[4月19日19:40.天候:雷 北海道・旭川空港 稲生ユウタ、マリアンナ・スカーレット、藤谷春人]
ユタ達が飛行機を降りたのは、所定のダイヤより10分遅れてからのことだ。
上空には暗雲が立ち込め、雷注意報が出ていた。
ユタが機内でマリアから聞いた話は、半分想像していたことだ。
件の老紳士が、マリアの祖父セイカー氏である可能性。
老紳士は山高帽を深く被っているため、顔まではよく見えない。
しかし白い髭は、家族の写真に写っているものとよく似ていた。
人間離れした動きから想像するに、セイカー氏はマリアの知る祖父ではないのだろう。
「よおっ!まさかの再会だな!」
緊張した面持ちで荷物を受け取り、到着口からターミナルの外に出ると藤谷が出迎えた。
「藤谷……専務」
「何だよ。法華講の役職でいいんだぞ」
「僕はもう辞めましたから」
「いつでも戻ってきていいからな。それより、今日はどうするんだ?どこかに泊まって、明日行くのか?」
「いや。どうせなら、もう今夜中にカタを付けたい」
と、マリア。
「今夜12時で、私の誕生日を迎える」
「それなら、尚更……」
「師匠が人質に取られてるんだ。ここで行かなかったら、師匠が大変なことになる。それどころか、ユウタ君もね」
「何か……大変だな」
「班長は僕達を送ったら、すぐに引き返してください。どうも、ヤバいみたいなんです」
「ヤバいだぁ?よく分からんが、とにかく行ってみよう」
[同日20:40.北海道・道央 ヤノフ城 ユタ、マリア、藤谷]
雷雨の中を走る1台のミニバン。
ワイパーが規則正しく動いている。
真ん中のシートにはユタとマリアが座っていた。
2人とも、魔道師のローブを羽織っている。
雨具の代わりであるし、魔法の力でもって敵の攻撃を弾く防具でもある。
2人は緊張した様子で終始無言、マリアは俯いていたが、
「2人とも」
藤谷の言葉に顔を上げた。
「見えてきたぜ。旧ロシア帝国の貴族の城、ヤノフ城だ」
それは突然現れたといった感じだった。
「日本のテーマパークに合わせているが、しかし古城のイメージを残す為に、向こうで建てられていた状態をできるだけ再現しているようにしているぞ」
「へえ……」
「城門の前で構わない。そこで、私達を降ろしてくれ。あとは、ここからすぐ離れてほしい」
マリアは藤谷に言った。
「何と戦うのかは知らんが、あまりド派手にはやらないでくれよ。まだ建築中なんだからな」
「! 班長は内部の構造をご存知で?」
「そりゃあ、藤谷組の代表として来てるわけだからなぁ……。立場上、どういう仕掛けなのかも知ってるぜ」
「マリアさん、班長にも一緒に来てもらいましょうよ?」
「ダメだ。普通の人間が行くには危険過ぎる。これは魔道師の戦いだ!」
「足でまといにならない装備ならあるが……」
藤谷は城門の前で車を止めた。
「キミ達の後ろ……ハッチの箱の中を見てみな」
「えっ?」
その中に入っているのはショットガンとライフルだった。
「ええーっ!?これは一体……!?」
「この車、親父がアウトドアで使ってるヤツなんだけど、アウトドアって狩猟のことらしいな。ゴルフクラブでも入ってるのかと思ったよ」
「いいんですか?持ってきちゃって……?」
「親父に、『返せこの野郎!』って怒られた。てへてへw」
「当たり前じゃないですか!」
「今日はこれを使わせてもらう。稲生君も好きなのあったら、持ってっていいぞ」
「いやっ、そういうわけには……!」
「……どうなっても知らんぞ」
城門の中から堂々と入って行くのかと思いきや、作業用リフトで城壁の上に上がって行く。
「城門とかは別の会社がやってるんだ。だから鍵は無い。城の中に入りたいなら、上から行く」
とのことだった。
城壁の上に降り立つ。
「……。特に、気配はないですね」
「中で待ち構えてるんだ、きっと」
「なるほど……。班長、中に入れますか?」
「ちょっと待ってろ。確か、このドアから……」
藤谷はカードキーを取り出した。
「電子ロック!古城なのに……」
「この辺は一般の客は出入りしない、バックヤード的な所らしいんだ。客の通らない所は基本、最新式だよ」
ピッ!ピー!(電子ロックの外れる音)
「よし、入ろう」
藤谷はショットガン片手に、ユタはマリアからもらったハンドガン片手に、マリアは魔道師の杖を片手に城内に入った。
いきなり真っ暗な部屋なので、藤谷はヘルメットに装着したヘッドランプを点灯させている。
「暗いから足元に気をつけて。一応、機械警備は全て解除させてはいるが、なるべく物音は立てないように……」
「は、はい」
「……了解」
だが!
ドンガラガッシャーン!
「!!!」
藤谷、ペール缶に躓いて派手にスッ転ぶ。
「は、班長!大丈夫ですか!?」
「くそっ!道具カタしとけって言ったのに!ペンキ屋の連中め!」
「……というか、物音立てるなって言ったの、オマエだよな?」
マリアはジト目で藤谷を見た。
「……先を急ぎましょう」
次なる部屋に行く。
さっきのド派手な音を立てたからなのか、何か妙に気配を感じるというか……。
「班長、今日は作業やってないんですよね?」
「ああ。日曜日だからな」
「でも何か、気配を感じるというか……」
「おいおい。確かに何か出そうな城だけどよー、オバケまで輸入はカンベンだぜ」
「シッ!静かに」
バッと何かの影が一瞬マリア達の前にいたが、すぐに消えた。
「誰だ!?」
「どうした、マリアさん?」
「……この城、やっぱり何かいる」
「やっぱり……」
「マジかよ。無人のはずの城に不気味な気配か。ホラーもいい所だぜ」
「早く明るい所に行きたいですね」
「照明が点いている所があるはずだ」
「えっ?」
「ホールとか、その辺は夜間もシャンデリアとか点灯させてるって聞いたぜ。だから外から見た時、窓に明かりが見える所がチラホラあっただろ?正にそういう所だよな」
「なるほど……」
「松明とか蝋燭ではないんですね」
「さすがにそこには日本の消防法がキツくて、それらしい演出しかできねーよ」
「なるほど……」
「本当に、こんな所にお師匠さんがいるのか?」
「そのはずだ」
「もし捕えられてるってんなら、地下牢とかじゃねーか?」
「そんなのがあるんですか!?」
「ああ。ヤノフ城ってのは迷路みたいな地下道もあったらしくてよ、それもアトラクションに使えるってことで、それも再現してるぜ。多分、地下牢に収監した囚人が脱獄しにくいように、わざと複雑な造りをしていたんだと言われてる」
「そこへ行ってみるか。どうやって行ける?」
「ちょっと待て。えーと……」
藤谷は手持ちの資料を取り出した。
それは城の図面。
「ホールを通って行けるみたいだぞ」
「そこへ行こう」
3人は更に城の奥へと進んだ。
窓の外から時々入ってくるは雷鳴と雷光。
正に、正念場を演出していた。
ユタ達が飛行機を降りたのは、所定のダイヤより10分遅れてからのことだ。
上空には暗雲が立ち込め、雷注意報が出ていた。
ユタが機内でマリアから聞いた話は、半分想像していたことだ。
件の老紳士が、マリアの祖父セイカー氏である可能性。
老紳士は山高帽を深く被っているため、顔まではよく見えない。
しかし白い髭は、家族の写真に写っているものとよく似ていた。
人間離れした動きから想像するに、セイカー氏はマリアの知る祖父ではないのだろう。
「よおっ!まさかの再会だな!」
緊張した面持ちで荷物を受け取り、到着口からターミナルの外に出ると藤谷が出迎えた。
「藤谷……専務」
「何だよ。法華講の役職でいいんだぞ」
「僕はもう辞めましたから」
「いつでも戻ってきていいからな。それより、今日はどうするんだ?どこかに泊まって、明日行くのか?」
「いや。どうせなら、もう今夜中にカタを付けたい」
と、マリア。
「今夜12時で、私の誕生日を迎える」
「それなら、尚更……」
「師匠が人質に取られてるんだ。ここで行かなかったら、師匠が大変なことになる。それどころか、ユウタ君もね」
「何か……大変だな」
「班長は僕達を送ったら、すぐに引き返してください。どうも、ヤバいみたいなんです」
「ヤバいだぁ?よく分からんが、とにかく行ってみよう」
[同日20:40.北海道・道央 ヤノフ城 ユタ、マリア、藤谷]
雷雨の中を走る1台のミニバン。
ワイパーが規則正しく動いている。
真ん中のシートにはユタとマリアが座っていた。
2人とも、魔道師のローブを羽織っている。
雨具の代わりであるし、魔法の力でもって敵の攻撃を弾く防具でもある。
2人は緊張した様子で終始無言、マリアは俯いていたが、
「2人とも」
藤谷の言葉に顔を上げた。
「見えてきたぜ。旧ロシア帝国の貴族の城、ヤノフ城だ」
それは突然現れたといった感じだった。
「日本のテーマパークに合わせているが、しかし古城のイメージを残す為に、向こうで建てられていた状態をできるだけ再現しているようにしているぞ」
「へえ……」
「城門の前で構わない。そこで、私達を降ろしてくれ。あとは、ここからすぐ離れてほしい」
マリアは藤谷に言った。
「何と戦うのかは知らんが、あまりド派手にはやらないでくれよ。まだ建築中なんだからな」
「! 班長は内部の構造をご存知で?」
「そりゃあ、藤谷組の代表として来てるわけだからなぁ……。立場上、どういう仕掛けなのかも知ってるぜ」
「マリアさん、班長にも一緒に来てもらいましょうよ?」
「ダメだ。普通の人間が行くには危険過ぎる。これは魔道師の戦いだ!」
「足でまといにならない装備ならあるが……」
藤谷は城門の前で車を止めた。
「キミ達の後ろ……ハッチの箱の中を見てみな」
「えっ?」
その中に入っているのはショットガンとライフルだった。
「ええーっ!?これは一体……!?」
「この車、親父がアウトドアで使ってるヤツなんだけど、アウトドアって狩猟のことらしいな。ゴルフクラブでも入ってるのかと思ったよ」
「いいんですか?持ってきちゃって……?」
「親父に、『返せこの野郎!』って怒られた。てへてへw」
「当たり前じゃないですか!」
「今日はこれを使わせてもらう。稲生君も好きなのあったら、持ってっていいぞ」
「いやっ、そういうわけには……!」
「……どうなっても知らんぞ」
城門の中から堂々と入って行くのかと思いきや、作業用リフトで城壁の上に上がって行く。
「城門とかは別の会社がやってるんだ。だから鍵は無い。城の中に入りたいなら、上から行く」
とのことだった。
城壁の上に降り立つ。
「……。特に、気配はないですね」
「中で待ち構えてるんだ、きっと」
「なるほど……。班長、中に入れますか?」
「ちょっと待ってろ。確か、このドアから……」
藤谷はカードキーを取り出した。
「電子ロック!古城なのに……」
「この辺は一般の客は出入りしない、バックヤード的な所らしいんだ。客の通らない所は基本、最新式だよ」
ピッ!ピー!(電子ロックの外れる音)
「よし、入ろう」
藤谷はショットガン片手に、ユタはマリアからもらったハンドガン片手に、マリアは魔道師の杖を片手に城内に入った。
いきなり真っ暗な部屋なので、藤谷はヘルメットに装着したヘッドランプを点灯させている。
「暗いから足元に気をつけて。一応、機械警備は全て解除させてはいるが、なるべく物音は立てないように……」
「は、はい」
「……了解」
だが!
ドンガラガッシャーン!
「!!!」
藤谷、ペール缶に躓いて派手にスッ転ぶ。
「は、班長!大丈夫ですか!?」
「くそっ!道具カタしとけって言ったのに!ペンキ屋の連中め!」
「……というか、物音立てるなって言ったの、オマエだよな?」
マリアはジト目で藤谷を見た。
「……先を急ぎましょう」
次なる部屋に行く。
さっきのド派手な音を立てたからなのか、何か妙に気配を感じるというか……。
「班長、今日は作業やってないんですよね?」
「ああ。日曜日だからな」
「でも何か、気配を感じるというか……」
「おいおい。確かに何か出そうな城だけどよー、オバケまで輸入はカンベンだぜ」
「シッ!静かに」
バッと何かの影が一瞬マリア達の前にいたが、すぐに消えた。
「誰だ!?」
「どうした、マリアさん?」
「……この城、やっぱり何かいる」
「やっぱり……」
「マジかよ。無人のはずの城に不気味な気配か。ホラーもいい所だぜ」
「早く明るい所に行きたいですね」
「照明が点いている所があるはずだ」
「えっ?」
「ホールとか、その辺は夜間もシャンデリアとか点灯させてるって聞いたぜ。だから外から見た時、窓に明かりが見える所がチラホラあっただろ?正にそういう所だよな」
「なるほど……」
「松明とか蝋燭ではないんですね」
「さすがにそこには日本の消防法がキツくて、それらしい演出しかできねーよ」
「なるほど……」
「本当に、こんな所にお師匠さんがいるのか?」
「そのはずだ」
「もし捕えられてるってんなら、地下牢とかじゃねーか?」
「そんなのがあるんですか!?」
「ああ。ヤノフ城ってのは迷路みたいな地下道もあったらしくてよ、それもアトラクションに使えるってことで、それも再現してるぜ。多分、地下牢に収監した囚人が脱獄しにくいように、わざと複雑な造りをしていたんだと言われてる」
「そこへ行ってみるか。どうやって行ける?」
「ちょっと待て。えーと……」
藤谷は手持ちの資料を取り出した。
それは城の図面。
「ホールを通って行けるみたいだぞ」
「そこへ行こう」
3人は更に城の奥へと進んだ。
窓の外から時々入ってくるは雷鳴と雷光。
正に、正念場を演出していた。
http://www.jreast.co.jp/nagano/pdf/150227-2.pdf
https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%AD%E3%83%8F110+%E6%9C%B1%E8%89%B2&lr=lang_ja&hl=ja&tbs=lr:lang_1ja&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=MPU0VdndH-bamAX14YHwBg&ved=0CAcQ_AUoAQ&biw=1280&bih=589
いずれは、やると思っていましたよ。
意外と早かったですね。
変な終わり方しやがる。
次のスレでは早くBの正体が明らかにならんことを。
通名ではなく、本名まで明らかになれば尚可。
途中からの関係者の慌てぶりは凄まじかったですが、よほど地雷を踏んだんでしょうねぇ。
ああいうのは3日に一度くらいの閲覧がいいと思うのですが、正体ばれたところでネットですから、知りませんで押し通すでしょう。
次はドコが熱い情報源になるんでしょう
爆サイは、スレ住民のバンドの存在への疑問?と
何よりもチケット売上の損害賠償払えが、豚カツ・・じゃない、恐○だとの指摘で、ヤバい!勇み足した!と泡食ったのじゃないですかね?
で、いかにも?あれは、愉快犯?の荒らし?が勝手に?やったんだ?と素知らぬ?顔?して終了に向かわせたみたいですからね? またどこかで熱いスレできますかね?
もしや、S坊の掲示板や、O浦氏の掲示板等に誕生して、B氏もP嬢も最早手が出ない状態になったりして?(笑)
このままスレ終了は、向こうの思うつぼのような気がして、何かイラッと来ますね。
少なくとも、ここがアツくなることはないと思います。
さきほど3日に一回の閲覧をしたら再開されてましたね。
しかも題名がこれ見よがしに「顕正会④+パラパラ茜嬢とB氏K氏を批評しよう!」ですよ。
実名出てますね、ちょっとまずいのでは・・・。
しかし煽り上手というか、これでまたブチ切れる人が出てきますね。
あの人、そんなに評判悪いんですかね?
それよりも権兵衛さんが仰るサイトがなかなかヒットしないので、できればURLを貼り付けて頂きたいのですが……。
確かに正体が晒されていますね。
これで通名ではなく、本名も分かればモア・ベターなんですがね。
ま、身から出た錆びってヤツでしょう。