[9日 21:00.ユタの家]
ユタの家にやってきたのは、3人の少年少女だった。見た目には、15歳前後である。
「征丸です」
「死々丸です」
「殺女(あやめ)です。よろしくお願いします」
全員が銀髪に白い肌であり、威吹と同じ色合いの着物に袴を着用していた(白の着物に紺色の袴)。
威吹の班は銀狐で固まっているのだろうか。
「これから3日間、人間界で見識を広げるわけだが、その間はオレとここにいる稲生ユウタ、愛称ユタ殿の指示に従うことだ。分かったな?」
「はい!」(×3)
(うん。頼もしい。これなら安心かも)
ユタはホッとした様子だった。見習い隊士では真剣は持てないのか、はたまたわざと置いてきたのかどうかは不明だが、3人の“研修生”達全員が木刀しか持ってないのが気になったが……。
[10日 02:00. ユタの部屋]
またもや、ユタのスマホがなる。期待を裏切らず、またもや公衆電話からとなっていた。
「もしもし?」
{「もしもし?ミクだよ。今、歯医者さんの中から掛けてるの。また少し近づいたわね」}
「な、何だって!?」
確かにユタの家の近所には、歯科クリニックがあるが……。
[10日 04;00. 同場所]
だが、今日は電話は1回だけでは終わらなかった。
「えっ!?」
また鳴った。それも、やっぱり公衆電話である。
{「もしもし。ミクだよ。今、近くの公園から掛けてるの。意外とこの町内って、公衆電話があるのね。いいことだわ。もうすぐ会えるわね」}
「キミは一体誰なんだ?」
しかし、電話は切れていた。
(これ……マズいよな?)
ユタはさすがに危機感を募らせた。
[10日 08:00.菊池歯科クリニック前]
「ユタぁ、どうしたの?いつも駅へ行く道と違うよ?」
「うん。知ってる」
威吹は相変わらず着物姿だが、研修に来た3人はブレザーにスラックス、スカートという、まるで今時の中学生の制服みたいな服装をしていた。
「うっ!」
クリニックの前にはパトカーが3台止まっており、玄関のドアにはブルーシートが張られている。その周りは、『立入禁止』と書かれた黄色いテープで規制線が張られていた。
「何かあったのか?」
威吹も目を凝らす仕草をした。生真面目そうな顔つきの征丸がノートを出して、何やら書き込んでいる。
「あっ、あれは……」
ユタは屋内から出て来た壮年男性を見つけた。
「院長先生!」
ユタは困惑を隠しきれない院長に話し掛けた。
「あっ、あなたは……稲生さん」
この前、虫歯の治療で来たので覚えていた。
「何かあったんですか?」
「今朝出勤したら、玄関ドアのガラスが割られていて……。機械警備も作動しなかったんですよ」
「故障?」
「いや、そんなことはないらしくて……」
「何が盗られたんですか?」
(医者だから、金か薬か……)
威吹がそう予想していると、院長は意外な答えを返してきた。
「それが、何も盗られてないんだよ。ただ、公衆電話が使われた形跡だけが残ってて……」
「公衆電話!?」
ユタはその時、思い出した。確かに受付脇の机の上に、公衆電話が置いてあったことを……。
「ま、まさか……!」
[10日 08:10.北落合公園内]
「やっぱり……」
ユタが公園の中にある電話ボックスに駆け寄ると、ガラスドアは壊され、受話機だけがブラーンと垂れ下がっていた。
「班長、僅かに霊気を感じます」
長身の征丸に対し、小柄な死々丸が言った。
「そうだな。さっきの医者の所と同一犯か?ユタ、何か心当たりがあるみたいだね。良かったら、ボクに話してくれないか?何とかなるかもしれない」
「う、うん……」
ユタは重い口調で、経緯を話した。
続く
ユタの家にやってきたのは、3人の少年少女だった。見た目には、15歳前後である。
「征丸です」
「死々丸です」
「殺女(あやめ)です。よろしくお願いします」
全員が銀髪に白い肌であり、威吹と同じ色合いの着物に袴を着用していた(白の着物に紺色の袴)。
威吹の班は銀狐で固まっているのだろうか。
「これから3日間、人間界で見識を広げるわけだが、その間はオレとここにいる稲生ユウタ、愛称ユタ殿の指示に従うことだ。分かったな?」
「はい!」(×3)
(うん。頼もしい。これなら安心かも)
ユタはホッとした様子だった。見習い隊士では真剣は持てないのか、はたまたわざと置いてきたのかどうかは不明だが、3人の“研修生”達全員が木刀しか持ってないのが気になったが……。
[10日 02:00. ユタの部屋]
またもや、ユタのスマホがなる。期待を裏切らず、またもや公衆電話からとなっていた。
「もしもし?」
{「もしもし?ミクだよ。今、歯医者さんの中から掛けてるの。また少し近づいたわね」}
「な、何だって!?」
確かにユタの家の近所には、歯科クリニックがあるが……。
[10日 04;00. 同場所]
だが、今日は電話は1回だけでは終わらなかった。
「えっ!?」
また鳴った。それも、やっぱり公衆電話である。
{「もしもし。ミクだよ。今、近くの公園から掛けてるの。意外とこの町内って、公衆電話があるのね。いいことだわ。もうすぐ会えるわね」}
「キミは一体誰なんだ?」
しかし、電話は切れていた。
(これ……マズいよな?)
ユタはさすがに危機感を募らせた。
[10日 08:00.菊池歯科クリニック前]
「ユタぁ、どうしたの?いつも駅へ行く道と違うよ?」
「うん。知ってる」
威吹は相変わらず着物姿だが、研修に来た3人はブレザーにスラックス、スカートという、まるで今時の中学生の制服みたいな服装をしていた。
「うっ!」
クリニックの前にはパトカーが3台止まっており、玄関のドアにはブルーシートが張られている。その周りは、『立入禁止』と書かれた黄色いテープで規制線が張られていた。
「何かあったのか?」
威吹も目を凝らす仕草をした。生真面目そうな顔つきの征丸がノートを出して、何やら書き込んでいる。
「あっ、あれは……」
ユタは屋内から出て来た壮年男性を見つけた。
「院長先生!」
ユタは困惑を隠しきれない院長に話し掛けた。
「あっ、あなたは……稲生さん」
この前、虫歯の治療で来たので覚えていた。
「何かあったんですか?」
「今朝出勤したら、玄関ドアのガラスが割られていて……。機械警備も作動しなかったんですよ」
「故障?」
「いや、そんなことはないらしくて……」
「何が盗られたんですか?」
(医者だから、金か薬か……)
威吹がそう予想していると、院長は意外な答えを返してきた。
「それが、何も盗られてないんだよ。ただ、公衆電話が使われた形跡だけが残ってて……」
「公衆電話!?」
ユタはその時、思い出した。確かに受付脇の机の上に、公衆電話が置いてあったことを……。
「ま、まさか……!」
[10日 08:10.北落合公園内]
「やっぱり……」
ユタが公園の中にある電話ボックスに駆け寄ると、ガラスドアは壊され、受話機だけがブラーンと垂れ下がっていた。
「班長、僅かに霊気を感じます」
長身の征丸に対し、小柄な死々丸が言った。
「そうだな。さっきの医者の所と同一犯か?ユタ、何か心当たりがあるみたいだね。良かったら、ボクに話してくれないか?何とかなるかもしれない」
「う、うん……」
ユタは重い口調で、経緯を話した。
続く
こんな経験はないだろうか?狭い道の前方をママチャリババアがチンタラ&フラフラ走っており、競輪でいうところの番手絶望になってしまう状況……orz
ったく、ヘタな奴はチャリに乗るんじゃね~よ。ウゼ~し危険だぜ……と言いたいところだが、チャリ旅においてはそういう状況に陥ってしまうこと自体が敗北である。展開予想が甘かったからだ。邪魔ババアの存在をいち早く察知し、快走ルートに迂回するのが勝ち組の走りかただ。
とは言え、展開予想とは必ずしも当たるとは限らない。予想の百発百中はムリだ。「3連単は2つまでは当たる」という俺が作った格言があるが、惜しくもクソババアの番手にハマってしまう敗北状況はどうしても起こってしまうぜorz
こうなったらババア瞬殺マクリしかない!
まず、ババアの動きをよく見る。どんなババアにも蛇行にはリズムがある。ババアのリズムを見切るのだ。
リズムが読めたら、いざマクリだ。ポイントはタイミング。右にヨレ始めたババアはその瞬間は左にヨレる事はない。つまり左は安全圏。チャンスを逃さず瞬殺マクリだ。躊躇したら逆に危険だ。メイチのダッシュで一気に突き抜けるぜヒャッハ~ッw
ところで、ババアがマクリにビビって落車する事はないか……?
いや、まずね~よ。つ~か、ババアはハンドルの戻しに必死でマクリをキメられた事にさえ気付いてね~ぜw
ちなみに、競輪オヤジもレース中は必死で、たとえ財布をスラれても気付かね~よw
これ、歩道だったら余計危険ですよね。
「チャリは車道走れっ、この!」
と、突っ込みたくなりますよ。
でも、バスに乗っている時に出くわすと、
「歩道に上がれや、コラ」
と、なるんですよ。不思議なものですね。
私の陸上移動は電車、バス、タクシー、徒歩の4パターンしか無いからでしょうか。