報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「マリンスパあたみ」

2022-04-17 15:56:25 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月20日10:13.天候:晴 静岡県熱海市 大学病院前バス停→東海バス“湯~遊~バス”車内]

 ホテルをチェックアウトした私達は、最寄りのバス停に向かった。
 そこでバスを待っていると、奇抜なデザインのバスがやってきた。
 明らかに観光客向けの市内循環バスである。
 似たような物は仙台でも“るーぷる仙台”として運行されているし、横浜では“赤いくつ”が有名だろう。
 鎌倉でも似たような物が運行されていなかったか。
 そしてそれは、熱海でも同様であるようだ。
 バスは私達の前で停車した。
 そして、前扉を開ける。

 運転手:「1回乗車ですか?」
 愛原:「はい」
 運転手:「先払いで250円です」

 このバス会社の市内路線のみ有効の1日乗車券が売られているが、そこまでバスに乗る予定の無かった私は1回乗車を選択した。
 運賃は均一性で、どこまで乗っても同じ。
 熱海駅始発ということもあり、既に先客が座席を専有していた。
 私達は海側に向かって、吊り革に掴まる。
 バスは私達を乗せると、すぐに発車した。

〔次はお宮の松、お宮の松でございます。……〕

 他の観光客向けの循環バスでは、次停車停留所の名前だけでなく、その周辺の観光案内も流れる。
 それは何も、“湯~遊~バス”に限ったことではない。
 バスは海沿いの道を進む。
 途中のバス停にもあるように、海水浴場の前も通る。
 この為、海水浴シーズンは観光の車でよく渋滞するのだと、高橋が言った。
 このバスも、その時はもっと混むのだろう。
 また、国道135号線を走行しているのだが、途中で一方通行になる区間がある。
 渋滞対策でそのようにしたようだ。

[同日10:23.天候:晴 同市内 マリンスパあたみバス停→マリンスパあたみ]

 海水浴シーズンではないとはいえ、さすがに三連休中で尚且つ蔓延防止解除直前ということもあり、観光客の車で混雑している所があった。
 そういう所があった為に、バスも定刻より遅れたことだろう。
 しかし、そんなことは気にする必要は無い。
 こっちは、時間はたっぷりあるのだから。

〔「ご乗車ありがとうございました。マリンスパあたみです」〕

 降りる時は、中扉から。
 私達以外にも下車する乗客がいた。

 愛原:「さあ、着いた」
 リサ:「む、色々着込まないといけないスキーよりも、殆ど裸でいいプールの方がいい」
 愛原:「水着着用できない所もあるみたいだからな」
 リサ:「全裸ゾーン!」

 リサは鼻息を荒くして反応した。

 愛原:「その表現は正しいけど、オマエが言うと何だかなぁ……」
 高橋:「じゃあ、俺が言います!全裸ゾーン!」
 愛原:「いや、何だかなぁ……」

 人外と人外同様の性癖を持った者が言うから、モヤモヤするのかもしれない。

 愛原:「それじゃ、俺達はこっちだから」
 リサ:「また後で」

 料金を払って、それから更衣室へ。

 高橋:「先生、先にプールっスか?」
 愛原:「午前中、思いっ切り泳いで、午後は温泉にゆっくり浸かって帰るのがいいだろうと思ってね」
 高橋:「さすが名探偵です」
 愛原:「いや、探偵関係無いだろ」

 水着に着替えてプールに向かう。
 さすがに季節柄、屋外のプールはまだ使えないようだ。
 しかし、ウォータースライダーは使える。

 リサ:「サイトー、あれ!あの滑り台行こ!」
 高橋:「ウォータースライダーって言えよ……」

 高橋は苦笑した。
 私は手持ちのカメラを用意する。

 リサ:「先生、わたしとサイトーが滑り台から下りて来る所、撮って!」
 愛原:「ああ、分かった」
 高橋:「だから、ウォータースライダー」

 リサと絵恋さんは、ウォータースライダーのスタート地点に向かった。

 愛原:「距離は普通か」
 高橋:「全長73メーターってありますね」
 愛原:「だいたいフル規格の新幹線車両3両分か。まあまあの長さだな」
 高橋:「は、はあ……。あ、そうだ、先生」
 愛原:「何だ?」
 高橋:「あのウォータースライダーなんスけど、ああいうヤツってたまに変なハプニングが発生したりするんスよ?」
 愛原:「ハプニング?何だ?1人ずつ滑るから、ぶつかるなんてことはないだろ?」
 高橋:「いや、そういうことじゃないっス。リサの奴はいいんですけど、あのレズガキの方はハプニングが発生しやすいかなぁ……と」
 愛原:「何のこっちゃ???」

 私は首を傾げながらカメラをスライダーの出口に向けた。
 先にリサが滑り下りて来る。
 しかも着水の際、わざわざ1回転するパフォーマンスぶり。
 これをやりたかったのか?

 リサ:「華麗」
 愛原:「あ、ああ!上手いぞ!」
 高橋:「ああ、今日の昼飯はカレーな」
 愛原:「そっちのカレーじゃない!」

 次は絵恋さんの番だが……。

 絵恋:「きゃーっ!見ないでぇーっ!」

 着水する時に、既に両手で胸を隠していた。
 どうやら、途中でビキニブラが取れたらしい。

 リサ:「ちょっと行って来る」
 愛原:「あ、ああ、頼む」

 高橋は右手で頭をかいた。

 高橋:「たまーにあるんスよねぇ、こういうこと……」
 愛原:「そうなのか!?」
 高橋:「リサのはピッタリしたスポブラタイプなんで、ああいうハプニングはまず発生しないんスけど、タートルネックのブラって、結び方が緩いと滑ってる最中にああなるんスよ」
 愛原:「随分詳しいけど、過去にもそういう経験あるのかい?」
 高橋:「まあ、無いって言ったらウソになります」
 愛原:「あるんじゃねぇかよ!なにウソつこうとしてんだよ!?」

 尚、この時、私はカメラを止めるのを失念していた。
 その為、このカメラが見た決定的瞬間は、お宝映像として保存されることになった。

 リサ:「はい、サイトー」

 リサは後で流れて来た絵恋さんのビキニブラを回収すると、それで着け直してあげた。
 その際、外れないようにキュッとキツめに結んであげたようだ。

 絵恋:「うう……リサさん、ありがとう……。でも……恥ずかし過ぎる……」
 リサ:「今度はキツく締めたから大丈夫」
 絵恋:「ありがとう……。最近、胸がキツくて緩めてたから、まさかこんなことになるなんて……」
 リサ:「ほお……

 リサ、絵恋さんのブラを緩める。

 リサ:「サイトー、もう一回滑りに行く。異論は認めない」

 リサ、絵恋さんの手を握ると引っ張った。
 あれだけ緩いと、また外れてしまうだろう。
 いや、さっきよりも緩いせいで、胸がブラからはみ出そうだ。

 絵恋:「あっ、ごめんなさい!許してください!謝罪!」
 リサ:「滑り台の上から、直接プールまで自由落下の刑に処す!」
 絵恋:「やめてください!死にます!」

 リサ、ロリ体型貧乳を気にする。
 あれだけバクバク食べているのに体が大きくならないのは、変化の時の際のエネルギーに費やされているからだという。
 GウィルスとTウィルスの混合に感染した者に見られる傾向なのだそうだ。

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