじゃ、私はこれで。あとは娘さん達と話をしておいてください」
私はそう言って、退室した。
利恵はグレーの囚人服のような服を着ていた。
だが、首にランプの点いたチョーカーを着けている辺りが、人間の収容者ではないことを物語っている。
[同日16:00.天候:晴 同施設1F 体育館]
施設の地上部は表向きの研修センターである為、体育館もある。
新年度からはここを使用する公務員達がいるようだが、年度末は閑古鳥である。
その為か、待っている間だけという条件で、体育館が解放された。
高橋:「ほらよ!」
リサ:「ん!」
体育館が解放されると、リサと高橋はバスケットボールを持ち出し、1on1を始めた。
リサは上着のパーカーを脱いで、下の白いシャツの状態で1on1に興じた。
下は黒いスカートのままである。
時折捲れて中がチラリと見えてしまうが、ショーツも黒いせいか、それが下着なのか、オーバーパンツなのかは分からない感じだった。
体を動かす方が好きなリサには、良い暇潰しになったようだ。
〔ポーン♪ 「来訪者の愛原さん、来訪者の愛原さん。お連れ様と一緒に1F守衛所までお越しください」〕
こんな館内放送が流れた。
愛原:「おっ、もうこんな時間か。それじゃ、そろそろ行こうか。ボールはちゃんと元に戻してな」
リサ:「はーい」
片付けをしてから、1Fの守衛所に向かった。
守衛A:「ご苦労さまでした。それでは、これが愛原さん宛ての『宅下げ品』です。ご確認ください」
差入品として渡した茶封筒と同じ物を返された。
どうやらこれは、上野利恵から善場主任宛てへの書類のようである。
実は上野利恵はこれまでの態度が認められ、監視付きで特別に娘達の入学式への臨席が認められたのである。
それに関する書類だと、私は聞いている。
中をチラッと見ると、同意書とか誓約書とかが入っていた。
これを善場主任に持って行けばいいのか。
よし、明日持って行こう。
高橋:「それじゃ俺、車持って来ます」
愛原:「ああ、頼む」
高橋は駐車場へ向かった。
そこへ、研修棟から上野姉妹がやってくる。
どうやら、面会が無事に終わったようだ。
愛原:「ご苦労さん、どうだった?」
凛:「はい。おかげさまで、いっぱい話せました」
愛原:「そうか」
凛:「あの……母は、いつ出られるんでしょうか?」
愛原:「俺じゃ分からんなぁ……」
守衛A:「それじゃ皆さん、こちらで退構手続きを」
愛原:「お、そうでした」
入構証の返却や、退構時の書類手続きなど。
ここで見聞きした物については、一切口外しないという誓約書を記載して提出する。
愛原:「それでは、お世話になりました」
守衛A:「お気をつけて」
車に乗り込むと、固く閉じられていた鉄扉が開放される。
愛原:「帰りは相模湖インターから乗るか」
高橋:「分かりました」
私達はセンターをあとにし、中央道のインターへと向かった。
彼女(40歳):「LINE通話をする時は、前もって教えてください」
雲羽(40歳):「了解しました」
[数日前]
彼女:「29日は家の大掃除をやるので、時間が悪いです。30日も用事があるので、時間が無いです。あと、5月のゴールデンウィークは北海道へ一人旅に行きます」
5月連休無しの雲羽:「(せっかく29日と30日は、休みだったのになぁ……)LINE通話をやりませんか?自分はいつでもいいので、都合の良い日時を教えてください」
彼女:「分かりました。後で連絡します」
[今日。ていうかさっき]
彼女:「突然ですが、21時にLINE通話をしませんか?私から掛けますよ」
雲羽:「通話ですか?よろしくお願いします。それでは21時、お待ちしています」
彼女:「お待ちしていますって……前回は雲羽さんから掛けるって言いましたよね?まあ、私から掛けますけど……」
雲羽:「」
さて、問題です。
このやり取りの問題点と解決策を教えてください。
尚、私は、『メンドくさい人だなぁ……』と思いました。