[9月26日15:00.東京都区内某所 ユタの通う大学 稲生ユウタ]
ユタは講義が終わって、大学の廊下に出ると持っていたスマホを出した。
着信があって、見ると相手はマリアになっていたからだ。
「もしもし、マリアさん?すいませんね、今大学にいて……」
と言うと、
{「大学?そうか……。それは良かった……」}
と、何故か心底ホッとしたような感じの声がした。
「どうか、したんですか?」
{「明日も大学か?」}
「そうです」
{「分かった」}
「どうしたんですか?」
{「ユウタ君、絶対に明日は長野県の山には登るな。もしユウタ君の中で死んで欲しくない人がその山に登ろうとするなら、何が何でも全力で止めるんだ」}
「な、何かあるんですか?」
{「魔道師の掟で、それ以上は喋れない。明日になれば分かる」}
「は、はあ……」
ユタは電話を切った。
(何だろう?マリアさんかイリーナさんが予知夢でも見たんだろうか……)
ここ最近、ユタ自身が予知夢を見ることはない。
その時、ユタはあるポスターを見た。
それは大学の登山部が、正に今日出発して長野県の山を登るというものだった。
登山部に知り合いはいないが……。
[9月27日12:00.ユタの大学・学生食堂 ユタと友人数名]
「それでさ、今度のバイト先の店長が、どうもケンショーみたいで……」
「じゃあ今度、僕が折伏しに行ってみるよ」
「さすがイノっち」
その時、食堂内にあるテレビから速報テロップが流れた。
『長野県と岐阜県の県境にある御嶽山で水蒸気爆発発生』
「……!?」
そして時間が経つ事に、事態が悪化していく。
食堂のテレビでワイドショーを見ていたが、それが御嶽山噴火一色に変わっていった。
「大変だ!うちの登山部がそこに登っているらしい!」
「!」
ユタは血の気が引いた。
(マリアさんの言ってたことは、これだったんだ……!)
[10月5日10:00.東京都区内某所 日蓮正宗・東京第3布教区・正証寺 ユタ、藤谷春人、栗原江蓮]
「へえ……。あの魔道師さん、火山の噴火なんか予知したんだ。さすがだね」
江蓮は感心したように言った。
「でも、冷たいね。もう少し詳しく話してくれたら良かったのにね」
「きっと、詳しい話をすると、却って混乱を招くからだろう」
と、藤谷。
「予知したところで、周囲から笑われるというのもあるしな」
「僕は笑ったりしませんよ」
「稲生君じゃなくて、稲生君からそういった情報をもらった人達がね」
江蓮が自分のスマホを取り出して言う。
「ネットや何かじゃ、顕正会員が『これは罰だ。その証拠に、山頂の神社付近に犠牲者が集中しているではないか』なんて書いてるみたいだね」
「くだらん、ナンセンス!神社があろうが無かろうが、山頂から噴火したんじゃ、その付近で被害が集中するのは当たり前だよ」
藤谷は肩を竦めた。
「顕正会の会館よりは被害は小さくて済んだだろう」
「いやいや、藤谷さん。そもそも、顕正会の会館が火山の噴火口近くに会館なんて建てないって」
江蓮が呆れたように言った。
「ん?それもそうだな……」
「浅井会長より、よく当たる予知だな。よし」
藤谷はジャケットのポケットから、ある物を出した。
それはマークシート。
「今度、銀座までステークス買いに行くんだが、どの馬が当たるか予想してもらえないか?」
「イリーナさん達は予知夢を見る方式なんで、今から馬の予想なんかしませんよ」
「ちっ、くそっ……」
「それに藤谷さん、地区長から競馬禁止令が出てるんじゃ?」
「シーッ!あくまで、銀座場外に出入りしている顕正会員に街折するだけだっ!」
「サトーさんしかいないでしょ!」
(※あくまでフィクションです。日曜日という戦闘日に競馬をしている顕正会員なんていない……はず。もしいたら折伏ではなく、所属組織に通報してやる方がよっぽど効果的だと思います。私は“慧妙”のアポ無し折伏隊ではありません)
[同日13:30.JR池袋駅・埼京線ホーム ユタ&威吹邪甲]
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の4番線の電車は、13時30分発、快速、川越行きです。次は、板橋に止まります〕
ユタと威吹が電車を待っていると、電話が掛かって来た。
「おっ、またマリアさんだ」
ユタが電話に出た。
{「あっ、もっしー!ゴメンねー。マリアじゃなくて」}
「イリーナさん、どうしたんですか?」
{「マリアの予言、信じてくれたんだね。ありがとう」}
「信じるも何も、御嶽山に行く予定すら無かったですから。今度は何を予言なさるおつもりですか?」
{「うん。今度のステークスなんだけど、三連単が……」}
「それはうちの藤谷班長に直接言ってくれませんか」
〔まもなく4番線に、快速、川越行きが参ります。危ないですから、黄色い線までお下がりください。次は、板橋に止まります〕
「ユタ、もうすぐ電車来るよ」
「……すいません、もうすぐ電車来るんで。また後で……はい、すいません」
パァァァァン!(E233系電子警笛の音)
〔いけぶくろ~、池袋~。ご乗車、ありがとうございます。次は、板橋に止まります〕
池袋の語源については、諸説あるようだ。
この町に縁が無かった威吹も知らない。
新宿のように新しい宿場町という意味でも無ければ、上野のように人の名字から付けられたわけでもない。
〔「快速の川越行きです。赤羽までの各駅と戸田公園、武蔵浦和、与野本町、大宮、大宮から先の各駅に止まります。停車駅にご注意ください」〕
「一応、イリーナさんの情報を藤谷班長に送信してあげよう」
ユタはスマホを手に取ると、藤谷にメール送信した。
「あいつ、禁を犯してまで競馬か……」
威吹は呆れた。
〔4番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車をご利用ください〕
ガタッ……ピンポーンピンポーンピンポーン♪……バン。(首都圏JR新型電車のドアの閉まる音は、だいたい皆こんな感じ)
「藤谷班長、喜んでるなぁ」
「それはそれは。他人の予想など、ボクにとっては当てにならないと思うね」
因みにそのレース予想は、最終レースのものだったらしい。
藤谷はサトーと一緒に泡吹いたそうな……。
「今月の3連休はマリアさんの家に行くぞ。幸い、“ムーンライト信州”のキップも取れたし」
「駅に迎えを寄越すって話だが、ヤツの人形が来るってことか?」
「さあねぇ……」
「人形だけ寄越されても困るね」
「まあまあ」
ユタは講義が終わって、大学の廊下に出ると持っていたスマホを出した。
着信があって、見ると相手はマリアになっていたからだ。
「もしもし、マリアさん?すいませんね、今大学にいて……」
と言うと、
{「大学?そうか……。それは良かった……」}
と、何故か心底ホッとしたような感じの声がした。
「どうか、したんですか?」
{「明日も大学か?」}
「そうです」
{「分かった」}
「どうしたんですか?」
{「ユウタ君、絶対に明日は長野県の山には登るな。もしユウタ君の中で死んで欲しくない人がその山に登ろうとするなら、何が何でも全力で止めるんだ」}
「な、何かあるんですか?」
{「魔道師の掟で、それ以上は喋れない。明日になれば分かる」}
「は、はあ……」
ユタは電話を切った。
(何だろう?マリアさんかイリーナさんが予知夢でも見たんだろうか……)
ここ最近、ユタ自身が予知夢を見ることはない。
その時、ユタはあるポスターを見た。
それは大学の登山部が、正に今日出発して長野県の山を登るというものだった。
登山部に知り合いはいないが……。
[9月27日12:00.ユタの大学・学生食堂 ユタと友人数名]
「それでさ、今度のバイト先の店長が、どうもケンショーみたいで……」
「じゃあ今度、僕が折伏しに行ってみるよ」
「さすがイノっち」
その時、食堂内にあるテレビから速報テロップが流れた。
『長野県と岐阜県の県境にある御嶽山で水蒸気爆発発生』
「……!?」
そして時間が経つ事に、事態が悪化していく。
食堂のテレビでワイドショーを見ていたが、それが御嶽山噴火一色に変わっていった。
「大変だ!うちの登山部がそこに登っているらしい!」
「!」
ユタは血の気が引いた。
(マリアさんの言ってたことは、これだったんだ……!)
[10月5日10:00.東京都区内某所 日蓮正宗・東京第3布教区・正証寺 ユタ、藤谷春人、栗原江蓮]
「へえ……。あの魔道師さん、火山の噴火なんか予知したんだ。さすがだね」
江蓮は感心したように言った。
「でも、冷たいね。もう少し詳しく話してくれたら良かったのにね」
「きっと、詳しい話をすると、却って混乱を招くからだろう」
と、藤谷。
「予知したところで、周囲から笑われるというのもあるしな」
「僕は笑ったりしませんよ」
「稲生君じゃなくて、稲生君からそういった情報をもらった人達がね」
江蓮が自分のスマホを取り出して言う。
「ネットや何かじゃ、顕正会員が『これは罰だ。その証拠に、山頂の神社付近に犠牲者が集中しているではないか』なんて書いてるみたいだね」
「くだらん、ナンセンス!神社があろうが無かろうが、山頂から噴火したんじゃ、その付近で被害が集中するのは当たり前だよ」
藤谷は肩を竦めた。
「顕正会の会館よりは被害は小さくて済んだだろう」
「いやいや、藤谷さん。そもそも、顕正会の会館が火山の噴火口近くに会館なんて建てないって」
江蓮が呆れたように言った。
「ん?それもそうだな……」
「浅井会長より、よく当たる予知だな。よし」
藤谷はジャケットのポケットから、ある物を出した。
それはマークシート。
「今度、銀座までステークス買いに行くんだが、どの馬が当たるか予想してもらえないか?」
「イリーナさん達は予知夢を見る方式なんで、今から馬の予想なんかしませんよ」
「ちっ、くそっ……」
「それに藤谷さん、地区長から競馬禁止令が出てるんじゃ?」
「シーッ!あくまで、銀座場外に出入りしている顕正会員に街折するだけだっ!」
「サトーさんしかいないでしょ!」
(※あくまでフィクションです。日曜日という戦闘日に競馬をしている顕正会員なんていない……はず。もしいたら折伏ではなく、所属組織に通報してやる方がよっぽど効果的だと思います。私は“慧妙”のアポ無し折伏隊ではありません)
[同日13:30.JR池袋駅・埼京線ホーム ユタ&威吹邪甲]
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の4番線の電車は、13時30分発、快速、川越行きです。次は、板橋に止まります〕
ユタと威吹が電車を待っていると、電話が掛かって来た。
「おっ、またマリアさんだ」
ユタが電話に出た。
{「あっ、もっしー!ゴメンねー。マリアじゃなくて」}
「イリーナさん、どうしたんですか?」
{「マリアの予言、信じてくれたんだね。ありがとう」}
「信じるも何も、御嶽山に行く予定すら無かったですから。今度は何を予言なさるおつもりですか?」
{「うん。今度のステークスなんだけど、三連単が……」}
「それはうちの藤谷班長に直接言ってくれませんか」
〔まもなく4番線に、快速、川越行きが参ります。危ないですから、黄色い線までお下がりください。次は、板橋に止まります〕
「ユタ、もうすぐ電車来るよ」
「……すいません、もうすぐ電車来るんで。また後で……はい、すいません」
パァァァァン!(E233系電子警笛の音)
〔いけぶくろ~、池袋~。ご乗車、ありがとうございます。次は、板橋に止まります〕
池袋の語源については、諸説あるようだ。
この町に縁が無かった威吹も知らない。
新宿のように新しい宿場町という意味でも無ければ、上野のように人の名字から付けられたわけでもない。
〔「快速の川越行きです。赤羽までの各駅と戸田公園、武蔵浦和、与野本町、大宮、大宮から先の各駅に止まります。停車駅にご注意ください」〕
「一応、イリーナさんの情報を藤谷班長に送信してあげよう」
ユタはスマホを手に取ると、藤谷にメール送信した。
「あいつ、禁を犯してまで競馬か……」
威吹は呆れた。
〔4番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車をご利用ください〕
ガタッ……ピンポーンピンポーンピンポーン♪……バン。(首都圏JR新型電車のドアの閉まる音は、だいたい皆こんな感じ)
「藤谷班長、喜んでるなぁ」
「それはそれは。他人の予想など、ボクにとっては当てにならないと思うね」
因みにそのレース予想は、最終レースのものだったらしい。
藤谷はサトーと一緒に泡吹いたそうな……。
「今月の3連休はマリアさんの家に行くぞ。幸い、“ムーンライト信州”のキップも取れたし」
「駅に迎えを寄越すって話だが、ヤツの人形が来るってことか?」
「さあねぇ……」
「人形だけ寄越されても困るね」
「まあまあ」
古っ!ムチャクチャ古い画像ですねw
ちなみにですがこの橋を通った名鉄特急は1600系以前のやつです。
こりゃまた懐かしい写真を持ってきましたね。
名鉄犬山橋は、“電車でGO!名鉄編”で擬似体験しました。
んで、何より気になったのが、7000系……の隣にいる名鉄バス?ですw
妙本寺踏切……警報器の音が本堂まで聞こえるのでしょうか?
いや、警報器のテンポが唱題の太鼓代わりに……何だか、さっきから御題目が外から聞こえて来るので、ちょっと見てきます(死亡フラグ)。
http://cedarben.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_28d/cedarben/s58E5908DE98984E78AACE5B1B1E6A98BE38391E3838EE383A9E3839EE382ABE383BC-0b4f0.jpg?c=a1
こちらが妙本寺踏切です。 あちらの宗教記事は無視して下さい。 ドラマの撮影に使われたらしいですね?
http://nichiren-tokyo.seesaa.net/article/298646665.html
あのトリオも須田様の作った新造車までは手に掛けないんでしょうねぇ(当分は)
いやー、実に残念ですね。
さすがに民主化したとはいえ、未だ治安情勢に不安のあるミャンマーに行く度胸は無いな~。
キハ180シリーズも、ついに189まで来ましたか。
北の大地を走るディーゼルカーよりは安全でしょうね。
現在はJRWお得意の縦軸2ハンドルのキハ189が走っとります・・・
いい写真を持ってきましたね。キハ181系ですか。運転室の後ろに大出力のエンジンを搭載して、ハンドルが独特の形状をした車両ですね。
今ではJR西日本でしか走っていないので、ANPさんしか乗ったことないかもですね。
正に写真の橋がガーター橋ですよ。
高いか、低いかです。
先ほど例に挙げさせて頂いた熊ヶ根鉄橋は、高所恐怖症の人には見せられませんね。何であんなに高いのに、ガーター橋なんだろうと思っています。
山寺駅付近の物は、写真のような感じのものです。
保田妙本寺の踏切は初めて聞きましたね。
あとは、横須賀線の臨済宗円覚寺の境内を横切るものとか……。
鉄道に横切られて、お寺側は痛手に思うようですが、我々信徒としてはアクセスしやすくなって、逆に有り難いんですがね。
特に、東急東横線の沿線の持経寺さんなど、隣が元住吉の車両基地とは何たる素晴らしい立地条件だと思いましたよ。
鉄道が違いますが、こんな感じだったと思います。
http://kokutetsushoku.main.jp/2omoideshashinkan/82nanki/tekkyou.jpg
乗っていて窓の外が凄くて(鉄橋下の川まで凄く高い!)今でも憶えています。大分昔なのでその鉄橋は改装したかは知りませんが。
あと寺院敷地内に踏切がある保田の妙本寺踏切や名鉄の自動車道と一緒の大鉄橋(現在は分離とか)など鉄道の世界も奥が深いですね?
ご質問の件ですが、恐らくガーター橋と呼ばれる種類のものでしょう。
かつては山陰本線の余部橋梁が有名でしたが、そこでは実際、列車が強風に煽られて転落するという事故があり、今ではそこも斜めの鉄骨が組まれたトラス橋に変わりました。
あと私が知っているのは仙山線の熊ヶ根鉄橋や山寺駅付近の橋梁ですね。
そのくらいです。多分、地方ローカル線で山岳区間のある部分ではガーター橋はまだあると思います。
そうですね、確かに、顕正会の会館が火山の噴火口近くに会館なんて建てるわけないし(まずそんな場所に建築許可が下りる?)、例え噴火災害がなくても会館会合のたびの高山登山?では会員がへたばってしまいますものね?(大抵頂上に建ってるのは神社)
ところで管理人さんは列車や鉄道に詳しいようですがので質問させて下さい。
外房線の土気と大網の間に大鉄橋があります。
しかし、線路のみの大鉄橋で柵も防護碧も無い大鉄橋
でしたが、あれでは大風、台風が来たら横倒しになり落下しないか?非常に気になりました。
地方の鉄道の大鉄橋はその様な危険そうな感じ(見た目)が多いのですか?
だからですよ、観光第一の名前にしたのって。
いや、自動放送だと大抵英語放送があるでしょう?
“ダイナスター”はともかく、“能登かがり火”は外国人さんには発音しにくいだろうなぁって……。
金沢-福井間の新特急名「ダイナスター」
金沢-和倉温泉間の新特急名「能登かがり火」